思い出を頼りに
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Dクラスの遺品を入れたSCP-XXXX-JP。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8142の大型物品保管庫内に収容されます。発生した煙で収容室内が満たされないよう、換気設備は常に稼働状態です。蘇生された人物の記録はサイト司令部へ提出してください。

説明: SCP-XXXX-JPは元大日本帝国の軍事施設跡地[編集済]から回収された大香炉です。香炉は側面に大きく開口した皿状の容器があり、灰が敷き詰められています。灰の中からは様々な大きさの香炭1が発見され、無期限に煙が発生しています。外見のデザインから、17世紀後期に中華人民共和国(以下、"中国"と呼称)との貿易で日本国に渡った経緯を持つと推察されており、同様の物品または作成場所を現在中国国内で捜索中です。

SCP-XXXX-JPは死者の遺品(以下、SCP-XXXX-JP-Aと呼称)を灰の中に入れることで元所有者(以下、SCP-XXXX-JP-Bと呼称)を蘇らせます。灰の中から取り出されたSCP-XXXX-JP-Aは、取り出されてから初めての夜10時を迎えると微弱な振動を始めて、以下の手順で肉体を構築します。

1、SCP-XXXX-JP-Aの無機物で構成される部分を有機物の筋肉細胞へと変換する。

2、変換されたSCP-XXXX-JP-Aは筋収縮を利用して球体状に変化し、やがて5つの突起が形成される。

3、そのまま元の質量を無視して肥大化し、5つの突起をそれぞれ、頭、腕、足に対応させて、SCP-XXXX-JP-Aを所持していた時の肉体を構築する。

4、表面の皮膚組織が変容して、当時着ていた服および所持品と元のSCP-XXXX-JP-Aを生成する。SCP-XXXX-JP-Aはいずれも利き手の中に握るように再生成する。

以上の手順はおよそ30分から50分の間に行われ、復活後は睡眠状態にあります。蘇生されたSCP-XXXX-JP-Bは復活したことを理解しておらず、SCP-XXXX-JP-Aを手放した直後までの記憶しか有していません。

以下は、自身の遺体を見たSCP-XXXX-JP-Bと職員の会話ログです。

会話ログXXXX-JP-01 - 日付 20██/██/██

対象: 蘇生後のSCP-XXXX-JP-B(エージェント・████)

インタビュアー: ███博士

備考: SCP-XXXX-JP-Bには事前にサイト-███の収容違反で死亡したこととSCP-XXXX-JPの異常性を伝えています。

<再生開始>

[SCP-XXXX-JP-Bは自身の遺体の前で立ち尽くす]

███博士: 大丈夫ですか?

SCP-XXXX-JP-B: ああ・・・聞いてはいたが、やはり信じられないな。目の前に俺がいるのに、まるで死んじまってたという実感が湧かない。

███博士: これを見てどう思いますか。

SCP-XXXX-JP-B: まだ整理が付いてないからなんとも。ただただ困惑してるところだ。

███博士: ゆっくりで構いませんよ。そうですね、たとえば・・・怖いとは思いますか。

SCP-XXXX-JP-B: いや、それはないな。

███博士: それはなぜですか?

SCP-XXXX-JP-B: えっと

[しばらくの間考え込む]

SCP-XXXX-JP-B: ・・・俺は安らかな顔して死んでいるだろ。それってたぶん、人生に悔いがなかったからだと思うんだ。この職業柄、いつ死ぬかなんてわかったもんじゃないのに、苦しそうじゃなくて笑顔なんだよ。それがなんか・・・ほっとしたというか、この生き方は間違っちゃいなかったんだなって、そう思ったんだ。

███博士: それはよかったです。

SCP-XXXX-JP-B: ああ、勘違いしないでくれよ。別に俺は許されたなんか思っちゃいない。ろくでなしさ、あんたと同じく。理念のために罪のない人たちを殺してきたんだ。それもたくさん。俺は地獄に落ちただろうよ。

███博士: ではなぜ、ホッとしたのですか?

SCP-XXXX-JP-B: そりゃあ・・・保険があるからじゃないか?いや、違うな、よくわからない。わからないが、死がそれほど怖くなくなった気がする。何というか、死を受け入れちまっている感じだ。俺は一時的なものですぐにまた死ななきゃいけないような。根拠はないんだが・・・これってミームか?

███博士: 可能性はあります。今認識災害対策課の職員が確認しているところです。

SCP-XXXX-JP-B: そうか

[自身の死体の顔を見ている]

███博士: どうしました?

SCP-XXXX-JP-B: いや、なんでもない。ただ、やるべきことができただけだ。

<記録終了>

蘇生後のSCP-XXXX-JP-Bは死に対して恐怖心が薄まります。また、死に対しての向き合い方がオリジナルとは異なり、人々の役に立つことを無意識下で目的としています。見た目や振る舞いは以前と変わりませんが、性格が温厚になるなど「死」に対する認識や価値観の変化が謙虚になります。

補遺: SCP-XXXX-JPの特性およびコスト面を考慮して、現在Dクラス職員の補充に利用されています。これにより、人的資源の不足、Dクラス同士の争いが大幅に減少し、Dクラス職員は死刑囚とは思えないほど温和になりました。オリジナルの死体との接触は禁止されています。


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