SCP-2120-JP - DVORAK

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クレジット

タイトル: SCP-2120-JP - DVORAK
著者: ©RuRItech does not match any existing user name
作成年: 2022

SCP-2120-JPのキー配列。

アイテム番号: SCP-2120-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2120-JPはサイト-8141の低脅威物品収容ロッカーに収容されます。実験にはセキュリティクリアランス3以上の職員2人以上の許可が必要です。

説明: SCP-2120-JPは一般的なQWERTY配列に30個の不可解なキー(以下、SCP-2120-JP-A)が追加された、独自のキー配列に基づいて設計されたUSBキーボードです。ステンレス製で、表面には「DVORACKY-10¹」と、背面には「一丸情報²」と記入されており、一部に経年劣化による傷が見られます。SCP-2120-JP-Aには海外の文字や特殊な記号などが割り当てられており、コンピューター上の使用用途、文字としての意味などは一切不明です。現在、SCP-2120-JPは29個 30個が財団に収容されています。

SCP-2120-JPの異常性は、SCP-2120-JPを一般的なコンピューター³のUSBポートに接続した状態でSCP-2120-JP-Aを押下した際に発生します。その際、入力する対象となるアプリケーションには、文字コード・フォント等の内部環境に関わらず押下されたSCP-2120-JP-Aに相当する文字(以下、SCP-2120-JP-B)が入力されます。

全てのSCP-2120-JP-Bにはそれぞれ異なる情報災害的特性が付与されています。単体のSCP-2120-JP-Bの影響により発生する情報災害は微々たるものですが、SCP-2120-JP-Bが文字列に入力された量により情報災害の規模は拡大します。なお、目視的にはSCP-2120-JP-Bは通常の文字と同等に見えますが、文字コード番号が通常の文字とは明らかに異なるため判別可能です。

発見経緯: SCP-2120-JPは201█/██/██に、大手オンラインフリーマーケット"メルカリ"上に流通していたことが財団エージェントにより発見され、収容に至りました。発見当初、SCP-2120-JPは"メルカリ"を経由し、複数の一般人により購入されていました。なお、購入者及び"メルカリ"の運営会社の社員には記憶処理及びカバーストーリー"不良品回収"の散布が行われました。

補遺1: 簡略版実験記録

► アクセス SCP:/2120-JP/実験記録/01.log

実験01
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-1 (外見的に一致する非異常の文字: ε)
実験内容: SCP-2120-JP-B-1をテキストエディタに繰り返し入力する。
実験結果: テキストエディタには通常通り入力がされ、一切の異常は発生しなかった。

実験02
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-1, SCP-2120-JP-B-2 (外見的に一致する非異常の文字: δ)
実験内容: SCP-2120-JP-B-1とSCP-2120-JP-B-2を繰り返し交互にテキストエディタに入力する。
実験結果: テキストエディタには通常通り入力がされ、一切の異常は発生しなかった。
付記: 次回はもっと複雑な条件で実験を行ってみよう。 - ██博士

実験03
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-1
実験内容: 電卓に、「1.1」と入力した後SCP-2120-JP-B-1を入力する。
実験結果: 電卓には「5.58e-18 + 2.5e-12i」と出力がされた。
付記: やはりすべてのSCP-2120-JP-Bは何らかの意味を持っていると思われる。 - ██博士

実験03
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-4 (外見的に一致する非異常の文字: ⋇)
実験内容: 電卓に、順に「1」、SCP-2120-JP-B-4、「2」と入力する。
実験結果: 電卓には「1.4142135…」と出力がされた。
付記: どうやらSCP-2120-JP-B-4はn乗根という意味を持っているようだ。しかし我々が調査したいのはそのようなことではない。 - ██博士

実験04
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-14 (対応するSCP-2120-JP-Aには"Anti-Enter"と記入されている)
実験内容: SCP-2120-JP-B-14をテキストエディタに入力する。
実験結果: テキストエディタのウィンドウが消滅した。
付記: 特殊キーに相当するSCP-2120-JP-Bも、記入されている名前通りの効果を持つ訳ではないようだ。 - ██博士

実験05
実験担当者: D-1887
対象: SCP-2120-JP-B-8 (外見的に一致する非異常の文字: θ)
実験内容: 電卓に順にSCP-2120-JP-B-8、「÷2」と入力する。
実験結果: 情報災害を内包する数値表記が出力された。D-1887は卒倒し、その後死亡が確認された。
付記: 初めて実際に情報災害による損害が出た。なお、SCP-2120-JP-B-8とSCP-033の関連性は不明である。

実験06
実験担当者: D-1889
対象: SCP-2120-JP-B-1
実験内容: SCP-2120-JP-B-1を大量に入力した文書をワードプロセッサーで作成し、プリンターで印刷する。
実験結果: ノイズのみで構成された文書が出力された。文書から情報災害的特性は確認されなかった。

実験08
実験担当者: D-1889
対象: SCP-2120-JP-B-8
実験内容: SCP-2120-JP-B-8を大量に入力した文書をワードプロセッサーで作成し、プリンターで印刷する。
実験結果: 情報災害を内包する文書が出力された。D-1889は卒倒し、その後死亡が確認された。
付記: 予想通りの結果だ。 - ██博士

実験09
実験担当者: D-1893
対象: SCP-2120-JP-B1
実験内容: SCP-2120-JP-B1のみで構成された文字列をSCP-1100-JPに繰り返し入力する。
実験結果: 実験後、D-1893は情報災害を内包する発言を繰り返した。周囲に配置されていた財団職員も同様の情報災害を繰り返し発言するようになり、駆け付けた機動部隊ろ-5("陰陽師")により記憶処理剤スプレーの散布が行われ、D-1893は終了された。
付記: 以前とは違い、多大な損害が発生した。SCP-2120-JPの危険性を我々は甘く見ていたようである。実験を中止することを提案する。 - ███研究員
提案を承認する。 - ██博士

実験10
実験担当者: N/A
対象: SCP-2120-JP-B-1
実験内容: SCP-2120-JP-B-1のみで構成された文字列をSCP-010-JP内のインタプリタに入力し実行する。
実験結果: 実験を提案した██博士自ら実験を却下。

補遺2: 関連文書

以下の文書はGoI-81██ (████社)への捜査の際に施設内のコンピュータから発見されたEメールログです。特筆すべき事項として、片方の送信者のIPアドレスは████社の事務所の住所と、もう片方の送信者のIPアドレスは一丸情報公式サイトのサーバーIPと一致が見られました。

► アクセス SCP:/2120-JP/メールログ/01.log

To: █████@███.███
From: ██████@ichimaru-data.com
Subject: Re:プロジェクト-028の失敗作の処分について

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了解致しました。
貴社様のご希望の通り、例の失敗作の買い手となる人物を探したところ、良質な買い手が一人見つかりました。
その方は大量のキーボードをコレクションしているそうですが、唯一どこを探してもDvorakキーボードが見つからないとのことで、商談を持ち掛けたら即座に快い回答が得られました。30個も同時に買い取るそうで、買取値段は200,000円で結構とのことです。売却手続きはこちらの方で行っておきます。
詐欺として訴えられる事については、一切心配する必要は無いと思います。なぜならDvorak配列自体があまりにもマイナーな概念である上、例の失敗作の危険性は常識的に考えて信じがたいものであるため、訴訟をすること自体が現実性のないことだからです。
最後に、今回の件は誠にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。

To: ██████@ichimaru-data.com
From: █████@███.███
Subject: Re:Re:プロジェクト-028の失敗作の処分について

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こちらこそ誠にありがとうございました。代金は40,000円分のみ頂きますので、残額を今後の研究に役立ててください。今後とも業務提携をよろしくお願いします。

To: ██████@ichimaru-data.com
From: █████@███.███
Subject: Re:Re:プロジェクト-028の失敗作の処分について

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例の製品が転売されているのですが、もしできましたら対処をお願いします。

To: █████@███.███
From: ██████@ichimaru-data.com
Subject: Re:Re:Re:プロジェクト-028の失敗作の処分について

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詐欺まがいの行為をした罰ですね。こちらでどうにかできる問題ではありません。自力で解決してください。

補遺3: 事件記録2120-JP

201█/██/██、新たに単体のSCP-2120-JPが██県██湖湖に包装・梱包を行われた状態で浮かんでいたところをその場に偶然居合わせたエージェントに発見されました。目撃者は存在せず、収容は正常に行われましたが、SCP-2120-JPはその未知なる危険性を鑑みEuclidへの再分類が検討されています。留意すべき事項として、当事案が発生した██県██湖湖には既にSCP-1201-JPが収容されていました。

なお、SCP-2120-JPを梱包していた箱及び包装紙には異常性がないことが確認されたため、現在はAnomalousアイテムとして保管されています。以下の文書は、SCP-2120-JPを梱包していた箱に記述されていた文章です:

関連文書2120-JP

処分特価!! 150%OFFの大安売り!!

あの、一丸情報様のDVORAKキーボード、Dvorakker-10がたったの-100,000円!! 安すぎて腰が抜けちゃいます!!
勿論、利便性もバッチグー、性能も完璧な一品となっております!! ぜひこの機会をお見逃し無く! ぜひ買って下さい!! お見逃し無く!

★☆☆☆☆
詐欺メーカーと転売ヤーに祝福を
人工知能研究サークル

Footnotes

1. SCP-2120-JPの型番であると思われる。なお、この名称はDvorak配列キーボードを彷彿させるが、先述の通りSCP-2120-JPはQWERTY配列に基づいて設計されている。

2. GoI-8110。SCP-1100-JP等の電子的異常存在を製造している企業。

3. 現在Windows, Mac, Ubuntu等において動作が確認されています。

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タグ: scp safe jp 電子デバイス 情報災害 ミーム 道具

ファイルページ: 異常キーボード

ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7627731-84-m7ou
ライセンス: CC BY-SA 3.0

タイトル: 異常キーボード
著作権者: yuuyuuko様(アカウント削除済)
公開年: 2022
補足: この画像は以下の画像をもとにしてyuuyuuko様(アカウント削除済)が作成したものを、私RuRItechが譲り受けたものです。

ソース: http://www.sharots.com/sozai/keyboard.html
ライセンス: こちらに記されている独自ライセンス
タイトル: キーボードのイラスト
著作権者: Sharots.com様

ファイルページ: Dvorakker.png

ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7627731-94-zgvr
ライセンス: CC BY-SA 3.0

タイトル: Dvorakker.png
著作権者: RuRItech does not match any existing user name
公開年: 2022
補足: 以下の画像を編集しました。

ソース: https://www.pakutaso.com/20211148326pc-50.html
ライセンス こちらの独自ライセンス

タイトル: デスク上の古いキーボードの写真素材
著作権者: すしぱく様
公開年: 2021

当記事は、yuuyuuko様(アカウント削除済)考案のGoI「人工知能研究サークル」に関する最初の記事です。
また、rightaway1717様の「キーボード・バトルロイアル」をリサイクルしています。
DiscordにてDX-abc様に批評をいただきました。誠にありがとうございます。

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1. portal:7627731 (29 Aug 2021 10:56)