クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - 模好音調
著者: ©
sakapon
作成年: 2022
お聞きしたい事
大まかな流れは大丈夫か?
オブジェクトクラスは妥当か?
各種記録の追加、変更、削除した方がいいか?
読みづらくは無いか?
現状での評価
タイトル案
他の記事との被りはないか?また、差別化はできているか?
付与予定タグに不備はないか?
ご意見、ご批評お待ちしています
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP、およびSCP-XXXX-JP-Aを完全に収容した場合、人々の生活に支障をきたし、多大な混乱を引き起こす可能性があるため、研究等に使用する個体以外の収容は行われず、一般社会からの異常性の秘匿に重点を置きます。
全国に存在する耳鼻咽喉科の医療機関へフィールドエージェントを派遣し、SCP-XXXX-JP-Aの一般人による発見を防いでください。加えて、財団の保持するWebクローラーを使用し、インターネット上にSCP-XXXX-JP、およびSCP-XXXX-JP-Aに関する情報の発信の有無を24時間体制で監視し、発見された場合即座に消去、および発信元の人物に対して記憶処理を施してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、体長約0.2cmのヒトスジシマカ(Aedes albopictus)に酷似した外見を持つ生物です。既存の種との外見上の違いはほぼ無く、後述する生態によってのみ判別が可能になります。SCP-XXXX-JPは、7月上旬~9月下旬産卵時期を迎え、睡眠中の生物(以降、対象)の外耳道から体内に侵入し鼓膜付近に複数個の産卵を行います。この際、後述する一例を除き対象がSCP-XXXX-JPの接近に気づくことは極めて低確率です(実験記録XXXX-JPを参照)。SCP-XXXX-JPの産卵から1~3日ほど経過すると孵化します(孵化した個体をSCP-XXXX-JP-Aと呼称)。
SCP-XXXX-JP-Aは孵化後、対象の鼓膜を食い破る形で穴を開け、蝸牛かぎゅうに向けて侵入し、体液を餌として寄生します。穴を開けられた鼓膜は、SCP-XXXX-JP-Aの臀部から放出されるタンパク質に類似した物質により塞がれ、その後正常状態と同様に機能します。この時放出される物質には麻酔作用があり、対象は痛みを関知することが出来ません。寄生状態にあるSCP-XXXX-JP-Aは、ある特定の周波数の音声、あるいは振動を受けると微弱な電気信号を発します。この電気信号が蝸牛神経を通ることにより、聴覚的な刺激に対する感情の変化が発生します。この変化には個人差があり、どのような法則性によって定まっているかなどは本稿執筆時点では不明です。SCP-XXXX-JP-Aの寄生から約1年経過後、再び対象の鼓膜を食い破り、外耳道内で蛹になります。この時対象の耳垢に擬態し、対象による耳掻き、あるいは体位による自然排出で体外に出ることにより羽化し、新しいSCP-XXXX-JPとなります。
SCP-XXXX-JPの卵、およびSCP-XXXX-JP-Aは財団の保有する最新鋭の医療技術により約90%の確率で除去が可能です。
以下は、SCP-XXXX-JP-Aによる感情の変化を調査するために行われた実験記録の一部抜粋です。
実験記録XXXX-JP
対象: SCP-XXXX-JP-Aを除去したDクラス職員50名
実施方法: 対象に様々な音声を聴取させ脳波測定器などを用いて反応を記録する。その後、SCP-XXXX-JPを放流した部屋で睡眠薬を接種させ睡眠させる。後日、SCP-XXXX-JP-Aの寄生が確認され次第、再度様々な音声を聴取させた際の反応を記録する。
注記: 寄生後の反応に3割以上の変化がみられたケースからの一部抜粋。全記録は実験記録XXXX-JP一覧 を参照してください。
結果:
音声の内容 |
寄生前 |
寄生後 |
備考 |
機械の操作音 |
変化なし。 |
約4割が集中状態になった。 |
|
会話音 |
約1割が軽度のストレス反応を示した |
約6割が集中状態になった。 |
寄生前、後どちらの場合も、異性の声に反応し、囁くような声ほどより強く反応。 |
洋楽・邦楽 |
約1割がリラックス状態になった。 |
約8割が安心、高揚感等のポジティブな反応を見せた。 |
対象によって強く反応する音楽のジャンルが違うことが確認されたが、どのジャンルでも概ね好反応を示した。 |
キーボードの打鍵音 |
変化なし。 |
約5割が集中状態になった。 |
|
破砕音(金属) |
約7割が不快感を訴えた。 |
約6割がリラックス状態を維持。 |
|
破砕音(合成樹脂) |
変化なし。 |
約3割がポジティブな反応を見せた。 |
|
咀嚼音 |
約9割が不快感を訴えた。 |
約9割がポジティブな反応を見せ、うち3割が興奮状態に陥った。 |
口を開きながらの咀嚼音、および舐める音に強く反応。 |
カ科(Culicidae)の羽音 |
反応なし。 |
全対象が拒否反応を示した。強いストレス・嫌悪感を訴え、耳を塞ぐ等の行動を見せた。 |
後の調査で対象は、SCP-XXXX-JPの羽音も認識し、同様の反応を見せた。 |
分析: SCP-XXXX-JP-A寄生後の対象は、ほぼ全ての音声に対し好反応を見せたが、SCP-XXXX-JPを含めたカ科全般の生物の羽音に対して強い拒否反応を見せた。この反応は恐らく、他種による外耳道への侵入を防ぐための防衛反応、あるいはSCP-XXXX-JPの産卵場所が被ることを防ぐための反応だと推測される。
補遺1: 20██年に行われた調査によるとSCP-XXXX-JPは、熱帯~温帯地域に生息していることが確認されました。しかしながら、地球温暖化による平均気温の上昇により、当時の調査から現時点までに生息圏の拡大が確認されており、世界人口の約75%がSCP-XXXX-JP-Aの影響を受けていると推測されています。
補遺2: SCP-XXXX-JP-Aの除去手術を受けた財団職員の内、約70%に作業効率の低下が確認されました。以下は、除去手術を行った職員のうち、作業効率の低下が顕著に見られたエージェント・草下に対して行われた行ったインタビュー記録の抜粋です。
対象: エージェント・草下
インタビュアー: 酒本博士
<記録開始>
酒元博士: 草下さん。貴方はSCP-XXXX-JP-Aの除去手術を受けた職員の半数以上に、作業効率低下の傾向がみられていることはご存知ですね?
エージェント・草下: ええ。勿論存じております……私もその中の1人ですからね。それで、私に何か聞くことが?
酒元博士: はい。実を申しますと、除去手術を受けた他の職員と比べ、効率低下の度合いが著しいものだったため、何か心当たりがあるのではないかと思いまして。
エージェント・草下: 心当たり…ですか。そうですね、私の習慣に原因があると思います……いや、あります。
酒元博士: どのような習慣ですか?
エージェント・草下: はい……実は2、3年ほど前に軽度の不眠症を患っていた時期がありまして……
酒元博士: 不眠症ですか.……?SCP-XXXX-JP-Aとの関連がないような気がするのですが?
エージェント・草下: あっ、いえ……その時期にあるものに出会いまして、以降不眠症も改善へと向かっていきました。
酒元博士: あるもの?それはなんですか?
エージェント・草下: ……どうしても言わなきゃダメ……ですよね?
酒元博士: 話してもらえた方がこちらとしては助かるのですが。
エージェント・草下: そうですよね……わかりました。[小声で]██……██ちゃんです。
酒元博士: はい?
エージェント・草下: ですから……██ちゃんです。
酒元博士: いったい誰なのですか?
エージェント・草下: 私が好き……だった動画配信者です。
酒元博士: ええと……その██さん?と不眠症にどのような関係性が?
エージェント・草下: 彼女は、バイノーラル方式で録音した音声や雑談動画等……いわゆる、ASMR動画の配信をする方だったんです……私は、その方の動画を毎日就寝前に視聴していました。彼女の動画を、彼女の声を、その全てを聞いて日頃のストレスや不満を解消していたのです。
酒元博士: な、なるほど……つまりあなたにとっての癒しだった。ということですね?
エージェント・草下: もちろん、財団の職務上ストレスや不満が溜まってしまうのは仕方ないと、私はそう理解しているんです……そんな心の負荷も全て癒してくれていた声が何にも感じなくなるなんて……他の音声に変化がなくて安心しきっていたのに、どうして彼女の声だけ何も感じることが、癒しを感じることが出来ないなんですか………今まで彼女の声に救われてきた私は、どうやって受け入れればいいんですか!?
酒元博士: 草下さん、一旦落ちいて。
エージェント・草下: 取り乱してすいません……とにかく、私はあんな虫けらが発する音に心を踊らされていたなんて、癒されていただなんて信じたくもないんです……
酒元博士: それはお気の毒に……もしよろしければ、記憶処理剤の申請を出しておきましょうか?一刻も早く忘れてしまいたいでしょうし……
エージェント・草下: はい……お願いします……
<記録終了>
終了報告書: インタビュー終了後、エージェント・草下に記憶処理を行いました。エージェント・草下は██に関する記憶を消去した後、作業効率が通常の財団職員と同じレベルにまで回復していきました。以上の結果を受け、対象の任意によってSCP-XXXX-JP-Aの除去手術を行い、さらに希望があった場合記憶処理剤を使用することが議論により決定されました。
付与予定タグ: scp jp archon 感覚 寄生 昆虫 聴覚
お読み頂きありがとうございました。
察しの良い方はお気づきかも知れませんが、タイトルの読みは「モスキートーン」です。(ただの言葉遊び?ですね、はい。)
『日常でよく聞いている音の中で、特に好きな音声、音楽(フェチを含む)がオブジェクトによって好きだと思い込まされているってなったらどうだろう?』と思い書き上げたものになります。
エージェント・草下の██ちゃんのくだりは、「もし自分がその立場だったらああなるだろうなぁ…」と思って書いてみました。ちなみに私は耳掻きや、囁き系ののASMR動画が好きです。
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利用ガイド
全体としての評価はDVに近いNVです。
耳に寄生し、侵入する音に対する感情の変化を起こす、という異常性は独特で面白いと感じました。差別化はできていると思います。しかし、いくつか気になる部分がありUVできませんでした。
このオブジェクトの異常性から産卵期以外は人間の耳に寄生しないと思われますが、その場合異常な集中力・活力の増加が特定時期に発生するとして財団は早期に検知するはずです(おそらく都市レベル、100万人程度で感知)。そして、財団は有用であったとしても相当の理由が無ければ確保・収容を行うと思うので、世界人口の75%になるまで何らかの行動を起こさなかったのかが疑問です。何らかの妥当な理由を付け加えるべきだと思います。(調べたところ、通常の蚊は、冬などの寒い時期は卵のまま越冬するとあるので、それを書いておくと、なぜ産卵期以外の時期に全てのオブジェクトは死滅しないのか等の疑問を解消できます。)
このインタビュー記録は、所謂「実は」パターンだと思います。何か重大な理由があると思わせて本当はしょうもない(今回はただの趣味によるもの)理由だった、という形なのでしょうが、私はこれを読んで特に驚きを感じることはありませんでした。言葉にするなら「ああそう。」といった感じです。このような展開には落差を出すための意外性が必要だと思います。しかしながら、このインタビューでは、「他の職員に比べ顕著な意欲低下」ー>「ASMRが無くなった」という感じですが、そこまで意外ではないと感じました。これは、実験記録で咀嚼音の例が出ていることからASMRを連想してしまったこと、前後が共に耳に届く音であるため関連性が非常に強いことが原因であると感じています。おそらく後者が主な原因であると思うので、関連性を無くすような展開にすればより読者に対して意外性が提示できるかなと思います。
大まかな流れに以上の欠陥があり、面白さを欠いているように感じました。ただし、読みにくさや冗長さはありませんでした。
その他気になった部分。
財団ならもう少し高確率で除去可能かなと思いました。個人的には90%くらいかなと。
既存の種との外見上の違いはほぼなく、のほうが適切かと思います。
誤植ですね。
タイトル案にについては、まあ特に言うことないです。また、タグについては「未収容」もあっても良いかなと思います。
以上、拙い批評ですが参考までに。
拝読致しました。
日本語的には間違ってないのでしょうがちょっとモヤっとしたので「既存の種」としてしまった方が良さそうな気がします。
痛みの感じない、だけだとちょっと説得力に欠けますし、放出される物質の中に麻酔作用があると記述してもいいかもしらまさん。また、単に物質と言っても無機物や有機物、金属、タンパク質などと定義が広く、たとえ内容物が分からないとしてもタンパク質に類似した物質、などと書いた方が専門的であり、報告書に似てくるかなと思います。
どのような法則性によって定まっているかなどは本稿執筆時点では不明です。などともう少し細かく書いてもいいかもしれません。
面白かったです。しかし少し疑問が、カ科に関しては防御反応を示したようですが何故囁きや耳かき(入ってるのかは分からないけど)など、耳の中にまで侵入する可能性のあるオブジェクトに害を成す可能性のある行為に対しては嫌悪感ではなくそれを助長するような快感?を与えているのでしょう。カ科程度の侵入を防ぐのならそれよりも脅威度の高い様に思えるそちらに防御反応が出て来ないのかがちょっと気になって…
しかし全体的には蚊の羽音に対して耳を塞いだと言う行為に対して身に覚えのあり、キモいのが自分の耳の中にあるかもと生理的恐怖を掻き立ててくる良い記事でした。
記事作成頑張ってください。
Kajikimaguroさんへの返信になります(間違ってしまいました。)
指摘してくださった部分は追々修正します。
すいません。説明不足でした。
うまく文章化出来なくてはぐらかしてしまいましたね……(耳掻きに関しては蛹の体外への排出を手助けするものなので)
今一度、納得できるような文章を練ってみます。改めてありがとうございました。
keroyuさんへ返信です。(間違ってしまいました。)
世界人口の75%になるまで何らかの行動を起こさなかったのか
もともと日本に蚊がいるので気づかなかったという風にしたかったのですが表現することができませんでした。また、
とあるように、一応体内には一年中いる設定ですね。(体温と絡めて冬季の活動ができると書き足しておきます。)
意外性を出せるよう案を練って改稿してみます。
修正させていただきます。
改めてありがとうございました。