【ショートコン】地球温暖化よ、もう一度。【氷我記】

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文字数: 4109

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タイトル: SCP-XXXX-JP - 地球温暖化よ、もう一度。
著者: Grim-G
作成年: 2023

+ 気になっている点

本文のみで文字カウントすれば2500文字以内に収まるはずなので、ページ情報の文字数は気にしないで下さい。

やりたいこと
・氷我記世界で「実際どういう方法で全球凍結の到来を防いでいたのか？」を書く
・「緊急事態なのでニッソ製アノマリーを収容の名目で利用している」ことを匂わせる
・オチは、「SCP-2203-JPが白絹病として現れて、このアノマリーを全滅させたので全球凍結は止められなかった。」

気になっていること
・説明はわかりにくくないか？（主に塩酸分泌周り）
・この異常性で石灰岩を溶かせそうに思えるか？溶かせたとして充分量を溶かせるか？（どんぶり勘定で計算した結果、石灰岩11兆トン溶かさないといけなくなったので自己複製出来るようにしました。ナガエツルノゲイトウのような再生力を持たせました。）
・オチの白絹病＝SCP-2203-JPは理解出来るか？（定例会での指摘を受け改稿は済んでますがこれでいいか？）
・氷我記知らない状態でDVにならないか？

SCP-XXXX-JP

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Archon

特別収容プロトコル: 進行中のXK-クラス:世界終焉シナリオの阻止に寄与する可能性を鑑みSCP-XXXX-JPは収容されません。既知のSCP-XXXX-JP生息地に対し適切なカバーストーリーを流布し民間人の接近を防止してください。

説明: SCP-XXXX-JPは同一の異常性を持つ植物群の総称です。2050年7月現在SCP-XXXX-JPは███種確認されています。SCP-XXXX-JPは極めて高い繁殖力及び再生力を有し、切断された茎や根の一部からでも再生することが可能です。¹SCP-XXXX-JPは生育に極めて高い塩化ナトリウム濃度を要求し、土壌の代わりに石灰岩に定着します。このためSCP-XXXX-JPは塩湖、海岸の岩場、珊瑚礁によって形成された干潟などに生息し、生息地において優占種となります。

SCP-XXXX-JPは胃の壁細胞に類似するプロセスによって塩酸を生成します。SCP-XXXX-JPは耐塩性植物によくみられる発達したNa⁺/H⁺交換輸送体を持ち、Na⁺/Cl^-共輸送体によって根から吸収したNa⁺をH⁺と交換することで、体内のナトリウム濃度を低下させるとともにH⁺とCl^-を吸収し、これらを合成することによって塩酸を生成しています。

生成した塩酸は根から分泌されることで石灰岩を溶解し、それにより形成された空間へ更に根を伸長させることでSCP-XXXX-JPは石灰岩を破砕します。定着していた石灰岩の破砕によってしばしばSCP-XXXX-JPは切断されますが、前述の再生力のため残された破片から再生し、破砕された石灰岩へ再度定着します。これにより石灰岩に固定されている二酸化炭素²が放出され、SCP-2203-JPによって低下した大気中二酸化炭素濃度を上昇させると考えられています。

財団生物学部門によるゲノム解析により、SCP-XXXX-JPのDNAには複数の日本生類創研製作物との類似点が存在することが判明しました。

2050年7月現在、SCP-XXXX-JPによる石灰岩の分解によって大気中二酸化炭素濃度は2049年平均の1██ppmから7██ppmまで上昇しており、わずかながら気温の上昇が確認されている他、顕著に氷床の発達速度が遅延しています。これを受けて採石場を利用したSCP-XXXX-JP収容専用サイトの建造が進行中です。

2052/08/03 あなたが閲覧中の報告書が更新されました。更新された内容を閲覧しますか？

大規模SCP-XXXX-JP専用サイトにて撮影

追記1: 2052年8月3日、既知のSCP-XXXX-JP全個体に白絹病³に類似する病変が発生しました。通常の白絹病は主に地際部へ菌糸を生じますが、SCP-XXXX-JPに生じた菌糸は地上部全体を覆っており、これによる光合成の阻害および寄生による栄養素の収奪によりSCP-XXXX-JP全個体の枯死が確認されました。当該病変が全世界に同時多発的に出現したこと、病変の進行とともに炭酸カルシウムによる殻状構造が生じたこと⁴から、当該実体はSCP-2203-JP⁵が菌類として発生したものであると推測されています。全個体の枯死を受けSCP-XXXX-JPはNeutralizedクラスへの再分類が予定されています。

追記2:2053年█月、SCP-XXXX-JPによって1███ppmまで上昇していた大気中二酸化炭素濃度は██ppmまで低下しました。

脚注

1. 非異常な侵略的外来種であるナガエツルノゲイトウと類似する特徴です。

2. 石灰岩等の炭酸塩系鉱物は地球全体で1.8×10²³g相当の二酸化炭素を貯蔵しており、地球上で最大の二酸化炭素プールとして機能しています。

3. 糸状菌の一種であるSclerotium rolfsiiが感染することにより、被害植物の地際部とその周辺の地表面に白色の絹糸状の菌糸を生じて枯死させる病害です。

4. 石灰岩の溶解に伴って生じたCa²⁺を用いて空気中の二酸化炭素を固定していると推測されています。

5. 温室効果ガスを吸収・分解可能な白色の生命体が大量発生する現象であり、当該実体の特徴はそれと類似します。

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ファイルページ: 草

ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7633340-14-fw1b
ライセンス: CC BY-SA 3.0

タイトル: 草
著作権者: Grim-G
公開年: 不明
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以下の画像を元にしてGrim-Gが作成したものです。

ソース:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rhizophora_mucronata2.jpg
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: Rhizophora mucronata2
著作権者: self

ファイルページ: カビ

ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7633340-12-68dk
ライセンス: CC BY-SA 3.0

タイトル: カビ
著作権者: Grim-G
公開年: 2023
補足:
以下の画像を元にしてGrim-Gが作成したものです。

ソース:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Snow-in-Summer_(35718036426).jpg
ライセンス: CC0
タイトル: Snow-in-Summer (35718036426)
著作権者: Dan Keck

scp jp 氷我記 Archon 日本生類創研 植物 ショート2023

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執筆者: Grim-G

文字数: 4109

リビジョン数: 46

批評コメント: 2

最終更新: 22 Apr 2023 16:26

最終コメント: 07 Apr 2023 13:29 by Grim-G

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  KABOOM1103 06 Apr 2023 17:09

  ゲノム編集された植物にはありえなくもないラインの異常性で面白かったです。全球凍結に対するオブジェクトとして希望を見せてからの突き落とすような構成もシンプルながらよかったです。生物については知らない自分でも意味が分かる程度に説明がうまくできていると思いました。

  気になった点としては、「付近に自己の複製を生成します」の表現で、いきなり分身するようなファンタジックな情景が浮かび上がり、リアルなオブジェクトの雰囲気が乱れてしまったように感じました。もう少し現実にありそうな感じで(例えばタケのような)増殖するという事が分かる表現の方がもっといい雰囲気になると思います。

  Grim-G 07 Apr 2023 13:29

  ご批評ありがとうございます。

  ご指摘頂いた点ですが、増殖方法は侵略的外来種であるナガエツルノゲイトウに寄せることにしました。理由は以下の2点です。

  • ニッソの必死の行動で複数種の植物で作成されているヘッドカノンなので、「地下茎を利用しての栄養生殖」など繁殖方法を限定すると利用可能な種が限られそうなため、「極めて高い繁殖力」と具体的な言及は避けることにしました。
  • 石灰岩の破砕後にオブジェクトが千切れて枯死した後に再定着する必要があるので、千切れた破片から再生することで爆発的に増殖するナガエツルノゲイトウは石灰岩の破砕→再定着のループを形成しやすいと考えたため。

  現状の変更で、残り100文字程度使えるため雰囲気を残しつつ高い繁殖能力にリアリティを出せる加筆が思いつけば追記したいと思います。

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