SCP-RU-178 - ヴォロロフスクの英雄たち

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ВНИМАНИЕ

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当ファイルはロシア地域評議会令により第3等級機密に指定されています。

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  特別収容条件: ロシア超常新生児収容プロトコルに従い、SCP-RU-178およびその両親はヴォロロフスク¹・ブロック-76・舎宅ドーマ-47に収容されています。

  SCP-RU-178はアレス-ラング生体機能保持装置への接続を無期限に維持するものとします。2005年7月7日付で診療報告を作成、およびロシア地域評議会に提出することになっており、これを以ってSCP-RU-178の状態を再評価するとともに最終判断が下されます。

  説明: SCP-RU-178はヴァレリヤ・ミハイロヴナ・ヴォルコヴァ (18歳、身長1.7m) であり、ロシアの地下都市・ヴォロロフスクに居住しています。SCP-RU-178はタイプ-IV操霊術 (ネクロキネシス) を行使可能ですした。

  ++ 操霊術について

  《操霊術》はクラス-I霊的実体を操作する能力を指します。クラス-I霊的実体とは、死亡時に強い不安やストレスを感じたヒトや無念の死を遂げたヒトから滲出する、残留霊素 (エクトプラズミック・レジデュー) に対する呼称です。こうした残留霊素は対象の意識や記憶の一部を保持しています。その保持量は対象がその生涯において自身の目的や計画をどの程度達成できたかに反比例します。残留霊素は操霊能力保持者以外には接触も視認もできません。

  操霊能力は以下の4タイプに類別されます。

  タイプ-I: 大衆文化では《霊媒師》と呼ばれます。残留霊素を励起させることで、その思念およびコミュニケーション能力を一時的に回復させることができます。また、直接接触した対象にその能力を伝播することもできます。

  タイプ-II: あくまで残留霊素を操作するに留まり、そこに遺存する思念とコミュニケーションを取ることはできません。しかしながらかれらは多岐にわたる用途にその操霊能力を活用でき、例えばエネルギーを生成したり、他のヒトをマインドコントロールすることなどが可能です。

  タイプ-III: 大衆文化では《ネクロマンサー》と呼ばれ、ヒトの遺体を蘇生できます。ただしそれ以外に[編集済]などの様々な能力も保有します。概して敵性を有するものとして警戒されます。

  タイプ-IV: 残留霊素の生気を回復させ、それらを有知性無形思念体に変換できます。タイプ-IV蘇生術者の異常性に曝露した残留霊素は、当該術者が生存している間に限り、他の生命体にも視認可能となります。

  操霊能力を有するヒト型実例は死亡時に残留霊素を放出しないため、回復不可能なリソースと見なされます。

  SCP-RU-178は2000年に、彼女のペット (Phodopus sungorus。ロシアンドワーフハムスターあるいはジャンガリアンハムスターとも) が死亡した際に、それまで不活性だった異常性が突発的に発現したことを受けてヴォロロフスクへの移住を求められることとなりました。

  当初SCP-RU-178の精神は衰弱していましたが、ヴォロロフスクでの生活を経て著しく回復しました。

  心療報告 [2001年4月6日]:

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  音声記録の書き起こし

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  参加者:

  • タイプ-IV操霊能力保持者 SCP-RU-178
  • ヴィクトール・ミハイロヴィチ・イヴァノフ

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  [記録開始]

  ヴィクトール: さて…… ヴァーリャ、具合はどうかな。

  SCP-RU-178: もう全然元気。自分でも回復してるのがわかるよ。

  ヴィクトール: そうか。ご家族の皆さんはどうかな？

  SCP-RU-178: まあ少なくとも、かなり穏やかな生活にはなったかな。パパはもうブラトヴァ²とやり合う必要がなくなった。ママもいろいろ面倒ごとがなくなって気楽そうだし、ついでに禁煙始めたみたい。

  ヴィクトール: よかった、皆さん問題なくやってくれてるみたいで安心したよ！ お母さんはここに来る前はヘビースモーカーだったの？

  SCP-RU-178: まあね。立てば煙突チムニー、座れば焼網グリル、走る姿は蒸気機関パラヴォース、って感じだった。

  ヴィクトール: それは職業病だな、「親」というのは何かとストレスが多いものだからね。(沈黙。) あ、ごめん。水を出してなかったね。グラスでいい？ それとも君はクヴァスの方がお好みかな？

  SCP-RU-178: (歓笑。) お気遣いどうも。でも私まだ未成年だし。アルコールはNGだよ。

  ヴィクトール: おっと失敬、忘れてた。立派な遵法意識だ、やはり君の言動には確たる責任感が伴っている。そうだね、君のいう通りだ。(微笑。) ……さて、ここからの質問はちょっと答えづらいかもしれないが、何とか答えてほしい。でも無理そうならまた今度、日を改めて聞かせてもらいたい。いいかな？

  SCP-RU-178: 質問の内容は何となく予想できちゃうけどね。(沈黙。) わかった、いいよ。

  ヴィクトール: ありがとう。では、ヴァーリャがその能力に気付いた時のことを詳しく教えてくれるかな。

  SCP-RU-178: あの日家に帰ったら、私のベッドにあの子が…… 私が飼ってたハムちゃんがいたの。その時にはもう、冷たくなってた。(沈黙。) でも「騒がないようにしよう」って思ったの。だってパパもママもいつも疲れてるのは知ってたし、私が下校する時間帯は2人ともいつも寝てたから。だから私は…… кошка³を抱きながらベッドに飛び込んで枕に顔を埋めて。

  でも…… でもその時突然、金切り声みたいなのが聞こえて。

  (SCP-RU-178が苦渋を顕わにする。)

  (ヴィクトールは取調机の横の棚から水差しとプラスチックのコップを取り出す。コップに水を満たしSCP-RU-178に差し出す。SCP-RU-178は一口飲んで脇に置く。)

  SCP-RU-178: 金切り声みたいなのが聞こえて。青っぽい何かが、кошкаから湧き上がってきたの。その何かは 　　 ハムちゃんの影みたいな形だった 　　 ずっと哭なき続けてた。私は怖くなって、思わず叫んじゃって、その時その何かは私の手から滑り落ちた。ああ…… あの時、私は、叫んじゃったの。ハムちゃんに向かって……「あっち行って！」だなんて…… (SCP-RU-178の声色が変わる。) ふと見回すとママが部屋の外にいて、一部始終を見られてたみたいで。(沈黙。) これがあの日起こったこと全部だよ。あの子がいなくなったことを受け容れられるまで、本当に苦しかった。

  ヴィクトール: それだけだった？ 他に…… 他に何かそういう気持ちになるような出来事はなかった？

  SCP-RU-178: そうね…… (沈黙。) 叔父さんの時かな。少し前、叔父さんが殺されたの。私の大好きだった叔父さんが。

  ヴィクトール: 気持ちはわかる。悲劇は人間の人生を変えるものだが、時として良くない方向に変えてしまうこともある。母の死がきっかけとなって、僕は医学を志し、やがて心理学の道に進んだ。だが僕のきょうだいはアルコールに溺れてしまった。重要なのは、こういう状況に置かれた後の人生をどう切り拓いていくかだ。(微笑。) その点君はよく頑張ってくれている。君は素晴らしい人間になると思う、どんな大人になるか楽しみだ。

  SCP-RU-178: 私にはそうは思えない。人並みになれればまだマシ、って程度じゃないかな。

  ヴィクトール: 君はそう卑下するけどもね、やっぱり君が悪人だとは感じないよ。じっさい君はこうして穏やかに暮らしてくれているんだから。

  (会話が止まる。)

  ヴィクトール: 話題を変えようか。ヴォロロフスクに来てからの生活はどう？

  SCP-RU-178: そうね…… まあ良くなったと思う。人生の意味が見えてきた気がする。何というか…… 私は特別なんだ、私にはやるべきことがあるんだ、っていうのがわかったの。《人類が昇るべき次なる進化の段階》ってやつ。それが私の義務、でしょ？

  ヴィクトール: (微笑。) そう。それは人類みなが取り組むべき義務だ。人は成長するに伴って、自分の言動に伴う責任を理解していかねばならない。それは君も同様だ。君は我々の種を進化させうる存在だ。その重責にどうか怯えないでいてほしい。と同時に、その能力に驕るような人間になってはならない。

  SCP-RU-178: もちろんよ！ 私は、自分の在り方に責任を持てる人間になる。この能力をちゃんと善いことに使っていけるよう頑張るよ。

  ヴィクトール: (歓笑。) よく言った！

  [記録終了]

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  2001年9月4日18:22、SCP-RU-███⁴は第1期テストセッション中に強い不安感を覚え、アムール川にあったダムの一部を損壊させました。これは財団がヴォロロフスク一帯の生活用水をまかなうために建てたダムであり、本来なら地表に拡散する水流が、SCP-RU-███の異常性によりヴォロロフスクに直接流れ込むかたちとなりました。

  SCP-RU-███の収容違反直後、突発的な大規模停電が発生しました。ヴォロロフスクが予備発電所8基を稼働させて電源を回復するまでに数分を要しました。

  ただちに財団の地域司令部に本件が伝達されました。水流が都市に到達すれば都市崩壊や回復不能なダメージが生じ得たため、SCP-RU-███の沈静化が図られました。この間、既にヴォロロフスク東部地区の浸水が始まっていました。

  麻酔による鎮静が失敗したため、次に プロトコル-«бомбардировка⁵» (ヴォロロフスクから人員やオブジェクト等を至急退避させるとともに、SCP-RU-███の異常性をNeutralizeあるいは消滅させる) の実行が決定されました。

  18:46付でSCP-RU-178および彼女の舎宅があったブロックの退避が始まりました。ここで問題となったのは、ブロック-76が最初に浸水したエリアの近傍に位置しており、当ブロックから外に出るにはこの浸水エリアを通過するほかなく、退避が一層困難になっていたことです。

  この後、付近のスクラントン現実錨を起動するなどしてSCP-RU-███の異常性のNeutralizeが試みられましたが、いずれも失敗に終わりました。対応チームも彼を沈静化させようとしましたがこちらも不可能でした。19:11頃に浸水はヴォロロフスク中央地区に到達し、予備発電所8基のうち4基が危険な状態に陥りました。ブロック-76〜-83の居住者がまだ退避できていない中、19:23に外部への主要出口が水により閉塞しました。浸水エリアと繋がる強化扉を封鎖したことで、これらブロックへの浸水は一時的に停止しました。

  しかしながらこの後まもなくこれらブロックにて、別の地区からの浸水が始まりました。

  SCP-RU-███の対応チームは彼のNeutralizeを決定しました。SCP-RU-███がNeutralizeされてなお浸水は止まらず、19:48を以って予備発電所4基が機能不全に陥り、SCP-RU-178がいた地区への電力供給が断たれました。

  ここに閉じ込められた28名の異常性保持ヒト型実例 (SCP-RU-178を含む) は脱出すべく、地表面を突破することや強化扉をこじ開けることに尽力しました。しかしながらかれらの多くはこのような脱出に役立つ異常性は有しておらず、またそれを有していた者らも能力を適切なかたちで行使することができませんでした。20:20頃、当該封鎖地区は完全に水没しました。

  20:23時点で浸水が停止し、被災した世帯やアノマリーの回収作業が開始しました。しかし当該封鎖地区はその後20分、進入不能な状態にありました。

  当地区の110名の居住者のうち97名が死亡しました。しかしながら、ブロック-77の屋根裏に非浸水エリアを見つけた者が少数ながら存在しました。SCP-RU-178はこのエリアに到達していましたが、回収隊がやって来る寸前に誤って水中に落下し、そのまま戻ってくることができませんでした。

  SCP-RU-178は低酸素症により昏睡した状態で発見され、延命システムに接続すべくヴォロロフスクの総合病院に拘束されました。SCP-RU-178は今日に至るまで依然昏睡状態にあります。SCP-RU-178の両親は、2005年1月7日付で記憶処理の適用および収容の解除を申請しました。

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  ++ 報告書はヴォロロフスクおよびセクター-01のイントラネット端末でのみ閲覧可能です。

  2006年7月5日、ロシア地域評議会の最高機密エージェントたち (ウクライナ配属) 17名が世界オカルト連合に投降しました。この際、地域評議会のオペレーションに関する数々の機密指定被検閲文書が連合に流出しました。

  情報漏洩の旨は直ちに地域評議会に報告されました。評議会は、略式投票ののちプロトコル-«пьянство⁶» (他団体に漏洩された情報を改竄、撹乱、あるいは無効化させる) を実行に移しました。4つの機動部隊ユニットと、それらに同行するダブルスパイ達が当任務に投入されました。かれらは故意に情報漏洩を起こし、ロシアのセクター所在地に関する偽情報や、アノマリーに関する偽文書 (先日漏洩された本物の文書と同じアイテム番号や符牒を使って記述された) や、実在しない計画のレポートを連合に握らせました。

  ここで重視されたのは、連合所属エージェントと思しき者らをミスリードし、今回の偽文書の方が、先日の本物の文書よりも先に取得されたかのように誤認させることでした。これにより、本物の文書は財団が元文書の漏洩を受けて流布した、偽のコピー文書であるとの錯覚に陥らせることが意図されていました。

  しかしながら機動部隊Д-17《マスキ》の作戦が露見し、連合は同部隊隊員8名のうち3名を拘束したのみならず、偽文書を本物から識別することに成功しました。その結果ヴォロロフスクの位置および同都市に収容されている8体のアノマリーの異常性が露見しました。拘束された3名全員、尋問に掛けられる前に自殺を達成しました。

  この情報を難読化すべく以降2ヶ月にわたり同様の作戦が同様の作戦が展開されましたが、満足な成果は得られませんでした。

  2007年2月10日、カオス・インサージェンシーがドイツの世界オカルト連合のインフラに多数のサイバー攻撃を展開しました。その中で、上述の情報がベタニア⁷ベース (インサージェンシーの通信拠点。所在地不明) 所属エージェントたちの手に渡りました。

  ベタニアベース所属エージェントたちは、入手した情報を解析する中で「ヴォロロフスクは汎用ヒト型Thaumiel/超常指定人造実例の開発に特化したセクターである」との理解に至ったと見られます。かれらは財団にとって当地がアジア、そしておそらくは全世界における活動の生命線であると結論付け、その旨をロシア連邦ウラル山脈付近にある座標不詳の基地に連絡しました。

  2月17日、インサージェンシーによる同一内容のステートメントが複数回傍受されました。発信源および発信先は不明です。以下はその書き起こしです。

  チルドレンは楽園に飽きつつある。

  ラザルス⁸

  このステートメントから3日後、ヴォロロフスクの運営に必要な製品や原材料のアジアにおける価格と市場流動性が突発的に変動しました。この影響を受けた品目の代表例として、スクラントン現実錨 (ЯРС) の建設および補修に必要な合金が挙げられます。ЯРСは当地に収容されている一部のヒト型実例の異常性制御に必須とされる設備です。元来ЯРСは頻繁なメンテナンスを必要とする設備ですが、特にこのヴォロロフスクにおいては、当地の収容環境ゆえ、極めて厳格に維持・管理しておくことが重要となっていました。今回の経済変動を引き起こした主たる要因は、アジアの有力実業家であるPoI-4458、PoI-4875、およびPoI-9292らによる経済的圧力です。この3名はいずれもカオス・インサージェンシーと協力関係にありました。

  インサージェンシーの作戦は財団のアジア、特にヴォロロフスクにおける活動を阻害したものの、一部の必需品は他地域からの輸送で賄うことができました。

  以後3ヶ月を経て市場動向は正常化を始めました。この期間、数多くの作戦や計画が中止を余儀なくされ、アジアに所在する財団施設のいくつかは必需物資の欠如による収容違反に見舞われました。総合して、当地域は40%のスタビリティ悪化をきたしたものと見られます。

  こうした状況はヴォロロフスクに対する攻撃の隙を生じさせる目的で作り出されたものと見られています。

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  2007年5月25日、ヴォロロフスクはインサージェンシーによる組織的攻撃を受けました。インサージェンシー側の戦闘員は推定で約1,200名にのぼります。その装備については報告ごとに差異があるものの、ロケットランチャー、ライフル、ショットガン、および様々な未知の異常兵器が確認されています。

  初撃を排除できなかったことで、インサージェンシー兵はヴォロロフスクの中央地区にまで浸透し、ロシア地域評議会所属職員の居住エリア、および病院や発電所などが所在する要地に到達しました。

  しかしながらインサージェンシー構成員が中央広場に侵入した際、SCP-RU-178が青みがかった発光を開始し、その後それと同じ色の霊素実体 (エクトプラズミック・エンティティ) が発現しました。これら実例は暫定的にSCP-RU-178-Aと呼称されています。

  SCP-RU-178-A実例群の発現数は237体に及びました。これらは霊素兵装 (エクトプラズミック・ウェポンリー) および軽度現実改変能力などの異常性を備えていました。

  SCP-RU-178-Aの妨害が功を奏し、インサージェンシー構成員を中央広場から排除することに成功しました。しかしながら機動部隊ѯ-23《マーチ・ラシヤ⁹》が到着するまで事態は収束せず、ヴォロロフスクが受けた損害は280万米ドルを計上しました。

  SCP-RU-178が呈した新たな異常性は現在研究中です。

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  [投票終了 - 極秘補遺事項]

  SCP-RU-178更新にかかる提言

  SCP-RU-178の新たな異常性のテストに機動部隊Д-4がアサインされました。かれらによる報告を踏まえ、本報告書に対し以下の更新を行うことが提言されました。

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  特別収容条件: SCP-RU-178はアレス-ラング生体機能保持装置への接続を無期限に維持するものとします。ヴォロロフスクの中央広場直下に第7号地下壕を建設してください。当地下壕は、SCP-RU-178の高度な保護状態を確立するとともに、彼女の現状復帰をスムーズに遂行できるようにする目的で運用されます。

  第7号地下壕は防護トンネルを介して総合病院に接続されます。これにより、SCP-RU-178に対し毎日往診し続け、その健康状態が良好に保たれていることを確認することができます。

  説明: SCP-RU-178はヴァレリヤ・ミハイロヴナ・ヴォルコヴァ (18歳、身長1.7m) の、昏睡中の身柄です。SCP-RU-178はヴォロロフスク全土におよぶ遍在的知覚 (オムニパーセプティヴ) を有します。この知覚を以って当地における何らかのアクションを感知し、かつそれが「この一帯における財団のスタビリティを損なうものである」と判断された場合、彼女はこれに即時応戦することができます。

  SCP-RU-178がそのような応戦を行うのは、財団に敵対的な外的集団が排除可能限度を超えて出現したことを感知した場合に限られます。この際、SCP-RU-178はSCP-RU-178-Aを大量生成します。

  SCP-RU-178-Aは241体の準生命活動および知性を有する霊素実体群を指します。この種の他の諸実例と異なり、かれらに対しては部分的ながら触知することが可能です。SCP-RU-178-A実例はいずれも、財団に対し害をなすと見なされた人物に対して強烈な敵意を呈します。また、かれらは武器を生成することができます。かれらの中には、その霊素的性質以外にも異常性を有するものが存在します。かかる実例のうちいくつかを以下に例示します。

  実例	異常性
  SCP-RU-178-A-5	軽度の確率操作。これに曝露した対象は致命的なアクシデントに見舞われやすくなり、必ず3時間以内に非異常状況下で死亡する。
  SCP-RU-178-A-73	非異常の火器を任意に生成できる。生成した兵器を財団職員に譲渡しようと試みる。当実例の消失に伴い、これら武器も消失する。
  SCP-RU-178-A-101	当地における植生操作。主に当該能力は、植生を改変し、トラップあるいは侵入妨害設備としての機能を付与するために行使される例が多い。
  SCP-RU-178-A-110	反ミーム性。その詳細については不明。
  SCP-RU-178-A-203	周囲の現実に対する広汎な改変。

  SCP-RU-178全実例は、SCP-RU-178の異常性のトリガーとなった交戦が終了するか、生成から5時間が経過した時点で消失します。このようにして消失した実例群は、その後24〜120時間は生成できなくなります。

  SCP-RU-178-Aは周辺の財団職員に対し郷愁 (ノスタルジア)、罪悪感、あるいは強い不安を誘起します。この異常性に曝露した職員は当該実例を《認識》できた旨を証言していますが、しかしその詳述を拒んでいます。

  ヴォロロフスク内で以下の要件に適合する人員が死亡した際、その人数と同じ数だけ、SCP-RU-178-A実体群の総数が増加します。

  • 財団とポジティブな関係を構築していること
  • ヴォロロフスクに居住する他の人員のQOLにポジティブかつ大規模に影響を及ぼしていること
  • ヒトあるいはヒト型実例を殺害した経験がないこと
  • 18〜35歳であること

  SCP-RU-178-A実例群がこれら人員の精神や記憶を保持しているかどうか、あるいはそれらに基づいて行動しているかどうかは不明です。上記の要件に適合する人員はRU-178-Positiveに指定してください。

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  SCP-RU-178を防衛システムの中枢に据えること、およびSCP-RU-178の異常性を最大限に活用するための臨時プログラムを始動することが提言されました。後者は《ヴォロロフスクの英雄たち》と命名されました。当プログラムを通して、RU-178-Positive人口を常に上限値とするための手段を模索し、かれらの中で最もSCP-RU-178-A実例の総数を増やす可能性が高い者を選抜し、[LV3以下向け文書では編集済]ます。

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  RU地域評議会
  #	賛成	反対	棄権
  1	•
  2	•
  3		•
  4	•
  5	•
  6		•
  7
  8	•

  ステータス: 承認

  Footnotes

  1. Волоровск (Volorovsk)。ロシア評議会が設立した地下都市。「非異常の両親のあいだに生まれた異常性保持児童は、人類の進化の先触れである」との理念をかかげ、かれらの収容および研究を行なうべく建てられた。職員および異常性保持者が居住する。後者には、自身の異常性に伴う責任を教育し、それを自覚した上で異常性を適切に行使できるよう、生涯にわたる教育が施される。

  2. братва (bratva)。直訳では兄弟盃を酌み交わした関係の意。ロシアンマフィアを指すスラング。

  3. 和訳者注: コーシカ (koshka)。メス猫の意。

  4. 5歳の男児。強力な水理操術 (ウォーター・マニピュレーション・キャパシティ) を有する。

  5. 和訳者注: バムバルディロフカ (bombardirovka)。爆撃の意。

  6. 和訳者注: ピヤーンストヴァ (p’yanstvo)。酩酊、およびそれに伴う乱痴気の意。

  7. 和訳者注: このベースは、キリスト教にとって重要な土地「ベタニア」から名付けられている。「ベタニア」はラザルスなどの聖人や種々の逸話と関連する重要な土地である。
  　なお「ベタニア」は少なからずロシアと縁がある。現在の「ベタニア」にはロシア正教会が保有する土地があり、女学校によるロシア語などの教育が行われている。

  8. カオス・インサージェンシーの主要構成員と目される人物。PoI-0551に指定。ドイツで活動。財団のインフラ、および欧州の要注意団体に対する諸作戦の詳細文書を標的とし、多数のサイバー攻撃を展開した人物である可能性がある。ただしベタニアベース所属エージェントらが共有する偽名である可能性も指摘されている。

  9. 訳注: Мать-Россия (Mat’-Rossiya)。母なるロシアの意。

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  批評コメント批評コメント

  
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  ErykKij 04 Jul 2023 18:53

  　お待たせ致しました。以前にもお伝えしました通り、私はスペイン語に関しては接続法の使いどころが把握し切れておりません。Google翻訳（スペイン語→ポーランド語）や手許の『クラウン西和辞典』（2005年）を参照しながら、取り敢えず大元であるスペイン語版・INT版両方と現在のGipolibidemiaさんによる日本語訳との間に差がある要素のみ指摘して参りたいと存じます。私の記憶が正しければどこかのログでオリジナルである個別言語版とINT版とではほぼ翻案と言って良いほど別物の場合も存在するという旨の事を仰せになっていたように思われますが、その事を踏まえましてスペイン語版とINT版との間で差が見られるだけの箇所に関しては気になっても一旦無視する事と致します。これまでは一通り全部目を通してから査読コメントの投下を行って参りましたが、今回は少々時間がかかりそうですのでまずは特別収容プロトコルと説明（心療報告含む）までで一旦区切る事と致します。ご了承下さい。

  特別収容条件:

  SCP-RU-178はAres-Lang生体機能保持装置に常時接続するものとします。

  　結果的には同じ事であるかもしれませんが、スペイン語版において "permanecer"〈…のままとする〉や "indefinidamente"〈無期限で〉という語が用いられている事を考慮に入れますと、少し前から生命維持装置に繋がれていて、且つその措置をやめる見通しが全く立っていないニュアンスが含まれている事は押さえておきたい点であると存じます。「SCP-RU-178はAres-Lang生体機能保持装置への接続を無期限に維持するものとします。」とする事を提案致します。

  説明:

  未練の死

  　同じ事を日本語で言い表す際は、「無念の死」と言う事の方が多いと存じます。

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  操霊能力保持者以外には視認できません。

  　スペイン語版・INT版共に "invisible(s)" の前に "intangible(s)" という語も並列で置かれています。もしご理解の上で敢えて訳されなかった場合を除き、「操霊能力保持者以外には接触も視認もできません。」とするのが妥当でしょう。

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  ニグロマント、ネクロマント

  　英語訳が "nigromants" となっている為に迷われたのかもしれませんが、死霊使いは「ネクロマンサー」で良いと存じます。スペイン語 "nigromente(s)" はマイケル・スコット（Michael Scott）という人物によるフィクション The Necromancer: The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel のスペイン語訳題に用いられています。

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  原則、危険実体として警戒されます。

  　それぞれスペイン語版 "Son consideras universalmente hostiles."、INT版 "Are considered universally hostile." に対応する箇所ですね。直訳すると「彼らは普遍的に敵対的と考えられます。」となりますが、そのままでは何か固いので思い切って捻りを加えられたという解釈でよろしいでしょうか。

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  パパはもうブラトヴァを追いかけ回さなくて良くなったし。

  　スペイン語版において "tiene que lidiar con la bratva"、INT版において "to deal with the bratva" と言い表されている表現が含まれる箇所ですね。前者の "lidiar con" には〈…と闘う〉や〈…をあしらう/いなす〉という意味がありますが、英訳に直接〈戦う〉を表さない "to deal"〈つき合う〉が用いられている辺り、〈あしらう〉の方が意図された実態に近い様に思えます。「パパはもうブラトヴァをあしらわなくて良くなったし。」辺りでしょうか。

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  まあね。立てば煙突チムニー、座れば焼網グリル、走る姿は機関車パラヴォースって感じだったな。

  　……一つよろしいでしょうか。スペイン語版、INT版にはお母さんの嘗てのヘビースモーカっぷりを譬える言葉が煙突しかなかったのにもかかわらず、ここまで付け足して捻りまくったのは凄いという他ございません。この辺りから二人の会話も盛り上がってくるという場面ですので、スパイスとしてありだと判断致します。

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  「消え失せろ」って、

  　折角前後が良い感じに口語になるよう訳されているだけに、この箇所だけ固く、悪い意味でかなり浮いてしまっているように見受けられました。たとえば「どっか行って」辺りなどいかがでしょうか。

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  静穏な人生を送ってくれるってことだ。

  　スペイン語版・INT版両方確認致しましたが、該当箇所の動詞部分はいずれも（完了）過去形です。私は素直にこれまでの彼女の生き方について述べたコメントと解釈しても何の問題もないと考えておりますが、敢えて未来に関する訳とされた理由について伺ってもよろしいでしょうか。

  
  　なお本当はGipolibidemiaさんに対して述べるべき事ではないのですが、操霊術タイプ-IのINT版二文目は、英語としては of 直後の動詞を動名詞とする必要がある為、"Are capable of stimulating" が文法的に正しい形となります。また既にお気づきと思われますが、タイプ-IVのINT版説明においては "turning" を意図したと思われる "turnng" が見られます。INT版での編集権もお持ちとの事ですので、差し支えなければ修正を行って頂けないでしょうか。

  Gipolibidemia 09 Jul 2023 05:06

  査読ありがとうございます。
  すみません、気づいておりませんでした。

  + テキストを表示

  SCP-RU-178はAres-Lang生体機能保持装置に常時接続するものとします。

  • SCP-RU-178はAres-Lang生体機能保持装置への接続を無期限に維持するものとします。

  文脈的にそれが妥当だと思います。変更します。

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  未練の死

  • 無念の死

  こちらも未練では違和感があるので変更します。

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  操霊能力保持者以外には視認できません。

  • 操霊能力保持者以外には接触も視認もできません。

  訳し落としていました。ご指摘ありがとうございます。

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  立てば煙突うんぬん

  ロシア人がチムニーなんて云うわけねえだろと思われたものの原著者のヨーロッパ的な感覚を切り捨てようとも思えませんでした。なのでロシア風のパラヴォースとヨーロッパ風のチムニーを並べようとしましたが、語呂が悪かったのでグリルを足しました。
  しゃらくさいのでパラヴォース一本に絞ろうかとも思っています。投稿までに再検討します。

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  ニグロマント、ネクロマント

  • ネクロマンサー

  よく知られた概念で言い換えてる場面なのに聞きなれない単語を使う理由は皆無だと思ったので、仰るように変更します。

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  原則、危険実体として警戒されます。

  • 彼らは普遍的に敵対的と考えられます。

  「普遍的」がどういう範囲で「普遍」なのか、誰に対して「敵対的」なのかわかりづらいのでこのようにしていました。

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  パパはもうブラトヴァを追いかけ回さなくて良くなったし。

  • パパはもうブラトヴァをあしらわなくて良くなったし。

  両親ともに多忙を極めてるということでブラトヴァへの対応にそこそこリソースを食われてそうです。どっちかというと「戦う」の意味の方が近いだろうから「あしらう」ではないんじゃないかと思います。でも「追いかけ回す」は読み返してみて普通になんか変なので別の表現を検討します。

  • 参考: https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/deal-with
    • B1 1: When you deal with something or someone that needs attention, you give your attention to them, and often solve a problem or make a decision concerning them.
    • BrE 2: to punish

  ---

  「消え失せろ」

  • 「どっか行って」

  気が動転してるだろうから強い言葉にしようと思ってましたがいくらなんでも「消え失せろ」は違和感があるので仰るように変更します。

  ---

  静穏な人生を送ってくれるってことだ。

  誤訳でした。これを含むヴィクトールの台詞まるごと変なので直そうと思います。

  
  何週間か前にESで英訳者にコンタクト取って英訳がおかしい箇所何点か修正してもらったのですが抜けがありましたね。
  その後私もINTにユーザー登録したので今回は自分で編集してこようと思います。

  最後の編集 09 Jul 2023 05:29 by Gipolibidemia さらに表示

  ErykKij 15 Jul 2023 06:14

  　ご反応ありがとうございます。補遺全ての査読結果となります。

  （開く）補遺A

  en lugar de esparcirse en la superficie
  instead of spreading through the surface
  本来地表の水路を経由する

  　スペイン語支部版・英訳版共に、本来の水の動きは流れる事よりもむしろ〈広がる〉事が特徴とされています。前置詞は英訳版では "through" が用いられていますが、スペイン語支部版は〔位置〕全般を表す "en" が用いられており、水の動きのイメージに差が見られます。私は、この "through" は〔通って行く動き〕よりもむしろ〔全体に満遍なく〕の意図で用いられている様に見受けられました。従いまして、「本来地表に拡散する」辺りで捉える必要があると存じます。

  ---

  las puertes reforzadas que daban con el área inundada
  the reinforced door that led to the flooded area
  浸水エリアから繋がる非常ドア

  　スペイン語支部版や英訳版から分かるのは、このドアが「強化扉」であり、非常用であるかは不明であるという事です。また英訳版では扉から浸水エリア「へ」の方向が窺えますが、スペイン語の方はと言いますと使われている前置詞は "con"「…と」であり、方向の限定は読み取る事ができません。「浸水エリアと繋がる強化扉」辺りが実態である様に思えます。

  ---

  para recuperar
  to recover
  救出作業

  　このスペイン語や英語の動詞ですが、どうも〈救出〉よりは〈回収〉、つまり対象の生存が絶望視されているパターンを一つでも含む際に用いられる模様です。いずれの言語版においても直接〈救出する〉を意味する動詞（rescatar, salvar; to rescue, to save）ではないという点は考慮に値すると存じます。

  ---

  poco antes de su recuperación
  soon before her recovery
  やって来る寸前に

  　上記の動詞の件はこの箇所にも当てはまりますが、それに加えてクリニカル・トーン徹底の余地がある様に見受けられます。ここは「回収寸前に」でいかがでしょうか。

  ---

  los padres de SCP-RU-178 optaron por ser amnestizados y liberados.
  SCP-RU-178's parents opted for being amnestizised and released.
  SCP-RU-178の両親は記憶処理を施され、収容を解かれました。

  　記憶処理と言いますとどうしても財団側の一方的な都合で実施されるイメージが強いのですが、この場合はいずれの言語版においても両親が〈記憶処理と解放を選択した〉、つまり自発的にこれらの処置を希望したという事が読み取れます。しかも、この補遺Aだけでは両親があくまでも処置の選択を行った「だけ」であり、実際に財団側が受理したのかはぼかした言い回しになっている気が致します。

  （開く）補遺B

  17 operativos de alto secreto del Consejo Regional de Rusia
  17 Russian Regional Council top secret operatives
  ロシア地域評議会の最高機密エージェントたち

  　「17名の」とあります。

  ---

  ofuscar
  obfuscate
  難読化

  　"ofuscar" という動詞の意味を調べたのですが、〈目をくらませる〉、〈心を乱す、理性を失わせる〉とされています。「攪乱」で良いのではないでしょうか。ちなみに「撹乱クラス」に該当するスペイン語は、こちらやこちらといった関連文書がいずれもスペイン語支部では未訳である為、残念ですがまだ把握できておりません。

  ---

  A lo largo de dos meses
  Over two months
  以降2ヶ月以上にわたり

  　この英語からは非常に分かり辛いのですが、スペイン語支部版の "A lo largo de (…)" は〈…の間中、…を通じて〉という意味であり、2ヶ月は超えていないと考えられます。

  ---

  4 Destacamentos Móviles compuestos de dobles agentes
  4 MTF Units with double agents
  2名のエージェントを伴う4つの機動部隊ユニット

  　"dobles" = "double" の解釈が悩ましい箇所です。初回に挙げたスペイン語辞書で引きましたところ、関連がありそうな語義として〈2倍の〉、〈二重の〉、〈裏表のある、二心ある〉が見つかりました。機動部隊ユニット数が4とされている事から2倍の「8名」か、意図的に誤情報の垂れ込みを行うという作戦の性質上、二重スパイが必要となる為「二重スパイ（の）」と解釈するかの2択であると存じます。個人的には後者の意味が有力であると考えております。なお、スペイン語支部版ではそもそも4つの機動部隊自体がdobleなエージェント達から成るとされています。

  ---

  インフラ

  　こちらはあくまでも略語である為、略さずに「インフラストラクチャー」としておきましょうか。

  ---

  en Asia, y posiblemente en el mundo
  in Asia, and probably in the world
  アジア、あるいは全世界における

  　ここはカオス・インサージェンシー視点による財団の生命線とは何かを検討対象とした分析結果の内容を更に財団が推測している場面ですが、ここではアジアにおける活動の生命線である事と、全世界における活動の生命線で恐らくはある事とが論理的に両立していると考えられます。つまり、「アジア、そして恐らくは全世界における」として捉えるのが妥当であると存じます。

  ---

  el precio y disponibilidad asiática de productos y materia prima
  the price and asian disponibility of products and raw material
  諸物資のアジアにおける価格と入手可能性

  　スペイン語が基本的に形容詞を名詞に後置する言語で、一方の英語がその逆である事から、〈アジアの〉が〈価格〉にもかかっている可能性が確かにあり得ます。なおもし承知の上で敢えてそうされているのであれば申し訳ございませんが、ここの「諸物資」は厳密には「製品と原材料」両方が含まれる内訳となっています。

  ---

  Cabe a destacar que,
  Note that

  　スペイン語の〈というのは際立たせる事ができる〉にせよ、英語の〈という事に留意せよ〉にせよ、（今回は当然登場しませんが）ポーランド語の należy zauważyć, że〈という事に気付くべし〉にせよ、ヨーロッパの言語となるとこの手の言い回しによく出会います。それぞれの言語における直訳に寄せる事もございますが、場合によっては文頭に「なお」と置くだけで良いかも知れません。

  ---

  todos ellos magnates asiáticos asociados con la Insurgencia del Caos
  all of them Asian tycoons associated with the Chaos Insurgency
  カオス・インサージェンシーと協力関係にあるアジアの実業家

  　"todos" = "all"〈全員〉にあたる要素も折角ですのでどうにかして反映しませんか。"magnates" = "tycoons" も並大抵の実業家ではなく非常に有力な大物と言う事で、「いずれもカオス・インサージェンシーと協力関係にあるアジアの有力実業家」辺りでいかがでしょうか。

  （開く）補遺C

  Según los hallazgos del DM Д-4, asignado a probar las nuevas propiedades anómalas demostradas por SCP-RU-178,

  According to MTF Д-4's findings, assigned to test the new anomalous properties shown by SCP-RU-178,

  機動部隊Д-4の報告を踏まえSCP-RU-178が呈した新たな異常性に対するテストがアサインされ、

  　この箇所、スペイン語支部版の方を見ますと、英訳版からはおよそ判別不可能な要素が一つ浮かび上がります。それはずばり、〈アサインされたのは機動部隊д-4であるという事〉です。まず "test" は動詞である為これを関係節の修飾対象と見立てる事は無理があると存じます。一方、機動部隊の方はスペイン語版の方を見ますと男性・単数形となっている "asignado"〈割り当てられた〉が直後に置かれ、更に機動部隊自体も直前に del (< de〈…の〉 + el〔男性・単数用の定冠詞〕) が置かれている為男性名詞である事が判り、"assigned" から始まる関係節が機動部隊を修飾したものであると判断する事が可能です。従いまして該当箇所は、「SCP-RU-178が呈した新たな異常性の試験を担当する機動部隊Д-4の報告を踏まえ」 辺りが妥当であると存じます。

  ---

  SCP-RU-178はAres-Lang生体機能保持装置に常時接続するものとします。

  　全開特別収容プロトコル関連で指摘を行った箇所の反映の際には、こちらも併せてご変更下さい。

  ---

  se dispondrá
  will be disposed
  稼働してください

  　disponerse〈準備する、用意する〉の未来形にあたります。特別収容プロトコル内である為、命令表現の形式を変更する必要はないと存じますが、この段階ではまだ作動まで行かず、単に「設置してください」という事が意図されている程度である様に思えます。

  ---

  garantizar su fácil recuperación
  guarantee her easy recovery
  彼女の回復を促進

  　補遺Aでも登場した recuperación = recovery ですね。〈回復〉の意味は確かに存在します。ただこれから財団が彼女をThaumielクラスのオブジェクトとして有効活用しようとしているこの状況においては、私は補遺Bで触れられたような襲撃事件が起きた際にオブジェクトを「容易に回収する事を保証」するという意味で受け取りました。もし回復が想定されているとしたら、彼女が意識を取り戻した場合の事にも言及が行われているのではないでしょうか。あまり書きたくないのですが今回の様な状況の場合、人型オブジェクトは昏睡状態のままの方が利用しやすいという思考回路が財団には働くだろうと考えております。個人の幸福と人類全体の幸福とを天秤にかける（必要が本当にあるのかは別としてそうした）局面となった場合、あくまでも迷わず後者を選ぶ。財団とはその様な組織であるという理解でおります。

  ---

  Hospital General
  General Hospital
  一般病院

  　実は補遺Aの最後の方でも全て小文字の形で登場しているのですが、こうした固有名詞的な扱い方となりますと完全に「総合病院」として捉えた方が良いのではないかと考えております。

  ---

  que permitirá el mantenimiento de visitas diarias para asegurarse que SCP-RU-178 permanezca con buena salud.

  which will allow the maintenance of daily visits to ensure that SCP-RU-178 remains in a good health state.

  このことによりSCP-RU-178は毎日問診を受けることができ、その健康状態を良好に保つことが可能となります。

  　ここの英訳版の "to"、対応するスペイン語がほぼ英語の for と同じ機能を持つ "para" である為、〔目的〕を表していると捉えたいところです。

  　また、私は先述の様に非常に冷徹な財団像を念頭に置いている為、"visit(a)s" は当初昏睡状態であるオブジェクトとしての彼女を毎日巡回して冷たい眼差しでただただ監視しているだけのイメージだったのですが、冷静に両言語の辞書を引き直しましたところ、いずれにも〈往診、回診〉という意味が掲載されており、病院が重装甲のトンネルで収容場所まで直通という状況から、こちらで捉えるのが妥当であるという結論に至りました。

  　以上の要素を踏まえますと、該当箇所は「このことによりSCP-RU-178の健康状態が良好に保たれていることを確認するための毎日の往診の維持が可能となります。」、或いはこれをもう少しこなれた日本語に調整したものとするのが妥当であると存じます。

  ---

  SCP-RU-178 es el cuerpo comatoso de Valerie Mikhailovna Volkova
  SCP-RU-178 is the comatose body of Valerie Mikhailovna Volkova
  SCP-RU-178はヴァレリヤ・ミハイロヴナ・ヴォルコヴァです

  　アイテム番号の割り当て先があくまでも彼女「の昏睡状態の身柄」と指定されている事が要であると存じます。

  ---

  siendo capaz de reaccionar inmediatamente a cualquier acción que perciba como una amenaza a la estabilidad de la Fundación en el área

  being able to react immediately to any action she perceives as a threat to the stability of the Foundation in the area

  彼女はこの知覚により、当地における財団の定常活動に害をなしうるあらゆる活動を察知し、これに対応することができます。

  　両言語版において "como" = "as" 〈として〉という前置詞が用いられているのを見る限り、あくまでも彼女の個人的な主観による判断が行われているという点が要であると考えられます。もし個人としての彼女を欺く事が可能なタイプの異常性であれば、彼女は対応する事ができないかもしれません。

  　また、"inmediatamente" = "immediately"〈即座に〉にあたる要素も日本語訳に反映したいところです。

  　もう一つ、"estabilidad" = "stability" を「定常活動」と訳す事自体は妥当であると考えられるのですが、補遺Bのカオス・インサージェンシーによる襲撃決行直前の財団活動の状況説明においても同じ語が登場し、そちらでは「スタビリティ」とされていますので、可能であればどちらかへの統一を検討してみても良いかも知れません。

  　従いまして、「彼女はこの知覚により、当地における財団の定常活動に害をなしうるものとして察知したあらゆる活動に即座に対応することができます。」というのはいかがでしょうか。

  ---

  Algunas entidades poseen propiedades anómalas independientes de su naturaleza ectoplásmica

  Some entities possess anomalous properties independent of their ectoplasmic nature

  かれらの中には、その霊素的性質以外にも異常性を有します

  　some で修飾された語が主語となる場合、この手の訳し方が一番日本語として自然な形に収まりますよね。現在の訳文を極力活かす形ですと、「かれらの中には、その霊素的性質以外にも異常性を有するものが見られます」辺りでしょうか。

  ---

  Manipulación menor de la probabilidad.
  Minor probability manipulation.
  発生頻度: 低。

  　これは能力の内容説明で、ずばり「軽度の確率操作」の事であると考えられます。次に説明されています通り、事故で相手を死にやすくする特性です。

  ---

  siendo terminados
  being terminated
  死亡する

  　両言語版共に財団用語の「終了」にあたる語が使用されていますが、敢えて避けられたのでしょうか。

  ---

  Manifestación a voluntad de armas de fuego no-anómalas.
  Manifestation at will of non-anomalous firearms.
  非以上の兵器を生成できる。

  　"a voluntad" = "at will"〈自由自在に〉の要素を反映したいところです。また兵器は兵器でも "armas de fuego" = "firearms"〈火器、銃器〉という指定が見られます。「自由自在に非異常性の火器を生成」でいかがでしょうか。

  ---

  Manipulación de plantas locales, frecuentemente modificándolas para servir como trampas u obstáculos.
  Manipulation of local plants, frecuently modifying them to serve as traps or obstacles.
  当地の植生をトラップや侵入妨害設備へと改変する。

  　"frecuentemente" = "frequently"〈しばしば、高頻度で〉という語の要素を反映したいところです。残念な事にアムール方面の植生についてはさっぱり詳しくないのですが、同じロシア繋がりでいえば位置はかなり隔たりがあるもののコーカサス地方原産のセリ科ハナウド属の Heracleum mantegazzianum の様に、無加工で人体に有害なものも存在しますので、アムール方面にもそれほどの毒性を持つ植物が生育していた場合、ごく稀にそうしたものを無加工で出すという事もあり得そうです。

  ---

  Una vez las instancias se demanifiesten,
  Once the instances demanifest,
  一度発現した実例は

  　細かいのですが、この箇所は「実例群」として頂きたいです。現在の日本語訳を拝見した時、私は「ならば特定の実例Aを出している間、別の実例Bは温存しておけば隙が生じないのでは」と考えましたが、原文がいずれも複数形になっているところを見ますと、どうもそういう事ではない模様です。

  ---

  angustia
  anguish
  憤怒

  　スペイン語 "angustia" は怒りよりもむしろ〈苦悶〉や〈不安（感）〉と言った者を表す模様です。洪水事件を起こしてしまったSCP-RU-███が事件直前に抱いた感情も同系統の動詞で表現されています。

  ---

  Los individuos que cumplan estas características deben designarse RU-178-Positivos.
  Individuals who meet these characteristics should be designated RU-178-Positives.
  上記の要件に適合する人員はRU-178-Positiveに指定されています。

  　"deben" ≒ "should" が含まれる為、この文は現在行われている事の報告というよりは、今後へ向けた指令と解釈する方が妥当であると存じます。「上記の要件に適合する人員はRU-178-Positiveに指定されます。」辺りでしょうか。

  ---

  • 投票結果

  　スペイン語支部版・INT版の両方を確認致しましたが、こちらの箇所に関してはロシア語を採用する必要度は非常に低いと存じます。ただ興味深いので動機の詳細は是非伺いたいと存じます。

  
  　初回に触れ忘れてしまいましたが、オブジェクトクラス Terminal 等必要となる前提知識を予めまとめて頂いた事で、査読を行う上で非常に助かりました。

  Gipolibidemia 17 Jul 2023 02:33

  ありがとうございます。
  誤訳は予想してたのですが考えてたよりも滅茶苦茶だったのがわかりました。いただいた点は直します。

  もうちょっと時間かけて見直そうと思います。画像のライセンス確認するのと画像内のテキストを一部和訳する都合、翻訳予約の期限内にはどう考えても間に合わない (し間に合わせる気も最初からない) ので、それらを準備し終えてある程度内容を忘れた頃、もう一回自分で読んで直してみようと思います。

  + テキストを表示

  en lugar de esparcirse en la superficie
> instead of spreading through the surface
> 本来地表の水路を経由する

  拡がりながらヴォロロフスクに流れていく様子を端的に表現できるフレーズが思いつきませんでした。そのため「地表」という単語を使ってある程度の面積があるようなニュアンスを持たせたいと考えていました。でもわかりにくいので仰るように「地表に拡散する」にします。

  ---

  las puertes reforzadas que daban con el área inundada
> the reinforced door that led to the flooded area
> 浸水エリアから繋がる非常ドア

  なぜか当時「強化ドア」ってあんまり聞かないような気がしていたと思うのですが、改めて考えてみるとそんなことない気がするので「強化扉」に変えます。扉が一方通行であるとは考えづらいので「から」でも何でもいいと思うのですが、より文字数の少ない「と」にします。

  ---

  para recuperar
> to recover
> 救出作業

  poco antes de su recuperación
> soon before her recovery
> やって来る寸前に

  確かにそうでした。開始時間的に生存を絶望視してそうな気がするので「救出」は不適です。「回収」にします。

  ---

  los padres de SCP-RU-178 optaron por ser amnestizados y liberados.
> SCP-RU-178's parents opted for being > amnestizised and released.
> SCP-RU-178の両親は記憶処理を施され、収容を解かれました。

  誤訳でした。「SCP-RU-178の両親は記憶処理および収容解除を選択しました。」とします。

  ---

  17 operativos de alto secreto del Consejo Regional de Rusia
> 17 Russian Regional Council top secret operatives
> ロシア地域評議会の最高機密エージェントたち

  訳抜けでした。直後の「投降」の妥当性も含めて見直します。

  ---

  ofuscar
> obfuscate
> 難読化

  紙文書も含んでるのに「難読化」はおかしいので「撹乱」とします。

  ---

  A lo largo de dos meses
> Over two months
> 以降2ヶ月以上にわたり

  誤訳でした。「間」とします。

  ---

  4 Destacamentos Móviles compuestos de dobles agentes
> 4 MTF Units with double agents
> 2名のエージェントを伴う4つの機動部隊ユニット

  二重スパイという発想が完全に抜けてました。誤訳です。「二重スパイ」とします。

  ---

  インフラ

  元々Infrastructureのカタカナ英語の略語が由来ではありますが、元々略語だったというニュアンスは抜けて「インフラ」という形でフォーマルな日本語として定着している気がするのでこのままにします。

  ---

  en Asia, y posiblemente en el mundo
> in Asia, and probably in the world
> アジア、あるいは全世界における

  「そして恐らくは」をまとめて「あるいは」としてたつもりでしたが、わかりにくいのでそのようにします。

  ---

  el precio y disponibilidad asiática de productos y materia prima
> the price and asian disponibility of products and raw material
> 諸物資のアジアにおける価格と入手可能性

  「と」がくどいのでproducts and raw materialをまとめて「諸物資」としていましたが、「製品と原材料」とします。

  ---

  Cabe a destacar que,
> Note that

  「特に」で拾っているつもりでした。「なお」も付けます。

  ---

  todos ellos magnates asiáticos asociados con la Insurgencia del Caos
> all of them Asian tycoons associated with the Chaos Insurgency
> カオス・インサージェンシーと協力関係にあるアジアの実業家

  確かに訳抜けです。magnatesのニュアンスも拾えていませんでした。「いずれもカオス・インサージェンシーと協力関係にあるアジアの有力実業家」とします。

  ---

  Según los hallazgos del DM Д-4, asignado a probar las nuevas propiedades anómalas demostradas por SCP-RU-178,
  According to MTF Д-4's findings, assigned to test the new anomalous properties shown by SCP-RU-178,
  機動部隊Д-4の報告を踏まえSCP-RU-178が呈した新たな異常性に対するテストがアサインされ、

  誤訳でした、原文どころか英語の時点でそういう意味だと気づくべきでした。どう訳すか考え直します。

  ---

  se dispondrá
> will be disposed
> 稼働してください

  まだ更新を提案してる段階ですから「稼働」は原文の意図を捻じ曲げすぎですね……

  ---

  garantizar su fácil recuperación
> guarantee her easy recovery
> 彼女の回復を促進

  どっちとも取れる気がしましたが「もし回復が想定されているとしたら、彼女が意識を取り戻した場合の事にも言及が行われているのではないでしょうか」はその通りですね。収容違反時の現状復帰がスムーズになるように施設設計してます、という方向で訳を考え直します。

  ---

  Hospital General
> General Hospital
> 一般病院

  仰る通りです。「総合病院」にします。補遺Aのやつもこれの表記揺れだと思うのでどちらも「総合病院」とします。

  ---

  que permitirá el mantenimiento de visitas diarias para asegurarse que SCP-RU-178 permanezca con buena salud.
  which will allow the maintenance of daily visits to ensure that SCP-RU-178 remains in a good health state.
  このことによりSCP-RU-178は毎日問診を受けることができ、その健康状態を良好に保つことが可能となります。

  toは目的の用法だと考えた上であえて結果の用法っぽく訳してます。「〜ための」とすると名詞句が尋常じゃないくらい長くなってしまいます。
  目的の用法にせよ結果の用法にせよ要は「toの前にある動詞句の結果としてto不定詞が起こる」という流れなので、「健康状態をモニタリングするために毎日問診します」としても「毎日問診することで健康状態をモニタリングできます」としても本質的に変わりないと思います。

  • 参考: https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/tomii-method27

  「問診」というより「往診」なのはそうだと思うので訳を考え直します。

  ---

  SCP-RU-178 es el cuerpo comatoso de Valerie Mikhailovna Volkova
> SCP-RU-178 is the comatose body of Valerie Mikhailovna Volkova
> SCP-RU-178はヴァレリヤ・ミハイロヴナ・ヴォルコヴァです

  死亡前の説明文からコピペしてしまっていました。誤訳です。意思なき彼女をオブジェクト指定してるのが伝わるように直します。

  ---

  siendo capaz de reaccionar inmediatamente a cualquier acción que perciba como una amenaza a la estabilidad de la Fundación en el área
  being able to react immediately to any action she perceives as a threat to the stability of the Foundation in the area
  彼女はこの知覚により、当地における財団の定常活動に害をなしうるあらゆる活動を察知し、これに対応することができます。

  「スタビリティ」の統一はしようと思います。

  それ以外について仰ることは当時からそう思っているんですが余りにも回りくどい言い方になるのでもうちょっと考えてみます。

  ---

  Algunas entidades poseen propiedades anómalas independientes de su naturaleza ectoplásmica
  Some entities possess anomalous properties independent of their ectoplasmic nature
  かれらの中には、その霊素的性質以外にも異常性を有します

  普通に主部と述部が呼応してなくて誤訳でした。「が見られます」に直します。

  ---

  Manipulación menor de la probabilidad.
> Minor probability manipulation.
> 発生頻度: 低。

  ここだけ異常性じゃなくて発生頻度に触れてることに違和感を持てなかったのは不注意でした。誤訳です。「軽度の確率操作」とします。

  ---

  siendo terminados
> being terminated
> 死亡する

  terminateはSCP-JPにおいて「終了する」と訳されてきましたが、近年「『終了する』という日本語に『殺害する』なんて用法存在しなくね？誤訳じゃね？」という議論が出てきてます。今回意図的に「終了」を避けています。

  ---

  Manifestación a voluntad de armas de fuego no-anómalas.
> Manifestation at will of non-anomalous firearms.
> 非以上の兵器を生成できる。

  限定修飾句入れなければ生成物の範囲が任意であることは伝わると思ったのですが、どっちかというと「何でも作れる」ことの方が重要だと思ったので「任意の非異常性火器を生成できる。」とします。
  個人的に重要な固有名詞以外はそこまで細かい表現に気が払われていないというか、このfirearmsはweaponの言い換えに過ぎないような気がするので、ここはそんなに拘泥すべきじゃない気はします。

  ---

  Manipulación de plantas locales, frecuentemente modificándolas para servir como trampas u obstáculos.
> Manipulation of local plants, frecuently modifying them to serve as traps or obstacles.
> 当地の植生をトラップや侵入妨害設備へと改変する。

  原文のスペルは直してきます。

  frequentlyということは稀に別な用途で使ってる可能性もあるということですね。確かにそうです。「当地の植生を操作する能力。主に当該能力は、植生を改変し、トラップあるいは侵入妨害設備としての機能を付与するために行使される例が多い。」とします。

  ホグウィードってGOCの符牒でお馴染みですが実物どんなんなのか知らんまま生きていました。毒があるんですね。

  有毒の植物も無毒の植物もいろいろ異常成長させて絡み合わせて効果的な罠として運用している、と考えることにします。frequentlyじゃない時は何をやっているのかですが、細かい操作が難しい際に単に高く/広く成長しやすい植物や有毒植物をドカッと伸長させて「トラップや侵入妨害設備」とまでは言えない程度の応急処置に使ってるのでしょう。あるいは消毒に使えるようなのを持ってきて財団兵力の即席治療に当ててるのかもしれないですね。

  なお個人的に原著者そこまでロシアに明るくなさそうだと思います。ベタニアベースとユーロネルフの設定をSCPバースに落とし込んでいるうちに偶然いろいろ深みのある設定になっただけじゃないか。この描写も植物の毒性とか考えてなくて、「草をいっぱい集めて絡めればそれだけで足止めとしては有用だよね」くらいにしか思ってないのではという気がします。

  ---

  Una vez las instancias se demanifiesten,
> Once the instances demanifest,
> 一度発現した実例は

  ご指摘されたのもそうですが、パラグラフ丸ごと意味が取りづらいと思うので見直します。

  ---

  angustia
> anguish
> 憤怒

  スペイン語というか英語が読めてなかったです。誤訳です。「強い不安」とします。

  ---

  Los individuos que cumplan estas características deben designarse RU-178-Positivos.
> Individuals who meet these characteristics should be designated RU-178-Positives.
> 上記の要件に適合する人員はRU-178-Positiveに指定されています。

  そうですね、要請しているので誤訳でした。「上記の要件に適合する人員はRU-178-Positiveに指定してください。」などとします。

  
  日本語の投票結果ってダサい気がするのであんまり和訳したくなくて、かといってINT版を流用するのも記事のロシア趣味コンセプトに反していて、迷った末にこのようにしていました。投票フォームがあって左側が賛成票真ん中が反対票右側が棄権というのは読めなくてもわかってもらえるだろうからあとは得体の知れない組織が何かに投票しているのだけ印象に残ってもらえればいいかなと。

  あとSCP財団ロシア語公式コミュニティのユーザーが会話中に使うРусскоязычный ФилиалやРуфондやРуфилиал、記事中に出てくるРосийский/Русский ФилиалやO5-Rなどとは違った自称をロシア地域評議会もきっと持ってるんだろうなあと思ってて、どうせロシア語趣味を露出していく記事なのであればこの辺も固めていくべきじゃないのかと思ったからです。

  でも勢いで訳してた当時と違って今見ると演出過剰な気がするので普通に和訳に直しちゃうかもしれません。

  Terminalの説明文拙訳も普通に誤訳があるのでこちらも直します。

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