ケレス

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SCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Khonsuυ1 Truculent2

特別収容プロトコル: 現在SCP-XXX-JPは異常性が予測不能な状態なため、未解明物品収容ロッカーに収容してください。新たな異常性が発現する恐れがあるため、職員はSCP-XXX-JP周辺及びSCP-XXX-JP-A内部を常に監視し続けてください。また、新たな異常性を確認した職員は異常性識別プロトコルを用いて異常性がどのような効果を及ぼすか迅速に判断し、活性時対応-αもしくは活性時対応-βを行ってください。

異常性識別プロトコル: SCP-XXX-JPに発現した新たな異常性が一般人に認知される可能性が有る場合は活性時対応-αを行ってください。又、複数の事例が同時に発生し、その中に活性時対応-αを要する事例が含まれていた際はそれを優先してください。

活性時対応-α: サイト付近の一般人に危害が及び当オブジェクトの存在が認知される可能性が考えられるため、カバーストーリー「広範囲の放射能汚染」を流布した後にサイト付近2km内部に存在する全ての一般人を退避させてください。また、物体が発生した際は迅速に収容し物体が外部に出現した際は速やかに対象を終了及び破壊してください。

活性時対応-β: 発現した異常性に対してサイト内部での対応が可能、及び現実世界に影響がもたらされていない場合は異空間事象部門及び時空間観測部門より研究員を2名招集し、観測及び調査に当たらせてください。その結果、現実世界に新たな異常性が発現する恐れが出た際は速やかに活性時対応-αを行う配置についてください。

説明: SCP-XXX-JPはパンコムギ(学名: Triticum aestivum)に酷似した外見を有している植物型の実体です。SCP-XXX-JPは調理し、口にすることで異常性を発現します。この際どのような調理方法でも異常性が発現することが確認されています。SCP-XXX-JPを口にした人物は非常に高い現実改変能力を有した生物(以降SCP-XXX-JP-Bと呼称)が存在する空間(以降SCP-XXX-JP-Aと呼称)へ送られます。SCP-XXX-JP-A内部は

ディメンション 特徴
草原 地表に未知の植物が生息している。
山岳 地表が堆積岩に酷似した外見を有する鉱石で生成されている。
真空 内部に物質が存在せず、真空状態となっている。
火山内部に酷似した空間 地表が不安定で溶岩が存在している。

の4つのディメンションで構成されています。この内(火山内部に酷似した空間)にはSCP-XXX-JP-Bが生息しています。SCP-XXX-JP-A内部に転移した人物は転移後左腕にSCP-XXX-JPを有しており、SCP-XXX-JPを折ることにより、SCP-XXX-JP-A内部から脱出が可能です。脱出した人物は、半年後死亡し、死亡から半年後に再度生き返ります。

発見経緯: 20██年12/5に群馬県████市にて、約24名が不審死を遂げその死体が死後一ヶ月経過後も腐敗せずに原型を保っているとの情報を財団が入手しました。何らかの異常存在が関連していると考えられエージェント████による調査が行われた結果、不審死を遂げた人物には████市が独自開催していたギリシャとの交流イベントにて、ギリシャ産の小麦(SCP-XXX-JP)を使用したクロワッサンを摂取したという共通点が見つかりました。ギリシャ産の小麦に何かしらの異常性があると判断した財団は████市にカバーストーリー「感染症ウイルスの付着」を流布し当該する小麦を回収、又不審死を遂げた24名の遺体を████市直近のサイトの安置室に保管しました。
その後、SCP-XXX-JPの発見から半年が経過すると同時に████市直近のサイトに保管されていた24名が一斉に蘇生する現象が発生。即座に低危険度人形実体収容房へと収容されました。██博士が対談を行った結果24名中17名が
「パンを食べたあと突然周りが暗くなり、気がついたら見知らぬ空間に居た」及び「見知らぬ空間から戻ってきて暫くしたら、所々火が燃えている暗い空間に飛ばされた」と証言しています。その後も対談を行いましたが、対象の記憶に混濁が見られ、新たな情報の入手が不可能であると判断し、Aクラス記憶処理を施した後開放しました。

調査記録-α: SCP-XXX-JP収容後、SCP-XXX-JPの異常性を調査するため10日間生存が可能な食糧、音声記録媒体、映像記録媒体を所持したD-4657をSCP-XXX-JPによりSCP-XXX-JP-A内部へと転移させました。以降はその記録です。

<ログ開始>
D-4567: 転移が完了した。左手にSCP-XXX-JPが握られている。転移した時に所持していなかったら、これはSCP-XXX-JPの異常性の一部だろう。恐らくここがSCP-XXX-JP-A内部だ。辺り一面に草が生い茂っている。映像を記録しておく。周りには草以外には何もない。少し移動する。

D-4567: 変化があった。地面に草が無くなってきて、ごつごつとした岩がたくさんある。

D-4567: さっきから急斜面が続いている。恐らくここら辺は山岳地帯だ。地面には所々苔があるだけで、土は見当たらない。地面は全て岩だ。

D-4567: やっと山頂にたどり着いた。辺りを見渡してみたが、霧が濃くてどうも遠くまで見えない。一応映像を記録しておく。

D-4567: なんだこれは….山の麓に異常な空間がある。光が通って無いかのように真っ暗な空間だ。地面はあると思うが…一応映像を記録しておく。この中の調査は控えさせて….もらえないよな…。

D-4567: 異常空間に侵入する。

(数秒間の沈黙の後、D-4567のうめき声が流れる。)

D-4567: 内蔵が….つぶれた….。致命傷だ….。[削除済み]が…….。

(SCP-XXX-JPを折る音が流れる。)

D-4567: は、ははっ…。意味がわかんねぇ…..戻ってこれた…。
<記録終了>

直後、財団職員により衰弱したD-4567が発見されました。映像記録媒体は内部より破裂した形で破壊されており、内部データの復元の試みは失敗に終わりました。音声記録媒体には欠損が見られなかったため、D-4567が異常空間の内部に侵入した際に、背後に着用していたと考えられます。

終了後報告: 調査記録-αを受け、SCP-XXX-JP-Aの更なる調査が必要とされました。

調査記録-β: 調査記録-aを受け再度調査が必要と考えられたため、異次元事象部門からDr.██異宙調査部門よりエージェント████が派遣され、両部門が作成した軽量型計測器及び、異次元事象部門により開発された異空間を通しての映像共有を可能とする映像通信媒体を所持した後、調査が行われました。以降はその記録です。

<ログ開始>
エージェント████: 転移完了だ、D-4567の報告の通り左手にSCP-XXX-JPを所持させられている。これより計測を開始する。

エージェント████: 結果が出た。私の計測器は現実世界に起因する微小なエネルギーを検知し、Dr.██の計測器はエネルギーを検出しなかった。この事から、恐らく現実世界と繋がっているのはSCP-XXX-JPのみで、この空間は異次元でもなければ、別宇宙でも、並行世界でもない。つまり…その..言い方が見つからないが、私が知る限り、このような結果を示すと考えられるのは死後の世界くらいだ。

Dr.██: 残念ながら、私も彼と同じ意見だ。それと…一つだけ気になっているのだが、草原と真空の空間の間には山岳地帯が存在している筈なのだが…草原が真空の空間に直結している。それに、草原も前回の調査で採取されたサンプルとは全く別の植物が生えている。いや、例の植物が枯れた、という見方が正しいのかな。それに、所々雪が積もっている。

エージェント████: ああ、まるで冬だ。

エージェント████: 取り敢えず、SCP-XXX-JP-Bの所まで進んでみるとするか。

Dr.██: そうですね。

エージェント████: 人形実体を確認。例の現実改変能力者と予測します。接近するにつれヒューム値が異常上昇、数値は625です。対象は現実改変の異常性を有していると予測し行動されます。

Dr.██: それに、常時大声で怒鳴っている。

SCP-XXX-JP: あぁ…ペルセポネ…。あの男はなぜ探しに行かない…。私の小麦を与え、さらに恩まで与えたというのに…。こうなれば..私の手で送るしか無いのでしょうか…。全て貴方の所為よハデス…。Αυτός ο……..λός άντρας στη θέση τ……….οξου. Μισούσα τ……ισεί, μισεί. Να ξέρεις τη θλίψη μου3

エージェント████: 叫ぶと言うよりは、怒号に近い叫び声だ。一体何を言っているんだ…?

Dr.██: 報告と異なる情報ばかりだ。これは困ったな…。恐らく前回の調査時よりSCP-XXX-JPの現実改変の力が強まっている..。

エージェント████: 多分そうだな…って、なんだと。俺は折ってねぇ…。なんでSCP-XXX-JPが砕けてやがる…。
<記録終了>
その後エージェント████及びDr.██の帰還が確認されました。また2名の帰還時、周囲にパンと思われる物体が同時に出現していました。

終了後報告: 調査記録-β終了後、前回の調査から約半年となるD-4567の死亡が確認され、SCP-XXX-JPを摂取した人物が転移する異常性が消滅しました。

報告-A: 調査記録-α終了から半年が経過後D-4567の死亡が確認されました。しかし、死亡確認後から1ヶ月経過後も死体の腐敗が進まないため死体安置所に保管されました。

報告-B: 調査記録-β終了から半年が経過後エージェント████及びDr.██の死亡が確認され、同時に死亡が確認されていたD-4567の蘇生が確認されました。D-4567は蘇生後に

SCP-XXX-JP-Aで見たSCP-XXX-JP付近の溶岩地帯に酷似した世界を見ていた。

と証言しています。

報告-C: 報告-Aから半年が経過後エージェント██の蘇生が確認され、D-4567と同様の証言を行いました。

報告-D: 報告-Bから半年が経過後エージェント████及びDr.██の蘇生が確認され、上記と同様の証言を行いました、又、この際Dr.██は

虚ろな目をし、SCP-XXX-JPに酷似した稲を握りしめた一人の女性を見た。

と証言しました。

報告-E: 以上の報告を受け、SCP-XXX-JPの異常性が完全に消滅したわけではないと考えられ、更なる調査方法の考案が行われました。

実験-α: 異宙転移部門により、調査記録-βにより入手したパンを元に同じく調査記録-βにより入手した植物を用いての調合が行われました。その結果SCP-XXX-JPと同様の異常性を有したオブジェクト(SCP-XXX-JP-C)の生成に成功しました。以降はSCP-XXX-JP-Cを用いて再度調査に向かったエージェント████及びDr.██の調査記録です。

<ログ開始>
エージェント████: 転移完了。到着した…が、これはたまげた。前回とは見違えるほど植物が生き生きとしている。雪も見えない。前回同様SCP-XXX-JP-Bに向け移動する。

エージェント████: おっと…山岳地帯があるな。恐らく真空になっていた空間が戻ったのだろう。

Dr.██: 山岳地帯を抜けました。矢張りこちらも真空ではなくなっています。SCP-XXX-JPが一面に生え、中心に一台のテーブルと一脚の椅子がある。映像を記録しておこう。

エージェント████: 前回はこの地点であり得ないほどのヒューム値を観測したのだが..。147とは、前回と比べて格段に数値が低下している。

エージェント████: SCP-XXX-JP-Bを発見した。恐らく向こうも此方に気付いている、会話を試みる。

SCP-XXX-JP-B: Γέφυραの方々ですね。あなた方には非常に感謝しております。ペルセポネを見つけ出してくれた。ですが..私はペルセポネと共に過ごすことはできない..。私はこの世界を維持するため、冥界の者からこの世界を直接守らなければならないのですから。

エージェント████: あぁ、その…なんだ。感極まってるとこ非常に申し訳ないのだが、この世界を直接守る…ってどういう事だ?

SCP-XXX-JP-B: ええ。答えましょう。この空間はあなた方の世界と、冥界以外との関わりはありません。故に非常に不安定な空間なのです。嘗てはエレウシスの王に助力を求めていましたが、彼はもう居ません。故に私一人でこの空間を維持しなければいけない。そのためには私がこの空間そのものと同化するしかないのです。

Dr.██: ええと、つまりあなたはこの空間と同化することで、この空間を維持しようとしているという事でしょうか。
SCP-XXX-JP-B: その通りよ。もうじきペルセポネが来るのだけれど、私は会うことはできないかもしれないわ。私の椅子を作ることはできない..。でも、彼女が無事ならそれでいいわ。さぁ、あなた達もそろそろ戻らないと。そろそろ完全に同化が終了するわ。なんの返礼も渡せず、本当に心苦しいわ。

Dr.██: えぇ。では、そろそろ我々も帰ることにします。

SCP-XXX-JP-B: えぇ。ありがとう。Γέφυραの方々。

(SCP-XXX-JP-Bの姿が変形。付近の植物と同化する。)

エージェント████: じゃあ..映像通信媒体を設置して帰還するか。

Dr.██: そうしましょう。長居はできなさそうです。

エージェント████: 設置完了。これで任務は終了だ。

(SCP-XXX-JPを折る音)
直後エージェント████及びDr.██の帰還が確認されました。

終了後報告: SCP-XXX-JP-A内部にエージェント████が設置した映像通信媒体からは、SCP-XXX-JP-A内部に存在する椅子とテーブルの風景が確認されました。

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Dr.██が記録した映像

変異: 20██年9/09に異常性が消滅したと考えられていたSCP-XXX-JP周囲に突如大規模な真空地帯が発生しました。即座にカバーストーリー(新種の病原体)を流布し、SCP-XXX-JPが収容されているサイト周囲の一般市民を退避させました。発生から約一時間後に真空地帯の終息が確認されましたが、真空地帯内部に存在していた物品等が一部消滅し、SCP-XXX-JPがザクロに酷似した外見に変貌していました。同時にSCP-XXX-JP-A内部には大量の雪が降り、真空地帯が再出現していることが確認されました。又、内部には真空地帯が発生時に消滅したとされる物品等が確認されました。

SCP-XXX-JPの新たなる異常性を受け、財団は再度SCP-XXX-JP-Cと同様の物品の作成を試みていますが、依然成功例は出ていません。今後、SCP-XXX-JPは研究の優先順位度が上げられ、早急なる対処を求められています。

実験-β: SCP-XXX-JPの外見の変貌を受け、SCP-XXX-JPに新たな異常性が発現している可能性があると考えられたためDクラス職員を用いてSCP-XXX-JPを摂取するという実験が行われました。
以下はその結果です。

14:15: 当該するD-クラス職員(以降D-5287)が変貌したSCP-XXX-JPを摂取。

14:27: 当該するD-5287周辺に真空地帯が発生。

14:28: 当該するD-5287の生命活動の停止が確認。

14:51: SCP-XXX-JP-A内部においてD-5287と思われる人影が確認される。

以降変動なし。

終了後報告: 以上の結果からSCP-XXX-JP摂取時に発生する(SCP-XXX-JP-Aに転移する)といった工程が飛ばされ、対象の生命活動の停止のみが発動していると考えられます。又、D-5287の転移時に生じた真空地帯は一向に消失が確認されないため、真空地帯周辺を閉鎖し収容しました。

確認: 実験-βより半年が経過しましたがSCP-XXX-JPを摂取したD-クラス職員の蘇生現象が確認されませんでした。これを受けSCP-XXX-JPの異常性に何らかの変貌が生じていると判断しましたが、SCP-XXX-JPの異常性の変貌について判断するにはあまりにも情報が乏しいため、暫定的にTruculentのクラスを付与しました。今後の調査のおいては現実世界に対し何らかの影響を与える可能性が考えられるため、再度変貌したSCP-XXX-JPを摂取する試みは行われないことがと決定されました。








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