消えぬなら

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: オブジェクトは基本的に保管庫にて収容が行われますが、プロトコル・シュードウ-シンギュラリティ発令時に限り技術要員5名の立会いの下、財団データベース内部における全てのデータに対するアクセスが許可されます。

プロトコル・シュードウ-シンギュラリティ: 何れかの要注意団体或いは未収用のアノマリーによる財団データベースに対する異常手段を用いた干渉が行われた際に発動されます。当プロトコルの発令が行われた際は速やかにSCP-XXX-JPの収容の解除を行い、財団データベースに対する干渉を可能とする電子機器に接続させて下さい。また、当プロトコルの発令は、財団データベースに記録、或いは付属するデータの消滅に対して技術要員による対処が非常に困難な際に限り許可されます。

説明: SCP-XXX-JPは未知の金属からなる3m×3m×3m、4.2tの立方体です。

X線撮影法を用いた非破壊検査の結果、内部は一般的な中央演算処理装置1に酷似していることが判明しています。しかし、表面部の金属が破壊耐性を有しているため、その詳細は現在未解明です。

SCP-XXX-JPの異常性はオブジェクトの内部装置による異常手段を用いたストレージ機能であり、主にその保存機能が特筆すべき点として挙げられます。当異常性の使用を行う際は、SCP-XXX-JPによる干渉を行わせたいファイルが存在する電子機器(以降SCP-XXX-JP-Aと表記)に対し、オブジェクトの表面に存在する四本のケーブル2を用いてポート或いはコネクターに接続することで使用が可能となります。接続が完了した時点にて、SCP-XXX-JP-A内部の接続機器にeicrs3という名称の接続先が追加され、ファイルの転送が可能となります。その後、SCP-XXX-JPにファイルの転送が完了した地点で異常性が発動し、内部に転送されたファイル(以降SCP-XXX-JP-Bと表記)は永続的に内部に保存されます。

保存が行われた直後、SCP-XXX-JP内部に存在宇するデータを除き、現存する全てのSCP-XXX-JP-B、及びそれに関連するデーターは何らかの異常干渉により抹消されます。また、当オブジェクトを用いた実験により、抹消が行われたSCP-XXX-JP-Bと同様のファイルを新たに作成した際も抹消の対象とされる事が判明しています。

SCP-XXX-JP内部に保存されたSCP-XXX-JP-Bは電子機器をSCP-XXX-JPに接続した際にのみ閲覧が可能となり、接続を解除した時点でその閲覧は不可能となります。また、SCP-XXX-JP内部に存在するSCP-XXX-JP-Bに対する新たな書き込みは不可能であることが判明しています。

SCP-XXX-JPは20██/03/17において発生したSCP-████-JPが原因と見られる時空間の変動によって出現が確認されました。当初SCP-████-JPに関連する物品として収容が行われていましたが、SCP-████-JPの異常性が解明された事により異なるオブジェクトとして再収容が行われました。以下は再収容時に行われた実験の記録です。

実験記録XXX

対象: SCP-XXX-JP
実施方法: SCP-XXX-JPに対しD-45646を撮影した画像ファイルの転送を行う。
結果: 転送が完了した地点にて実験に使用したカメラの内部フォルダから当画像ファイルが消滅していることが判明した。

実験記録XXX

対象: SCP-XXX-JP
実施方法: SCP-XXX-JPに対しD-57477を撮影した画像ファイルの転送を行った後、ファイルの回収を行う。また、この際転送に用いる電子機器と異なる媒体内にファイルの複製を添付しておく。
結果: 転送が完了した地点にて複製を行ったファイルの消滅が確認、また、ファイルの回収は失敗。

上記の実験結果から、緊急時において極秘ファイルの保存、隠蔽を可能とする事から、当オブジェクトのThaumielクラスへの再分類が申請されました。内部構造が未解明な為案は棄却されました。当オブジェクトを用いた極秘ファイル等の保存を行うプロトコルの設立が申請されています。可決されました。

現在17個のファイルがO5評議会によってSCP-XXX-JP内部に保存、隠蔽されています。

補遺: 20██/06/18において、SCP-XXX-JPの調査を担当していた化学部門所属の研究員により、収容以前からSCP-XXX-JP内部に存在していたファイル(SCP-XXX-JP-B-α)の存在が報告されましたが、ファイル内部を構成する分における言語が不明なものであり読解が困難な為、現在特設された広領域言語学チームによって調査が行われています広領域言語学チームの解析により、その文体が主にヒンドゥー後における文法に倣ったものということが判明。その後3ヶ月経過したのち、その内容が解読されました。以下はその内容です。

ファイルの容量が残りわずかな為、簡易的なメモのみを添付する。

これを閲覧する者がまだ砂になっていないことを祈る。

私の今滞在している村には既に人は居ない。

恐らくみな避難したのだろう。

風化が始まってから既に1週間が経過している

私はまだ水分を確保できているから問題ない。

だが、皆が今居るであろうシェルターに近い内に移動できれば幸いだ。

生憎星外に長期外出していた為、私はシェルターの場所を聞けていない。

もしこれを読んでいる者が居るのなら、私のところまで来て案内してほしい。

辺りに砂が多く積もっているせいで余り移動が出来ない。
飛行型キャビンを持って来てくれればありがたい。

建造物が風化減少に含まれて居ないのは不幸中の幸いだ。

我々が風化してしまう原因は未だ掴めていない。

私は自立走行型ドローンにこのデバイスを持っていかせるつもりだ。

私の位置が掴めるよう発信機も入れてある。

直ぐに来なくてもいい。

いつか来てくれればいい。

来てくれればいい。

来てくれるまで、信じて待っていればいい。

私は待って、村を整備し、研究を続け、明かりを絶やさないようにする。

私が整備し続ける限り、村は村でいられる。

村がある限り皆もいずれ帰ってくる。

帰る場所がある限り、皆は必ず生きている。

頼んだ。

親愛なる仲間たちへ、愛をこめて。


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  1. portal:7713699 (23 Oct 2021 07:52)
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