空の幸

クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - 仙人山
著者: ©︎akisarait
作成年: 2021

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを中心とする半径1km圏内（以降、効果範囲と呼称）に対して、Dクラス職員以外の進入は許可されません。効果範囲から5km圏内（以降、収容範囲と呼称）はIRST¹ およびサーマルカメラにより監視します。収容範囲に対してはカバーストーリー「立ち入り禁止区域」を発行し、付近または内部で人型実体が確認された場合は直ちにSCP-XXX-JP収容チームを派遣し、収容体制の維持に当たらせてください。また、収容範囲の外縁部には散水スプリンクラーを埋設し、合成インドールを使用した芳香剤を3時間毎に極少量散布してください。SCP-XXX-JP収容チームは収容範囲内に建造された3軒のコテージそれぞれに常駐します。

説明: 吸い込むと気体を肺で栄養に変えられるようになる霧。肺を持ち空気呼吸する脊椎動物に影響を与える（変化したものはSCP-XXX-A）。遺伝性はない。

「山で虫や動物が異常繁殖している」との通報。財団の調査により、陸上生態系の個体数ピラミッドにおける消費者²が上位消費者の個体数に対して著しく増加していることが確認された。上位消費者の捕食活動や食料不足によって第一次消費者の大量死が発生し、これを契機として自然に個体数が調整されると予測されたが、山全体で各種の増加傾向を維持した。

十分に成長し長距離の移動が可能になった個体は、SCP-XXX-JP-Aの先導³によりSCP-XXX-JP発生領域へ進入し、SCP-XXX-JPを吸引してSCP-XXX-JP-Aへと変化します。SCP-XXX-JP-Aとなった個体は本能的に大気摂食を理解し、呼吸によりSCP-XXX-JPを吸引して満腹感や満足感を得ます。以降、従来の食事は嗜好品のような位置付けとなり、後述する変化と合わせて積極的な捕食活動が行われなくなります。SCP-XXX-JPの異常性が発現する対象は肺を持ち空気呼吸する脊椎動物に限定されるため、昆虫類や河川に生息する淡水魚は基本的にSCP-XXX-JP-Aに変化しません。⁴

SCP-XXX-JP-Aが固形物を摂食しない期間が続くと、不明な原理で胃酸が中和され糞便に代わって排泄されます。捕獲したSCP-XXX-JP-AやDクラスを用いた実験により、SCP-XXX-JP-Aの嗅覚受容体にインドール(Indole)⁵が結合すると従来の反応を大きく上回る不快感・嫌悪感を与えることが判明しています。但し、種を問わずSCP-XXX-JP-Aである親個体が仔の糞便を土中に埋める姿が確認されており、絶対的に忌避されるものではありません。

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利用ガイド

1. portal:7500928 (09 Jun 2021 00:22)

Footnotes

1. infra-red search and track system. 赤外線捜索追尾システム。

2. 第一次消費者である草食動物から、下位の消費者を捕食する第二次以降の消費者を指す

3. 観測された32例中31例が親個体によって行われましたが、1例のみ別種間で発生しています

4. 実験により持ち込まれたハイギョ(Dipnoi)など例外が確認されています

5. 花の香気成分の一種であり、濃度によっては大便臭を発散する有機化合物。