現在このページは批評中です。
クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - 育成と無間の箱
著者: teruteru_5
作成年: 2023
本記事は、CC BY-SA 4.0ライセンスの下で提供されます。これに加えて、本記事の作成者、著者、翻訳者、または編集者が著作権を有するコンテンツは、別段の定めがない限りCC BY-SA 3.0ライセンスが付与されており、同ライセンスの下で利用することができます。
「コンテンツ」とは、文章、画像、音声、音楽、動画、ソフトウェア、コードその他の情報のことをいいます。

SCP-XXXX-JP(収容後に撮影)
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81-109の標準物品収容セル内に収容されます。SCP-XXXX-JPを用いた実験の際には担当職員3名以上の許可が必要になります。
説明: SCP-XXXX-JPは白色かつ立方体の箱です。内部は空洞となっています。収容当時のSCP-XXXX-JPの大きさは5cm×5cm×5cmでした。外見について特筆すべき点は存在していません。SCP-XXXX-JPを構成する物質を解析する試みは、当該オブジェクトの有する破壊耐性によって全て失敗に終わっています。また、通常時のSCP-XXXX-JPは破壊耐性を有しています。この状態のSCP-XXXX-JPは破壊耐性以外の異常性を示さないことが確認済みです。
SCP-XXXX-JPと何かしらの液体が接触した場合、当該オブジェクトは活性化状態へと移行します。活性化状態に移行したSCP-XXXX-JPは発光します。発光の度合いは接触する液体の量によって変化します。また、発光中のSCP-XXXX-JPは複数の異常性を示します。不明な理由により、SCP-XXXX-JPはこれらの異常性の影響を受けません。この理由についての調査は進行中です。
発光後のSCP-XXXX-JPは再度非活性状態へと移行します。特筆すべき点として、発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは発光前と比較して微細ながら大きくなっている点が挙げられます。このことから、研究チーム内では"SCP-XXXX-JPは液体と接触することによって成長するオブジェクトである"という仮説が立てられています。この仮説を実証するために行われた調査についての詳細は"補遺2"を参照してください。
補遺1: 発見経緯
SCP-XXXX-JPは2015/08/21に日本国岩手県盛岡市の住宅街にて発見されました。発見契機はSNSに投稿された「変な箱を拾った」という旨のメッセージであり、このメッセージに興味を持った財団による調査の結果としてSCP-XXXX-JPの存在を認知するに至っています。
以下の記録は、SCP-XXXX-JPの回収時に当時の所持者である酒井 桐馬氏(日本人男性/当時23歳)に対して行われたインタビュー記録の一部抜粋です。インタビュー記録の全容については別紙(付属資料.α)を参照してください。
インタビュー記録 XXXX-JP #002
Record 2015/08/23
«記録開始»
インタビュアー: では酒井さん。あの箱のことについて教えて貰えますか?
酒井氏: わかりました。といっても俺もあの箱のことはよくわかってませんが、それでも良ければ。
インタビュアー: ありがとうございます。では最初にですが、あの箱をどこで拾ったのかについて教えてください。
酒井氏: あの箱は近所のゴミ捨て場で拾ったんですよ。先週くらいにゴミを捨てに行った時に、ポツンと置かれてて。なんだろうな、って思って拾ったわけです。もちろん、ゴミを拾ったりするなんて普通じゃやっちゃだめなことですが。
インタビュアー: ありがとうございます。では次にですが、どうやってあの箱を大きくさせたのですか? SNSの投稿を見るに、拾った時から少し大きくなっているようですが。
酒井氏: 水をあげたんです。そうしたら光って、大きくなって。気がついたら拾った時から一回りくらいは大きくなりましたね。
インタビュアー: なるほど。水をあげようと思ったきっかけと、箱が光ってる時の様子についても聞かせてください。
酒井氏: 水をあげようと思ったのは、本当に偶然のことなんです。たまたま宅飲みしてた時に、うっかり酒を箱に零しちゃったんですよ。そしたら急に光り始めて、んで光り終わったかと思ったらちょっと大きくなってて。
インタビュアー: それで水を掛けると大きくなる、ということを理解したわけですね。
酒井氏: そういうことです。そこからは好奇心と承認欲求ですよ。どこまで大きくなるんだろうとか、バズるだろうなとか。そういう気持ちで育ててました。
インタビュアー: なるほど。では光っている時の箱の様子についてもお願いします。
酒井氏: そうですね。なんというか、箱が光ってる時は暖かい感じがするんですよ。ぽかぽかとしてて、落ち着く感じです。わかりやすく言うと、リラックスする感じです。
インタビュアー: 他にはありませんか?
酒井氏: そうですね。箱が光ってる時の話なんですけど、なんというか、箱の中に命があるように感じるんです。赤ちゃんとか、雛とか、そんな感じの。上手く言えないんですけど、中に何かがいるように感じるんです。
インタビュアー: なるほど。
酒井氏: 俺的には、水をあげることで箱が育って、最終的に孵化する気がするんですよ。鳥が卵を暖めて孵す感じで。まあ、これは専門家でもなんでもない素人の予想ですし、鵜呑みにしない方がいいと思いますが。
«記録終了»
本インタビュー後、SCP-XXXX-JPは財団によって回収されました。回収に際して関係者にはAクラス記憶処理とカバーストーリー「精巧なオモチャ」の流布が実施されました。
補遺2: 実験記録
2015/09/03にSCP-XXXX-JPを用いた実験が実施されました。実験目的は"前述の仮説(説明セクション参照)を検証する"というものです。実験は"SCP-XXXX-JPに水を150mlずつ接触させるごとに様子を記録する"という条件の下で行われました。以下は実験記録の一部抜粋です。実験記録の全容については別紙(付属資料.β)を参照してください。
接触した水量 | 結果(要約) |
---|---|
150ml | SCP-XXXX-JPは1分17秒に渡って発光した。発光中のSCP-XXXX-JPは局所的にクラスⅠ相当の空間歪曲を発生させた。発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは実験前と比べて0.5cmほど大きくなっていた。 |
300ml | SCP-XXXX-JPは3分24秒に渡って発光した。発光中のSCP-XXXX-JPは小刻みに揺れた後に、少量の第六生命エネルギー(EVE)を放出した。発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは実験前と比べて0.75cmほど大きくなっていた。 |
450ml | SCP-XXXX-JPは5分49秒に渡って発光した。発光中のSCP-XXXX-JPは小刻みに揺れた後に未知の型の放射線を放出した。発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは実験前と比べて1cmほど大きくなっていた。この時点でSCP-XXXX-JPの表面にヒビが見えるようになっていたことは特筆すべきである。 |
600ml | SCP-XXXX-JPは7分22秒に渡って発光はさた。発光中のSCP-XXXX-JPは小刻みに揺れた後にサイレン音を発生させた。この音を聞いた職員が漠然とした不安感を抱いたことは特筆すべきである。発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは実験前と比べて1.25cmほど大きくなっていた。 |
750ml | SCP-XXXX-JPは11分36秒に渡って発光した。発光中のSCP-XXXX-JPは大きく揺れた後に局所的なクラスⅢ現実改変事象を発生させた。発光後のSCP-XXXX-JPの大きさは実験前と比べて1.5cmほど大きくなっていた。また表面部全体にヒビが行き渡っていたことは特筆すべきである。 |
900ml | SCP-XXXX-JPは15分47秒に渡って発光した。発光中のSCP-XXXX-JPは大きく揺れた後に内側から破裂した。この際に拡散された破片によって収容室内の設備は損壊または機能喪失に至っている。 |
当該実験後に行われた収容室内の調査の結果、室内からSCP-XXXX-JPに酷似した形状の物体が回収されました。この物体の大きさは1cm×1cm×1cmでした。回収後に実施された調査の結果から、当該物体がSCP-XXXX-JPと同様の性質を持っていることが明らかになっています。これを受けた財団は当該物体をSCP-XXXX-JP-1に指定しました。また、本実験の結果から、研究チームによる仮説は反証されることとなりました。
現在、財団内ではSCP-XXXX-JP-1についての調査が進行中です。
画像ライセンス
ファイルページ: 箱
ソース: こちら
ライセンス: CC BY-SA 4.0
タイトル: File:White Box with White Background.png
著作権者: JOGOS Public Assets
公開年: 2022/06/17
追記:
- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)
rev.7時点です。
説明:の2パラグラフ目の中では「液体」と記述していますが、その後は「水」と記述しています。
ご確認ください。
誤った箇所ではないです(実験では例として水を使ってるだけですし、インタビューでは"水で洗った"という前提で進めているので)。よって修正は行いません。ご了承ください。
失礼します
実験・インタビューに関してはその通りだと思うのですが、
説明2パラグラフ目の「この発光の度合いは接触する水の量によって変化するとされています。」の「水」は「液体」としたほうが良いのではないでしょうか。
「SCP-XXXX-JPと何かしらの液体が接触した場合、オブジェクトは活性化状態に移行します。活性化状態に移行したSCP-XXXX-JPは発光します。」より、水(H2O)を含まない液体でも活性化して発光するように読み取れますので。