SCP-XXXX-JP - 正解発表

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 正解発表
著者: Nanasi1074
作成年: 2023

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの異常性から収容は不可能であるため、事前対策及び事後処理に重点を置きます。財団職員は職務時に筆記可能なペンとメモ用紙を携えることが義務付けられています。また、一定の余裕がある状況で自死が必要になった場合、自身の死亡動機を加えた遺書を書き残すことが推奨されています。
民間人が自死した場合のSCP-XXXX-JP-A発見・回収のため、自死現場の処理活動には財団エージェントが潜入します。回収されたSCP-XXXX-JP-Aは、SCP-XXXX-JP対象の近親者に記憶処理を施した後に低脅威度物品保管ロッカーに収容します。

説明: SCP-XXXX-JPは特定条件下にある人間の死亡時に発生する現象です。SCP-XXXX-JPは死亡者が自死しており、近親者が存命する場合にのみ発生すると推定されています。SCP-XXXX-JPの発生後、異常性は2パターンに分かれます。

パターンA
死亡者が生前に遺書を書き残していた場合、不明な手段により死亡と同時に近親者の目前に遺書が出現します。近親者は遺書の存在に疑問を持たず、大多数はそのまま遺書を読み進めます。遺書を読後、近親者は"最期の思いを読むことができて良かった"等の肯定的な感想を抱きます。

パターンB
死亡者が生前に遺書を書き残していない場合、パターンAと同様の手順で1通の茶封筒が出現します。茶封筒の中には三つ折りにされた1枚のA4用紙(以下、SCP-XXXX-JP-A)が入っています。近親者がSCP-XXXX-JP-Aを読むとパターンAと同様に肯定的な感想を抱きます。

SCP-XXXX-JP-Aは"質問と回答"の形式をとった文章が記載されたA4用紙です。文量や内容は各実例によりバラバラですが、共通して死亡者が自死した理由を明示しています。以下は特筆すべきSCP-XXXX-JP-Aの一例です。

SCP-XXXX-JP-A-13

死亡者: エージェント・更科

〈内容〉

Q.今回の死因は？
A.銃でこめかみを一発です。

Q.死亡動機は？
A.認識災害の感染ベクターとなっていることが判明したためですね。

Q.その認識災害の内容は？
A.[認識災害フィルターによる検閲。詳細は5.7以上の認知抵抗値を有する職員にのみ開示されます。]

報告: SCP-XXXX-JPが財団に関する知識を有している可能性が高いと判明した例。SCP-XXXX-JP-Aを目撃した親族は認識災害に曝露していたため終了措置が為された。これを受けて特別収容プロトコルが改定された。

追記(2022/03/14): SCP-XXXX-JPの変異例が発見されました。当該実例はパターンAであったにも拘らず、遺書の裏面にSCP-XXXX-JP-Aと同様の形式をとった文章が記載されていました。以下はその実例です。

SCP-XXXX-JP-A-1432

死亡者: 中村綾香(女子、13歳、父親は他界している)

遺書内容: 苦労ばかりかけてごめんなさい。私を育ててくれた母には感謝してもし尽くせません。ですが、少し嫌なことが積もってしまい、生きていくのが辛くなってきました。母が働きに出ている間、私はこの人生がいつまで続くのかを考えていました。途方もない時間を過ごさなくちゃいけないという結論に対しての責任を私は持てませんでした。だから、もう終わってしまいたいと思いました。愛してくれた母を愛しています。申し訳ないと思っています。本当に愛しているんです。でも無理なんです。
死ぬと決意してもやはり怖いのか手が震えます。先逝く親不孝者な私を許してください。

〈記載された内容〉

Q.今回の死因は？
A.自宅の自身の部屋で縊死です。

Q.死亡動機は？
A.本人は暈して書いていますが、いじめがエスカレートした結果でしょう。主な被害は腹部への集中的な暴行に恫喝、金銭の要求等が挙げられますね。

Q.そのいじめに気づいていた人は？
A.学校側は把握していたようですが傍観に徹していたようです。学校外では彼女がいじめを受けているのを隠し通していたため居ません。

Q.死に際の思考は？
A.苦痛が62%、怨恨が24%、安堵が8%、諦観が6%です。

自死現場の後処理の際に潜入していた財団エージェントが遺書を読み耽る"中村沙織"氏を不審に思い聴取を行った結果SCP-XXXX-JP-A-1432の存在が発見されました。なお、聴取では他実例の時と同様に"娘がどう思っていたのか知れて良かった"、"ちゃんと自身の思いを書いて欲しかった"との返答が得られました。
当事例を受けて未発見のSCP-XXXX-JP-Aは年間で████件に上ると推測されていますが、SCP-XXXX-JPの自己収容性からベール崩壊シナリオの心配はされていません。

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