アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはその異常性から事後処理に焦点が当てられています。インターネット上のSCP-XXXX-JPに関連していると推測される情報は財団のウェブクローラーによって探索し、発見し次第削除します。
説明: SCP-XXXX-JPは日本国内において10〜40代の自死を試みようとしている人間(以下、対象)に掛かる11桁の電話番号です。SCP-XXXX-JPは一方向的であり、対象の凡そ周囲10m以内に電話機器が存在し、他に人間が居ない場合に発生します。これは電話機器が破損していた場合も同様です。対象は着信音を聞くことにより"受話しなければいけない"とする強い強制力を受けます。
対象が受話すると不明な存在(以下、SCP-XXXX-JP-1)が通話相手として対象に話し始めます。SCP-XXXX-JP-1からは断続的なノイズ音が記録されており、声色がSCP-XXXX-JP発生毎によって異なる点からSCP-XXXX-JP-1は複数人存在していると推定されています。SCP-XXXX-JP-1は対象に死の恐ろしさ、苦しさを主とした内容を語り、これにより対象は自死を中止します。対象が自死を行ったケースが確認されました。詳細は補遺を参照してください。対象が自死を中止した理由を質問した際、一様に"私にはまだ死ぬ価値があるから"といった旨の内容を答えていますが、具体的な詳細についての回答を拒否しています。
補遺: 以下はSCP-XXXX-JPによる異常性の影響を記録するための実験で発生した記録です。
対象: D-4231(23歳)
付記: D-4231は重度の大鬱病性障害に罹患しており、自傷行動を繰り返していました。実験は自死用のナイフとスマートフォンを配置し、SCP-XXXX-JP発生条件を満たした室内の中で実施されました。
〈記録開始〉
対象はナイフを用いて自死を行おうとしSCP-XXXX-JPが発生する。
対象はスマートフォンをスピーカー状態にし、床に置いた上で受話する。
SCP-XXXX-JP-1: [男性と思われる声で]ハロー、ブラザー。この電話に出てくれたことを嬉しく思うぜ。
対象: あんたがSCP-XXXX-JPってやつか。俺が死ぬのを止めるんだろ? 悪いが諦めてくれ。もううんざりだ。
SCP-XXXX-JP-1: [笑い声]こりゃまた手厳しい奴が来たな。だが、死ぬってのは辛いぞ? お前さんは生物が死んだ後どうなるのか知ってるかい?
対象: 死んだ後? 死んだらそこでお終いだろ。
SCP-XXXX-JP-1: えらく達観してやがるが、不正解だ。死後の世界ってのは実在するぜ。そこで楽しく生きれる奴なんてのは限られるがな。
対象: そいつは良いな。ここより死後の世界の方がマシだろう。俺が死ぬ理由が一つ増えたぞ。
SCP-XXXX-JP-1: [ため息]まぁそうなるよな。死後の世界が存在したとして、喜ぶに決まっているもんだ。だが、よく考えてほしい。お前さんがどんな辛い経験をそっちでしているのかは分からないが、死後もそれは延長線として続いていくだろうよ。死後の世界っていうだけで、そっちとなんも変わってないんだから。……いや、そっちの方がマシか。
対象: マシっていうのはどういうことだ?
約2分間、"3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調"が流れる。対象は困惑しながらも、応答を待っている。
SCP-XXXX-JP-1: [間]悪いが、それは言えないな。お前さんが死んだら分かることだ。だが、お前さんはまだ若いだろ? 自死なんて絶対にするべきじゃないぜ。せめて、そうだな、50歳を過ぎたくらいに死ねば良い。分かるか? 苦しい思いをして死後の世界になんて行ったところで何になる? 更に辛い思いをするだけだ。
対象: [激昂して]そこまで生きろなんて、ずっと俺に辛い思いをしながら暗い道を歩けって言うのか? 俺はそんなの御免だ。楽になりたいだけなのに、なんで顔も知らない奴に生きろなんて言われなくちゃいけないんだ。
SCP-XXXX-JP-1: 少し落ち着けよ。確かにそうだ、その通りだ。死のうとしていること以外にお前さんのことを何も知らない俺が生きろなんて、図々しい話だよな。でも、これだけは信じてほしい。俺はお前さんに生きてほしいんだよ。誰も好き好んで慈善事業をやっているわけじゃないんだって分かってほしいんだ。
対象: どうして、あんたは俺に生きてほしいんだ?
SCP-XXXX-JP-1: [間]悪いが、それも言えない。守秘義務ってやつだ。
対象: そうかよ。……だったらもう良いよ。
対象はナイフを手に持ち、胸部に突き刺す。対象から呻き声が漏れ、SCP-XXXX-JP-1はそれを知覚したのか動揺した声を上げる。
SCP-XXXX-JP-1: おい、嘘だろ。なぁ、嘘だよな? こんなに面白くないジョークは死んで初めてだぞ。[ため息を吐く]勘弁してくれよ、これが初仕事なんだぞ。
研究員が室内に突入する。それと同時にSCP-XXXX-JPは不活性化する。対象の死亡が確認される。
〈記録終了〉
終了報告: SCP-XXXX-JP-1の発言から、SCP-XXXX-JPは何らかの団体が行っている事業であると推測されています。度々言及されている死後の世界に付随する情報に関して、財団が複数の他オブジェクトから得ている情報と異なっていることから、SCP-XXXX-JP-1が言及している情報は虚偽である可能性が高いと判断されましたが、確認する手段がないため真偽は不明のままです。
付与予定タグ: jp keter scp
ページコンソール
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7559788 (23 Jul 2021 06:44)
コメント投稿フォームへ
批評コメントTopへ