SCP-4000-JP ならば我々は悪となろう

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アイテム番号: SCP-4000-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4000-JPは現在収容されていません。SCP-4000-JPが収容された場合、サイト-81██の高脅威性人型実体収容ユニットに収容されます。高脅威性人型実体収容ユニットにはスクラントン現実錨を設置することで現実改変を抑止します。

SCP-4000-JPが率いる組織であるGoI-9022との交戦が行われています。SCP-4000-JP-Aとの戦闘には最寄の機動部隊をはじめとした、適切な人材及び資源が派遣されます。倫理的観点からSCP-4000-JP-Aの終了は行われず、捕獲された個体は収容されます。SCP-4000-JP-Aのそれぞれの収容方法は別紙を参照してください。GoI-9022によるLK-クラス: ”捲くられたヴェール”シナリオが発生したため、ヴェール維持のための活動は行われません。

説明: SCP-4000-JPは本稿執筆時点で14歳の日本人男性である辰野 夕貴です。身長160cm、体重51kgであり、外見的に同年齢の日本人男性と明確な差異はありません。

SCP-4000-JPは限定的なクラスVII現実改変能力者であり、その現実改変能力を通して周囲にいる自分以外の生物や物体(SCP-4000-JP-A群)に異常性を与えることが可能です。SCP-4000-JPがこれまで与えた異常性には飛行能力・身体能力強化・身体の変形・発火能力・超人的な自己再生能力・精神感応・念動力・瞬間移動・透明化・未来予知などが含まれますが、これらに限りません。SCP-4000-JPが自身を起点として直接的に能力を行使した事例は観測されていません。SCP-4000-JP-A群の異常性は適切な処置により一時的に無力化することが可能ですが、不可逆的に消失させることには成功していません。

本稿執筆時点でSCP-4000-JPは財団を認識しており、非常に敵対的です。現在、SCP-4000-JPはGoI-9022 ("ヒーロー機関")を率いています。GoI-9022に関する概要は補遺4000-JP-1を参照してください。

補遺4000-JP-1: GoI-9022の概要

GoI-9022 ("ヒーロー機関")は栃木県宇都宮市を本拠地として日本各地で活動する、指導者であるSCP-4000-JPとその影響で異常性を獲得した多数の人物で構成される組織です。GoI-9022は「治安維持」及び「正義の執行」を目的として活動しています。

GoI-9022の構成員は自らを「ヒーロー」であると呼称しており、自身の異常性による治安維持活動と人命救助を主とした様々な民間人や社会に対する奉仕活動を行っています。SCP-4000-JP及び大多数の構成員はこれらの活動を善意で行なっていると主張しており、実際にヴェール崩壊後の多数の民間人は彼らを英雄視しています。

GoI-9022の構成員は財団を「悪の組織」として認識しており、多数の構成員を”誘拐”しているとして敵対しています。GoI-9022は収容されているオブジェクトを有益な場合簒奪する、有害な場合破壊・殺害する、協力的な場合脱走させるなどの行動に出ていますが、敵対した、若しくは民間人に被害を出した際には各々で対処しています。

補遺4000-JP-2: 発見経緯

2028/05/24、栃木県宇都宮市にてSCP-4000-JPの父親である辰野上級研究員が自宅で『鎧を着た全長2mの二足歩行のオオカミ』が息子に仕えているを目撃したとして財団に通報し、そのまま同オブジェクトがサイト-8102に収容されました。のちの調査によりこの実体がSCP-4000-JPによって『名前とイラストを描くとその存在が具現化する』異常性を付与された自由帳に描写されたことにより出現したことが判明すると、自由帳も同時に財団によって収容されました。

その後、母親1の辰野 綾氏が突如として自身の親族に対するテレパス能力を取得したと確認されました。これにより辰野 綾氏が財団の存在を把握したため、情報漏洩を防ぐために財団に収容されました。現在、辰野 綾氏はSCP-4000-JP-A1に指定されています。

対象: 辰野 綾氏 (現SCP-4000-JP-A1)

インタビュアー: 辰野上級研究員

付記: SCP-4000-JP-A1のテレパスによる発言内容、及び読心した辰野上級研究員の思考内容は辰野上級研究員によって書き起こされている。

[記録開始]

SCP-4000-JP-A1: ちょっと助けて欲しいことがあるの。助けてもらえるかはわからないけれど……。

辰野上級研究員: ちょっと待て。なぜ綾の声が聞こえる?私はまだ仕事中だ。綾は私の周りにはいない。通信機器も使っていない。なぜだ?

SCP-4000-JP-A1: ああ……それがね。突然学校にいる夕貴の声が聞こえてきて。それに夕貴が寄り道しようとしてたから叱ろうとしたら、夕貴が寄り道をやめて帰ってきた。私の身に何が起きているの?さっきからあなたの声も聞こえるし……その、あなたは『財団』っていうところで働いているの?

辰野上級研究員: ……そうだ。だが、そうもなってくれば我々財団は綾を収容しなければならなくなる。それに、財団の存在が民間人に露見してはならない。だから私は綾のことをこれから閉じ込めることにする。悪く思わないでくれ。

SCP-4000-JP-A1: 状況が飲み込めない……。私は何をすればいいの?いつになったら解放されるの?

辰野上級研究員: このまま捕まり、綾はずっと独房の中で一生暮らすことになる。きっと解放される時は来ないだろう。だが私も好きでやっているわけじゃないんだ。綾、俺を許してくれ。

SCP-4000-JP-A1: そ、そんな……私がいなくなったら、夕貴は……どうなるの?

辰野上級研究員: わからない。状況によっては夕貴も捕まって同じところに行くだろう。だが、私だって……すまないと思っている。これは嘘じゃない。嘘じゃないんだ。だからと言って許せとは言わない。

(お互いに十数秒沈黙する)

辰野上級研究員: 俺は悪人だ。こんな組織に入るんじゃなかった。

[記録終了]

SCP-4000-JP-A1は現在財団に収容されており、テレパス能力が使用できないように特殊なヘッドギアで脳波を遮断されています。

補遺4000-JP-3: SCP-4000-JP-A1の収容直前、SCP-4000-JPがSCP-4000-JP-A1のテレパス能力により財団の存在を認識しました。これにより、SCP-4000-JPは財団に抵抗するための行動を開始し、最初に自身の能力を用いてクラスメイト35名と担任の教師1名の計36名(SCP-4000-JP-A2-1~36)に異常性を付与しました。SCP-4000-JPは異常性を付与したクラスのメンバーに対し、「この力は自分がみんなをヒーローにするために与えたものであり、正義の行いのために使うべきである」と宣言しました。SCP-4000-JPはこれに加え、「『SCP財団』という組織に自分の母親は奪われており、彼らは討伐すべき巨悪である」という旨のメッセージも送りました。これにより、GoI-9022が結成されることとなりました。

SCP-4000-JP-A2はこの力を利用し、SCP-4000-JPの指示のもと積極的にボランティアや人命救助、犯罪者の特定などの形での法的活動への協力をはじめとする様々な活動に従事しました。この結果として現地の民間人の多くがGoI-9022に対し敬意と支持を示し、ソーシャルメディアや地元のマスメディアを中心に拡散されるに至りました。GoI-9022による財団への抵抗や活動の活発化、SCP-4000-JPによるSCP-4000-JP-Aの増員などもあり、財団による情報統制やカバーストーリー等の流布が追いつかず、これにより宇都宮市を中心とする一部では限定的にアノマリーが認知されることとなりました。GoI-9022が与えた影響には以下が含まれます。

  • 宇都宮市民による犯罪率の83.5%の低下。
  • 宇都宮市からの転居者の91.6%の減少、ならびに噂による同市への移住者の41.9%の増加。
  • 宇都宮市民の幸福度の約2倍の上昇。
  • 宇都宮市における事故での死亡率の71.3%の低下。

補遺4000-JP-4: 2028/08/16、財団はSCP-4000-JP-A2-11を収容することに成功しました。この際、GoI-9022の構成員はSCP-4000-JP-A2-11が「財団により誘拐された」という形でこの出来事を認識しました。これを受け、SCP-4000-JPが自身の教師であったSCP-4000-JP-A2-36の協力を経て以下の動画をソーシャルメディアで拡散しました。

[記録開始]

SCP-4000-JP: ヒーロー機関を支持する皆様へ。僕はヒーロー機関の創設者です。アニメやゲームや映画みたいな話だという人もいるかもしれませんが、これから言う話は全て本当です。今回の話は僕たちヒーロー機関の敵である「SCP財団」という組織についてです。

SCP-4000-JP: まず、ある日突然僕は”人や物に能力を分け与える能力”を手にしました。”人や物に能力を分け与える能力”に気づいたのは、僕が絵に「ガウール」2というお友達を描いた時です。ガウールは僕と遊んでくれましたが、どこかに行ってしまいました。どこに行ったかは分かりませんが、何となく思い付きます。おそらく今も財団に閉じ込められているんでしょう。

SCP-4000-JP: 僕は次に、ママといつでも話したいと思って、ママに僕やパパとどこでも会話できる能力を与えました。でも、今となってはそれが間違いだったのかもしれません。ママはあの後財団に攫われて殺されました。テレパシーが聞こえなくなったと言うことはそう言うことでしょう。

SCP-4000-JP: 僕のパパは財団のメンバーでした。そしてママを攫ったのは間違いなくパパです。パパは僕やママとの家族の絆より、仕事の……それも悪の組織の任務を優先してしまいました。パパが最大の敵になるなんて物語みたいだ、と思うかもしれませんが、これは本当です。

SCP-4000-JP: ヒーロー機関は今もSCP財団と戦っています。先日、真由奈ちゃん3が財団に誘拐されました。今彼女がどうなっているかは分かりません。財団の目的は、真意は分かりません。分かるのは、奴らがまるでアニメやゲームや映画に出てくるような「悪の組織」であるということだけです。

SCP-4000-JP: それだけではありません。SCP財団が悪の組織だと思われる根拠は他にもあります。メンバーの1人によると、SCP財団に捕まった人や、僕らのことを知ってしまった人は僕らに関する記憶を奪われることがあるようです。SCP財団が何を目的にそうしているのかは分かりませんが、おそらく自らの悪事を公に出したくないからでしょう。

SCP-4000-JP: 財団が正確に何をしようとしているのかは僕には分かりません。ですが分かるのは、彼らが僕たちの敵であるということだけです。これは単純な憶測ですが、彼らが僕たちを皆殺しにしようとしているのかもしれませんし、彼らが僕たちを洗脳して世界征服に使おうとしているのかもしれません。みなさん、僕らと一緒に戦いましょう。その意思のある人たちは、栃木県宇都宮市にあるヒーロー機関の本部に来てください。以上です。

[記録終了]

SCP-4000-JPにより、この動画には全編にわたって視聴した人物に対し、これを拡散させるミーム的な異常性が存在していることが確認されました。この動画を削除する試みは、この動画が削除に対する異常な耐性を有し、あらゆる手段を用いても削除から数秒後に自動で再投稿されることから失敗しました。この性質もSCP-4000-JPによるものと推測されます。

この結果、世界中で動画やその編集版、翻訳版などが拡散され、財団の存在は民間人に露見しました。これにより、財団はLK-クラス: ”捲くられたヴェール”シナリオの発生を宣言しました。

補遺4000-JP-5: 2028/08/25、GoI-9022による財団サイトへの襲撃の結果、SCP-4000-JP-A2-11が収容から解放され、いくつかの友好的・無害な人型オブジェクトも解放されました。しかし、それによるサイトの混乱に便乗する形でKeterクラスの生物型オブジェクトであるSCP-████-JPが脱走し、民間に対する数百名の死傷者を出す結果となりました。SCP-████-JPはその後、GoI-9022の構成員3名による攻撃で死亡・無力化されました。

財団への悪評により、それを目撃した民間人の誤解で「財団はSCP-████-JPを世界征服のための生物兵器として研究していた」という旨の誤情報がSNSなどを通して拡散され、結果として民間人の財団に対する評判はさらに低下しました。SCP-████-JPの無力化がGoI-9022によって行われたことにより、民間人はGoI-9022をさらに英雄視する結果となりました。

これにより、以下のような問題が財団に損害を与えています。

  • 財団職員に対する特定と私刑行為。
  • 「財団を犯罪組織として取り締まるべき」という各国政府に対するデモ活動。
  • 財団を中傷する目的のフェイクニュースならびに陰謀論の大規模な拡散。
  • GoI-9022がもたらした犯罪率低下による財団のDクラスの雇用者数の低下を含む、財団の新入職員の致命的な減少。

これらの問題に対する解決策は現在協議中です。

監督評議会決議

議題:
GoI-9022との交戦および構成員の収容の停止。

監督評議会投票結果:

棄権
O5-02 O5-01
O5-03 O5-04
O5-06 O5-05
O5-07 O5-08
O5-11 O5-09
O5-10
O5-12
O5-13

評決
否決

この投票の後、世界各地の主要な民間組織に以下のメッセージが送られました。

民間人の皆様、我々の話を聞いてください。我々はSCP財団です。このメッセージは我々の最高監督者による指示で皆様に送られています。

皆様が超常を知る前から、我々は闇の守護者でした。皆様のような民間人が健全で正常な世界で生きていけるように、皆様が光の中で生きていられるように、我々は何百年という長い時間、暗闇の中で超常と戦い続けていました。光の届かない世界の舞台裏で、数々の忌々しい怪物や怪奇現象を閉じ込め、あるいは覆い隠し、人々がそれに気づいて混乱することのない世界を目指して活動していました。

しかし、今となってはどうでしょうか?世界は皆様が「ヒーロー」と呼ぶ正義の光に照らされています。彼らは皆様の知るように、多数の犯罪やその他の脅威から人々を守っています。しかし、我々の閉じ込めた怪物や怪奇現象のような「禍い」とそれらを区別する基準や原則は我々にはありません。我々にとっては人殺しの怪物も正義の超人も等しく収容すべき存在です。それが我々の理念です。

はい、我々は正義の味方ではありません。我々はただ正常性を維持します。我々は我々がこれまで何度も正常性に殉じて非人道的な行為を繰り返したことを認めます。中には我々に家族や友人を奪われた方もいることでしょう。ですが我々は皆様に返すことができません。それが我々という組織の責務だからです。皆様が我々を悪と呼ぶことは想定内ですが、我々には止めることができません。世界のために我々は悪で居続けなければならないのです。

彼らが皆様を照らし続ける中、我々は昔も、そして今も — 常に闇の中にいます。我々は闇として闇と戦い続けます。

我々は無知な人々にとって「災い」であり続けるでしょう。ですがそれでいいのです。我々は闇の中で死ぬべきなのです。

— SCP財団

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