ストレージゲージ

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

第一次特別収容プロトコル:¹ SCP-XXXX-JPは現在無機物収容室にて生物が中に入ることのないように真空状態で収容されており、収容確認担当の研究員が毎日見回りに行っています。
第二次特別収容プロトコル:²SCP-XXXX-JPは生物が中に入ることのないように真空状態に保たれた収容室に収容し、監視カメラによる監視を途絶えさせないでください。また、SCP-XXXX-JPから生物の出現が確認された場合はすぐに適した部署に連絡ができる状態を保ってください。
第三次特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPは各種機動部隊が長くとも45分以内に臨場できる、サイト-████に収容されています。収容室は常に真空を保ち、監視員を少なくとも2人以上配置してください。また、何らかの生物が出現した場合は一人が適当な部署に連絡をし、もう一人はこれまでに確認されている日本生類研関連のオプジェクトに同一個体、または類似個体が存在するか確認してください。生物出現の際の対応の詳細は監視室にマニュアルを設置してあります。これまでに二度も特別収容プロトコルの改正が行われるという稀有な事例の為、また、日本生類創研のオブジェクトが出現する可能性もあるため過大な対応を行っています。

説明: SCP-XXXX-JPは鉄でできた幅2ｍ×奥行３ｍ×高さ2ｍのゲージです。SCP-XXXX-JPは放棄されたた日本生類創研の施設の中から発見されました。発見時、施設の探索メンバーがSCP-XXXX-JP内に入り、消滅したためこの特異性が明らかになりました。また、このメンバーは消滅から8か月後にSCP-XXXX-JP内に再出現し、現在は元の職務に復帰しています。SCP-XXXX-JPに生物（以下対象と呼称）が入り、約10秒経過すると対象は消滅します。また、詳しい法則は不明ですが、ある程度の時間が経過すると対象はSCP-XXXX-JP内部に再出現します。対象が消滅してから再出現するまでの時間は対象が大きくなるにつれ長くなっていますが、例外も存在するため必ずしも前者のようになるとは言い切れません。SCP-XXXX-JPがその対象に与える効果は一度きりであり、SCP-XXXX-JP内に同時に2体以上生物が入っている場合は何も起きません。SCP-XXXX-JPは日本生類創研が施設内でオブジェクトの移動を行うために使っていたと思われます。また、SCP-XXXX-JPは財団のオブジェクトの運搬に有益である可能性がある為積極的に実験を行ってください。

実験記録XXXX - 日付2008/06/18

対象:ミドリムシ(Euglena)
実施方法:ミドリムシ1匹と水の入ったシャーレをSCP-XXXX-JPの中に入れる。
結果:消滅から2～3分後にシャーレの中にミドリムシが再出現した。

実験記録XXXX - 日付2008/06/18

対象:アナウサギ（Oryctolagus cuniculus）
実施方法:アナウサギをSCP-XXXX-JPの中に入れる。
結果:消滅から56～59分後にSCP-XXXX-JPの中に再出現した。

実験記録XXXX - 日付2008/06/18～07/19

対象:ハクビシン（Paguma larvata）
実施方法:ハクビシンをSCP-XXXX-JPの中に入れる。
結果:消滅から1か月程でSCP-XXXX-JPの近くに出現。
分析:対象が大きくなると再出現までの時間が長くなる可能性。また、この可能性に従い、収容前に中に入っていた生物が再出現する可能性があるため、特別収容プロトコルが第二次特別収容プロトコルに改正されました。

実験記録XXXX - 日付2008/07/19～2009/1/18

対象:ライオン（Panthera leo）
実施方法:ライオンをSCP-XXXX-JPの中に入れる。
結果:消滅から6か月後にSCP-XXXX-JPの中に出現した。
補遺:ゲージはライオンに何度も嚙まれていたが、特に傷などは見受けられなかったため、ある程度の外からの衝撃や圧力に対して耐性があることが分かった。

実験記録XXXX - 日付2009/01/18～2009/03/12

対象:ウシ（Bos taurus）
実施方法:前者のライオンと同程度の大きさのウシをSCP-XXXX-JPの中に入れる。
結果:消滅から2か月後にSCP-XXXX-JPの中に出現した。
補遺:必ずしも対象の大きさによって再出現までの長さが決まるわけではないようである。

補遺:以下はSCP-XXXX-JPの発見された施設で後日見つかったメールの履歴の一部です。

+発見内容

Subject : 修理と商品の依頼

Sender : 日本生類創研経費部

To : 東弊重工

以前御社に受注いたしました非酸化生物分離機が故障した為、修理を依頼しても宜しいでしょうか？それともう一件、以前も紹介させていただきました████が完成したため、例の商品を購入する方向で検討しております。後日、商品を持ってきていただけますか？場所は以前と同じです。何卒よろしくお願いします。

　

Subject : 商品のご購入検討ありがとうございます。

Sender : 東弊重工

To : 日本生類創研経費部

まず非酸化生物分離機ですが、自社の商品で不具合が生じてしまい申し訳ございません。日頃の感謝の意も込めて無償で修理させていただきます。
商品についてですが、ストレージゲージですね。明日にもそちらに伺います。ご購入の検討ありがとうございます。

　

　

+追記 2009/10/27

200910/27 4:23
防犯カメラを確認していた村上研究員からSCP-XXXX-JP内に白い物体が出現したとの報告を受け、内部を確認したところSCP-030-JPに外見が酷似した生物が確認されました。その後発見された生物はSCP-030-JPであることが分かり、機動部隊乙-ち（"臭水守"）により即座に焼却処分されました。この個体はSCP-XXXX-JPの収容以前に日本生類創研が移動させていたものだと思われます。また、SCP-030-JPの全長を考慮しこれまでの「対象の大きさが大きいほど効果時間が長くなる」という仮説がより一層疑われるものとなりました。これを受けて特別収容プロトコルの改定が行われ、現在のものとなり、SCP-XXXX-JPを用いた実験は禁止されました。今後、日本生類創研の所持していたほかのオブジェクトが出現する可能性があるため厳重な注意をしてください。

+ インタビュー記録XXXX-JPを表示

インタビュー記録XXXX-JP: 2009/10/30

対象: 村上研究員

研究主任: ████博士

<録音開始＞
████博士: 確か録音して記録に残さなければならないかもしれない事があるという話だったけど、一体どういう事なんだい？

村上研究員: はい。まず以前の実験…たしかハクビシンを使った実験の際に対象が大きくなればなるほど再出現までの時間が長くなると仮説を立てましたが、それが間違っていたことを謝罪します。

████博士: まああの段階での君の仮説はとても説得力のあるものであったし、別に謝る程の事ではないんじゃないかな。

村上研究員: いえ、もしあのままあの仮説が疑われる事なく終わっていたら、SCP-030-JPが出現した際にもっと混乱することになっていました。

████博士: それが君の言いたい事だったのかい？

村上研究員: いいえ。一番言いたかったことは、SCP-XXXX-JPの特異性について新たな仮説がたったことです。

████博士: 本当か？それは気になるね。どういうものなんだい？

村上研究員: これまでにSCP-XXXX-JPの「対象」となった生物達とその再出現までの時間をまとめてみたんです。時間が短い順に並べるとミドリムシ、アナウサギ、ハクビシン、ウシ、ライオン、探索メンバーだった████さんとなっています。

████博士: 確かにそうなるな、でもそれに何か法則性があるのかい？

村上研究員: これ、生態ピラミッドになっているんじゃないでしょうか。ウシよりもライオンの方がはるかに時間が長かったこともこれで証明できます。人間はライオンよりも弱いですが、社会や道具、施設を作ってライオンを「支配」する事ができています。

████博士: …そうなるとSCP-030-JPが、ニッソが施設を放棄してからかなりの時間が経過したのちに出現したのは…どうなるんだ？

[数秒間沈黙し、村上研究員が躊躇うように話し出す。]

村上研究員: SCP-030-JPが生態ピラミッドにおいてかなり上に位置していることになります。実際、財団でも対応できなくなっていて、なおかつSCP-030-JP を捕食するような生物も発見されていません。そして生態ピラミッドの「ピラミッド」というところが示すように下位の生物は上位の生物より個体数が多くなるようにできています。それが崩れているということは、人類を含む生態ピラミッドが崩壊し始めているということになります。

<録音終了>

Footnotes

1. 2008/07/21に改正

2. 2009/10/27に改正

付与予定タグ: scp Jp Safe 無機物 日本生類創研 東弊重工

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