SCP-XXX-JP 工場主

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP
著者: ©︎8bitSSD
作成年: 2021

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-XXXXの高度治療ユニット内に収容されます。

説明: SCP-XXX-JPは要注意団体██████襲撃作戦時に確保された人型実体です。対象は25歳の男性で、身長及び体重は176cm/13kgです。収容時のSCP-XXX-JPは最低限生存に必要な器官の他一切を摘出されており、残された臓器についても生体処理能力に換算して約70％が切除されています。作戦に従事した機動部隊のボディーカメラの記録映像ではSCP-XXX-JPが隔離された医療ベッドの上に植物状態で安置されており、付近には次回の出荷予定と書かれたボードが置かれ、毛髪・爪甲・肝臓・██及び██の摘出サイクルが記入されていました。

SCP-XXX-JPの異常性としては、その体組織が有機体でありながら非常に高度な工業的価値を有している事です。例としては毛髪が室温超伝導性を持つ他、爪甲は基板として使用可能であり、その処理速度を230％程高速化させました。また、その他のあらゆる器官についても固有の異常性が存在すると推測されていますが、サンプルの回収が事実上不可能である為に分析は中止されています。

██博士からの提言

対象への医学的アプローチによる分析の結果として、SCP-XXX-JP自身は完全な植物状態にある事が確認されました。また、大脳のうち97％が既に摘出されているために意識の回復は殆ど望めないと結論づけざるを得ません。しかし、試験的な手法でこそありますが、残りの大脳を摘出し神経マッピングを行うことによりSCP-XXX-JPの記憶を再現することが可能です。要注意団体である██████に対しての資料が絶対的に不足している現状としましては、この分析に取り組む価値は大いにあると思われます。一次研究としてSCP-XXX-JPの大脳全体のうち1％をサンプルとして回収することに対して認証をいただければ、我々はすぐに作業に取り掛かる準備が出来ております。（██博士）

一次研究開始を認証しますか？

認証

**実験記録001-日付20██/██/██ **

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 対象から摘出したサンプルを脳イメージング手法を用いて解析しシステム上で再構成した後、同サンプルを用いて異常性の検証を行う。

結果: 得られた映像記録は欠落が目立つものの、SCP-XXX-JPが東京都立████大学院最先端工学科██████専攻課程に通っていた学生である事が判明した。また、これらの身元情報を元に調査を進め、同氏の名義で2年前に捜索願が提出されていたことが判明した。さらに、同サンプルは莫大な記憶容量を保持することが可能であることが確認され、これらを財団のデータバンクシステムに利用可能である。試算では僅かな改良のみで最低でも███PB以上の保存領域を提供可能だと推測される。以上、これらの研究の為に同サンプルは完全に破壊された。

分析: 今回の研究ではサンプルの異常性の検証の必要性があった為に非破壊的検査による抽出に留まったものの、これらの手法で情報を入手することが可能であることが証明された。二次研究では連続切片化手法を用いることで殆ど完全な状態で情報を確保することが出来ると考えられる。SCP-XXX-JPの意識の回復の可能性が絶望的である以上、それらを待たずに調査を進めるべく二次研究への認証を申請致します。(██博士)

二次研究開始を認証しますか？

認証

**実験記録002-日付20██/██/██ **

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 対象から摘出したサンプルを連続切片化手法を用いて超ミクロトーム化し、透過型電子顕微鏡を用いて二次元画像化したものを積層した三次元データ化し、ブルーブレインアルゴリズムを用いてデバイス上で再構成する。

結果: 得られた映像記録はほぼ完全なものであり、要注意団体██████の襲撃チームによってSCP-XXX-JPが無力化された場面から、その後の摘出に至るまでの過程の詳細な情報を確保した。また、同サンプルは完全に破壊された。

分析: 今回の研究によってSCP-XX-JP及び要注意団体██████に対する多くの資料を獲得する事に成功しました。既にこれらの情報は財団の関係部署へと通達され、現在██████本部無力化の為に特別機動部隊の編成が行われています。また、SCP-XXX-JP自身については非常に研究熱心な学生であった事が伺われ、同大学院の研究チームで知り合った女性とは恋愛状態にあったようです。これらの映像記録の大半はその女性と過ごした記憶であり、これまで誰も見たことのない夢の素材を作り上げて世界の工学史を二人で塗り替えたいと思いを語っている場面なども見られました。本研究は十分に成功しました。(███研究員)

██博士からの申請

二次研究は無事に成功し、我々は多くの資料を確保する事に成功しました。しかし、未だにSCP-XX-JPを用いたデバイスがどこへ流通したのかという事項や、彼らがSCP-XX-JPの存在を察知した経緯については依然として不明瞭なままです。そのため最後のサンプルを用いた三次研究の許可を申請致します。またこの研究により、未解明の小脳部分の工学的利用価値を見出すことが可能と思われ、その科学的価値は非常に高い物になると確信しております。（██博士）

███研究員からのメッセージ

SCP-XX-JPについてなのですが、三次研究を行った場合に対象の大脳は完全に摘出された事になり、もはや彼自身の尊厳も失われることとなります。現状では彼が再度意識を取り戻す可能性は非常に僅かではありますが、摘出を行えばその可能性は完全に潰えることとなります。彼が一人の人間であるという事を守るためにもどうかご再考願えませんでしょうか？（███研究員）

三次研究開始を認証しますか？

認証

実験記録003-日付20██/██/██

再構成された音声記録

付記: SCP-XX-JPは睡眠中であると推測される。また、この音声はSCP-XX-JPと恋愛状態にあった██氏のものであり、同氏は襲撃時に死亡している。

<録音開始>

** ██氏:** ねぇ…██くん起きてる…？

** ██氏:** …私ね…夢を見たの…。██くんが世界を変えちゃう夢なんだ。そこではね…いろんな不思議な物があって…それを使った新しい機械とか…。

** ██氏:** いつかきっとそんな時間が来るって私信じてるの。だからね、その時が来るまで…まだ婚約は…とっておこうかなって。

** ██氏:** …えへへ…何年後になるんだろうね…全然わかんないけど…。

** ██氏:** …ほんとに██くんと出会えてよかったと思ってるよ。こんな時間が永遠になって…これからもずーーっと…一緒にいようね。

** ██氏:** 実は…██くんが起きたら見せたいものがあるんだよ。ちゃんと私はここで待ってるからね？

** ██氏:** 大好きだよ、██くん。起きたら一緒にまた遊びに行こうね！…約束だよ！

<録音終了>

終了報告書: 得られた唯一の情報はこの記録のみであった。以上。(██博士)

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