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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは生物サイト-8102の中型生物収容チャンバーに収容されています。SCP-XXX-JPのチャンバー内部は1ヶ月に2回清掃されます。SCP-XXX-JPには、通常のイエネコの3倍の量の餌を与えます。SCP-XXX-JPが収容違反した場合のため、SCP-XXX-JPの収容室前には2名の武装したエージェントが警備を行います。
SCP-XXX-JP-1は生物に対し無害であるため、職員はSCP-XXX-JP-1との対話が許可されています。SCP-XXX-JP-2は友好的ではあるものの被害が発生しうるため、餌などの場合を除き干渉は可能な限り避けてください。SCP-XXX-JP-3には1日に1回精神安定剤を注入し、場合によっては鎮静剤および睡眠薬を投与して行動を抑制することが許可されます。
上記3つとは異なり、SCP-XXX-JP-4は極めて強固なセキュリティを必要とします。SCP-XXX-JP-4は常に液体窒素に浸され、1日に4回の鎮静剤注射を行います。SCP-XXX-JP-4の終了処分は、O5評議会による決議で臨時的に実施される予定です。
説明: SCP-XXX-JPはキジ三毛のイエネコ《Felis silvestris catus》の個体です。SCP-XXX-JPの遺伝的特徴は通常のイエネコと同一です。SCP-XXX-JPは知性を有し、いずれの個体も発声が可能です。SCP-XXX-JPは20cmの破壊不能な首から6cmほどの管状の分岐点が4本存在し、それらに1つずつ頭部が存在します(左からSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-4と呼称)。SCP-XXX-JPは必ず1つの頭部のみが起きており、2つ以上の頭部が起きたり、全ての頭部が睡眠していることはありません。これは強制的に起こすことで他の個体を眠らせて起こすことが可能ですが、物理的な接触以外では殆ど起きません。SCP-XXX-JPは一般的なイエネコと完全に同一の移動能力を示すことが確認されています。
SCP-XXX-JP-1は財団に対し非常に友好的で協力的です。SCP-XXX-JP-1は極めて深く白い毛を有し、起きている間は積極的にアプローチを行いながら最寄りの人物に近寄ります。SCP-XXX-JP-1の声を聞くと「安心するような」気持ちへと変化し、可聴領域内に存在する生物に安心感を与えます。
SCP-XXX-JP-2は三毛猫のそれと同じ特徴を示し、財団の理念およびその行動を理解していませんが、陽気に振る舞います。SCP-XXX-JP-2と対話する形で接触した生物は、数十分の間、激しく興奮します。SCP-XXX-JP-2の影響を受けた生物は影響を受けている間その他の感情を持つことが不可能になります。SCP-XXX-JP-2のこの影響はAクラス記憶処理で除去可能なほか、高音波を遮断する機構を通して予防することが可能です。
SCP-XXX-JP-3は非常に性格が不安定であり、慢性的なうつ病、パラノイア、及び[編集済]の症状を示します。SCP-XXX-JP-3は黒い猫の外見をしています。SCP-XXX-JP-3は周囲の存在に対する恐怖を示しており、起きている間に視認されると自身の能力で防御する行動を取ります。SCP-XXX-JP-3は他のSCP-XXX-JPと共通する特徴を除いて異常性を有していませんが、その精神疾患上極めて不安定であり、周囲の人物から逃走したり、周囲の人物を攻撃したりすることがあります。
SCP-XXX-JP-4は赤毛猫に類似した特徴を示し、性格は非常に乱暴です。SCP-XXX-JP-4は赤毛猫に類似した特徴を示し、基本的に22:30~1:45の間のみ起きることが確認されています。SCP-XXX-JP-4は他のSCP-XXX-JPの頭部を頻繁に攻撃し、SCP-XXX-JP-4が起きている間はSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3が多少の身震いを引き起こします。特に、SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2が起きている間よりも大幅に身震いする傾向があります。
SCP-XXX-JP-4は非常に高い耐久性を有しており、SCP-XXX-JP-4が損傷した事例は存在しません。SCP-XXX-JP-4とは対話を行うことが可能ですが、SCP-XXX-JP-4との交渉/説得には現在まで成功していません。SCP-XXX-JP-4は一般的に、噛みつきや引っ掻きなどの一般的なイエネコの動作で攻撃を行いますが、SCP-XXX-JP-4の攻撃性と耐久力から、SCP-XXX-JP-4による攻撃は通常のイエネコの█倍にまで増加すると推定されます。
発見経緯: SCP-XXX-JPは2016/04/16に新潟県の山脈にて、「4つ首で猫の怪物がいる」という通報により発見されました。SCP-XXX-JPに対する通報は以前までも27件が確認されていましたが、いずれも確実性に欠けた、または誤りが発見されたものだったためすでに却下されていました。しかし2016/04/16に行われたSCP-XXX-JPの通報に対し同山を散策していた大城研究員によりSCP-XXX-JPの姿が発見、撮影され、続いて機動部隊が投下されました。SCP-XXX-JPの発見が遅れたため、判明しているだけでも███名の死亡、██名の重傷が確認され、また[編集済]体の動物の死亡も同様に確認されました。
機動部隊の到着時点で、大城研究員はSCP-XXX-JP-4が起きた状態のSCP-XXX-JPによって踏まれており、片腕と頭部皮膚の一部を紛失していました。機動部隊による救出後大城研究員は嗅覚及び右目の視覚を紛失していたものの、検査により命に別状はないと診断され2ヶ月の安置期間の後に業務に復帰しました。
インタビュー記録XXX-JP-1:
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: エージェント・土屋
<ログ開始>
エージェント・土屋: インタビューを始める。
SCP-XXX-JP-1: 御意。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-1: 旧友。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-3に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-1: 弱者。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-4に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-1: 邪悪。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-4が起きている間に何が起きたんだ?
SCP-XXX-JP-1: 憤怒。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-4はどうして体躯を動かすんだ?
SCP-XXX-JP-1: 無知。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、お前はどうして体を動かさないんだ?
SCP-XXX-JP-1: 気品。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-1、お前はいつからそこにいる?
SCP-XXX-JP-1: 去年。
<ログ終了>
インタビュー記録XXX-JP-2:
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: エージェント・土屋
<ログ開始>
エージェント・土屋: インタビューを始める。
SCP-XXX-JP-2: ああ、ああ、あはは!よろしくお願いします!
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-1に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-2: ああ、あの猫ですか?いいですよね!優しいし、口調は硬めですけど人思い…猫思いなんですよね。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-2: 怖がりな猫、というイメージですかね…でも根はいいやつだと思いますよ!早く落ち着いて欲しいものです!
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-4に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-2: あいつのことですか? <8秒沈黙> 忘れさせてください。絶対に聞かないでください。お願いします。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-4が起きている間に何が起きたんだ?
SCP-XXX-JP-2: それですか?あれは私があいつに[判別不能]されただけなんですよ…
エージェント・土屋: 聞き取れねえ。繰り返してくれ。
SCP-XXX-JP-2: [判別不能]。
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-2、早く…
SCP-XXX-JP-2: 話したくないです。
<ログ終了>
インタビュー記録XXX-JP-3:
対象: SCP-XXX-JP-3
インタビュアー: エージェント・土屋
<ログ開始>
エージェント・土屋: インタビューを始める。
SCP-XXX-JP-3: [身震いをする]
エージェント・土屋: インタビューを始める。
SCP-XXX-JP-3: [身震いをする]
エージェント・土屋: インタビューを始める。聞いてるか?
SCP-XXX-JP-3: [身震いをする]
エージェント・土屋: ああ、鎮静剤を投与してくれ。
<SCP-XXX-JP-3に鎮静剤が投与される>
SCP-XXX-JP-3: はあ…
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-1に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-3: ああ、あ、ああ、もう話さないで…
エージェント・土屋: 鎮静剤が効いていない?
<SCP-XXX-JP-3に精神安定剤が投与される>
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-1に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-3: 1匹にして…あの猫とさえも話したくない。嫌だ、助けて…
エージェント・土屋: SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-2に対しどう思ってんだ?
SCP-XXX-JP-3: 1匹にさせて…静かにさせて…ああああ!
エージェント・土屋: 規定により終われないことになっている。すまねえ。
<SCP-XXX-JP-3がエージェント・土屋に飛びかかる。>
エージェント・土屋: 早く俺を救出してくれ。苦しい。前が見えねえ。
<エージェント・土屋がカメラに手をかける。>
<ログ終了>
補遺1: 以降においてもSCP-XXX-JP-3へのインタビューが行われましたが、いずれの場合においても失敗に終わりました。SCP-XXX-JP-4とのインタビューは、その異常性により却下されました。また、直近14週間において、SCP-XXX-JP-3の目覚めが確認されませんでした。これにより、SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスの改訂が協議されています。 補遺2を参照して下さい。
補遺2: 2021/██/██にて、SCP-XXX-JPの全ての頭部が起床と就寝を繰り返し、SCP-XXX-JP-4が起きているか否かに関わらず無作為に移動しました。38秒後、この活動が停止を行い、SCP-XXX-JPの頭部が全て青く発光して睡眠しました。その後、SCP-XXX-JPから7~9歳と推定される女児の声(暫定的にSCP-XXX-JP-Aと呼称)が発せられました。SCP-XXX-JP-Aは対話を求めると、インタビューの終了と同時に消滅し、消滅から5秒後にSCP-XXX-JP-3が起床しました。そのため、SCP-XXX-JP-3が無力化した可能性は撤廃され、オブジェクトクラスの再分類は却下されました。以下はその記録です。
対象: SCP-XXX-JP-A
インタビュアー: 杉野研究員
<ログ開始>
SCP-XXX-JP-A: あー、あー、聞こえていますか?
杉野研究員: はい、聞こえています。
SCP-XXX-JP-A: 私は、この猫の体です。
杉野研究員: と、いうと?
SCP-XXX-JP-A: かつて、私は普通の猫でした。自由気ままに食べて、寝る。そんな生活でした。しかし、今は違います。
杉野研究員: 今は違う?それはどういう意味ですか?説明してください。
SCP-XXX-JP-A: 私はかつてこの猫そのものでしかなかったのです。名前を…ミケと言いました。私は猫だった。つまり、もう今は猫ではない。でも、自発的にはそのようなことは望んでいなかったのです。
杉野研究員: では、SCP-XXX-JPの上にある4つの猫の頭部について説明をよろしくお願いします。私から向かって左から。
SCP-XXX-JP-A: つまり、私の右端の猫、「安」ですか。
杉野研究員: 「安」?
SCP-XXX-JP-A: それの名前です。それは元々、安らぎを意味するものでした。私達猫とは、1日の大部分を睡眠に用いる生き物。つまり、それは安らぎに満ち溢れていることは言うまでもありません。皆様に例えれば、「楽」に近いものでしょう。
杉野研究員: なるほど、そのような意味があったのですね。
SCP-XXX-JP-A: 次はその隣の、「晴」について。それは元々、素晴らしき感情を表しています。私達猫とは肉食動物であることは、研究者のあなたがたならば知っていると思います。私達に近縁なものでいえば、虎の狩りの成功率は非常に低いことから、成功した時はどうなると思いますか?皆様に例えれば、「喜」と同じようなものです。
杉野研究員: その様子だと、残り2つにも意味が?
SCP-XXX-JP-A: はい。その通りです。
杉野研究員: では、お聞かせください。
SCP-XXX-JP-A: 次は、「嘆」。それは元々、悲しみそのものです。生物というのは全ての場合において悲しいことから目を背けようとします。感情の起伏が激しい私たちならば尚更でしょう。君たちが涙を流すように、私たちの中でも群れで暮らすライオンや私たち猫は、仲間が死ぬことだってあり得ます。皆様に例えれば、間違いなく「哀」に相当すると思われます。
杉野研究員: 理解しました。それでは、もう4つ目の頭を紹介するのですよね?
SCP-XXX-JP-A: はい、そうです。名前は、「虐」。それは元々、2つのうちの1つの感情である怒りを具象化したもの、つまり皆様のいう「怒」と同じものです。元々私達は犬のように複雑に暮らすことをしません。そんなことをするのは私達飼い猫とライオンくらいです。なので、先ほどとこの2つが本当の感情なのです。「虐」が夜にしか目覚めないのは、私達が夜行性だからなのです。お分かり頂けましたか?
杉野研究員: はい、インタビューを終了しま—
SCP-XXX-JP-A: 待って下さい。1つ言い忘れたことがあります。
杉野研究員: 何ですか?
SCP-XXX-JP-A: 私の起源についてです。
杉野研究員: わかりました。聞かせて下さい。
SCP-XXX-JP-A: 私は元々、4匹の猫を保護している優しい老人に保護された猫でした。どの猫も一癖も二癖もある性格の猫ばかりでしたが、私はそのうち、「晴」に近い性格でしたね。そして、残りの「安」「嘆」「虐」は、それぞれが対応する頭と同じ毛並みの保護されていた猫だったのです。
杉野研究員: それぞれの猫についての説明は頂けますか?
SCP-XXX-JP-A: はい。かつての「安」は白い猫で、「タマ」と呼ばれていました。彼女は少し気品があり、やや扱いにくいような感じもしていましたが、優しい猫でした。次に「嘆」は「テン」と呼ばれ、非常に感傷的な黒猫でした。そのため、テンは常にその角に止まり、他の猫との関わりや老人とも関わりを避けていました。最後に「虐」は「ガク」と呼ばれており、赤毛猫で非常に暴力的だったので、老人も世話を焼いておりました。この3匹の猫は、皆私たちと同じように、ペットショップで売れ残った猫の様でした。
杉野研究員: 続けて下さい。
SCP-XXX-JP-A: ある時、老人が通り魔に刺され致命傷に近い傷を負い、入院することになりました。その間、私達4匹は保護されることとなりました。その後、そのうちの1匹、「タマ」が死んでしまったのです。そして、老人の治療が失敗し死亡したことをその明後日に知らされると、残りの2匹が殺処分されることとなったのです。しかし、私は逃げ延びることに成功していました。次の日、私は手術台に転がっていたところで起きていたのです。それが今の私です。
杉野研究員: よかったら、その老人について知っていることを教えて下さい。
SCP-XXX-JP-A: 覚えていること、ですか。その老人の名前なら知っていますよ。玉川縁雄です。
杉野研究員: 承知しました。今からその人物と思われる写真を見せます。
<杉野研究員がSCP-XXX-JPの前に玉川氏の写真を見せる。SCP-XXX-JPの全ての顔が泣く様な仕草を見せる。>
SCP-XXX-JP-A: ありがとうございます。その人です。はい。もう、言い残すことはありません。インタビューを終了して下さい。
杉野研究員: 分かりました。インタビューを終了します。
SCP-XXX-JP-A: (小声で) 天国に行けますように、さようなら…
<SCP-XXX-JPが発光を停止し、周囲に光の球が数個発生する。球は着地と同時に消滅する。>
<ログ終了>
補遺3: SCP-XXX-JPが発見された新潟県██山を調査したところ、放置された研究施設が存在していました。研究施設の内部は無人であり、様々な生物に対する解剖資料や、頭部と胴体が切断された生物の死体が大量に散乱していました。施設内部はかつて何らかの組織による生物の研究を行うものであったと推測されていますが、所属を表す部分は全て焼却や切断などの理由により破壊され、断定には失敗しました。
研究施設内部は1つの部屋を除いて目立った物体は存在していませんでしたが、その1つの部屋には血塗られ破壊された手術台、「万能接続液」というラベルが貼られたジャム瓶、滲んだインクで書かれた4枚の紙が存在していました。そのうち1枚は蹲った状態で発見された遺体によって抱かれていたため、ほぼ完全な状態で発見されましたが、残りの3枚は随所が判別不能なまでに滲んでいました。以下はその内容です。
研究ファイル番号: J38M7A-993-00
研究対象名: 多義首
着想: 2019/11/28、私はペットの廃棄問題に頭を悩ませていた。当初、私、[判別不能]はこれについて、様々な書籍を分類関係なく、空想、事実を問わず読み続けていた。計画の着想を得るためだ。当然、それが確証のないことだっていい。
私が着想を得たのは[判別不能]日後のことだった。その際私が呼んでいた本は、和訳された「ギリシア神話」。そこに書かれていたのは、3つの頭部を持った犬の怪物、「サーベラス1」。私はそこに、私が開発した「万物接続液」があることに気づいた。この液体を使えば、生物を含むいかなるものも繋げることが出来る。
しかし、未だ3つ以上の生物を繋げる実験は行っていないため、現在この実験が成功するかどうかはわからない。ただ、動物研究部門の所属者である私は、このようなペットの廃棄問題に対する行動を見逃すわけにはいかない。現在、私はこの研究を始めることとした。
研究ファイル番号: J38M7A-993-01
研究対象名: 多義首
学問的分野: 生物学
目的: 代替的なペット用[判別不能]の開発。
主任: 大[判別不能]究者
被検体: 生きた[判別不能]の体。
計画日: 2020/01/06
期限日: 2020/10[判別不能]
特殊[判別不能]による検討結果: Approval
実行方法: 被検体複数名を我が研究所の技術を用いた手術によって[判別不能]し、新種の生物を作成する。作成された生物群に対しては首の切除を行い、最後の1体になるまで意識があるか確認する。
[以下判別不能]
研究ファイル番号: J38M7A-993-02
研究対象名: 多義首
実験内容:
実験内容J38M7A-993-い: 被検体Aの首を切り、被検体Bと接続する前に傷口を我が社の開発した液体を塗り、被検体Aの首を被検体Bに繋げる。
結果: 失敗。被検体Bと被検体Aの首は両方動き出したが、被検体Bの首を切ると被検体Aの頭部は機能停止を起こした。
実験内容J38M7A-993-ろ: 被検体Cと被検体Dの首を直接的に繋げる。
結果: 失敗。被検体Cと被検体Dの首は数秒後に死亡した。
実験内容J38M7A-993-は: 被検体Eの前半分と被検体Fの前半分を繋げる。
結果: 失敗。被検体Eと被検体Fは実験開始から16分後にお互いを攻撃して分離し死亡した。
[判別不能]
実験内容J38M7A-993-て: 被検体Lの前部と被検体Mの中央部と被検体Nの後部を繋げ、それぞれの部分には頭部を繋げる。
結果: 失敗。被検体Lと被検体Mと被検体Nは高速で移動し、最終的に死亡した。
[判別不能]
実験内容J38M7[判別不能]: [判別不能]4体の首を被験体[判別不能]の胴体に繋げる。
結果: 失敗。非常に歪な能力を獲得し、即座に研究室を逃走した。
研究ファイル番号: J38M7A-993-03
研究対象名: 多義首
事件概要: 施設J38倒壊事件
事件内容: 事件は2020/09/16に発生した。研究室を逃走した失敗作が、研究所内の壁を引き裂いて回った。失敗作による攻撃で、数分としないうちに電線と通信網を破壊した。よって、これにより外部との通話手段は閉ざされた。その後、失敗作は壁を次々と破壊すると、施設内にレベルIII緊急事態が発動され、大量の人員が施設からの緊急脱出を目指した。
結果として緊急脱出に成功したのはわずか数名だった。残りの人員は失敗作によって惨殺され、その後失敗作によって外に放り出された。私はなんとか中で生き延びたが、もう出口は閉ざされてしまった。ドアが開くのを待っているが、今の私の状況では私が餓死するのが先だろう。恐らくだが、これがJ38の最後のメッセージになるだろうと思っている。
我々の同志に告ぐ。もうこの惨劇を繰り返さないでくれ。
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- portal:7438364 (22 May 2021 08:01)
拝読しました。
四つの頭それぞれに付与された異常性、特徴に統一感がなく、ゴチャついた印象です。
たとえば、
・猫である
・SCP-XXX-JP-1は対象を「完全な」体へ復元させる
・SCP-XXX-JP-2は頭部だけを一時的に離脱させる
・SCP-XXX-JP-3は大きさと素材を変更可能な金属の立方体を生成する
・SCP-XXX-JP-4と目を合わせた哺乳類は死亡する
・SCP-XXX-JP-4は非常に高熱のレーザーを放射することが可能
といった性質は単一のオブジェクトの性質としてはバラバラ過ぎるでしょう。
単一のオブジェクトが多様な性質を持つことはままありますが、納得感を持たせるにはそれらを統合する相応の理由付けが必要です。(たとえば、「夢を象徴する神格」であるから人を眠らせることも心を読むことも物を生み出すことも姿を変えることもできる、など)
現状では、既存の多重人格モノのストーリーの主役を猫にして異能力をくっつけただけのものとなっているように思うので、「猫である必然性」「能力、性質、特徴の理由付け」などに関して推敲してみると良いかもしれません。
その部分について私なりに修正を行いました。
アドバイスありがとうございました。
拝読しました。現状の内容であればDVします。
4つの頭がそれぞれ異常性を持つ4つ首の猫、私はこのオブジェクトに面白さを感じられませんでした。
主な理由は、このオブジェクトが最初から完全に封じ込められた怪物だからです。
この記事では(特別収容プロトコルが適切かどうかはともかく)収容に必要な情報が出揃っていて「これからどうなるんだろう」という期待/不安はありませんでした。では過去に何が起きたかという点で見ても、現在の収容体制が確立する過程が描写されていないため、読者からすると「全てが判明している研究済みのオブジェクト」でしかなくAnomalousアイテムと大差ないように思われます。
次に異常性について、猫の気持ちとか精神的側面を異常性として表現することがテーマだと読み取ったのですが、それであれば有機体を消失させる雨や問答無用で殺す視線、非常に高熱のレーザーなどは余りに過剰な戦力ではないでしょうか。頭ごとに異常性が設定されていますが記事の内容を要約するとマルチリンガルなエージェントを1名行方不明にしただけで、JP-4の危険極まりない能力は収容難易度を上げる以外の存在理由が思いつきませんでした。私たちは【マッケンジー博士の「SCPのよくある落とし穴」講座】あたりを何度でも読み返すべきです。
オブジェクトの奇抜な容姿を示す適切な画像を用意できれば、それだけでも「何だこいつ…」と興味を惹かれるのは間違いないと思います。
ありがとうございます。わかりました。
現在修正中です。