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クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - 贖罪の為に
著者: ©︎MemoryLapse
作成年: 2022
http://scp-jp-sandbox3.wikidot.com/draft:7250732-5-42a4
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-Aはサイト-81██の標準人型収容チャンバーに収容されます。担当職員はメディアや法執行機関の動向を注視し、SCP-XXXX-JP-Aの関与が疑われる事件へ積極的に介入を試みてください。対象との会話では必ず"罰"という概念に言及し、未特定のSCP-XXXX-JP-Aが発見された場合は速やかに確保、収容を行ってください。
職員は標準プロトコルの遂行を除いて、SCP-XXXX-JP-Aとの接触を極力避けなければなりません。
説明: SCP-XXXX-JPは致死性の因果異常を有する異常な精神疾患です。SCP-XXXX-JPは原因不明ながらも不特定多数の人物が罹患していると推測されます。その感染経路は未だ明らかとなっていませんが、過去に希死念慮を経験した人物へと感染する傾向にあることが判明しています。
SCP-XXXX-JPに感染した人物(以下、SCP-XXXX-JP-Aと呼称)は例外なく自尊感情を低下させ、自罰的な思考を抱くようになります。この影響は記憶処理で取り除くことが出来ず、不可逆であり恒久的であると考えられています。しかしながらSCP-XXXX-JP-Aが進んで自罰的な行動を取ることは稀であり、多くのSCP-XXXX-JP-Aは問題無く日常生活を送ることが可能です。
SCP-XXXX-JP-Aは不定1のタイミングで何らかの理由により死亡します。以下にその死亡例を記載します。
- 落雷による感電死
- 焼死
- 溺死
- 急速な脱水症状による突然死
- 凍死
SCP-XXXX-JP-Aへと発生する死亡事象に事件性が存在した事例は確認されておらず、全て超自然的な現象に起因します。現在までこの死亡事象を避ける試みは全て失敗に終わっています。
SCP-XXXX-JP-Aは感染から死亡に至るまでの期間において、将来的に自身へと発生する死亡事象を"罰"として知覚することが可能です。この"罰"という概念は漠然とした理解に基づくものであり、期日や原因といった自身の死に関する他の情報の取得は不可能であることが判明しています。また、SCP-XXXX-JP-Aの多くは"罰"に肯定的な反応を示し、自身の死を認識しているにも関わらず落ち着いた態度をとります。
尚、他者が存在する空間においてSCP-XXXX-JP-Aは自身の感情についての言及を控える傾向にある点、及び鬱や統合失調症等、非異常の精神疾患との類似といった点によりSCP-XXXX-JP-Aの判別には困難が伴いますが、"罰"という概念への言及によって判別を幾らか容易にすることが可能です。
SCP-XXXX-JPは財団所有のAIによって、日本国内で発生する"奇妙な"死亡実例の有意な増加に焦点が当てられたことから調査が行われ、存在が発覚しました。現在財団が収容するSCP-XXXX-JP-Aの数は増加傾向にあり、このペースで推移した場合、2031年頃には日本国民全てが、全世界へと拡大する場合2037年頃には全人類がSCP-XXXX-JP-Aとなることが推測されています。このことから当オブジェクトは潜在的にGH-クラス:”デッドグリーンハウス”シナリオを引き起こし得るオブジェクトとされ、対抗策の発案が喫緊の課題となっています。
インタビュー記録-XXXX-JP-1
対象: SCP-XXXX-JP-A-6 - 小夜原さよばら静歌
インタビュアー: 渇比良かつひら博士<録音開始>
渇比良博士: では、貴方の主張する"罰"とは何なのか、教えてください。
SCP-XXXX-JP-A-6: はい。といっても、実は自分でもあんまりよくわかってないんです。いつから"罰"なんてものが存在するということに気付いたのかもさっぱりで。とにかく、なんとなくですけど「私は"罰"を受けて死ぬんだな」って感じるんです。本当に、なんとなくですが。
渇比良博士: なんとなく、ですか。その"罰"がいつ下るのか、どのような"罰"が下るのかまではわからないんですね?
SCP-XXXX-JP-A-6: ええ、全く。でも何故"罰"を受けなければならないか、だけはわかります。悪いことをした人間には罰が下らねばなりませんので。
渇比良博士: ……貴方は何か悪いことをなさったと?
SCP-XXXX-JP-A-6: そうですね。散々迷惑をかけてきました。もはや私の存在そのものが罪とさえ言える程には。
渇比良博士: というと?
SCP-XXXX-JP-A-6: 私、中学の時に吹奏楽部で打楽器担当だったんですけど、3年の都道府県大会で、あの……マレットっていう木琴を奏でる道具があるんですけど、それを落としてしまって。結果は勿論、銀賞でした。私のせいで、支部大会出場を逃したんです。私が吹奏楽部に所属していなければ、こんなことにはならなかったのに。
渇比良博士: それは、お気の毒に。
SCP-XXXX-JP-A-6: これだけじゃないんです。母が大事にしていたイヤリングを紛失したのも、授業で分からないことを質問しにきた友達を一蹴したことも、足元で動き回るカマキリを踏み潰したことも……言い出したらキリがありませんが、全て私の働いた悪事です。
渇比良博士: それらは悪事の範疇には入らないと思いますが。
SCP-XXXX-JP-A-6: いいえ。これらは歴とした罪です。だからこの記憶は、私を永遠に苛ませ続けるのでしょう?私がこの世界に生きていてはいけない存在だから、私は消えなくてはならないから。
渇比良博士: 小夜原さん?
SCP-XXXX-JP-A-6: だから早く"罰"を受けなければならないんです。そうでないと罪を償えないから、私は死んだ方がいい人間なので、"罰"を受けないと、私は
渇比良博士: [遮って]落ち着いてください、小夜原さん。どうか落ち着いて。
SCP-XXXX-JP-A-6: [沈黙]ご、ごめんなさい、私[嗚咽]でも、もういいんです。もうすぐ私には"罰"が下ります。そして、死ぬんです。
渇比良博士: ……怖くはないのですか?
SCP-XXXX-JP-A-6: ええ。寧ろ、悪くない気分です。だってこれは、罪となった私にとって唯一の救済なので。
<録音終了>
補遺1: 2022/03/02、財団の調査によりSCP-XXXX-JPとの関連が疑われる団体が浮上しました。当該団体は自らを████████と名乗るカルト教団であり、██県に本拠地を構えています。この団体は複数の元要注意団体構成員によって結成された組織であり、パラテクノロジーや奇跡論の広範な知識を有していたと考えられています。彼らの目的は「人類の"救済"」であるとされていますが、"救済"という名目で行われる行為は概ね虐殺や拷問であり、「死こそが救済である」といった理念の元に行動する傾向にあります。
財団エージェントによる潜入調査にて当該団体は神格実体(以下、SCP-XXXX-JP-Bと呼称)の召喚に成功し、組織内部にて隠匿されていたことが明らかとなりました。財団が秘密裏に入手した資料によるとSCP-XXXX-JP-Bは影響範囲内2における無作為な人物を超自然的かつ未知の手段で殺害する能力を有しており、また標的となった対象には自尊心の低減、"罰"という概念の認知、及び死に対する恐怖心の喪失といった兆候が現れることが判明しました。これらはSCP-XXXX-JP-Aの特徴と一致し、このことからSCP-XXXX-JP-BはSCP-XXXX-JPの発生源であると断定されました。
現在、SCP-XXXX-JP-Aの増加とそれに付随するK-クラスシナリオの発生を防止するため、複数のThaumielクラスオブジェクト3を動員するSCP-XXXX-JP-Bの無力化計画が立案されています。詳細は添付文書XXXX-JPを参照してください。
追記1: 2022/03/30、SCP-XXXX-JP-Bの無力化計画は実行に移されました。結果、7名の負傷者を出したもののSCP-XXXX-JP-Bの無力化は問題なく成功しました。また当該団体の幹部含む構成員18名を終了または確保しました。これにより当該団体は事実上解散されたものと考えられます。尚、SCP-XXXX-JP-B無力化後、収容中のSCP-XXXX-JP-A全実例がパニックを引き起こしました。SCP-XXXX-JPの異常性に変化が起きたと見られ、急遽渇比良博士によるインタビューが実行されました。以下はインタビュー記録の書き起こしです。
インタビュー記録-XXXX-JP-4
対象: SCP-XXXX-JP-A-6 - 小夜原静歌
インタビュアー: 渇比良博士
<録音開始>
渇比良博士: 一体どうされたのですか、小夜原さん。
SCP-XXXX-JP-A-6: 先生、あの、ば、"罰"が、"罰"が見えなくなりました。
渇比良博士: 見えなくなった……と言いますと?SCP-XXXX-JP-A-6: 今までずっと、私を支え続けてくれた"罰"が、感じられなくなってしまった……[取り乱す]わからなくなってしまったんです!漸く終われると思っていたのに![嗚咽]
渇比良博士: SCP-XXXX-JP-A-6、落ち着いてください。お願いします。
SCP-XXXX-JP-A-6: 落ち着けるわけないじゃないですか[嗚咽]私は、"罰"が待っているから生きてこれた。このどうしようもない人生に希望を持たせてくれた。それなのに、"罰"は私を見放してどこかへ行ってしまったんです!私は、私は罪を償わなければならないというのに![嗚咽]
[SCP-XXXX-JP-6は泣き崩れる。嗚咽の響く音が室内に響き続ける。]
渇比良博士: 小夜原さん。
[嗚咽。]
渇比良博士: 聞いてください、小夜原さん。貴方は罰に見放されてなどいないと思います。
SCP-XXXX-JP-A-6: え……?何を言ってるんですか……?
渇比良博士: 貴方は以前、「"罰"が救済である」と話していましたよね。先ほども「"罰"が希望を持たせてくれた」と仰っていましたが、つまり貴方にとって"罰"はいつしか罰ではなくなっていたのではありませんか?
SCP-XXXX-JP-A-6: どういう、ことですか?
渇比良博士: 本来……というより当たり前の話ですが、罰は希望や救済ではありません。本人にとって救いであってはならないのです。だから"罰"は変容した。今の貴方にとって最も過酷な状況へと貴方を追い込んだ。即ち「"罰"が下らないこと」……それこそが、貴方への罰となったのではありませんか?
[SCP-XXXX-JP-A-6は沈黙する。]
渇比良博士: こじつけと思われるかもしれませんが、現に今貴方は苦しんでいるはずです。その苦しみこそが罰であると私には思えますが、どう思いますか。
[沈黙。鼻をすする音。]
SCP-XXXX-JP-A-6: ……救いであってはならない。確かにそうですね。私は"罰"を受けさえすれば救われると思っていました。でもそうですよね、罰は更生するための手段でしかない。本質を見誤った私は"罰"を受ける対象に相応しくなくなってしまった……そういうことですよね。はは。なんて私は馬鹿なんだろう。
渇比良博士: ……落ち込まないでください。
SCP-XXXX-JP-A-6: 落ち込んでなんかいませんよ、先生。大切なことに気づかせてくれて、ありがとうございます。
渇比良博士: 大した事を言ったつもりでは無かったのですが、お力になれたのなら幸いです。
SCP-XXXX-JP-A-6: ……先生。私はこれからも、この罰に苦しみながら生きていきます。それが、私が唯一更生できる道だと思うから。
渇比良博士: ええ。それが望ましいと思います。私もできる限りサポートしますから、共に乗り越えていきましょう。
SCP-XXXX-JP-A-6: はい!
<録音終了>
インタビュー後は渇比良博士主導の元、収容中のSCP-XXXX-JP-Aへの説得が行われることで事態は収束しました。財団上層部、及び倫理委員会の協議の結果、SCP-XXXX-JP-Bの無力化を鑑みてSCP-XXXX-JP-Aには3週間の経過観察が行われることとなりました。その後、異常性が消失したと見られた場合は記憶処理を施し一般社会へと返還することが決定されました。現在、SCP-XXXX-JPのNeutralized指定が進行中です。
追記2: 2022/03/30より日本国内の凶悪犯罪件数に有意な増加が見られ、財団が調査したところ内8割にSCP-XXXX-JP-Aの関与が認められました。現在、原因の究明及びSCP-XXXX-JP-Aの迅速な収容が急がれています。以下にSCP-XXXX-JP-Aが関与した事件のリストを一部抜粋して記載します。
SCP-XXXX-JP-A | 罪状 | 被害者 | SCP-XXXX-JP-Aとの関係 |
---|---|---|---|
23歳女性 | 殺人 | 27歳男性 | 交際相手 |
35歳男性 | 殺人 | 32歳女性、4歳男性 | 妻、息子 |
19歳男性 | 殺人 | 41歳女性 | 母親 |
45歳女性 | 殺人等 | 11歳女性、4歳雌ボーダーコリー | 娘、飼い犬 |
18歳男性 | 殺人 | 18歳男性、17歳女性 | 友人2名 |
36歳女性 | 殺人 | 37歳男性、11歳女性、5歳男性 | 夫、娘、息子 |
61歳男性 | 殺人 | 9歳女性 | 孫娘 |
26歳女性 | 放火殺人 | 57歳女性、28歳男性、3歳女性 | 母親、夫、娘 |
上記の他に116件の事件記録が存在します。
追記3: 2022/04/12、SCP-1███-JPが収容違反し、サイト-81██全域に避難命令が下されました。SCP-1███-JPの再収容は成功裏に行われましたが、サイト復旧後に渇比良博士が行方不明となっていたことが判明しました。また、機動部隊の調査によりSCP-3███-JP4の収容室前で号泣しながらうずくまっていたSCP-XXXX-JP-A-6が発見されました。以下はSCP-3███-JP収容室手前に設置されていた監視カメラ映像です。
映像記録-XXXX-JP
<記録開始>
[SCP-3███-JPの収容室前廊下が映し出される。収容違反のアラートが鳴り響いている。廊下には何者かが設置したであろう車椅子とロープが確認出来る。暫くすると廊下の奥からSCP-XXXX-JP-A-6が昏睡した状態の渇比良博士を引きずって歩いてくる。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 先生、以前仰いましたよね?"罰"が下らないこと自体が罰だって。私も初めはそう思っていました。だけど"罰"の下らない生活は、私に罪を抱えたまま幸せを享受させようとしてきます。それは、罰ではないですよね?罪を精算せずに幸せになってはいけないですよね?私、思ったんです。都合の良い解釈で罰から逃げてはならないって。
[SCP-XXXX-JP-A-6は配置された車椅子へと渇比良博士を着席させると、ロープで胴体を車椅子へと括りつける。]
SCP-XXXX-JP-A-6: でも、感謝してます。先生は私を罪の意識から遠ざけようとしてくれましたから。そしてそれ以上に、親身になって話を聞いてくれたことが凄く嬉しかったです。ただ、何があろうと"罰"は受けなくてはならないんです。死刑囚を脱獄させることなんてあってはならない……そうでしょう?
[胴体の括りつけが完了したSCP-XXXX-JP-A-6は続いて手足を括りつける。]
SCP-XXXX-JP-A-6: でも、もう"罰"を下してくれる存在は居なくなってしまったから、自分で罰を下すしかないと思って。だから私は自殺しようとしました。でも、でもそれは、罰を受けることにはならないんです、だって、私は死に救いを見出してしまったから、救われたいと願ってしまったから……!!
[SCP-XXXX-JP-A-6の声に反応して渇比良博士が覚醒する。車椅子へと完全に接着されたことに気づいた渇比良博士は何かを叫ぼうとしているが、口に貼られたガムテープが発声を邪魔している。SCP-XXXX-JP-A-6は立ち上がり、車椅子の持ち手部分へと移動する。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 救われちゃダメなんです、死へと逃げちゃダメなんですよ……!!だから、もうこれしかないんです。こうすることでしか私は罪を償えない。
[SCP-XXXX-JP-A-6は車椅子を押し、SCP-3███-JPの収容室方面へと移動する。渇比良博士は何かを叫ぼうとしながらもがいているが、効力は得られない。ここで突然SCP-XXXX-JP-A-6が停止する。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 嫌、違う、こんなこと、なんで、罰を受けるべきなのは私なのに、どうして。
[SCP-XXXX-JP-A-6は取り乱し、泣き崩れる。渇比良博士は激しく動き、車椅子の向きを逆方向へと変更する。数十秒後、SCP-XXXX-JP-A-6がゆっくりと立ち上がる。]
SCP-XXXX-JP-A-6: でも、そう、罰を受けないと。私はどうしようもないクズだから、ごめんなさい、私が、私が悪いんです。私の事、許せないですよね。私も、今すぐぐちゃぐちゃにして殺したいぐらい、私が憎いです。
[SCP-XXXX-JP-A-6が再び車椅子の持ち手を握り、収容室に対して逆を向いていた車椅子の向きを元に戻して移動を再開する。渇比良博士は泣き叫んでいるように見える。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 最低だ。本当に、最低で最悪。生きる価値の無いクズだ。早く消えてしまえば良かったのに、なんで、なんで私はまだ生きてるの。
[車椅子はSCP-3███-JPの収容室手前に到着する。SCP-XXXX-JP-A-6は収容室の扉に手を掛ける。]
SCP-XXXX-JP-A-6: あ、ああ、もうすぐ、終わり。ごめんなさい、ごめんなさい、私のせいだ、私のせいで
[SCP-XXXX-JP-A-6は収容室の扉を開く。渇比良博士は依然として泣き叫んでいると見られる。]
SCP-XXXX-JP-A-6: やだ
[SCP-XXXX-JP-A-6は車椅子の持ち手に手を掛ける。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 死なないで
[SCP-XXXX-JP-A-6が暴れる渇比良博士を乗せた車椅子を押す。]
SCP-XXXX-JP-A-6: お願い
[SCP-XXXX-JP-A-6が車椅子と共に収容室へと進入する。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 先生
[SCP-XXXX-JP-A-6が車椅子を収容室の奥へと押し入れる。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 私、私は
[SCP-XXXX-JP-A-6が収容室から退出する。]
SCP-XXXX-JP-A-6: 貴方のことが、好きでした
[SCP-XXXX-JP-A-6が収容室の扉を閉じた。]
<記録終了>
SCP-3███-JPの収容室内からは渇比良博士のものと見られる血痕と車椅子の残骸が発見されました。尚、SCP-XXXX-JP-A-6を確保した機動部隊員から「SCP-XXXX-JP-A-6は確かに泣き崩れていたが、どこか笑っているようにも見えた」との証言が得られました。この事案を受けて特別収容プロトコルの改定が実施されました。現在、SCP-XXXX-JP-Aの総数に対する収容人数の割合は86%を越えていると推測されます。
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JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7250732 (02 Feb 2021 14:41)
拝読しました。
全体的な構成がしっかりしているため、最後まで躓かずに読むことが出来ました。ですが、"+気にしていること"の中で挙げられていた"作為的ではないか"の部分が確かに気になる要素でした。また、オチにあたる映像記録を肝にして書かれているとのことでしたが、それまでの導線が不十分であり、読者がおいてかれたままキャラクターだけが盛り上がってしまっているような状態になっていました。
まず、全体の構成の話をします。それぞれの章についてはフォーマットや文の乱れがなく、しっかり書かれていますね。しかし、異常性、カルト教団、無力化、犯罪、映像記録とそれぞれの要素が結ばれずに置かれているため、あれ?次この話になるの?という悪い驚きを発生させています。ネガティブになることと突然死することはそれぞれ別の話ですし、それを繋げる力のある神は詳細を語らずにあっさり無力化されます。舞台装置として現れた神にキャラクターとしての個性や存在の面白さがありません。また、カルト教団は補遺1に入るまでに影も形もないため、急にそんなこと言われてもと思います。追記2で突然親族を殺し始めるのもどういうことなのか理解するのが難しいですし、最後の映像記録は愛着があまり湧いていないキャラクターが突然重い感情を出しているように見えます。さらに、肝心のインタビュー記録ですが、A-6や渇比良博士の発言に劇臭さがあり、最後のドロッとした感情もあまり真に見えません。加えて、最後の描写と台詞を繰り返すのはかなりTale的であざといですね。総合して、最後を活かすには、あちこち粗が目立ち、つなぎが不自然になっていますね。
これを改善するためには、少なくともそれぞれの要素を伏線を用いて繋ぐ必要があります。そして、異常性や発生する事件が彼らの関係性を進展させられるものにできるといいですね。現状、前半の気落ちして死ぬ異常と後半の近しい人を殺してしまう異常は全く別物です。これらに何の関連性もないため、"作為的"な流れのように見えてしまいます。この2つを結ぶ要素を神に頼らず論理立てするか、ぼんやりとした"罰"という概念をもっと丁寧に描写するのがいいでしょうか。死ぬことと殺すことがイコールであるのはなぜか教えてください。あとは、とにかく2人の関係が依存しあうように、細部を詰めたいです。神は主軸にしないなら結構な雑音ですので、なるべく登場させたくないですね、という感じでしょうか。
僕からは以上です。不自然になってしまっている部分があちこちで見えるため、一度ゆっくり読み直して何が必要で何が要らないか考えてみましょう。
丁寧な批評、感謝致します。
ご指摘の通りだと思います。特に補遺1は説明と追記の流れをどうにか繋ごうと苦肉の策で混ぜた要素ではありましたが、改めて読んでみるとやはり悪い意味で目立ってしまっていたと思います。
・各要素の繋ぎについて
読者の立場に立てておらず、話が二転三転することに気付けておりませんでした。伏線を用いて繋ぐことを意識して改稿してみます。
・インタビュー記録の劇臭さについて
これは私も危惧していた事で、他の方の下書きを読んで薄々感じていました。なるべく自然に会話を発展させられるよう練り直してみようと思います。
・映像記録の最後について
自分でも賛否あるだろうなと思いながら書いた場面だったので、率直な意見を頂けて有り難いです。
・キャラクターの関係性について
執筆当時は追記1で十分だと感じてしまっていましたが、現行だとやはり説得力が足りないことに気付きました。また、関係性の進展に寄与する異常性や事件については考えられていなかったので、彼らの親密度/依存度を高められるように構成から考えて直してみます。
私個人としても課題が多々存在する事には気付いていたのですが、なかなか言語化出来ずどう改善していけば良いかわからなかったので、大変助かります。
改めまして、ご批評誠にありがとうございました。