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SCP-3210-JP
アイテム番号: SCP-3210-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3210-JPはサイト-81-109の標準物品収容ロッカーに収容されます。SCP-3210-JPを用いた実験には担当職員3名と倫理委員1名からの許可が必要になります。
説明: SCP-3210-JPは後述の異常性を有する安全ピンです。外見や素材に異常な点はありません。現在までに財団によって16個のSCP-3210-JPが回収されています(各実例ごとに枝番号に指定済み)。
SCP-3210-JPの異常性は、SCP-3210-JPを用いてヒトを刺した際に発生します。この時に刺された人物(対象と記載)の患部からは直径1mmほどの白い糸状物体(SCP-3210-JP-1に指定)が出現します。SCP-3210-JP-Aは対象の体組織によって構成されていることが判明しています。
SCP-3210-JP-1は体外へと引き出すことが可能です。SCP-3210-JP-1を引き出した場合、15m引き出すごとに対象は五感を喪失します。これは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の順に喪失することが判明しています。喪失した感覚を復元する試みは全て失敗に終わっています。
補遺3210-JP.1: 発見
SCP-3210-JPは巷説部門1による「耳から白い糸」として知られる巷説の調査中に、██眼科のカルテの症例に類似するものを発見したことで、該当患者宅から発見されました。当巷説は1980年ごろ2に流通したものであり、内容は「ピアス穴から白い糸が出たので引っ張ったら視力を喪失した」というものでした。しかしながら、視神経は耳を通らないことから当時の情勢3を考えて子供に対する躾のために創作されたものと判断されていました。
補遺3210-JP.2: 実験記録
以下は、SCP-3210-JPを用いて行われた実験の様子をログとして転写したものです。実験は巷説部門職員である寺見研究員の監修で行われています。なお、喪失する感覚とSCP-3210-JP-1の引き出された長さの対比関係は、被験者に対する感覚テストの結果として得られたものであることに留意してください。
実験ログ 3210-JP #012
Record 20██/██/██
被験者: D-3210-12
実施目的: 当該実験は、五感喪失後もSCP-3210-JP-Aを引き出し続けた場合、対象にどのような変化が生じるかを調査す凝ることを目的としています。
実施内容: 拘束状態のD-3210-12にSCP-3210-JPを刺し、出現したSCP-3210-JP-Aをウインチを使って引き出し続ける。
«ログ転写開始»
0:00:01 担当職員によって実験の開始が宣言される。
0:01:03 担当職員がSCP-3210-JPを用いてD-3210-12の耳朶を刺す。D-3210-12が表情を歪める。D-3210-12の耳朶からSCP-3210-JP-Aが出現する。D-3210が驚いた表情を見せる。
0:01:46 担当職員がSCP-3210-JP-Aを1mほど引き出し、ウインチの巻き胴に結びつける。D-3210-12は担当職員の動きを目で追っている。担当職員が実験室から退出する。ドアの閉まる音が記録されている。
0:02:13 担当職員がウインチを起動する。巻き胴が動き出し、緩慢な速度でSCP-3210-JP-Aを巻き取っていく。D-3210-12はウインチのある方向を見つめている。
0:05:35 D-3210-12が絶叫する。この時点で引き出されたSCP-3210-JP-Aの長さが15mを超えていることから、D-3210-12は既に視覚を喪失しているものと推測される。ウインチの動きが停止する。
0:06:24 補助職員が実験室に進入する。D-3210-12がドアの開く音に反応する。補助職員がD-3210-12に視覚の有無について質問する。D-3210-12が視覚を喪失している旨を回答する。このとき、D-3210-12はしきりに「何が起きたんだ」と発言していた。
0:08:11 補助職員が実験から退出する。D-3210-12が「待ってくれ」と発言する。補助職員はD-3210-12の発言を無視して実験室のドアを閉める。ドアの閉まる音が記録されている。
0:09:01 ウインチの動きが再開する。D-3210-12は発汗や血圧上昇などの恐怖反応を示している。D-3210-12は手足を動かそうとするが、拘束具が付属しているため失敗に終わる。D-3210-12が「助けてくれ」と発言する。
0:11:31 D-3210-12が困惑した素振りを見せる。この時点で引き出されたSCP-3210-JP-Aの長さが30mを超えていることから、D-3210-12は既に聴覚が喪失しているものと推測される。ウインチの動きが停止する。
0:12:27 補助職員が実験室に進入し、D-3210-12にいくつか質問を行う。D-3210-12は反応を示さない。同時に測定されたバイタルサインに異常は確認されない。担当職員によってD-3210-12が聴覚を喪失したと判断される。ウインチの動きが再開し、緩慢な速度でSCP-3210-JP-Aを巻き取っていく。
0:15:58 D-3210-12はしきりに「ごめんなさい」や「止めてください」と発言している。D-3210-12が涙を流しながら小刻みに震える。担当職員の指示によって精神安定剤が投与される。
0:20:16 D-3210-12が困惑した表情を示す。この時点で引き出されたSCP-3210-JP-Aの長さは60mを超えていることから、D-3210-12は嗅覚と味覚を喪失しているものと推測される。この推測は後の検証によって実証される。
0:24:47 D-3210-12が不明瞭な発言を繰り返す。D-3210-12の身体が痙攣する。過呼吸になりながらD-3210-12は不明瞭な発言を繰り返している。
0:26:45 D-3210-12が「あっ」と発言する。この時点で引き出されたSCP-3210-JP-Aの長さは75mを超えていることから、D-3210-12は触覚を喪失したものと推測される。この推測は直後に行われた触覚神経テストによって実証される。担当職員の指示により、SCP-3210-JP-Aの巻き取りが継続される。
0:30:22 以降、D-3210-12が10分間に渡って不明瞭な発言を繰り返す。発言は徐々に呂律の回らないものになっていき、最終的には喃語的な発言になる。
0:43:16D-3210-12が奇声を上げる。この時点で引き出されたSCP-3210-JP-Aの長さは100mを超えている。バイタルサインが検出されないことから、暫定的なD-3210-12の死亡判断が下される。この判断は後の医療部門による鑑定を経て正式なものとなる。
0:44:57 担当職員によって実験の終了が宣言される。
«ログ転写終了»
上記実験の後にD-3210-12の死体を解剖した結果、D-3210-12の頭蓋内容物が消失していることが確認されました。これを受けて行われた更なる鑑定の結果、D-3210-12の頭蓋内容物がSCP-3210-JP-Aに変化していたことが明らかになりました。この事実を踏まえて行われた協議により、SCP-3210-JPを用いた実験は凍結されることとなっています。
記事ココマデ/以下ディスカッション
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また、投稿にあたってkihakuさん、Fennecistさん、Tutu-shさんから批評と意見をいただきました。ありがとうございました。
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- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)
長さと五感の対応関係ってどうやって得られたんでしょうか.因果関係があることが当然既知であるように記載されていますが,読者から見ると根拠が不明なので疑問符が付きます.各感覚の喪失は実際に刺激を与えてテストした結果から判断して,何メートル伸びてるからこの辺で[任意の感覚]を喪失するっぽいですね~みたいに議論する方が良いのではないでしょうか.
糸を引きずり出されている最中のDクラスの様相の描写はかなり好むところであるんですが,ヒトの肉体が紐状になって出ていくという要素がSCP-672-JPを強く想起させてしまい,だいぶ強い既視感を受けました.読者に痛みを想起させて臨場感を与えるという観点でSCP-672-JPが題材とするさかむけは相当に強いですし,また人体破壊描写もSCP-672-JPでは徹底されているので,現状のコンセプトではかなり高い先行作品の壁が聳えているように思います.
自分ならSCP-672-JPに勝負を仕掛けることは避けますが,もしこの題材を活かしたいなら,むしろSCP-672-JPのTaleとして視神経の都市伝説と結びつける手もあるのかな,と思ったりでしょうか.執筆頑張ってください.
Tutu-sh