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アイテム番号: SCP-1341-JP
オブジェクトクラス: Euclid Nagi1
特別収容プロトコル: SCP-1341-JPの入り口は工事現場に偽装し、隠蔽してください。また、常に最低でも3人の職員が駐在し、監視を続けてください。 現在、SCP-1341-JPの入り口は第8回内部探査の際の崩落により塞がれました。SCP-1341-JPの入り口は地滑りの発生現場に偽装し、常に最低でも2人の職員を駐在させてください。詳細は「内部探査記録1341-8」
説明: SCP-1341-JPは、██県██市███町の███山の中腹付近に存在する洞窟です。内部探査により、SCP-1341-JP内部は最深部まで一本道になっていることが判明しています。SCP-1341-JP内部の深さはSCP-1341-JPが存在する中腹付近における███山の幅に比べて非常に長いものとなっており、ある種の異次元空間になっていると推察されます。SCP-1341-JP最深部には未知の物質でできた玉座と思しき物体(以下、SCP-1341-JP-1と呼称)があり、自身を"冥府の王 ハデス"と呼称する国籍不明の男性の容姿をした人型実体(以下、SCP-1341-JP-2と呼称)と自身を"冥府の女王 ペルセポネ"と呼称する国籍不明の女性の容姿をした人型実体(以下、SCP-1341-JP-3と呼称)が存在しています。
現在までSCP-1341-JPの内部探査は8回行われましたが、SCP-1341-JP内部から帰還した例は第8回内部探査における村雨博士の一例のみです。
現在、SCP-1341-JPの侵入口は第8回内部探査の際の岩石の崩落により塞がれています。現在もSCP-1341-JP内部にはSCP-1341-JP-2実体及びSCP-1341-JP-3実体が存在していると推測され、SCP-1341-JPへの警戒は維持されます。
また、SCP-1341-JP最深部において発見された日本人と思しき少女(以下、SCP-1341-JP-4と呼称)の行方は現在も判明していません。
内部探査記録 1341-1
<記録開始>
村雨博士: D-31425、聞こえますか。
D-31425: ああ、聞こえている。で、この洞窟を進めばいいんだな。
村雨博士: はい、よろしくお願いします。
D-31425: わかった。
村雨博士: 何か異常な物品があれば、報告してください。
D-31425: わかった。とりあえず、進むぞ。
[30分間、D-31425が進む音と地面の映像のみが記録されている]D-31425: おい、これは一体どこまで続いているんだ?すでに1km以上歩いているんだが。
村雨博士: とりあえず、進んでください。何か感じることはありますか。
D-31425: あぁ、洞窟だから当たり前なのかもしれねぇが、空気が冷たい。というか、異常に冷たい気がするな。
村雨博士: 他には何か気になる点はありますか。
D-31425: そうだな、まぁ、強いて言うなら蝙蝠とかが一匹もいねぇな。
村雨博士: それは蝙蝠だけですか?カマドウマ、バッタみたいな昆虫やムカデなどは見受けられませんか?
D-31425: ああ、なんというか、ここにいる生きているのは俺だけって感じっていうか、生き物の気配が全くしないんだよな。
村雨博士: わかりました。ありがとうございます。
D-31425: おっ、なんか開けた場所に出たな。
村雨博士: 何か見受けられますか。
D-31425: でかい椅子みたいなのと人っぽいのがいるな。あ、ちょっと待て。博士、なんか檻の中に女の子がいるぞ。
村雨博士: 女の子? どこにいるのですか?D-31425: ほら、あのでかい椅子の上のほう。
[D-31425がSCP-1341-JP-1上部に存在する檻にカメラを向ける]
村雨博士: …確認できました。渡してあるドローンをその檻に向けて飛ばしてもらえますか。
D-31425: これか。試してみる。
[D-31425が小型ドローンをSCP-1341-JP-4に向けて飛ばす]
SCP-1341-JP-4: [小さな悲鳴]な、なんですか?
村雨博士: 初めまして、お嬢さん。私は村雨というものです。失礼ですがあなたの名前を教えていただけますか?
SCP-1341-JP-4: 喋った…!変わった鳥さん…。私の名前ですね…すいません。忘れてしまいました。
村雨博士: 忘れてしまった、というのは?
SCP-1341-JP-4: …あまりにもここに長くいすぎました。
村雨博士: わかりました。とりあえず、これを指に嵌めてもらえますか?
[SCP-1341-JP-4が小型ドローンに搭載されたパルスオキシメーターを指に嵌める]
SCP-1341-JP-4: …これでいいですか?
村雨博士: えぇ、大丈夫です。ところで、なぜここにいるのですか?
D-31425: おい博士、いつまで話してるんだ?
村雨博士: もう少し待ってください。
[D-31425の声がSCP-1341-JP内部に反響する]
SCP-1341-JP-2: なんだ。お前は何者だ。2
D-31425: まずいぞ博士。見つかった。どうすればいい?村雨博士: とりあえず、質問に答えてください。対応は考えます。[SCP-1341-JP-4に対して]すいません。続きはまた聞きます。
SCP-1341-JP-4: …はい、またね、不思議な鳥さん。…待ってるね。
SCP-1341-JP-2: 早く名乗れ、生者よ。あまり余を待たすな。
D-31425: あぁ、クソ!俺はD-31425って名前だ。そういうあんたの名前はなんだ。
SCP-1341-JP-2: ふむ、余の名は"ハデス"だ。お前は何をしにここまで来た。ここは生者の来るべき場所ではない。
D-31425: 仕事だ。この洞窟を調べに来た。
SCP-1341-JP-2: お前は余の国を無断で荒らしたというのか。お前には死んでもらう。
D-31425: そうかい、おっさん。あんたごときに俺が殺せるとは思えないがな!
[D-31425が隠し持っていた拳銃をSCP-1341-JP-2に向け3発発砲したが、内2発はSCP-1341-JP-2に触れた途端に消失し、残りの1発はSCP-1341-JP-1に命中し砕けたが、SCP-1341-JP-1に傷は見られない]
村雨博士: D-31425!命令違反は終了の理由となります!
D-31425: なっ…、おっさん銃効かないのかよ![蒼ざめて]…い、いや、おっさん。さっきのは違うんだ。おっさんの力を試しただけで。いやぁ、俺たちはいいダチになれるぜ、おっさん。まぁ、さっきのことはすまないな、ただ誤解しないでほしい、俺は命令されてここにー
SCP-1341-JP-2: 黙れ![D-31425が絶叫する]
村雨博士: D-31425、聞こえますか。
D-31425: [応答なし]
SCP-1341-JP-2: 姿の見えぬ者よ、お前は何者だ。
村雨博士: …私はD-31425を使いに出した者です。今回の無礼をお許しください。
SCP-1341-JP-2: では、余が望むものをお前が持ってきたら、温情を与えることを考えよう。
村雨博士: …ご厚意に感謝いたします。
<記録終了>
終了報告書: SCP-1341-JP内部の状況がわずかながら判明しました。今回の探索で、檻にとらわれた日本人女性と思しき人型実体(SCP-1341-JP-4)の存在が確認されました。SCP-1341-JP-4に間接的なバイタルチェックを行った結果、一般的な人間である可能性が高いという結果が得られました。これ以降、SCP-1341-JP-4の救出を最優先としてください。SCP-1341-JP-4にインタビューを行うことによりSCP-1341-JPに関する情報を得ることが可能と推察されます。同時に、次回の探索までにギリシャ神話に精通している職員を交えた会議を開き、SCP-1341-JP-2が求めているものを模索してください。
内部探査記録 1341-2
<記録開始>
村雨博士: D-31452、聞こえていますか。
D-31452: はい、聞こえています。
村雨博士: では、この洞窟の奥まで進んでください。
D-31452: わかりました。
[40分間、D-31452が進む音と地面の映像のみが記録されている]
村雨博士: 一度、立ち止まってください。
D-31452: はい。
村雨博士: いいですか、D-31452。この先の空間にSCP-1341-JP-2、"ハデス"を名乗る男性がいます。その人には失礼な態度をとらないようにしてください。何かしらの不明な方法であなたを殺害するかもしれません。
D-31452: …殺すんですか?村雨博士: …えぇ。気を付けてください。
D-31452: わかりました。
村雨博士: また、あの大きな椅子の上に檻があります。そこに女性が閉じ込められているので、まずはそこにドローンを飛ばしてください。D-31452: わかりました。
[D-31452が小型ドローンをSCP-1341-JP-4に向けて飛ばす]
SCP-1341-JP-4: …あ、鳥さん。また来てくれたんだ。
村雨博士: えぇ、今日はこの前の続きを聞きに来ました。
SCP-1341-JP-4: あの、鳥さん。この前の男の人は…?何か叫んでたけど…。
村雨博士: …亡くなりました。
SCP-1341-JP-4: [沈黙]
村雨博士: …彼のためにも、あなたが知っていることについて教えてください。
SCP-1341-JP-4: …わかりました。私は、この洞窟に生贄として村から連れてこられました。もし神様がいたら助けてくれると思った。でも、だれも助けてくれなかった。…だから私は神様なんていないと思ってた。…でも、"神様"はいてたの。[嗚咽]
村雨博士: ゆっくりで大丈夫です。深呼吸して。
SCP-1341-JP-4: …もう大丈夫です。…私は神様にこう言ったの。「いつか、あなたが本当に求めるものを持ってくる人が現れるから見逃して。それまで閉じ込めてもらっても構わない。」って。まだ死にたくなかったの。そしたら、あの神様が檻を作って私を閉じ込めたの。…願いを受け入れてくれたの。本当に"神様"っていたんだよ。
村雨博士: わかりました。ありがとうございます。
SCP-1341-JP-4: ううん。こちらこそありがとう、鳥さん。
D-31452: 博士、そろそろ電池が切れそうです。村雨博士: わかりました。[SCP-1341-JP-4に対して]待っていてください。あなたを助け出します。
SCP-1341-JP-4: ありがとう、鳥さん。
村雨博士: では、D-31452。ハデスに接近してください。
D-31452: …あの、博士。さっきの話は本当ですか?
村雨博士: さっきのとは?
D-31452: わ、私の前任が死んだってこと…。
村雨博士: …本当です。それと、D-31452、声量を落としてください。このままではー
[D-31452が悲鳴を上げる]
D-31452: まだ、死にたくない、し、死にたくないの!
村雨博士: D-31452、静かに!見つかります!
SCP-1341-JP-3: そこにいるのは誰?
D-31452: [沈黙]村雨博士: まずは、深呼吸して名乗ってください。このままでは名乗る前に殺されます。
D-31452: …は、はい。わ、私はD、D-31452です。
SCP-1341-JP-3: あら、ごめんなさい、怖がらせちゃったわね。大丈夫よ。私の名前は"ペルセポネ"というの。あなたはあの子の家族?
D-31452: あ、あの檻に入っている女の子のことです、でしょうか?
SCP-1341-JP-3: あら、違うの?同じ国の人みたいだったから。昔も似たようなことがあったの。
D-31452: あ、彼女をたす、助けに来ました。SCP-1341-JP-3: あら、そうなの。実は、彼女からは外のことも色々聞いたし、彼女には私たちのことを色々話したわ。久しぶりに生きた人間と話したの。いつ以来かしら。
SCP-1341-JP-2: ペルセポネ、誰と話している?
SCP-1341-JP-3: あら、あなた。D-31452って子よ。
D-31452: [沈黙]SCP-1341-JP-2: お前はこの前の奴の仲間か?ならば、余の望むものは持ってきたか?
D-31452: ま、まことに申し訳ございません。ハ、ハデス様のお望みになられているものを存じ上げず、こ、今回はそれをうかがいに参りました。
SCP-1341-JP-2: 何⁉まだ余の求めているものがわからないだと?不敬者め!
D-31452: い、嫌!来ないで![D-31452が悲鳴を上げる]
村雨博士: D-31452、聞こえますか。
D-31452: [応答なし]
SCP-1341-JP-2: またお前か、姿の見えぬ魔術師よ。余が求めているものがわからなければ、この小娘は永遠にとらわれたままだ。
村雨博士: わかりました。しばしお待ちを、冥府の神よ。
<記録終了>
終了報告書: 調査の結果、過去500年間にSCP-1341-JP付近に集落が存在していたという記録はありませんでした。また、いかなる文献にもSCP-1341-JPに類似した洞窟に関する記述は確認されませんでした。
仮に、SCP-1341-JP-2及びCP-1341-JP-3が本当にハデス及びペルセポネである場合、非科学的ですが、"死"を操る実体となり、これがSCP-1341-JPから出てきた場合、複数のK-クラスシナリオが発生すると推察されます。それを防ぐためにも、SCP-1341-JP-4を救出し、情報を得ることが最優先事項と考えられます。SCP-1341-JP対策会議により、プロジェクト・オルフェウスが実行されることになりました。プロジェクト・オルフェウス
SCP-1341-JP内部に入る際、竪琴を持参し、SCP-1341-JP-2及びSCP-1341-JP-3の前で演奏してください。仮に、SCP-1341-JP-2及びCP-1341-JP-3が本当にハデス及びペルセポネである場合、竪琴を演奏することにより、何かしらの影響が及ぶと推察されます。
内部探査記録 1341-3
付記: この探索は、プロジェクト・オルフェウスが実行された一例目となります。また、D-15423が████賞を受賞したことのあるプロのハープ演者であったことは特筆されます。
<記録開始>
村雨博士: D-15423、聞こえますか。
D-15423: 聞こえるが…。なぁ、博士さんよぉ。ここって前任者二人とも死んでるんだろ。なんで俺がー
村雨博士: あなたは、私たちと取引をしました。覚えていますね。
D-15423: [舌打ち]あぁ、覚えているさ。「俺がここに囚われてる"お姫様"を助け出す。そして俺は解放される。」守ってくれるよなぁ、博士さん。
村雨博士: はい、それは約束いたします。
D-15423: なら、命を懸けてでも助けなければな。まだまだシャバでやりたいことがある。
村雨博士: では、従ってもらえますね。
D-15423: …まぁ、一応は。助けるだけで解放されるんだったら安いもんだ。
村雨博士: では、この洞窟の奥まで進んでください。
D-15423: わかった。
[30分間、D-15423が進む音と洞窟の地面のみが記録されている]
村雨博士: 奥に人は見えますか。
D-15423: あぁ、で、その"お姫様"とやらは?村雨博士: そこにある大きな椅子の上につるされている檻の中にいます。
D-15423: …あれか。かなり高いな。
村雨博士: では、説明した通り、竪琴を携えて進み、会話を図ってください。
D-15423: わかった。あー、お二人さん?
SCP-1341-JP-2: 何者だ。その服、お前は余が求めるものを持ってきたのか。
D-15423: えぇ、ハデス様。竪琴をお持ちいたしました。
SCP-1341-JP-2: …ほう。お前は何を奏でるのだ?3
D-15423: では、ハデス様がお好みになるであろう音楽を。
[D-15423が竪琴を弾く]
D-15423: いかがでしょうか。もし私の竪琴をほめていただけるなら、檻の中の彼女をー
SCP-1341-JP-2: お前には失望させられた。なんだ、その程度の腕で来たのか。
D-15423: は?
SCP-1341-JP-2: お前の竪琴の腕は酷すぎる。
D-15423: おい、博士、話が違うじゃねぇか。
村雨博士: D-15423、私語は慎んでください。命令違反は終了の理由となります。
SCP-1341-JP-2: 魔術師よ、お前がこいつに竪琴を演奏するよう命令したのか。その心がけ自体は殊勝だ。…ふむ、一つだけ知りたいことを教えてやろう。
村雨博士: では、ハデス様。そこの檻に入れられている女性は本当に人間ですか。
D-15423: おい博士、俺は解放されるんだよな?
村雨博士: 静粛に。
SCP-1341-JP-2: よろしい。では教えてやろう。あの小娘は紛れもなく生身の人間だ。あの小娘は慣習であった生贄として連れてこられたが、初めて余を感心させた贄だった。面白い交換条件を示してきたから、乗ってやった。しばらくしてー数百年は経っているかもしれないがーお前たちがやってきた。そこから先はお前たちの知る通りだ。
村雨博士: しかし私たちが調査した結果、この洞窟の近辺にそのような村はありませんでした。SCP-1341-JP-2: それは、余がこの地に来て生贄を要求していたことに気づいた元々この地にいた神々との衝突があり、その巻き添えになり存在を抹消されたからだ。
村雨博士: 失礼ながら、何故この地に来たのですか。
SCP-1341-JP-2: …それはお前たちには関係のないことだ。
村雨博士: わかりました。最後に一つだけ、あなたは数百年経っていると言いましたが、彼女はまだ本当に生きているのですか。
SCP-1341-JP-2: 然り。余の世界は時間の流れが外界とは違う。
D-15423: おい、てめぇ。無視すんじゃねぇ!
[D-15423がSCP-1341-JP-2に竪琴を投げつけたが、竪琴はSCP-1341-JP-2に衝突した途端に消失した。]
村雨博士: D-15423!やめなさい!
SCP-1341-JP-2: お前は不敬だ。あまりにも不敬だ。余は初め許すつもりでいたが、その考えはやめだ。お前には今すぐ死んでもらう。
D-15423: [舌打ち]そう簡単に死んでたまるか!
[D-15423がサバイバルナイフを手にSCP-1341-JP-2に突進し、断末魔をあげながら消失した]
村雨博士: D-15423、聞こえますか。
SCP-1341-JP-2: 愚か者が…。
村雨博士: ハデス様、失礼ですが今何が起こったんですか。
SCP-1341-JP-2: …よかろう、最後に教えてやろう。お前の使者が自ら突進してきた。自ら"死"に向かうとは、なんと愚かなことよ。魔術師よ。5回だけ機会をやろう。もし、それまでに余が求めるものを持ってこなければ、余はお前たちの世界を冥府に変えてやろう。
村雨博士: …わかりました、ハデス様。仰せのままに。
<録音終了>
終了報告書: これ以降SCP-1341-JPの探索及びプロジェクト・オルフェウスは4回実行されましたが、全て失敗となりました。最後の一回の実行を慎重に行う必要があります。過去の探索からSCP-1341-JP-2及びSCP-1341-JP-3は銃火器の影響を一切受けないだけでなく、SCP-1341-JP外の一切の物体を消失させることが可能であることが判明しています。もし、最後のプロジェクト・オルフェウスが失敗に終われば、SCP-1341-JP-2及びSCP-1341-JP-3がSCP-1341-JP外部に進出してくる可能性が大いにあり、GH-クラス:"デッドグリーンハウス"シナリオなど、複数のK-クラスシナリオに直結すると推察されます。
内部探査記録 1341-8
付記: SCP-1341-JP-2は村雨博士がSCP-1341-JP内に来ることを要求しましたが、村雨博士の喪失の可能性があり、SCP-1341-JP対策会議において最終会議が行われました。賛成11-反対10という結果により、SCP-1341-JP-2の要請は認可され、村雨博士が探索に行くことが決定しました。
<記録開始>
村雨博士: 今から、SCP-1341-JP内部に進入します。
[30分間、村雨博士が歩く音と地面の映像のみが記録されている]
村雨博士: ハデス様、ペルセポネ様、お初にお目にかかります。村雨と申します。
SCP-1341-JP-2: ようやく来たか、魔術師よ。して、お前もこれまでに来た者たちと同じように竪琴を弾くだけか?
村雨博士: いえ、今回は奥様のリクエストをお受けしたいと思います。
SCP-1341-JP-3: あら、私の?
村雨博士: はい、ペルセポネ様はオルフェウスの竪琴の音に心を動かされたはずです。もちろん、私の腕は彼に全くもって及びませんが、少しでもあの時の感動をお届けできるように努めたいと思います。
SCP-1341-JP-3: あら、ありがとう。私たちのこと、よく知ってるわね。オルフェウスの話を読んだのかしら。じゃあ、今からどんな感じだったかいうわね。
村雨博士: よろしくお願いします。もし、私の演奏がお眼鏡にかなえば、ぜひ、あの子を連れ帰らさせてください。
[約1時間の間、SCP-1341-JP-3による指導が行われる]
村雨博士: では、僭越ながら、演奏させていただきます。
[村雨博士による竪琴の演奏が行われる]
村雨博士: …ご清聴ありがとうございます。
SCP-1341-JP-3: [涙を流しながら]あなたの演奏は素晴らしかったわ!その切なくて哀しい感じが心に響いたわ!ねぇ、あなた、彼はあの子を連れ戻しに来たのよ。この冥界にあのような心にしみる音が響くなんて久しぶりよ。許してあげたらいかが?
SCP-1341-JP-2: …魔術師よ、お前は最初からこうなることがわかっていたのか?
村雨博士: いえ、私は命を懸けてここに来ています。こうなることは予想しておりませんでした。ただ、ハデス様がお求めになっていたものはわかりました。
SCP-1341-JP-2: 何だ。申してみよ。
村雨博士: "奥様の喜び"です。
SCP-1341-JP-2: [沈黙]
村雨博士: 失礼を承知で申し上げますが、ハデス様はこの冥府において、奥様がお喜びになられるような娯楽がないことを嘆いておられた。違いますか?
SCP-1341-JP-2: もうよい。あの小娘を連れて戻れ。そして、もう二度と来るな。
村雨博士: ご厚意、感謝いたします。
[SCP-1341-JP-2が合図すると檻が地面におろされ、SCP-1341-JP-4が解放される]
SCP-1341-JP-4: …あなたは…。
村雨博士: はい。この洞窟について調査していた組織の責任者の村雨と申します。お久しぶりです。詳しいことは後です。とりあえず、ここを出ましょう。私が先導します。
SCP-1341-JP-4: …はい。
[35分間、二人が走る音と地面の映像のみが記録される]
村雨博士: もうすぐ出口です!
[村雨博士が振り返り、SCP-1341-JP-4を見る]
SCP-1341-JP-4: [悲鳴]
[SCP-1341-JP-1と似た材質の鎖がSCP-1341-JP-4の胴体に巻き付く]
村雨博士: しまった!手を!
[村雨博士の手が届く前にSCP-1341-JP-4がSCP-1341-JP深部に引きずり込まれる]
長月研究員: 村雨博士、危険です!崩落が始まっています!早く出てきてください!
[以下、村雨博士の感情的な言葉が多かったため編集済み]
<記録終了>
終了報告書: この探査の直後、SCP-1341-JPの入り口が崩落し、SCP-1341-JP内部への進入が不可能となりました。
補遺: 第8回内部探査以降、村雨博士が重度の精神疾患を発症しました。SCP-1341-JPと、村雨博士の精神疾患の関連性が疑われた為、半永久的にSCP-1341-JPへの接近禁止令がなされました。村雨博士の手に付着していた毛髪を遺伝子鑑定した結果、財団データベース上に記録されている地球上のどの人物のものとも一致しませんでした。
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ジャンル
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- _
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- portal:7282242 (02 Mar 2021 11:32)
主要神2柱にお出まし頂いたわりに小ぢんまりしてるかなあ。
そうは名乗らないかと思います、捜査機関なり研究機関なり仮の身分でカバーするところでしょう。
材質の解析もせずそうは断言しないかと思います、「と思しき」「と似た」などでボカせばいいでしょう。
ご指摘ありがとうございます。
確かに、財団を名乗るのはおかしいですね。訂正します。
また、材質の解析はできていないので、おっしゃる通り、材質に関しては断言させないようにします。
私個人としては、本来、ギリシャ周辺にいてるはずの神々が日本にいるので、土着の神々との折り合いもあり、権能を100%発揮できているわけではなく、"冥府の神とその妻"という基本的な部分のみ現れている、という感じです。厳密には、ペルセポネは春と関係のある女神なのですが、今回、ハデスが中心となっているので、"春を告げる農耕の女神"よりも、"冥府神ハデスの妻"という側面が強調されたもの、と考えています。そのため、本来は力があるのですが、SCiPとしては、小ぢんまりとしている、となっています。
もし、この部分について、より良い意見があれば、いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
読ませて頂きました。
そうですね。確かに、ご指摘がある通り、一目でSCP-XXX-JP-4が人間だとはわかりません。
そのあたりの設定も書き足します。
現在、はっきりと解答させていただくことができる質問は、"どういう経緯で竪琴を使う事が決まったのか?"だけです。今回、モデルとした話が、"オルフェウスが冥府に妻を連れ戻すに行く話"です。あらすじは、
というものです。今回のSCPの状況と酷似していることから、竪琴を使うということが案として出され、実行された、という設定です。
ご指摘いただいた点の改善に努めたいと思います。
ありがとうございます。
Tab構文を使わない方が良いと思います。
また、一部1341-JPでなくXXX-JPになっているので統一した方が良いと思います。
ご指摘ありがとうございます。
Tab構文を使わないということは、そのまま枠付きで探査記録を記述したほうが良いということでしょうか。
また、SCP-XXX-JPになっている部分の訂正も順次進めていきます。
これからもよろしくお願いいたします。
しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。
しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。
Tech Cap. of SCP-JP
しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。
Tech Cap. of SCP-JP