創られてしまったもの

現在このページの批評は中断しています。

評価: 0+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1358-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1358-JPは全て一般的な家具と浴室が備わった2部屋の独房に収容されています。首輪型電場妨害装置を取り付けられ1自由にレベル3クリアランスを持つエージェント一名以上の監視の元、施設内を出歩くことが許されており、メイン食堂で食事をします。首輪型電場妨害装置を隠す行為は禁止され、そのような試みは担当エージェントによる武力制圧によって阻止されます。SCP-1358-JPに取り付けられた追跡装置は取り外しません。

レベル2クリアランスが与えられており、事務作業や臨時の秘書業務を行わせてください。また、当該オブジェクトはその性質上言語能力を必要とする翻訳や通訳等の業務を行わせる事が可能です。その場合はサイト管理官に書類申請後、許可を受けた上で必要なクリアランスレベルが与えられます。また、業務その他の事由によって知り得た機密情報は記憶処理の代替として、担当者によるデータ削除で対応してください。SCP-1358-JPは現在サイト-8181に収容されています。

説明: SCP-1358-JPは先天性白皮症の特徴を有した10代後半から20代前半の北欧系女性の容姿を持っており、身長150cm、体重53kgの白髪で赤い瞳をしています。人間の死体から作られたバイオノイドであり、骨格、神経、血管、脳を含む臓器が機械部品に置換もしくは改造が施されています。通常の人間と同様に飲食によって活動に用いるエネルギーを補給しますが、電気やガソリン等の工学的なものからもエネルギーを補給する事が可能です。

SCP-1358-JPは"シトリー"を自称し、俗にクラシカルメイド服と称される服装を常にしています。普段から丁寧な言動を見せますが、口調はよく「冷たい」と言われます。非常に高い能力を有しており、確認された限りでもフィンランド語、エスペラント語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、ラテン語、英語、日本語の計8ヵ国語を操ります。また一部の軍用機を含む重機、航空機、船舶、車両の運転技能を有し、拳銃、アサルトライフル等の銃器を取り扱う事ができ、財団の一般的なフィールドエージェント並みの格闘能力を持ちます。また、秘書業務や書類作業等を行う事も可能です。実施した知能検査では全て平均を大幅に超える点数を出しましたが、これは後述する性質に大きな影響を受けています。

SCP-1358-JPの特筆すべき点は脳に関してです。彼女の脳は生物的なものではなく、人間の脳の構造を模倣して作られた未知の電子デバイスに置換されています。そのため、8ペタバイト程度の記憶容量を有しています。また、無線ネットワーク等に接続する事も可能です。非常に高いハッキング能力を有している事から、要注意団体に対してサイバー攻撃やクラッキングを行う計画が現在審議中です。

発見経緯: POI-6789として登録されていた小鳥遊稔博士の死亡後、サイト-8181に「小鳥遊稔博士が死亡した」との通報があり、同氏の死亡確認と共に収容されました。

補遺1: 現在まで、SCP-1358-JPが要求したもの

  • 収容以前に着用していた衣服の返却及び日常的な着用(許可)
  • 小鳥遊博士が執筆した論文書多数(許可)
  • 長期の国外外出(却下)
  • ポー詩集(許可)
  • 平時において"シトリー"と呼ばれる事(許可)

補遺2: 以下はSCP-1358-JPに対して行われたインタビューログです。

事案記録1358-JP-1: 2010/7/5に行われたインタビュー1358-JP-3の実施の際、事案1358-JP-1が発生しました。以下のログは事案1358-JP-1の発生時に記録されたものです。

補遺3: 以下は小鳥遊稔博士がPOI-6789として登録されていた際の簡易的なPOIファイルとなります。事案1358-JP-1にて当該オブジェクトから取り出されたデータ内に保存されていたメッセージが添付してあります。

要注意人物ファイル#6789/JP-01

本名: 小鳥遊 稔(TAKANASHI Minoru)

年齢・性別: 43歳、男性

監視理由: 多数の要注意団体との関連が疑われており、中でも日本生類創研と東弊重工との繋がりが強いと推測されている。1972年よりこれらの要注意団体と接触したため、POI指定を受けた。

優先度: N/A

ステータス: 1998年8月10日に国内で死亡を確認。死体回収後、財団日本支部が所有する墓地へ埋葬。

添付文書:

SCP-1358-JPから取り出されたデータの一部:

これを見ている者へ。これを読んでいる君が何者であれ、君の前にこの文章が現れているなら、それは君あるいは君達がシトリーを何らか方法、形で保護したという事だろう。

まずは礼を言わせて欲しい。ありがとう。彼女は私が創り出した学習型特殊人格AIを搭載した有機アンドロイドだ。死体から創ったから、バイオノイドとも言うだろう。かつて、生きていた頃の彼女は人間だった。それは確かだ。人間だった彼女……███・████は私の助手を務めていた。詳しい経緯は別のデータを参照してくれ。それと、日本生類創研及び東弊重工には世話になった。スペシャルサンクスだ。

とにかく、███は私の助手だった。そう、"だった"。198█年9月██日に"財団"とカオス・インサージェンシーだったか? 私達は彼らの戦場に偶然居合わせてしまった。その時、彼女は私を庇って死んだ。"財団"の戦闘員はその場に我々が居合わせた事に驚いているようだった。それもそうだろう。当時地方のホテルに宿泊していた私達がチェックアウトした直後にその地区で戦闘が起きた。神が居るなら私は恨むよ。

死因は心臓に一発。撃ったのは"財団"だった。しかし、彼らはそれまで私たちの存在を認知していなかった。急いでその場を離れようとして飛び出した時にその瞬間が訪れた。仕方ないと言えば仕方ない。そう簡単に割り切れる物ではないがね。だから、私は███をシトリーとして創り直したんだ。

まあ、君がGOCの人間でない事を祈るよ。彼らはシトリーのような存在をとにかく破壊しようとするからね。仮にそうだったなら、一応彼女をGOCの職員として推薦する。例えGOCでなくとも、日本生類創研でも、東弊重工でも、果ては"財団"でも。

彼女は優秀で有能だ。どこでもやっていける程度の能力は仕込んである。良ければ使ってやってくれ。

シトリーへの手紙もある。彼女に見せるかどうかは君に任せるが、この文書が君の前に現れたなら、それは彼女から私の記憶が失われた事を意味している。シトリーのためだ。恐らく、彼女は私の事を引きづっている。それでは駄目だ。そのための措置だ。分かって欲しい。私に関する情報も添付しておく。

SCP-1358-JP宛の手紙:

シトリーへ

分かっている。君がこの手紙を読んだとしても、君にとってさしたる意味が無い事を。君がこれを読む時、君は私を忘却している。すまない。私が君の記憶を奪ったのだ。そうなるように仕込みをした。君は私を忘れるべきだ。

私はもういない。死んだだろう。だが、君はいつだって私を気遣ってくれた。███だった時からずっとだ。私はそれに感謝している。だからこそ、こうした。

私は君を創った。創ってしまった。君はきっと生き続ける。私の不甲斐なさがゆえに。 無力な私を許してくれとは言わない。私は、君を創るべきではなかったのだ。

かつて███だった君をこのような形で生かしてしまった事をここに謝罪する。私は、大罪人だ。……君が私を想ってくれたように、私も君を想っている。君の新たな門出に祝福を。

小鳥遊 稔より


jp euclid scp 世界オカルト連合 日本生類創研 東弊重工 人間型 人工 電子デバイス 自己修復 自我 知性 機械 生命 死体



ページ情報

執筆者: prof_hellthing
文字数: 10720
リビジョン数: 53
批評コメント: 2

最終更新: 26 Mar 2022 10:29
最終コメント: 14 May 2022 05:54 by prof_hellthing

ページコンソール

批評ステータス

カテゴリ

SCP-JP

本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

GoIF-JP

本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

Tale-JP

本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

翻訳

翻訳作品の下書きが該当します。

その他

他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。

コンテンツマーカー

ジョーク

本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。

アダルト

本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。

既存記事改稿

本投稿済みの下書きが該当します。

イベント

イベント参加予定の下書きが該当します。

フィーチャー

短編

構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

任意A任意B任意C
    • _


    コメント投稿フォームへ

    注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。

    新たなコメントを追加

    批評コメントTopへ

ERROR

The prof_hellthing's portal does not exist.


エラー: prof_hellthingのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:7293953 (08 Mar 2021 02:06)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License