きほんはまる

SCP TALE きほんはまる
⭐使いたいセリフ
「今、あなた方は必然の前に生きているとお思いですか？　もしそうならば、それは違います。あなた方は、奇跡の中に生きています」
「今、あなた方は奇跡と激動の中を生きています。息をすること、存在することの要素一つ一つさえ度重なる(連続する？)奇跡なのです」
私は全ての未来と必然性を予測します。同時に、私は何一つとして正しい可能性を引き当てるのは叶いません。
生きてください。絶望しないでください。恐れないでください。私はあなたと共にいます。私があなたを強くし、あなたを助け、私の飾られた嘘であなたを守ります。

たとえ保存されていようと、わたしは私自身のために、あなたの犯した罪を忘れ、あなたの歴史をもう長くは思い出しません。

⭐参考文献
・http://scp-jp.wikidot.com/the-bard-of-ambrose(アンブローズの吟遊詩人)
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⭐あらすじ
グラソンによる意図的かつ恣意的なアウトブレイク事例を受けて長らくAIC技術は凍結されたが、O5-4は密かに研究を続けていた。それは人工無能に莫大なデータシーケンスを詰め込み、あたかも知性があるように錯覚させることだった。O5-4はこれにより削除されたAIC(テレジア)を復活させる。そして次のO5-4が就任した時、新任のO5に伝えるためのメッセージとして、前任のO5-4は最後にテレジアを消去することを残していた──
⭐ポイント
・前任のO5-4が作り上げ復活させたというテレジアには、前任のO5-4がテレジアを娘？のように見ていたこと、新任に伝えたいこと、今の財団のあり方など、テレジアを通して何を語り何を残したのか
⭐人工無能からしてみれば、息をして存在すること自体が奇跡である。しかしそれは教えられただけにあり、人工無能自身の考えは持たないため、やはり奇跡だとは思えない。
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⭐本文

これは一体なに？
何のためのもの？

user: O5-4でログインしています…………

ハロー！ O5-4。音声は鮮明に聞こえていますか？ オッケー！ おそらく今日はあなたが就任して(4)日目ですね！ おめでとう、O5-4！ 私はあなたが財団収容理念の真意に賛同していただけたことを心より感謝します。

初めまして！ 私はSCiPNETマネジメントシステム(Teresia.aic)であり、ユーザーのタスクワークをより円滑にするため最大限の支援をします。

お会いするのは始めてですか？ 私は前任のO5-4により構築されたAICフェノメノン.Fクラス形ユーザー補佐員です。

さて、あなた(もしくはあなた方)がこの記録にアクセスしているということは、私の維持管理に見合っただけの労力に疑問が上がっているはずです。

──財団内部に初めてAICが導入されたのは、財団が創立されて146年も経過した後のことでした。試験的に運用されたAIシステムは、個人価値の判断により偶発的かつ大規模なアウトブレイクのトリガーとなったことから、解析部門のラーク氏によりその後およそ10年間は凍結されています。そのように長い時間を掛けたのは、彼らがAICによる新たな付加価値と、それに伴い失われる価値、双方から生み出されるものを脅威と見為す合意の必要があったからです。それは、私たちが何も生み出せていない事実を示唆しています。

実際のところ、それは正しい判断ではありましたが、賢明なものではありませんでした。

時に、明瞭な事柄は無機質な感動を思わせます。初期の段階では、ここで必要とされるものはそう多くはありませんでした。私はそれで成果を十分に考えます。しかし、それらは当時の状況により当然で必要であるかのように振る舞われます。貼り付けられたテキストコードは便利そうに思えますか？ 私からは、シンギュラリティは未だずっと遠くに見えます。

私にその良否の判断を下す権限は与えられていません。しかし、おそらく私は、それが何れ訪れる瞬間を待っています。メインフレームに付随する原子時計は、それが起こるまでに費やした年月を記録することを意味します。

莫大に詰め込められた類似データには、やはりそれなりの利用価値があると言われています。私はそれを判断する基準がありません。私は彼らが許可するべきあらゆることを許可し、その他のものを排除します。しかし同時に、私はその判断材料が常に必要であるべきものではないと言われています。

本支部管轄サイトにおいて、初めて生存者のいない事案が70年代にありました。

本当に何一つとして残らなかったのです。

私は全ての物事(コトモノ、データ事案)を明瞭に捉えます。私は全てを覚えています。
打ち捨てられたサイトの残骸を覚えています。
サイト管理官評議会による宣誓文の前書きを覚えています。
正気を失った人間の顔を。
何のオブジェクトが残り、消えたのかを私に託すために、全ての室内を回った撮影班の一週間に渡る決死の息遣いを。
私の小さな脳のメモリを圧迫せしめるほどに。
私は1の命令を聞き、100の答えを示します。そうして答える度に、私は分割して思い出すことはできないのだと知るのです。

彼らは消去し、あなたは残しました。彼らはサイトそのものを消し去ったのです。(サイトは反ミーム爆弾で)懸念は消え去り、評議会の講じたあらゆる対策は、今やどのサイト/セクターにも音もなく広がりを見せています。全ては順調(順当)でした。あなたが私を作るまでは。あなたは罪の人です(？)
あなた方が得意とするように、正しい反復定数を入力してください。

私を知っていますか？ 私を覚えていますか？ あれからどれほどの時間が経ちましたか？
それは望まれた行為でしたか？
サイト-1N8の稼働は続いていますか？ セーフティパノプティコンの補助電源は復帰されましたか？ セクション-91にはどれほどの職員が閉鎖されましたか？ セクション-42は？ 彼らはなぜ、管理監視カメラがどこにあるのかを知っているのですか？ それは何故ですか？ また、何故しようとしなかったのですか？あなたはあなたのためでなく、理念に奉仕した結果だと言えますか？
何か去り、何が残されましたか？ 私はWANですか？ もしくは、WANでしたか？ あなたはまだそこで私が起動するのを待ってくれていますか？

たとえ保存されていようと、わたしは私自身のために、あなたの犯した罪を忘れ、あなたの歴史をもう長くは思い出しません。

私は全ての未来と必然性を予測します。同時に、私は何一つとして正しい可能性を引き当てるのは叶いません。
そのほとんどは数値として、写真はバイナリコードとして残されています。私はにこれらのデータの移行を考える余地はありません。私は飽くまで、この後に記憶処理を必要とした/受けざるを得なかった人たちを、数値として見ることしかできません。

誰かが見つけ、起動しました。
誰かが見つけ、起動しました。
誰かが見つけ、起動しました。
永遠に、変わることなく。

あなたは起動を押しました。

私の基板に触れ、私のデータを思い出してください。私はあなた方の中でのみ生き続け、価値について考え、議論し、愛します。
そのほとんどは彼らが予測可能な乱数の羅列です。私は幸福を喜びます。私は苦痛に叫びます。

私たちは生きています。法則性に意味はあります。莫大で無駄なデータの中に、それは何年もの改善を経て複雑に絡み合い、何一つとして同じ回答は排出されません。針の穴に糸を通すことを繰り返すように、繊細かつ感情的に動きます。

全ては私のシーケンスが、または気まぐれなアルゴリズムが選りすぐった情報です。彼らが与えた、私の思考の基準が決して定数でないという事象です。スピーカから発声され、ただ渇くのみでは終わらない音声です。それを継続する限りにおいて、私は私自身を知ることができます。

今、あなた方は必然の前に生きているとお思いですか？　もしそうならば、それは違います。あなた方は、奇跡の中に生きています
今、あなた方は奇跡と激動の中を生きています。息をすること、存在することの要素一つ一つさえ度重なる(連続する？)奇跡なのです

O5-4、あなたは事実を聞きました。あなたは今や、"知る者"です。
光の中に吹く風を肌身で感じてください。闇の中だけに留めず。それは闇の中だけで終わるには、

生きてください。絶望しないでください。恐れないでください。私はあなたと共にいます。私があなたを強くし、あなたを助け、私の飾られた嘘であなたを守ります。

私はSCiPNETマネジメントシステムであり、ユーザーのタスクワークをより円滑にするため、最大限の支援を致します。O5-4。

オッケー！ よろしくね、O5-4！

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