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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 異常性の再発をいち早く確認するため、影響区域の監視は継続されます。該当区域の襖に関する情報を収集してください。過去の異常に関する記憶を保持する一般市民は事情聴取の後Bクラス記憶処理が施されます。
広域影響剥離の為の集団記憶処理の手順を確認してください。1
説明: SCP-XXX-JPは███県███地方███に周期的に発生する異常性を持つ襖群です。複数の家屋に同時多発的に生成され、また住民は襖の存在と、一定までの異常事態に疑問を持ちません。また、SCP-XXX-JPに関する一定の記憶処理を行うことにより一時的な無力化が可能です。
SCP-XXX-JPの奥には内部空間が形成されていると見られていますが、内部に密集する手腕により、侵入に成功した例は今のところ確認されていません。SCP-XXX-JPの異常性は主に当該空間(以下SCP-XXX-JP-1)に確認されます。異常性はより長期に至るにつれて上部の異常性から下部の異常性へと変化します。
•SCP-XXX-JP-1より発生する音声。基本的には規則性がないが、全SCP-XXX-JP-1において共通する音声も確認できる。(例:何人いらっしゃいますかあ)
•SCP-XXX-JP-1内部より外部に移動しようとしている様な動きを見せるヒト手腕。全ての手腕において爪が剥がれており、外部への移動が不可能となっている
•半開きになったSCP-XXX-JPから観察できる、不明なヒト脚部。主に1から45体が今まで確認されている。なお、この現象はSCP-XXX-JPを完全に封鎖していたとしても問題無く観察できる。
•家屋内部での人影の視認、足音の確認。視認した人影は、必ずSCP-XXX-JPへと侵入する。また「███(住人)をじっと見つめていた」と言う報告も存在する。
•SCP-XXX-JP-1内での顔の出現。
補遺: 以下は███に長期間居住していた住民へのインタビューログです。
対象: 中坪 恵子
インタビュアー: 鳥宮研究員
<録音開始>
鳥宮研究員: こんにちは。今日はお宅の襖について伺いたいのですが。
中坪 恵子: 何にも特別な事ない、普通の襖ですよ。ああ、うちの襖は他と違って、決まった事しか喋らないんで、そこは変かもしれないですねえ。
鳥宮研究員: 決まった事とは?中坪 恵子: 毎日聞くんで、そりゃもうよく覚えてますよ。何人いらっしゃいますかあ、何人いらっしゃいますかあ、ってそれしか言わないんです。
鳥宮研究員: なるほど。他に変わったところは?周囲に襖で何かあった人なんかいらっしゃいますか?
中坪 恵子: [3秒間の沈黙] ああ、相田さんなんか気の毒でしたねえ。
鳥宮研究員: 相田さん?
中坪 恵子: 襖なんだから、手だって足だって普通にあるでしょう?でもね、あの人顔を見ちゃったそうなんですよ。それで我慢ならなくって、引っ越してっちゃったんです。まだ小さい赤ちゃんも居たから、大変だったでしょうにねえ。
鳥宮研究員: ありがとうございます。他には何かありませんか?
[無関係な会話を削除]
<録音終了>
[中坪 恵子にはBクラス記憶処理が施された。またこの記憶処理に伴う異常性の一時的な消失を確認して、特別収容プロトコルが改訂された]
対象: 相田 智子
インタビュアー: 鳥宮研究員
<録音開始>
鳥宮研究員: こんにちは。今日は███にお住まいだった時のことについてお話しいただきたいのですが。
相田 智子: [10数秒間沈黙する]あ、すみません。今も少し思い出したくは無くて。鳥宮研究員: お辛いことを思い出させてしまい申し訳ないです。
相田 智子: いえ。ええと、まず初めから話しますね。いつだったか私が遅くまで家を開けて、帰って来た時なんです。襖に気づいたの。奥座敷にどーんと大きな襖があって、おかしいじゃないですか。そんなものある筈ないじゃないですか。それから色々と気持ちの悪いことが起こり始めました。
相田 智子: お隣さんにも相談したんですけど、よくあることじゃないかって取り合ってくれなくって。その日から襖の奥から声がし始めたんです。おかしいですよね。
鳥宮研究員: すみません。声とは、どの様な?
相田 智子: よく覚えてます。毎日聞こえて来ましたから。さあんにん、さあんにん、さあんにんって、繰り返し繰り返し話す声が、毎回違う声音で聞こえるんです。不気味で仕方なくって。おかしいでしょう。
相田 智子:でもお隣さんに相談したらみんなそんな物だって、お向かいさんだって当たり前だって、そう言うんです。おかしいでしょう、おかしいじゃないですか。私以外の声が聞こえて来るなんて。違う、私がおかしいんじゃないんです。
[対象は10数分間錯乱状態に陥る]
相田 智子: すみません。話に戻りますね。鳥宮研究員: お願い出来るでしょうか。
相田 智子: それからは酷い物でした。帰ってきたら半開きになってる襖の中にびっしり人がいたり、手がこっちに這い出ようとしてきたり。だってこんなにはっきり見るなんて、見間違いだとすら思えないくらいに。人影が見えたことも、足音を聞いたこともあったんですよ。
鳥宮研究員: 襖の中にはおよそ何人程度の人が居ましたか?相田 智子 何人なんてものじゃないです。びっしり居ました。壁に張り付いてびっしり。
相田 智子: それで家の中に知らない人がいるって、警察に連絡してみたんです。それでも家に知らない人がいるなんて当たり前だろうって、おかしくないですか?おかしいでしょう。
鳥宮研究員: ええ、そう思います。続けていただけますか?
相田 智子: それで、家に目隠しなしじゃ上がれなくなった頃に、顔をはっきり見たんです。顔を。
鳥宮研究員: 顔ですか?
相田 智子: ええ。薄暗い廊下に白くはっきり。襖の隙間からこっちをにたにた見てて。もう家に帰れなくなりました。それでせめて明かりがある繁華街まで必死に走って。足音が聞こえて来るんです。後ろから。ぺたぺたぺたって。
相田 智子:でもね、朝起きたら家にいました。家にいたんです。おかしいでしょう。何よりおかしかったのはね、家に夫がいたんですよ。
鳥宮研究員: 今まで別のところにいらっしゃったんですか?
相田 智子: 違います。違うんですよ。おかしいなんて言わないでくださいね、当たり前だなんて言わないでくださいね。
相田 智子: 夫も小さい赤ん坊も、家になんていなかった筈なんですよ。だって。箸も靴もお椀も服もタンスも布団も部屋も、何もかも一人分だったし、私の記憶にこんな人たちいなかったんです。違う、おかしくないです。私がおかしくなったんじゃないんです。
相田 智子: 赤ん坊の顔を私が見た瞬間でした。襖の奥からごおにん、ごおにん、って、あの顔がはやしたてるんです。さんにんじゃないんですよ。ごにん、ごにんなんです。おかしいでしょう。おかしい筈なんです。じゃああの家には[以下聞き取りができない]
相田 智子: まだいるんです。うちにはまだ、元気に走り回る息子と、私を支えてくれる優しい夫と、物置の襖があるんです。ごにん、いるんです。
<録音終了>
相田 智子にはAクラス記憶処理が施されました。なおこの時点で相田 智子の戸籍は現在まで独身に更新されました。相田 智子の家屋に存在する可能性のある二体の実体に関しては調査中です。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7456942 (16 May 2021 05:53)
拝読いたしました.面白かったです.2本目のインタビューは特に,嫌なオブジェクトだなぁ…となり,よかったです.
以下,表現の面で気になった点を挙げさせていただきます.一助になれば幸いです.
しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。
Technical Moderator of SCP-JP