小さな親切、大きな報い

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アイテム番号: SCP-2165-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2165-JPはサイト-81██の標準人型収容セルに収容されます。SCP-2165-JPへは日に三度の食事を提供してください。SCP-2165-JPによる要求あるいは申し出は断っても構いませんが、SCP-2165-JPを死なせることはあってはなりません。

説明: SCP-2165-JPは20歳の日本人女性です。

SCP-2165-JPは自身の半径約3m以内に最低1名以上の人物が存在する場合、一定の確率でそれらの人物の中から無作為に選ばれた1名がSCP-2165-JPへと危害を加えるように誘導させる確率改変能力を有しています。尚、この影響でSCP-2165-JPが受ける被害はSCP-2165-JPが多少の不快を覚える程度の極小規模なものであり、観測された事例全てにおいて逸脱は見られませんでした。また、この異常性はSCP-2165-JPの意思とは関係なく発生していることが判明しています。

更に、SCP-2165-JPへと危害を加えた人物(以下、対象)はSCP-2165-JPへ謝罪を行いますが、この際SCP-2165-JPがどのように返答しようと対象は止めることなく繰り返し謝罪します。返答が無くとも対象が謝罪を繰り返すことからSCP-2165-JPの認識が関係していると推測されています。尚、この影響はSCP-2165-JPが対象を3~5m程引き離すことで消失します。消失後も対象はこの記憶を保持しており、SCP-2165-JPについて「非常に申し訳なく思っている」などと供述します。この記憶はAクラス記憶処理にて取り除くことが可能です。

SCP-2165-JPは████デパートのエレベーター内において複数の人物から謝罪を受けている場面を目撃した財団エージェントによって収容に至りました。以下はインタビュー記録です。

インタビュー記録-2165-JP

対象: SCP-2165-JP

インタビュアー: ██博士

付記: このインタビューは初期収容直後に行われたものである。対象へは規則上アイテム番号で呼称する旨を通達し、了解を得ている。

<録音開始, 20██/██/██>

██博士: それではインタビューを開始します。SCP-2165-JP、調子はいかがですか。

SCP-2165-JP: (緑茶を飲む音)…はい、まぁ、普通です。

██博士: そうですか、では早速本題に移らせていただきます。報告によるとエレベーター内で多数の人々から謝罪を受けていたようですね。一体何があったのか教えていただけませんか。

SCP-2165-JP: はい。確か、私の左に乗っていた人が突然振り向いて、背中のバッグが私に当たったんです。で、謝ってきたので「大丈夫です」って言ったんですけどなかなか謝るのやめてくれなくて。取り敢えず他の人の迷惑になるから謝るのやめてくださいって言ってたらわちゃわちゃしてる間に3人から謝られてました。もう訳がわからなかったんですけど、なにかのドッキリだったりします?これ。

██博士: 一応、ドッキリではないとだけ。ちなみに、こうなってしまったことについて何か心当たりなどはありますか?

SCP-2165-JP: 心当たりですか?そういえば先月くらいに██駅で急いでた人にタックルされて、今日と同じ感じで何度も謝られました。ストーカーだと思って走って逃げたら追ってきませんでしたけど、それからは人と会う度に謝られてたような気がします。

██博士: ふむ。わかりました。では一度インタビューを終了します。

(██博士が録画機器に手をかけたところ、誤ってテーブル上の緑茶に手を引っかけ、溢す)

SCP-2165-JP: 熱っ。

██博士: あっ。すみません。大丈夫ですか?(駆け寄り、緑茶を拭く)

SCP-2165-JP: だ、大丈夫です。

██博士: 本当にすみません。私としたことが、面目ありません。まさかこんな形で迷惑をかけてしまうなんて。(ひたすらに頭を下げている)

SCP-2165-JP: そんなに謝らないでください。

██博士: すみません。本当に、申し訳ありません。

SCP-2165-JP: だから謝らないでくださいってば。

██博士: すみません。

SCP-2165-JP: (沈黙)

(異変に気付いた職員が室内に入室する)

<録音終了, 20██/██/██>

終了報告書: 記録の通り、SCP-2165-JPが異常性を有していることは明白です。また、これらの情報から推測するにSCP-2165-JPの異常性は彼女に対して直接/間接問わず何らかの形で接触することがトリガーであると思われます。つきましてはSCP-2165-JPの実験を要請致します。

追記(20██/██/██):
事案-2165-JP: SCP-2165-JPが実母の死を理由に外出の許可を申し出ました。議論の結果、エージェント██が監視役として付き添うという条件の元に許可されました。SCP-2165-JPの実母は非異常性の交通事故によって死亡しており、SCP-2165-JPがその裁判に傍聴人として参加したところ、異常性が消失しました。以下はその映像記録です。

映像記録-2165-JP

<記録開始>

被告人:

SCP-2165-JP: (号泣しながら)

被告人: (無言)

SCP-2165-JP: 謝って!謝ってよ!

(途端、会場の雰囲気が一変する)

被告人: …なんで。

SCP-2165-JP: …え?

被告人: なんでお前に謝らなきゃならねぇんだよ。

<記録終了>

事案-2165-JP以降、SCP-2165-JPは異常性を喪失しました。現在、Neutralizedへの再分類が検討されていますません。

インタビュー記録-2165-JP-█

対象: SCP-2165-JP

インタビュアー: ██博士

<録音開始, 20██/██/██>

██博士: それではインタビューを開始します。SCP-2165-JP、調子はいかがですか。

SCP-2165-JP: …最悪です。

██博士: ほう、それは何故ですか?

SCP-2165-JP: 何故も何も、知ってるでしょ。死刑になったんですよ、私。…意味が分かりません。何でちょっと暴言吐いただけで死刑にならなきゃいけないんですか?そんな法律無いでしょう!?

(██博士がテーブルの上の緑茶をSCP-2165-JPへと向けて溢す)

SCP-2165-JP: 熱っ!

(██博士は空になったコップをテーブルの上へと立て直す)

SCP-2165-JP: 今のわざと、ですよね。

██博士: (無言)

SCP-2165-JP: 謝ってください。ねぇ。あなたが溢したんでしょ。謝って。

(██博士はため息を吐くが、何も話さない。)

(SCP-2165-JPはテーブルに手をついて立ち上がる。)

SCP-2165-JP: 謝って。謝ってよ。この前はあんなに謝ってくれたのに今日は謝ってくれないんですか?本当に謝ってほしい時ばっかり、そうやって無視するんですか。(嗤う)最低だ。本当に最低。

██博士: 言いたいことはこれで全部ですか?

SCP-2165-JP: ふざけないで!どうして私に意地悪するの!?どうしてみんな謝ってくれないのよ!(嗚咽)私が何かした!?今までほんの些細なことでも鬱陶しいくらいに謝ってきた癖に!どうして!

██博士: インタビューを終了します。

SCP-2165-JP: おい!勝手に終了するな!謝れ!謝れよ!あや

<録音終了, 20██/██/██>

終了報告書: 現在、当オブジェクトはDクラス職員として財団に雇用されていますが、任務に割り当てられることはありません。彼女はあと何十年とある人生をこの収容室で機械的に生活し、孤独なまま冷たくなって死ぬ。そんな最期がお似合いです。

彼女に同情の余地はありません。


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