これは我々にとって必要なものでこの世界を救う方法がこれしか思いつかなかった研究者の悲観と厳しさ

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - これは我々にとって必要なものでこの世界を救う方法がこれしか思いつかなかった研究者の悲観と厳しさ
著者: ©︎Assistant Gija
作成年: 2022

以下は、桜木博士の供述をまとめたものです。
証明実験が行われていないことに留意してください。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP	Level2/XXXX
オブジェクトクラス: Euclid¹	Classified

SCP-XXXX-JP

特別収容プロトコル(暫定): SCP-XXXX-JPの設置された建物は財団フロント企業により買収され、収容区間(エリア-8178)が設けられます。常に指定された警備が敷かれ、各支部との連絡が取れるようにしてください。回避不能なK-クラスシナリオが確定した場合は事前に決められた担当職員が赤いボタンを押して異常性を発現させることが義務付けられてます。

覚書: 現段階ではSCP-XXXX-JPの異常性を証明または否定する根拠がないため、存在すると仮定してプロトコルが設けられました。しかしながら、桜木博士またはSCP-XXXX-JPを媒介とした例外的なミームの可能性を考慮して間接的なアプローチは引き続き行われるべきです。　- ████博士

説明: SCP-XXXX-JPは[編集済み]に設置された総合盤の機械部分及び発信器(ボタン)です。²外見及び内部は後述する異常性を鑑みて直接的な調査をされていませんが、正常なものであるように見えます。しかしながら、異常性を提唱した桜木博士(本名さくらぎ　しょうた)からは記憶改竄およびミームの痕跡が確認されない為、情報には一定の信頼が置かれ、異常オブジェクトとして扱われることが決定しました。

SCP-XXXX-JPは赤いボタンを強く押す、内部の機械を壊す、または分解することで異常性が発生します。条件を満たしたSCP-XXXX-JPはその後、5秒間のベルの音と同時に空間湾曲が発生し基底世界を2005年6月14日15時56分に再構築します。その際、条件を満たすきっかけとなった人物(以下 SCP-XXXX-JP-A)は確かな空間湾曲を認識しながら、当時の自身の行動場所に同姿勢、外見へと再構築前の記憶を保持したままの状態で戻ります。戻った直後のSCP-XXXX-JP-Aは再構築前に現実改変、ミーム汚染、脳の欠落による自我の消失などの効果をSCP-XXXX-JP-Aが正常だった段階までの記憶のみを保持させることで戻します。仮に条件を満たした原因が人以外の外的要因または再構築後の時点で誕生していなかった人物の場合は、SCP-XXXX-JP-Aは存在せず情報が失われます。そのため、再構築前の世界ではSCP-XXXX-JPの起動は必ず1990年以前生まれの情報を取得した職員が行うことが義務付けられており、その手法をプロトコルに取り入れることを桜木博士は要求していました。

SCP-XXXX-JPのオブジェクト分類は、この世界に唯一のSCP-XXXX-JP-A(桜木博士)が計5回にわたって提出した報告書とSCP-XXXX-JP-Aの正常な状態/素行、精度の高い未来予知を行ったことで、懐疑的ではありますが受理されました。

SCP-XXXX-JPはその特性から、異常性を保持していることの証明は無実の証明と同様に極めて困難です。そのため、私の証言だけではThaumielクラス分類の根拠の説明はおろかSCiP分類すら受理することはとても無理な話でしょう。私が職務で錯乱したのだと言われたらそれまでです。ですが、私が見てきた世界が無かったことにはできません。もし私が、未来を知らない無知な頃の私なら、こんなふざけた話を真に受ける訳がないとは思います。実際、前の世界で私は懐疑的な立場でした。期待などせず、ですが、あれを畏怖と共に心の拠り所にしていました。そして、私の主観では此度の世界を迎え、真実を知り救われました。いずれ訪れる破滅の未来を知ってしまった以上、見て見ぬふりをするわけにはいきません。私はこれからも諦めるつもりはありません。
　- 桜木博士³

SCP-XXXX-JPによる世界の再構築の原理は現段階では理解されていません。時間軸、別世界線、現実値の変動率の観点での調査は意味を成しませんでした。しかしながら、未来予知および現段階から予測できる範囲の脅威が情報提供者である桜木博士の証言と一致することが、その信憑性を高めています。

SCP-XXXX-JPによる再構築は1度ではないことが証言により判明しています。SCP-XXXX-JP-Aの情報の共有は以前より行われ、その度にK-クラスシナリオの対策が行われていたことが以下にまとめられた情報と共に報告されました。

＋ Kクラスシナリオを誘発するオブジェクトの無力化方法と対策一覧

上記には複数のオブジェクトを破壊することを強要する内容が掲載されていましたが、財団の理念により否決されました。

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