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図1: SCP-3855-JP
アイテム番号: SCP-3855-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3855-JPはサイト-81-109の標準物品収容ロッカー内に収容されます。無許可でのSCP-3855-JPの持ち出しは禁止されており、実験には担当職員3名からの許可が必要です。SCP-3855-JPを用いた実験は屋外で実施されなければなりません。
説明: SCP-3855-JPはバックパック(図1を参照)です。物体が収められているような膨らみが確認可能ですが、実際に物体が収められているのかは明らかになっていません。これはSCP-3855-JPの有する開口部の開閉が不可であるという性質に由来するものです。
外見に異常な点はなく、SCP-3855-JPを構成する素材も非異常性の合皮であることが明らかになっています。SCP-3855-JPは一般企業によって販売されていたものであり、製造や流通の過程に特筆すべき点はありません。このことから、SCP-3855-JPの異常性は後天的に発現したものであると推測されています。
SCP-3855-JPを背負った人物(対象と表記)は精神影響に暴露し、物事に対して意欲的に取り組むようになります。これにより、対象が苦手・困難であると判断していた事柄を含むあらゆる物事に対し、精力的かつ自発的に活動するようになります。この影響はSCP-3855-JPを下ろすことによって除去されるものとされています。
対象がSCP-3855-JPを背負ってから5分ほど経過すると、SCP-3855-JPは突如として振動し、横面のドリンクホルダー2つと背面の収納スペースから計3つの小型ガスタービンエンジンを出現させます。この際のSCP-3855-JPの外見は一般に「ジェットパック」と呼称される装置に類似しています。この変化に伴い、SCP-3855-JPは飛行能力を獲得し、対象は飛翔します。しかしながら、認識阻害様の性質により、対象は自身が飛翔しているという事実を認識できません。
補遺3855-JP.1: 発見経緯
SCP-3855-JPは2015/09/15に発生した民間人の行方不明事案を契機として発見されました。行方不明となった人物はアメリカ人男性のライアン・ストーン氏(当時26歳)です。当時は非異常性の行方不明事案であると判断されていましたが、関係者による「ライアン氏が家の屋根を突き破って空に飛んで行った」という旨の証言が複数件確認されたことにより、何らかの異常が関与していると判断されたため財団による調査が行われることになりました。この結果として、ライアン氏の自宅から3個のSCP-3855-JPが回収されています。その後の検証を経て異常性が明らかになり、Safe級アノマリーとして収容されました。
補遺3855-JP.2: 実験記録
2015/09/25、SCP-3855-JPを用いた実験が実施されました。実験目的はSCP-3855-JPの異常性を確認することでした。実験はSCP-3855-JP収容担当チーム主任である余田博士の監督下で行われました。
以下は実験記録の一部抜粋です。記録の全容は別途資料(資料コード3855-JP.1)を参照してください。
実験記録3855-JP #001
Record 2015/09/25
対象: D-3855-1
目的: 当該実験はSCP-3855-JPの異常性を確認することを目的として行われました。
内容: 対象にSCP-3855-JPを背負わせた状態で一定時間放置します。この際、対象には小型カメラ、発信機、小型通信機を携帯させます。
結果: 以下のログを参照してください。
<記録開始>
[SCP-3855-JPが形状を変化させる。D-XXXX-1が浮遊し、飛翔を開始する]
余田博士: D-3855-1。現状を報告してくれ。
D-3855-1: 凄いです博士。今ならなんでもできそうなんですよ。
余田博士: なるほど。詳しく聞かせてくれ。
D-3855-1: なんていうか、今まで苦手だと思ってたことも今なら乗り越えられそうなんです。これまでずっと逃げてきたこととか、そういうことに立ち向かっていけそうな気がするんですよ。
余田博士: そうか。
D-3855-1: やる気で満たされてる感じです。凄いですよこれ。
余田博士: では、D-3855-1。今、自分が浮いていることは理解しているのか?
D-3855-1: 浮いてる……?
余田博士: そうだ。
D-3855-1: 嫌だなぁ。確かに俺は周りに馴染めてないですけど、何も「浮いてる」なんて言う必要ないじゃないですか。そういうことはあまり言わない方がいいんじゃないですか?
余田博士: そうではなく、君が浮遊しているということだ。
D-3855-1: 浮遊?
余田博士: ああ。君の背負っているバックパックは変形し、ジェットパックになっている。そのことは理解できているか?
D-3855-1: 何言ってるんですか博士。別に何も変わってないですよ?
余田博士: 理解できていないようだな。
D-3855-1: ちょっと。からかってるんですか? さっきから何言ってるのか分からないんですけど。俺が浮遊してるとかカバンがジェットパックになるとか、そんなことあるわけないじゃないですか。
余田博士: わかった。では次にだが、カメラを下方向に向けてくれないか?
D-3855-1: いいですけど……地面の映像なんて何に使うんですか?
余田博士: 君には関係のないことだ。
[D-3855-1がカメラを下方向に向ける。そこに地面は写っておらず、D-3855-1が浮遊および飛翔していることが示されている]
余田博士: ありがとう。もう大丈夫だ。
D-3855-1: わかりました。
余田博士: 何か気になることがあったら都度報告してくれ。
D-3855-1: 了解です。
[中略]
D-3855-1: あの、博士。
余田博士: どうした? 何か気になることでもあったのか?
D-3855-1: いえ、そうではなく。なんか、さっきよりもやる気が出てきたんです。
余田博士: というと?
D-3855-1: 気持ちが凄い高まってるんです。テンションが上がってるというか、内からなんかやる気とか気合いとかそういうものが込み上げてくる感じというか。
[D-XXXX-1の飛翔速度が上昇する]
D-3855-1: [指同士を擦り合わせて音を出す] ほら見てくださいよ。今まで何回練習してもできなかった指パッチンが出来るようになってるんですよ。俺、不可能を可能にしたんです。これもやる気と気合いのおかげだと思うんですよ。
余田博士: 何か他に異変とかはないか?
D-3855-1: 特には無いです。単にめちゃくちゃ気合いが湧いてきてるだけですね。ほら [口笛を吹く] 前まで口笛なんてどれだけ練習しても吹けなかったのに、吹けるようになってるんです。俺、不可能を可能にしてるんですよ。
余田博士: なるほど。
D-3855-1: こんな気持ちになったのは初めてです。気持ちが凄い高まってて。
[D-3855-1の飛翔速度が更に上昇する]
D-3855-1: まるで、このままどこまでも行ってしまいそうなくらいに。
[通信途絶]
<記録終了>
追記: 本実験終了後に行われた追跡調査の結果、D-3855-1が時速███kmで宇宙空間を移動していることが明らかになりました。無酸素空間であるにもかかわらずD-3855-1が呼吸を行っていることから、SCP-3855-JPには未解明の異常性があるものと推測されています。なお、これによって1個のSCP-3855-JPが収容下から外れたため、D-3855-1の回収を兼ねたSCP-3855-JPの再収容作戦が計画されています。
補遺3855-JP.3: インシデント3855-JP
補遺3855-JP.2における実験が行われてから5日が経過した2015/09/30、突如としてD-3855-1の飛翔速度が上昇したことが確認されました。これを受けた財団は飛翔速度上昇の原因究明を目的として、D-3855-1の観測を行いました。結果として、D-3855-1と並行する形で宇宙空間を飛翔する人型実体(SCP-3855-JP-1に指定)の特定に至りました。SCP-3855-JP-1の外見は行方不明となっているライアン氏と同一でした。D-3855-1はSCP-3855-JP-1と会話をしていました。宇宙空間であるにも関わらず、音を用いた会話が可能であった理由は不明です。以下は傍受した会話内容を文字起こししたものです。
音声記録3855-JP #001
Record 2015/09/30
話者:
- D-3855-1
- SCP-3855-JP-1
<記録開始>
D-3855-1: それにしても、あなたも頑張ってるんですね。まさかピーマンを克服するなんて。
SCP-3855-JP-1: そういうあんたも、めちゃくちゃすげぇじゃねえか。ずっと出来なかった前転が出来るようになったんだろ?
D-3855-1: いやぁ、それほどのことじゃないですよ。
SCP-3855-JP-1: そんなことないって! 苦手から逃げずに取り組むなんてそうそうできることじゃねえよ!
D-3855-1: そうですね。やっぱり、逃げずに立ち向かうのが大切なんですよね。
SCP-3855-JP-1: そうそう。逃げなければ大体のことはなんとかなるんだってね。
D-3855-1: わかります。諦めず、努力を続ければ乗り越えられるんですよね。
SCP-3855-JP-1: あんたも頑張ってる事だし、俺も負けてられねえな。もっと頑張って、更に苦手を克服していかないと。
D-3855-1: お、なら俺も頑張らないとですね。ライバル同士、辛い時は助け合いで頑張っていきましょう!
SCP-3855-JP-1: そうだな。俺たち二人であらゆる苦手を克服してやるぞ!
D-3855-1: はい!
<記録終了>
終了報告書: 傍受した会話内容から、D-3855-1とSCP-3855-JP-1は互いを励ますような発言を行っていることが明らかになりました。この発言に伴い、D-3855-1とSCP-3855-JP-1の飛翔速度が上昇していることも確認されています。D-3855-1とSCP-3855-JP-1の観測・追跡は続けられます。
上記記録から30日が経過した2015/10/29時点においても、D-3855-1とSCP-3855-JP-1は互いを励ますような発言を繰り返し行っています。D-3855-1とSCP-3855-JP-1の飛翔速度は時速████kmを超えています。
以下ディスカッション
オブジェクトクラス最強決定戦にエントリーします。
21,22職員鯖(通称"蛮族鯖")にてKing-Crab373さんが発言した内容をもとに執筆した作品です。内容についての相談に乗ってくれた
KanKanさん、
KABOOM1103さん、批評をしてくれた
eringiumexeさん、
Jiraku_Moganaさん、
dameryuuさん、
DeepBlueUnionさん、
Hoojiro_sanさん、
wavekeyさん、
Tutu-shさん、
GW5さん、
nemo111さん、
Childreamさんに感謝します。ありがとうございました。
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- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)




拝読しました。
個人的にはあまり刺さりませんでした。「上昇志向が転じて物理的に飛びだす」という導入自体は奇妙で好きなのですが、そこからの「破裂して死ぬ」という展開に因果関係を見出すことができず、悪い意味で唐突に感じてしまいました。その2点の繋がりがもう少し明確になれば、あるいはもっと別のオチがあれば良いかもしれません。
以下、細かい点になります。適宜取捨選択をお願いします。
「下ろす」がやや口語的に感じました。自分でも正直なところ代替表現があるかと言われると困るところなのですが、例えば、単に置き換えるのであれば「脱去する」、文章ごと書き変えるのであれば「SCP-2405-JPから(XXcm以上の)距離を取る」とするともっとクリニカルに見えるかなと思います。
日本語的に引っかかりました。「何、と言われてもそうとしか言い表せないのだが」くらいが適切な気がします。
ありがとうございます。
展開ですが、「(感情の高まりによって)感情が爆発するのではなく、物理的に爆発する」といったものを想定していました。気持ちを抑えきれなくなる・感情の行き場がないなどの描写を追加して「堪えきれなくなりそう」って思わせたタイミングで爆発描写を挟むなどが改稿案になりますかね……?
文面については改稿時に修正しようと思います。棍棒コンはもう間に合わなさそうなので諦めますが、別のコンテストの際に改稿して出せたらと思います。
拝読しました。UVです!簡潔な異常性、勢いのある事象、明るい作風、オチの「D-XXXX-1とSCP-XXXX-JP-1の飛翔速度が上昇していることも確認されています。D-XXXX-1とSCP-XXXX-JP-1の観測・追跡は続けられます。」に感じる2人の関係や、財団のスタンスなど、かなり好きな作品でした。
以下に何点か気になった箇所を指摘しますが、既にUV域なので、取捨選択はお任せします。
ありがとうございます。
提示していただいた画像を掲載することにしました。
特にこのままでも問題ないと思ったので変えません。
提示していただいた文章をアレンジする形で変更しました。
確かに「変形」の方が短く纏まっていてクリニカルだと感じたため、修正しました。
伴って、としました。
ジェットパックによって自動的に浮遊・飛翔する想定です。文がおかしいと感じたので調整しました。
報告書であることを考えると、載せても違和感はありません。
拝読しました。アイデア的にはUVラインなのですが、報告書記事としてのクオリティ面でいくつか違和感を感じたため指摘させて頂きます。
説明の一行目は読者に向けてオブジェクトの外見や特性を端的に表し、イメージの土台を作る事が推奨されます。その大事なタイミングで「後述の」と記述してしまうのは基本的に悪手です。また画像のバックパックは内部に何かしらが入っていそうな膨らみ方をしているので、内容物に関する記述かあるいは開閉不可である事を明記した方が良さそうです。
対象がSCP-XXXX-JPを背負ってから5分ほど経過すると、SCP-XXXX-JPは突如として振動し、横面のドリンクホルダー2つと背面の収納スペースから計3つの小型ガスタービンエンジンを出現させます。変形後のSCP-XXXX-JPの外見は一般的に「ジェットパック」と呼称されるものに酷似しています。
↑自分ならこう書きそうだな〜という一例です。適度取捨選択をお願いします。
直前に呼吸を行っている説明はされていましたが、会話が可能である事、宇宙空間で会話が記録できている理由などは説明されていないため、読唇術の応用などの説明があると読者に親切だと思います。
以上となります。この批評がお役に立てば幸いです。
ありがとうございます。
ご指摘の点について改稿を行いました。