SCP-XXXX-JP 人の尻尾切り

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

旧特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-Aは低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。SCP-XXXX-JP-Bは現実改変による精神汚染を防ぐため、スクラントン現実錨によって半径5kmに渡る範囲のヒューム値を異常のない数値に固定しなければなりません。また、SCP-XXXX-JP-Bは山小屋に偽装された財団施設によって常に監視されています。SCP-XXXX-JP-Bに近づく者にはカバーストーリー「古代遺跡の調査中」を適応し、周囲100m以内への一般市民の侵入を防いでください。

改訂版特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-Aはサイト-███の耐震・耐圧・気流管理設備の整った高脅威度物品保管ロッカー内に収容されます。O5評議会の許可を得ている場合を除き、誰であろうとロッカー内への入室、オブジェクトへの接触は禁止されています。故意の有無に関係なく、収容違反につながるような行動を検知した場合、即座に終了されます。また、サイト-███の職員は自らの身体に関する精神分析を定期的に受けるようにしてください。SCP-XXXX-JP-Bは現実改変による精神汚染を防ぐため、スクラントン現実錨によって半径5kmに渡る範囲のヒューム値を異常のない数値に固定しなければなりません。また、山小屋に偽装した監視施設によって周囲100m以内への侵入を監視し、SCP-XXXX-JP-Bに近づく者にはカバーストーリー「地熱発電の実験施設」を適応し、一般人の接近を防いでください。

説明: SCP-○○○-jpはSCP-XXXX-JP-A、SCP-XXXX-JP-Bからなる異常存在です。SCP-XXXX-JP-Aは1991年6月5日、北海道██市██町にあるSCP-XXXX-JP-B内で発見された、金メッキの施された銅製の鈴です。表面には未知の言語による装飾がなされており、現在、財団の言語解読チームによる解読作業が行われています。書かれている内容は補遺:1〜6、8を参照してください。SCP-XXXX-JP-A発見時に回収された木製の箱(当scpを保存する用途に使われたと思われる)と、SCP-XXXX-JP-Aに付属する長さ15cmの木製の棒(鈴の持ち手と思われる)は耐腐食性を有し、それらを対象とした放射性炭素年代測定法による結果はいずれもSCP-XXXX-JP-Aが10000年〜15000年ほど前に製作されたということを示唆しています。

SCP-XXXX-JP-Bは半径40m、高さ4mほどの一見小高い丘のように見える円型の構造物です。構造物の東側に出入り口と見られる穴があり、緩やかな傾斜を下ることで構造物内部にアクセスできます。入口から15mほどのところに空間があり、空間の中央の台座にはSCP-XXXX-JP-Aが安置されていました。構造物の内部は中央の台座の地下5mを中心に高いヒューム値が観測でき、空間内の人間に軽度の精神汚染を引き起こします。また、未知の原理によって基準以上の光は吸収されるため、空間内は非常に暗くなっています。構造物の外部は木々で覆われており、周りからはよく見えないようになっていますが、入口や村へと続く小道は村人による整備がなされており、村人が構造物に対して深い関心を持っていると考えられます。

財団が当SCPを収容するに至った経緯は、北海道██市██町に伝わる伝承を耳にした財団がそのことについて不審に思い、エージェントを派遣したことにあります。

SCP-XXXX-JP-Aの構造はさまざまな観点から見てもありふれたベルのそれであり、ベルを鳴らすことへの障害は何一つないように思われますが、なんらかの方法でSCP-XXXX-JP-Aを鳴らそうと試みた場合、未知の原理でSCP-XXXX-JP-A内部のクラッパー1が固定され、物理的に音を鳴らすことができなくなります。ベルを手で振るわせる通常の鳴らし方だけでなく、投擲や遠隔操作ロボットなどの間接的若しくは、偶発的を装った試行であっても、「ベルを鳴らそう」という目的を持った行動は全て音が鳴らないという結果に終わります。外部の金属に直接衝撃を与えることで音を発生させても、異常性の発現に至ることはありません。SCP-XXXX-JP-Aに対する、いかなる手段を用いた破壊の試みもすべて失敗に終わっています。また、異常性の発現以外の方法によるクラッパーの固定の試みは未知の力によって失敗しています。

※追記:20██年█月█日
今後、当SCPの無力化を目的とした実験を無条件で禁止します。 小野博士

                                     サイト管理官████

SCP-XXXX-JP-Aのさらなる異常性は一定の条件下で内部に存在するクラッパーを、外側の金属に衝突させ、音を発生させた場合に発現されると推測されています。

SCP-XXXX-JP-Aは人体の構造についての現実改変を全人類にもたらすとされています。その影響を受けるのはその時点で生きている人類に限らず、過去に生きていた人物の記録、遺体、それ以降出生する人類又は、それに関係するすべての事象にまで効果を及ぼすと推測されています。しかし、そのプロセスは瞬間的に行われるとされるため、現実改変を認識、妨害することは不可能です。加えて、オブジェクト表面に書かれている文字群から推測するに、今までSCP-XXXX-JP-Aによっておこされた現実改変に関しても、あらゆる記録、記憶が消去されると思われるため、人類が当SCPの影響を知覚することはできません。

補遺1: 1998年2月21日
SCP-XXXX-JP-Aがあった遺跡内には数点ほどの文書、壁画などの言語情報が残されており、それらを活用した解読活動により、オブジェクト表面に存在する言語群の解読に成功しました。以下は言語群の一部を解読後、日本語に翻訳したものです。

この鈴明日来ぬ誰のため
(解読不能)の力
手に取り振るえ明日のため

補遺2: 1999年1月4日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。
 

尾を失いし姫、己を呪う
王、鈴を振るう
世界、尾を捨て明日へ向かう
二人、地の底に眠る

遺跡内の地下に小さな空間があることが判明しました。空間内には、不明な言語が記された二つの石棺と、尻尾を持つ男女が描かれている壁画、なんらかの鋭利なもので切断されたと思われるミイラ化した尻尾と思われる肉片が存在します。石棺の内部には男女2名の遺体が良好な保存状態のもと安置されており、興味深いのは遺体の尾てい骨が異常なほど発達していることです。男性の遺体は異常に発達した尾てい骨とそこに連なる準尾てい骨群を有します。また、女性の尾てい骨は切断された痕跡を有しており、さらに発達した尾てい骨群を有していた可能性があるということです。ミイラ化した尻尾の切断面と一致しました。
放射性炭素年代測定法によるミイラの年代測定は少なくとも9000年前のものであることを示唆しています。

補遺3: 1999年6月12日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。

███を失いし僧、天を呪う
その弟子、鈴を振るう
世界、███を捨て明日へ向かう
一同、共に眠る

遺跡内の地下に補遺:2に示したものと酷似した空間が発見されました。空間内には不明な言語が記された一つの木棺とその周りに縋るように横たわる12体の白骨遺体、三つ目の僧とそれを拝む弟子と思われる三つ目の人物が描かれている絵画、ミイラ化し酷く損傷した眼球と思われる器官が存在しました。石棺の内部にはミイラ化した男性の遺体が良好な状態で安置されており、副葬品、遺体の様相からある程度地位の高い高僧のものである可能性が高いとされています。また、その遺体の頭蓋骨は通常のものと異なっており、額の部分に眼窩と思われる器官が存在していたように見えます。しかし、眼窩周辺の損傷が激しく、鈍器のようなもので殴られた、ということしか判明していません。木棺の周りに縋るように横たわる12体の白骨遺体はすべて頭蓋の額部分に眼窩と思われる器官を有しており、医学的な観点から感覚器官として十分作用しうると結論付けられています。

放射性炭素年代測定法によるミイラの年代測定は少なくとも4000年前のものであることを示唆しています。

補遺4: 1999年12月25日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。

毛皮を失いし娘、父を呪う
その父、鈴を振るう
世界、毛皮を捨て明日へ向かう
二人、共に眠る

遺跡内の地下に補遺:2に示したものと酷似した空間(今後は、特殊地下空間と呼称)が発見されました。空間内には、並べられた二体のミイラ化した遺体、父娘を思わせる人物二人が描かれた壁画が存在します。分析結果によると一体のミイラは70歳ほどの男性と見られ、全身に2cmほどの毛が生えているのが確認できます。もう一方のミイラは女性と見られ、年齢は不明ですが、頭部を除く全身に火傷の痕跡が認められます。

放射性炭素年代測定法によるミイラの年代測定は少なくとも3000年前のものであることを示唆しています。

補遺5: 2000年3月28日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。

指を欠けし老躯、空を思う
その孫、鈴を振るう
世界、指を忘れ明日へと望む
二人、安らかに眠る

遺跡内部に新たな特殊地下空間が発見されました。空間内には、二つの骨箱、「祖父とその孫」と題された絵画、ミイラ化した切断された痕跡のある親指の第█関節が存在します。骨箱内には粉末状の骨が入っており、化学的な検査の結果、「80〜90歳程度の男性」、「50〜60歳程度の男性」(両者は遺伝子学上の血縁関係にある)であることが分かっています。加えて、切断された親指は前者の男性のものである可能性が高いとされています。

放射性炭素年代測定法による骨物質の年代測定は、少なくとも1000年前のものであることを示唆しています。

補遺6: 2000年12月25日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。
    
[[=]]
██脳を失いし小兵、友を想う
その友、鈴を振るう
世界、██脳忘れ明日へ向かう
二人、安らかに眠る
[[/=]]

遺跡内部に新たな特殊地下空間が発見されました。空間内には、二つの墓標とその下に埋没する二体の白骨遺体、二人の少年が肩を組みこちらに向けて微笑みかけている写真が存在します。白骨遺体の頭蓋部分は通常の頭蓋骨と明らかに異なっており、頭蓋の██部分が、大きく肥大した状態になっています。また、一方の遺体のその██部分には、銃弾による貫通痕が認められ、その他、背中側の肋骨、骨盤にも同様の貫通痕が認められます。放射性炭素年代測定法による骨物質の年代測定は、少なくとも150年前のものであることを示唆しています。
 

補遺7: 20██年█月█日 
当scpの重大な収容違反が発生しました。

20██年█月█日に発生した███████地震の際、サイト███にも揺れが伝播。その結果、SCP-XXXX-JP-Aが活性状態になる事態が発生しました。この結果を踏まえて、収容プロトコルが改定されました。

当事象後、新たな言語群がSCP-XXXX-JP-A表面に出現。内容に関しては補遺:8を参照してください。

補遺8: 20██年█月█日
新たに解読された言語群を日本語訳したものです。

███(削除済み)を
失いし██(削除済み)、
財団を呪う
█████、鈴を振るう
███、██を捨て去り、次へと進む

遺跡内部に新たな特殊地下空間が発見されました。空間内には、████と███、██に█████が存在します。

以下、管理官███による削除申請 
                                       受理されました。


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