あなたのご両親は良い親でしたか?

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは中危険度物品収容ロッカー及び財団のデータベースにて収容されます。SCP-XXXX-JPの閲覧及び実験への使用にはレベル3以上の職員一人の許可が必要です。

説明: SCP-XXXX-JPは如月 楓(享年7歳)1によって書かれたA5のノートです。ノートには2019年7月28日から2019年12月24日2までの日記が記されています。
SCP-XXXX-JPは2019年に起きた佐賀県少女虐待殺人事件の際に証拠物品として押収されました。その後SCP-XXXX-JPを読んだ警察職員に異常性が発現したのを警察内に潜入していたエージェントが気づき収容されました。
SCP-XXXX-JPの異常性は日記の2019年12月17日から2019年12月24日の部分(以下該当部分と呼称)を読み進めることで発現します。該当部分を読み進めるにつれて徐々に読んでいる人(以下対象人物と呼称)の幼少期の記憶が両親から虐待を受けていた、というものに改竄されます。この異常性は日記を模写したものや、文字列として電子媒体にした場合でも発生します。最終的に日記を読み終える頃には完全に記憶が書き換えられます。しかしこの改竄のスピードは非常に緩やかであるため大抵の場合対象人物は自身の記憶が改竄されていることに気がつけません。日記を読む際には、読み始める前に自身の家族についてメモを取り、メモをこまめに確認することで記憶を保持し続けることが推奨されています。

補遺1: 以下はSCP-XXXX-JP関係者に対するインタビュー記録です。

インタビュー記録XXXX-JP-1


日付: 2020/█/██
対象: 田木 璃花子氏
インタビュアー: 枝木博士


付記: 田木氏は楓氏の母親である。楓氏の父親である如月 洋介氏とは楓氏が亡くなる4日前にに離婚しているため名字は旧姓に戻っている。


<記録開始>

田木氏: で、なんなの?あんたたち警察でしょ。何を聞きたいの?
枝木博士: あなたの娘さんの楓さんが亡くなったことを知っていますか?
田木氏: えぇ。知ってるわよ。やっぱり洋介はクソね。あいつのところから逃げて正解だったわ。
枝木博士: 洋介さんは日頃から暴力行為を行っていたのですか?
田木氏: そうよ。いっつも機嫌が悪くなったら私達に当たって。私が稼いだ金であいつ遊んでたんだけど、給料が下がったときはクソ殴られたわ。私が仕事のときは楓にも手を上げてたっぽいよ。まあそれで私が殴られる回数減ってたんだからあの子には感謝ね。もう死んでるけど。
枝木博士: そうですか。[田木氏にSCP-XXXX-JPの写真を渡す]これに見覚えはありませんか?
田木氏: なにこれ。ノート?これがどうかしたの。
枝木博士: 楓さんが日記をつけていたノートです。
田木氏: あいつ日記なんかつけてたの
枝木博士: このノートのことご存知ではなかったですか?
田木氏: 初めて見たわ。ぶっちゃけ私あの子のこと興味なかったからなー。ご飯とかだって実際そんなに作ってなかったのよ。お金渡してただけであいつ一人で色々してたのよ。結構賢かったのかもね。
枝木博士: わかりました。[数秒の沈黙]あなたは楓さんになにも思わないんですか?あなただけ逃げて楓さんは死にました。見殺しにして後悔はないんですか。
田木氏: ないよ。そもそもわたしが望んだわけじゃないのよ。洋介が産めって言ったから産んだだけ。私に育てる責任なんかはなから無いし、私だけ逃げてもなんの問題もないでしょ。
枝木博士: そうですか。インタビューを終了します。

<記録終了>


インタビュー記録XXXX-JP-2


日付: 2020/█/██
対象: 如月 洋介氏
インタビュアー: 枝木博士


付記: 如月氏は楓氏の父親である。


<記録開始>

如月氏: はやくしてくれ。こっちも暇じゃないんだよ。
枝木博士: わかりました。[SCP-XXXX-JPの写真を渡す]このノートに見覚えはありますか。
如月氏: あぁ。あいつのだろ。楓がつけてた日記だ。
枝木博士: 知っているのですね。あなたはいつこのノートを知ったのですか?
如月氏: [数秒の沈黙]確かクリスマスの日。その日は近所のパチンコに行ってた。いつも家には9時頃に帰ってたんだがその日は金が尽くのが早くて少し早めに帰った。そしたらあいつがなんかコソコソやってんだよ。で、見せろって言ったんだが全然渡さねぇ。腹立つから一発殴ったんだけど離さねえんだなぁ。[罵倒]思い出すだけで腹が立つ。それで何回か、結構殴った気がするな。そのうち動かなくなったんだよ。結局日記も見る気失せてちょろっとしかみてねえわ。なんだ。なんか変なことでも書いてあったか?
枝木博士: いえ。特別お伝えするようなことは書いてありませんでした。少し話が変わりますが、なぜあなたはそこまで楓さんの暴力を振るっていたのですか。
如月氏: 気にいらねえからだよ。こっちが切れたら泣きわめいて。わざわざこっちは璃花子孕ませて産んでやったんだぞ。俺にちったぁ感謝するべきじゃねえか?愛嬌もねぇし、役にも立たねぇ。ほんとにただの穀潰しだ。あいつにかけた金競馬に使えたらもう少し儲けれたろうによ。なぁ。ざっと300万はかかってんじゃねえのか?
枝木博士: [数秒の沈黙]ひとついいでしょうか。あなたはさも楓さんが産んでもらうことを望んでたように言いますが、結局子供を作ったのはあなたたちです。楓さんに選択権なんてなかった。楓さんに一切の非はありません。子供を作ったからにはあなたには育てる責務があったはずです。
如月氏: [罵倒]ゴチャゴチャうるせぇんだよクソ女[罵倒]てめぇに口出しされる筋合いねぇんだよ。そもそも死んだやつのことを喚かれても困るんだよ!
枝木博士: もういいです。インタビューを終了します。

<記録終了>

レベル3職員のみ閲覧可能


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執筆者: Kozue-Moku
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最終更新: 21 Feb 2022 09:41
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