SCP-XXXX-JP 理想郷への開花

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 理想郷への開花
著者: ©︎Dr_rrrr_2919
作成年: 2021

アイテム番号: SCP-XXXX-JP	Level 3/XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter 待機中¹	Classified

特別収容プロトコル

SCP-XXXX-JPは終了しましたが、事後記録のため報告書を残します。再びSCP-XXXX-JPが発生した場合、エリア-81HV管理官、花園氏の移動を制限してください。

説明

SCP-XXXX-JPは2019年2月25日、2021年3月5日の2回に渡り財団エリア-81HV²管理官、花園氏³を起点に発生した、複数の連続した現象の総称（-A〜-F）です。

SCP-XXXX-JP-Aは、エリア-81HV内、気象観測ルーム内の草花がミヤマヨメナ(Aster savatieri)に変質する現象です。この現象は、全てのミヤマヨメナを採取するまで終了しません。

SCP-XXXX-JP-Bはエリア-81HV所属エージェント、小田巻氏の頭部がカーネーション(D. caryophyllus)に変質する現象です。変質中は頭部に備えられた機能は失いますが生命活動は続行します。二度ともに約2時間以内に終了しました。

SCP-XXXX-JP-Cはエリア-81HV内、G棟2階、D棟連絡廊下にて天井照明がガランサス(Galanthus)に変質する現象です。ガランサスが発光するため、光度が失われることはありません。この現象はガランサスの茎が折れ、落下することで終了しました。

SCP-XXXX-JP-Dはエリア-81HV内、管理官室の椅子がクレマチス(Clematis)で作られた椅子に変質する現象です。花園氏の証言によると、クレマチスは蔓を伸ばして花園氏の体を巻き、1時間もの間花園氏を拘束し、2時間後に突如として消滅しました。その後凡そ3時間後、気絶した状態の花園氏がエリア巡回員に発見されました。

SCP-XXXX-JP-Eは花園氏の肉体がヘクソカズラ(Paederia scandens)由来の物質に変質する現象です。この現象による花園氏の生命活動への支障はありませんが、強い悪臭を放ちます。この現象は未だ終了していません。

SCP-XXXX-JP-Fは後述する、花園氏の告別式で発生した現象です。

補遺.1

2021年3月10日未明、花園氏が自宅で死亡しているのが確認されました。その翌日、エリア-81HV職員での告別式で、前述したSCP-XXXX-JP-Fが発生しました。以下は告別式の映像記録です。

[[Began log]]

[関係性が薄い部分は省略]

[エリア-81HV副管理官、春前有里氏が代表して挨拶をしている]

春前氏: あなたは私の憧れでした。植物学者として、財団職員として、何一つ悪いところがなくて。それなのに、どうして行ってしまうんですか。あなたは昔、私をアリウムのようだと言いました。今の気持ちはアリウムの花言葉、「深い悲しみ」です。もちろん、この感謝はこれだけの言葉だけで表せるものではありませんが。

春前氏: いつだったか、誰よりも私の面倒を見てくれていたあなたは言いました。植物学者として、俺の花が咲き誇るまでは死ねない……と。まだ咲いてないのに、どうして……

[春前氏が涙を零す]

春前氏: でも、お別れを告げなければなりません。一度枯れてしまった草は、水をあげても戻りません。だから、私たちを見守っていてください。どうか……

[一部の職員が騒めく]

春前氏: ど、どうかしました？

[会場の草花がハナズオウ(Cercis chinensis)に変質する]

[花園氏の遺体をクワ属(Morus)の植物が覆う]

[春前氏の動揺]

春前氏: こんなのは、聞いていないのですが？これは、黒い実……ですか。

[突然実が膨らみはじめ、黒いバラ(Rosaceae Rosa)の花に変質する]

春前氏: まさか、……気づいて。[手が黒いバラに触れる]

[春前氏の手がゼラニウム(テンジクアオイ属: Pelargonium)に変化する]