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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid

SCP-XXXX-JP実体
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは通常小型生物収容房に収容してください。SCP-XXXX-JPが後述する襲撃イベントの発生を知覚した場合、発生地点に機動部隊ま-44(“遅く起きた朝”)を急行させSCP-XXXX-JP-Aを武力行使にて無力化してください。襲撃イベント後に周辺の民間人に対し必要に応じて記憶処理や情報隠蔽を行なってください。
説明: SCP-XXXX-JPは、フクロウを摸したぬいぐるみに酷似した実体です。自律的な歩行や不明な原理での浮遊、日本語での対話が可能です。SCP-XXXX-JPは、宮城県の仙台市内からSNSに「生きたぬいぐるみ」の動画投稿が多発したことから財団に発見、収容に至りました。
SCP-XXXX-JPは、『光の宝石』と呼称する未知の物質で構成された直径10cmの水晶体(SCP-XXXX-JP-A)を計三個保有しており、SCP-XXXX-JP-Aはそれぞれ赤、青、緑に微発光しています(順にSCP-XXXX-JP-A1、A2、A3)。SCP-XXXX-JPの発言によれば、SCP-XXXX-JP-Aは、特定の条件を満たす人物に対し魔法の力を付与する能力を保有しており、その条件は『光の力をもった純粋な少女』であるとしています。ただし、現在までに魔法の力の付与対象となった人物は存在しません。なお、SCP-XXXX-JP-Aの調査目的の貸与について、SCP-XXXX-JPは現在まで一貫して拒否しています。現在判明しているSCP-XXXX-JP-Aの性質については後述の調査記録を参照してください。
またSCP-XXXX-JPは、自身の敵対勢力であるとされるSCP-XXXX-JP-B(SCP-XXXX-JP自身は『闇の魔獣』と呼称)の出現を直前に知覚することが可能です。
SCP-XXXX-JP-Bは、不定期な間隔で宮城県周辺に出現する2mから8mほどの大型の実体です。個体ごとに人・四肢動物・節足動物を模したものなど様々な姿をしており、身体能力や特性などもその姿に準じます。非常に敵対的であり出現後すぐに周辺の民間人や建造物を対象に破壊活動を開始します。これまでに意思疎通の試みは成功していません。また、SCP-XXXX-JP-Bは、出現地点を中心とした半径500m以内の範囲において可視光を約70%減衰させる特殊なフィールドを展開します。SCP-XXXX-JPが用いる『闇の魔獣』という呼称は、本フィールド展開により周辺の照度が低下することに由来すると思われます。出現後のSCP-XXXX-JP-Bに一定以上の損傷を与えた場合、損傷箇所から塵状に崩れ始め最終的に完全に消失します。なおSCP-XXXX-JP-Bには通常の物理法則が十分に作用しないと考えられます。このSCP-XXXX-JP-Bの出現を襲撃イベントと呼称します。
補遺: 以下はSCP-XXXX-JPへのインタビューの音声記録の抜粋です。
対象: SCP-XXXX-JP
インタビュアー: 来海研究員
<記録開始>
来海研究員: では、あなたはなぜ女の子に声をかけて回っていたのですか?
SCP-XXXX-JP: 僕は伝説の魔法少女になれる子を探しているぴよ、早く見つけないといけないぴよ、だからこんな所にいるわけにはいかないぴよ、どうして君たちは僕を閉じ込めるんだぴよ。
来海研究員: 特定の条件の子供を探していたということでしょうか?もう少し具体的に教えていただけますか?
SCP-XXXX-JP: 光の力をもった純粋な女の子ぴよ、でも見つけられなかったぴよ。
来海研究員: その、光の力とはどのようなものなのですか?
SCP-XXXX-JP: どんなって言われても困るぴよ、『光の宝石』を扱う力、としか言えないぴよ。
来海研究員: あなたはそれなりの人数にコンタクトを取っていたと思われるのですが、その光の力というのはそんなに珍しい物なのですか?
SCP-XXXX-JP: 力を持った子は何人かいたぴよ、けど純粋な心を持った子は全然いなかったぴよ。僕を見て捕まえようとする子までいたぴよ バズるってなんだよ…
来海研究員: …そうですか、とにかくあなたの身柄は私共の方で預からせていただきます。あなたの言う『闇の魔獣』についてもこちらで対応するつもりですのでご安心ください。
SCP-XXXX-JP: 光の力の無い君たちでは無理ぴよ、早く魔法少女になれる子を見つけないとぴよ、ここから出して欲しいぴよ。…できれば探すのを手伝って欲しいぴよ、もうカメラ持った子に追いかけ回されるのは嫌ぴよ…
<記録終了>
襲撃イベント記録1- 日付20██/██/██
SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-Bの出現を警告、直後に宮城県██市内で全長5mほどのトカゲの様な形貌のSCP-XXXX-JP-B実体の出現および可視光減衰フィールドの展開を確認。機動部隊が現場に到着した時にはすでに周辺家屋や怪我人などの被害が出ており、パニックによる二次被害の兆候を確認。住民の避難誘導と同時に各種兵装を用いた武力制圧による収容を試みる。20分間の戦闘の後SCP-XXXX-JP-Bの無力化に成功、直後SCP-XXXX-JP-Bは塵状になり消失、可視光減衰フィールドも消滅した。目撃者には記憶処理とカバーストーリーの流布が行われた。
戦闘概要: 威嚇射撃(効果なし)、財団支給標準ライフルでの狙撃(対象の興味を機動部隊に向けることに成功)、現場の起動部隊の全兵力を用いた一斉掃射(約7分間の継続攻撃の末、対象の無力化に成功)
分析: SCP-XXXX-JP-Bの無力化にあたり身体が完全に消失することが確認されたため、収容は困難であると思われます。また、SCP-XXXX-JP-Bの外見から予想される耐久値を大幅に上回っており、通常の物理法則が当てはまらない可能性があります。戦闘終了後、記録映像の解析により、以下の情報が得られました。
- 火器の口径や砲口初速の差は、SCP-XXXX-JP-B破壊にほとんど寄与しない
- 化学エネルギー弾の効力が、本来の威力に比べて明らかに高い
- 一部火器の発射直後かつ着弾前において、SCP-XXXX-JP-Bに反応が見られる
以上より、SCP-XXXX-JP-Bに対しては音響兵器ないし光学兵器が有効である可能性があります。
SCP-XXXX-JPの発言: え、倒したぴよ? 光の力じゃないと『闇の魔獣』は倒せないはずなんだけど……なんでぴよ? どうしてぴよ?
襲撃イベント記録2- 日付20██/██/██
SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-Bの出現を警告、即座に機動部隊が現場に急行した。機動部隊の到着とほぼ同時に全長8mほどの紫黒色で概ね人間の様な形貌のSCP-XXXX-JP-B実体の出現を確認。即時戦闘態勢へ移行する。前回の戦闘分析から音響兵器および光学兵器の使用を試みる。10分間の戦闘の後SCP-XXXX-JP-Bを制圧を完了。
戦闘概要: 大型音響兵器による攻撃(効果なし)、高強度電磁波照射装置の赤外光線による攻撃(効果なし)、高強度電磁波照射装置の可視光線による攻撃(対象の無力化に成功)
分析: SCP-XXXX-JP-Bに対する高強度電磁波照射装置による可視光線攻撃の効果を確認しました。ただし、可視光減衰フィールドにより光線の強度が減衰するため、照射開始より対象の無力化まで約7分26秒を要しました。さらなる効率化の余地があると思われます。
SCP-XXXX-JPの発言: ただの光で『闇の魔獣』が倒せた、ぴよ? でも、あの闇空間が『闇の魔獣』自身を守るものと考えれば、そう不思議なことでもない、ぴよ……? もしかして僕は、なにかを勘違いしていたのかもしれないぴよ……。
襲撃イベント記録3- 日付20██/██/██
SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-Bの出現を警告、即座に機動部隊が現場に急行した。機動部隊の到着とほぼ同時に全長6mほどの、鎧をまとったゴリラの様な形貌のSCP-XXXX-JP-B実体の出現を確認。本SCP-XXXX-JP-B実体は、高い再生能力を備えている。即時戦闘態勢へ移行する。前回戦闘の戦闘を踏まえ、約50%の出力強化を施した高強度電磁波照射装置を使用。本戦闘は効率的な対処方法の検証実験も兼ねている。約1時間の戦闘の後、SCP-XXXX-JP-Bを制圧を完了。
戦闘概要: 高強度電磁波照射装置の可視光線を使用。時間経過で出力スペクトルを変更しつつSCP-XXXX-JP-B実体を観察。1時間の実験の後、対象を無力化。
分析: 本戦闘実験の結果、照射する可視光の波長に応じて、各部への効力に有意な差があることが判明しました。特に、特定の三つの波長に関して、特効とも言うべき顕著な効力が見られました。以下の表は、その特筆すべき波長と特効範囲を示したものです。
波長 特効範囲 詳細 460nm(青色) 血管、臓器 身体機能へ深刻なダメージを与える 550nm(緑色) 真皮、皮下組織、筋繊維 肉体組成そのものへの影響が大きい 630nm(赤色) 外殻部、表皮 最も痛覚を刺激する模様 SCP-XXXX-JPの発言: 『光の宝石』の発色光との対比が見られるぴよ。恐らくは各『光の宝石』から放たれる魔法もこの実験結果と同等の効果があると思われるぴよ。僕が魔法と呼称していた現象も、単なる発光やレーザー光に過ぎない可能性が出てきたぴよ。『光の宝石』適合者が見つかれば、さらに実態を解明できそうぴよ。多少純粋でない心であっても、適合可能か試しておくべきだったぴよ……。
追記: 実験結果をもとに、高強度電磁波照射装置に専用調整を施したクルミ式特効電磁波照射器が考案されました。本照射器使用により、対象の無力化効率が約80%向上すると見込まれています。以後の襲撃イベント対処においては、このクルミ式特効電磁波照射器が使用される予定です。
調査記録: SCP-XXXX-JP-Aの構造解析
概要: SCP-XXXX-JPより調査目的で提供されたSCP-XXXX-JP-A1~A3に関して、あらゆる科学的見地から構造の解析を試みた。結果については、調査中偶発的に発見された特徴も記載している。
結果: 各種構造解析装置による解析の結果から、SCP-XXXX-JP-Aは単一物質の結晶体ではなく、異なる屈折率をもつ複数の結晶体によって構成されていることが判明しました。また、SCP-XXXX-JP-Aを構成する各結晶体について、
- 一定の体積を持つ直方体で、個々が独立しているもの
- 直方体結晶同士を複数の経路で繋ぐひも状のもの
- 直方体結晶およびひも状結晶以外の空隙を埋めるもの
の三種に大別できることから、SCP-XXXX-JP-Aは特定機能を持つ回路様の装置であることが予想されています。なお、SCP-XXXX-JP-A1~3について、一部直方体結晶の形状やサイズに違いは見られるものの、それぞれの基本的な構造は共通しています。差異の見られた直方体結晶について、その機能の詳細は不明であるものの、SCP-XXXX-JP-A1、A2、A3の各当該結晶に赤、緑、青色光を外部から照射したところ、それぞれの照射光と位相、波長、偏光、照射ベクトルが同一かつ出力が微増複された光が当該結晶から放出されました。本現象は光の誘導放出かそれに近似した現象と見られており、当該結晶はレーザー光に似た光を出力できると予想されます。
また、研究員等の接触によってSCP-XXXX-JP-Aの微発光に一定の明滅が見られたため、この明滅条件を調査する追加実験を実施しました。その結果、身体の各部位による直接的な接触の他、皮脂・汗・唾液等の付着、呼気の接触などについても明滅反応が見られたことから、SCP-XXXX-JP-AはDNA情報を検知・識別する機能を備えているとも予想されています。
SCP-XXXX-JPの発言: ある程度予想通りの結果が得られたぴよ。『光の宝石』による魔法は特定波長を持つ光の放出とある程度断定してもよさそうぴよ。あと、『光の宝石』の適合条件については、僕の存在も併せて技術濫用を防止するためのセイフティと考えられるぴよ。ただ、出力やエネルギー源は別にしても装置としては単なるレーザー装置に過ぎない『光の宝石』に、DNAを参照するほどの厳重なセイフティを掛ける意図がわからないぴよ……。魔法の力が現状の予想範囲外の力を有しているのか、あるいは『闇の魔獣』そのものに何らかの秘密が隠されているのか……さらなる調査や実験が必要と判断するぴよ。今後の方針として、『光の宝石』適合者を捜索し、実際に光の魔法を発生させる実験の実施を提案するぴよ。純粋な心、の部分が不安材料ぴよが、もしものことが起きても財団の力なら無力化できそうぴよ。後処理が君達頼みになるのは少々心苦しいぴよが、可能な協力は惜しまないつもりなので、共に真実の解明に向けて努力していこうぴよ。
追記: SCP-XXXX-JPに関して、当初よりも財団に協力的である点や、冷静な判断力と考察力を備えており、かつSCP-XXXX-JP-AおよびSCP-XXXX-JP-Bに対する見地も他財団員よりも深い点などから総合的に判断し、Eクラス職員としての登用が現場研究員およびエージェントから発案されています。本登用案については現在、O5評議会にて承認審議中です。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7704306 (14 Oct 2021 04:14)
読ませていただきました。
魔法の必要ない世界で、ということですかね。
全体的に面白みはあるものの、ちょっとした既視感が拭えないように思えました。おそらく「○○が××だった!」というキャラクター性のギャップを主にした面白さ以上のものを発揮できていないのが1つ原因ではないかと考えます。
今回の記事で言えば、「魔法でしか倒せないかと思っていたが現代科学でも可能だった!」というのがメインの面白さにあると思いますが、これらは既存の作品でもいくつか見受けられるパターンですし、それをSCPというそもそもが科学で立ち向かう、という創作を戦場にするのは少し向いていないという部分もあると考えます。
リサコンという性質上、元の記事を大きく変えたくない、という考えもあるだろうと思います。同一の方向で改稿するならば、もっと"光の魔法"が科学的にどういったものであるか、"闇の魔獣"がどういった生物であるかを、ガチガチに固めるなどもっとリアリティを上げるか、逆にリアリティを下げ、どれだけユニークな方法で倒せるかなどの方法へ持っていくのが無難でしょうか。
また、SCP-XXXX-JPのコメントが少々ユーモアに寄りすぎる印象も受けました。わざわざメモとして付随させる必要性も弱く、笑いを狙っているだけと解釈されるかもしれません。コメントではなく、その後の精神状況として表現するなどのやりようがあるかもしれません。
構文面としては、インタビューで話者の表記が太文字になっておらず、視覚的なメリハリが弱いので太文字を使うのが無難ではないかと考えます。
以上、個人的な意見でしたが記事作成の一助となれば幸いです。
コメントありがとうございます。
全体構成は元記事さまほぼそのままなので、オリジナル以上の面白さを付加しきれていない形になってしまっていそうですね……。方向性としては、各設定を詰める形で改稿しようと思います。オブジェクトのコメントについてももう少し報告書然としたものでユーモアを出せる形を考えたいと思います。インタビューの太字は完全に見落としていました……修正しておきます。
ご意見大変参考になりました。改めてありがとうございました。
追記: ご指摘を参考に下書きを改訂しました。