SCP下書き 「望まれぬ時」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準人形収容室に必ずSCP-XXX-JP-1と一緒に収容してください。本当に非常時の場合を除いて、SCP-XXX-JP及び-1に身体的及び精神的障害を与えることはあってはなりません。SCP-XXX-JP-1の要求した物品はセキュリティクリアランスレベル3の職員2名以上及びSCP-XXX-JPの許可を得た上で支給してください。

説明: SCP-XXX-JPは直径50cmの金属製の球体です。頭頂部左側に帽子のようなものを被り、蝶ネクタイのような装飾も見られます。常に原理不明の方法で浮遊しています。表面にはディスプレイが付いており、顔と判別される映像が映し出されています。この映像は現在のSCP-XXX-JPの感情によって変化します。未知のAIのような物が入っており、明確な自我を持ちます。また、事案XXX-JPによりSCP-XXX-JPは要注意団体「東弊重工」と何らかの関連があると判明しました。しかし、SCP-XXX-JPは東弊重工の名前のみ知っており、SCP-XXX-JPから東弊重工の情報を聞き出すのはほぼ不可能です。基本的にSCP-XXX-JP-1からの指示には従順です。また、SCP-XXX-JP-1の事を「お嬢様」と呼称し、非常に気にかけています。

SCP-XXX-JP-1は16歳の日本人の少女であり、特異性を持ちません。SCP-XXX-JPのことを「メル」と呼称し、非常に大きな信頼を寄せています。██県内の██学園の生徒です。

インタビュー記録 XXX-JP 1-1

対象: SCP-XXX-JP

インタビュアー: ███博士

<録音開始>

███博士: では、SCP-XXX-JP。インタビューを開始します。

SCP-XXX-JP: はい。

███博士: まず、あなたとSCP-XXX-JP-1の関係性を教えていただけますか?

SCP-XXX-JP: それは「お嬢様」のことでよろしいですか?

███博士: はい。

SCP-XXX-JP: 私はお嬢様の執事であり親友です。いわば保護者というものでしょう。私はお嬢様が幼い頃からお世話をさせていただいていました。旦那様も奥様もお忙しい方達でしたので。

███博士: なるほど。では、あなたのその体はどこのメーカーのものですか?

SCP-XXX-JP: 申し訳ありませんが、私にも判りかねます。旦那様は「友人に紹介してもらって作ってもらったらしい。」とおっしゃっていました。そのご友人は今は何故か顔も思い出せないとも…高くついたでしょうに、感謝の限りです。

███博士: ではあなたは人工知能を積んだロボットということでよろしいですか?

SCP-XXX-JP: ……まぁ、そういうことになります……

███博士: わかりました。ありがとうございます。

SCP-XXX-JP: あの、お嬢様は今どちらに…あなた方につれてこられてから3日は経ちます。その間お嬢様は学校にも行かれていません。あなた方の目的、私が収容される理由については理解しましたが、お嬢様も収容される理由は判りません。お嬢様だけでも開放してはくれませんか?

███博士: SCP-XXX-JP-1は今別室で同じようにインタビューを受けています。そして、我々はあなた方がお互いに強い信頼を寄せ合っているので2人とも一緒に収容する、という結論に至りました。

SCP-XXX-JP: 信頼を寄せていますが、それだけでは……

███博士: あなたが先程おっしゃったようにSCP-XXX-JP-1が幼い頃からあなたは側に居り、お互いがお互いに向ける信頼は並大抵のものではないはずです。その結果、お互いがいないと不安になってしまうような関係にあるのではないか、と。無理やり引き離してお互いに不安感を抱いてもらっても困りますし、共に収容することで収容の確実さが上がるのならば我々はそちらを取ります。それに……SCP-XXX-JP-1側がどうしても離れたくない、と……

SCP-XXX-JP: そうですか……

<録音終了>

インタビュー記録 SCP-XXX-JP 1-2

対象: SCP-XXX-JP-1

インタビュアー: ██博士

<録音開始>

██博士: ではSCP-XXX-JP-1、インタビューを開始します。

SCP-XXX-JP-1: よろしくお願いします。

██博士: まず、あなたとSCP-XXX-JPの関係性について教えてくれますか。

SCP-XXX-JP-1: SCP-XXX-JP……? あっ、もしかしてメルのことですか?

██博士: はい、そうです。わかりにくい言い方をして申し訳ありませんが、これも規則なので。

SCP-XXX-JP-1: え〜と……メルは私が物心ついたときにはもう側にいて、それからずっと私の面倒を見てくれている、執事って名乗ってるけどそれよりも親友っていうか…もう一人の親みたいなものです。私の1番の理解者で、辛いときに寄り添ってくれます。学校は付き添ってくれていて、いじめられた時も助けてくれたんですよ。「私は機械だから壊れても大丈夫ですよ」なんて言ったりして。だから、私のとっても大切な人なんです。

██博士: なるほど。ありがとうございます。では、あなたの親御さんについて話してもらえますか?

SCP-XXX-JP-1: ……親は……なかなか私の相手をしてくれなくて……忙しかったからってわかってるんですよ。でも、直接は愛情を注げないけどって、私の助けをしてくれるんです。朝起きるとご飯が置いてあったり、通行費も学費も払ってもらってるし。だから、感謝はしています。今は忙しいから違うけど、幼稚園生の時まではご飯も一緒に食べてたんですよ。でも、メルはずっと一緒にいてくれて。だから寂しくはありませんでした。

██博士: ……ありがとうございます。

SCP-XXX-JP-1: あの……メルは今どこに……? 正直、私はあなた達が何をしようとしているかはわかったけど、メルは異常じゃないと思うし…確かに、浮いてるし、よくわからないシステムかもしれないけど、それでも……

██博士: 大丈夫です。SCP-XXX-JPはいま別室で同じようなインタビューを受けています。そして、我々はあなただけを開放するか、2人共収容を続けるかの協議が行われています。あなた方の意見も備考として考慮しますが……

SCP-XXX-JP-1: 私1人だけ帰るなんて出来ない。ここにいてもいいわ。

██博士: わかりました。考慮します。

SCP-XXX-JP-1: 博士、私ね、将来メカニックになりたいの。これはまだメルにも言ってないんだけどね。

██博士: 頑張って……下さいね。

<録音終了>

終了報告書: SCP-XXX-JPの収容は続けるべきですが、SCP-XXX-JP-1の収容の継続は協議の余地がありますね。本人たちが離れたくないからと言って、SCP-XXX-JP-1の学校をこのまま休ませるわけにも行きませんし。記憶処理をするという手もありますが、小学校の時から付き添っていたとのことでSCP-XXX-JPの事を認知しているものは非常に多く、すべての特定及び記憶処理は難しいでしょう。


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  1. portal:7564576 (10 Aug 2021 07:01)
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