淡く遠い幻へ
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私は、私が何か活躍する度に。いや、行動する度に彼女のことを思い出す。今の私が、過去の私が居るのも彼女のお陰だから。なのに、なのに、私は彼女を止められなかった。
私の方を向き、微笑みながら宙を舞う彼女は時が止まったかのように静かに、都会の騒音にもみ消されながらゆっくりと落下していった。


私が初めて彼女に出逢ったのは、平年より遅く、もう8月に入ったというのに梅雨が明けていない8月の4日だった。その日は寝坊してしまい、テレビの天気予報なんて見ている暇もなく何時もより雑に支度をしていた。母が天気について教えてくれたが、それどころじゃない私はそれを聞き流していた。今になって思えば、もしそのとき、私が出たときに雨が降っていたら彼女と逢うことは無かったのかもしれない。

3限目もそろそろ終わるというとき、真横にある窓ガラスに”ポツン”と水滴が付いた。それは瞬く間に増え、大雨となっていった。そんな中も私は、折り畳み傘が入っている筈だから大丈夫、という謎の自信によって確認をしようとはしなかった。

やはりと言うべきか、折り畳み傘は鞄の中には入っておらず、かといって相談する友人も居ない私は途方に暮れていた。完全下校時間が近づき、猛ダッシュで帰ろうかなどと考えていた矢先、彼女は何時の間にかに私の横に、淡い赤色の傘を持って立っていた。シルクのように白く美しい肌に、なめらかな長髪の黒髪。その現実離れした美しさに私は彼女に目を向けたまま固まり、見とれていた。


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