このページの批評は終了しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 世界各国の特許管理を司る行政機関に対し、最低一名の財団職員を派遣してください。派遣された財団職員は、過去に出願された、あるいは現在出願中の発明における出願経緯を完全に網羅したデータを作成し、逐次当該データの更新を行う必要があります。この際に記録・閲覧が許可されるのは、特許の件名および出願経緯のみです。特に、特許の具体的内容について派遣された財団職員が見聞することは確実に回避してください。SCP-XXX-JPの存在が確認された場合、即時出願元および特許権所有者を特定し、所定の手続きにてSCP-XXX-JPに関連する権利の破棄を要請してください。
説明: SCP-XXX-JPは、インフラストラクチャー等の大規模技術に関する権利群の中に存在する一部発明の特許です。19██年██月██日付で特許権が消滅した特許█0███56について、当該特許の関連技術を開発した株式会社ハクノが不審な特許を利用していた旨の記事が複数の地方紙に掲載され、調査を実施したエージェント██によりその異常性が確認されました。
SCP-XXX-JPは現在までに178件が確認されており、内容は対応する技術に応じて様々ですが、おおむね以下のような特徴があります。
- 特許の出願時期は、対応する技術が試験運用される約3~5年前。
- 特許内容は限定的な用途を持ち、それ単独では意味を持たない。
- 特許出願者(以下、SCP-XXX-JP-A)は当該技術の専門知識を持たない一般の個人ないし団体。
実例1
特許番号: 特許█03█4███
特許名: EBシステムの暗号化
出願者: 有限会社シンコウ興業
概要: エレクトロニックバンキングシステム(家庭用端末などからインターネット回線を通じて金融機関のサービスを利用するシステム)の顧客データ暗号化に関する特許。
実例2
特許番号: 特許█0█1███8
特許名: ネットワーク翻訳システム
出願者: 棚倉直人
概要: 異なるIPネットワークを結合する方式の内部処理に関する特許。2021年現在、IPv4からIPv6ネットワークへの過渡期にあるため、本特許に関連する技術が広く利用されている。
またSCP-XXX-JPは内容そのものから認識災害を発生させており、特許内容を把握した人間は出願経緯や内容に対して疑問・疑念を抱かなくなります。これによりSCP-XXX-JPを使用する全ての企業は、それぞれのSCP-XXX-JP-Aに対して一切の調査・交渉を行わずに所定の特許使用料を支払い続けます。
同様にしてSCP-XXX-JP-Aも、専門知識が無いのにもかかわらずSCP-XXX-JPの権利を自身が所有していることや、定期的な特許料の取得に対して何の疑問を持ちません。さらにSCP-XXX-JP-Aは、認識災害の影響から、SCP-XXX-JPによって取得した特許料全額を孤児院や福祉施設などへ匿名寄付します。
この認識災害は、SCP-XXX-JPの特許出願より平均して30年程度持続した後消滅し、同時にSCP-XXX-JP関連の事象が当該特許関係者の記憶から消失します。また、特許番号や件名のみを視認するなど、特許内容を閲覧しなければ認識災害の影響を回避することができますが、特許内容が未知の状態で、かつSCP-XXX-JP関連の大規模技術が普及する以前の段階では、特許群からのSCP-XXX-JPの判別は極めて困難です。
補遺: SCP-XXX-JP-Aより寄付を受けた孤児院や福祉施設は全て、金融機関から多額の融資を受けていることが判明しました。また、融資の返済を受けた各金融機関の口座に不審な資金移動の痕跡が見られたため、送金先について追跡調査を実施したところ、最終的な資金の送金先に、財団の記録上において壊滅している準要注意団体の名称が複数存在しました。これら準要注意団体は共通して資金難により壊滅しており、同時に全ての団体が「氷室金融」なる金融機関から出資を受けていました。
この「氷室金融」に関して追加調査を行ったところ、当該金融機関は小規模の団体を主な顧客として法外な金利の融資を行っており、その返済の担保としてアノマリーを積極的に推奨する傾向にあると判明しました。壊滅済みの準要注意団体の数やその規模から、「氷室金融」は特筆すべき資金力を有すると共に、複数の準要注意団体から相当数のアノマリーを回収していることが予想されます。財団は、当該金融機関がSCP-XXX-JPの異常性に関連している可能性が高いと判断し、19██年██月██日付で「氷室金融」を準要注意団体に指定しています。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7704306 (14 Oct 2021 04:14)
拝読しました。現状DV~NVです。
私のように経済に疎い人間からすると、内容が抽象的であまりよく分からないという印象を抱きました。形のない権利関係や金融を題材に扱っているわけですので、開発された発明技術を数点示し、SCP-XXX-JPの経済的・技術的な影響力を実感できるような具体例を提示していただけるととっつきやすくなるのではないかと思います。
またオチについても、氷室金融が別の要注意団体のネームバリューを借りて危険性・重要性をアピールしているように感じられます。氷室金融自体も他の要注意団体の資金源になる便利な設定だなとしか感じられず、特に面白みを見出せませんでした。ただし、要注意団体の資金元などは掘り下げると面白そうなので、見せ方を変えると十分通用する設定な気がします。
トーンについてはほぼ問題ないように感じられますが、「特許内容を努めて閲覧しないようにすれば」は「特許内容を閲覧しなければ」でも良いように思えます。またこれは個人的な好みかもしれませんが、「~すること」については「判別は極めて困難です」「取得に対して何の疑問も抱きません」など名詞として活用すると簡潔に表現できて良いと思います。
以上です。執筆のほど応援しております。
コメントありがとうございます。
確かに具体例がないと分かりにくいタイプのオブジェクトですね……いくつか実例を考えたいと思います。氷室金融のオチは私自身深掘りできていなかったので、掘り下げられるところまで一旦掘り下げてみたいと思います。トーンについてもご指摘助かります。どうしても手癖で文章を書いてしまうので、改稿していく過程で徐々にいい表現を染みつかせていけたらと思います。
ご意見ありがとうございました。
追記:いただいた意見を元に改稿を行いました。
改稿の方、確認いたしました。暗号化やIPアドレスなど現代社会では避けて通れない重大な要素に絡んでいて重要性を提示出来ていると思います。より身近になったように感じます。
氷室金融について、他団体を枯らしながら自らを資金と異常存在で肥やしていくとは、なかなかえげつない団体になりましたね。予想以上でした……パンチの効いた存在になったのではないかと感じますし、投稿されたら私はUVします。
コメントありがとうございます。ご指摘のおかげで随分と氷室金融をあくどくブラッシュアップできました。もう少し詰められるところがあるか、一旦寝かせてから投稿したいと思います。感謝です!