SCP-XXXX-JP - 見慣れた光景とその裏側

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

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日本国で一般的な電柱。1

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP現象は事実上収容不可能です。しかしながら、発生頻度の抑制または支出額の節約は十分可能であるとし、収容プロトコルは注力されています。関東地方の電力会社には最低2人以上のフィールドエージェントを侵入させ、SCP-XXXX-JP現象が確認された場合は隠匿部隊あ-7("お化けなんてないさ")が派遣されます。隠匿部隊は記憶処理およびカバーストーリーの流布、情報の抹消を行います。現在までに部隊員数は████名におよびます。

説明: SCP-XXXX-JP現象は日本国内の主に関東地方の電力設備で発生する現象です。SCP-XXXX-JP現象が発生すると200ボルト以上の電圧を扱うケーブルの導体に、抵抗が接触したのと同様の結果が見られます。しかしながら、SCP-XXXX-JP現象が発生したケーブル内からは絶縁システムに異常等が見られない。また、内部から抵抗となる物体は見つかりません。SCP-XXXX-JP現象を観察すると、導体で大小ランダムな強さの抵抗(抵抗値R)が発生し、過電流によって発生した熱により導体、絶縁体を溶かします。その後、導体が絶縁するまでの間SCP-XXXX-JP現象は続き、結果として機器は機能不全に陥ります。

SCP-XXXX-JP現象は、財団内で"ゴースト・ショート現象"と呼称される現象で説明されることが判明しました。

補遺XXXX-JP-EX.1: ゴースト・ショート現象

"ゴースト・ショート現象"は送電線や配電線の扱う高い電圧を近因とし発生します。"ゴースト・ショート現象"は付近を漂う霊的実体が透過能力により導体と接触することで部分的に実体化し、それが一時的な抵抗となります。オームの法則から非常に高い電流が流れてジュール熱が発生し、その熱で機器の機能不全を招きます。"ゴースト・ショート現象"が発生している間、霊的実体は実体化した部分がケーブルに巻き込まれて身動きが取れないので、導体が絶縁するまで行動ができません。

補遺XXXX-JP-EX.2: 電力の公式

ゴースト・ショート現象は、以下に列記する公式に基づいて証明されました。

  • オームの法則

 ボルト(V)=電流(I)×抵抗値(R)

  • ジュール熱

 ジュール熱(Q)=抵抗に流れる電流(I)×抵抗にかかる電圧(V)×時間(t)

通常の環境下では、霊的実体が自ら高電圧ケーブルに接触することはないためゴースト・ショート現象は発生しません。しかしながら、関東地方は他の都市と比べて霊的実体の出現数が多く、原因となる電線、電柱が乱立しています。当然ながら、ゴースト・ショート現象は他のインフラ整備されている都市でも発生しています。ですが、関東地方は前述した理由を除いても、他の都市と比べてゴースト・ショート現象の発生率が異様に高いため、原因が究明されていてもオブジェクトクラスはExplainedに再分類されていません。SCP-XXXX-JP分類されている理由は、他の都市で発生しているゴースト・ショート現象と差別化するためです。現在、関東地方の霊的実体の行動原理について特別研究チームあ-7("幽霊見たり")が調査中です。

SCP-XXXX-JPは高電圧電流を起因とすることから電線にて発生するため、異常性発生時は周囲の地域一帯の停電を招きます。そのためSCP-XXXX-JP現象発生の特定は容易ですが、発生後の隠匿作業およびカバーストーリーの流布に財政面、人的資源面でのコストが高いため、予防対策の必要性は高く課題となっています。

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20██年█月、葛飾北斎「富嶽三十六景」のうち凱風快晴が民間のプロジェクトにより無電柱化のイメージに使用された。2

補遺XXXX-JP.1: 20██年██月、日本国の観光業の需要が高まっている背景で、「無電柱化推進条例」が可決されました。日本国では戦前から無電柱化、電線地中化の動きがありましたが、高度経済成長期で携帯電話の需要が高まったことから現在では電柱が多く乱立しています。SCP-XXXX-JP現象は霊的実体の透過能力により地中内でも関係なく発生するため、これ以上の支出を抑えるために現状を維持するよう動いていました。しかしながら、一定数の意見を無視することが出来ず、地域の限定化および複数の解釈可能な条文に改訂することで条例を許可せざるを得なくなりました。現在、フィールドエージェントが条例に反対する風潮を作ってます。20██年██月までに██億の費用がかかっています。

補遺XXXX-JP.2: 20██年██月、被覆した絶縁体に対霊的実体用塗装を行う計画が立案中です。ですが霊体の特性上、素材の電極性との関係は切り離せないため、従来のものより経年劣化が早くなってしまうことが課題となっています。現在、特別開発チームあ-7("幽霊避け")が開発にあたってます。

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