SCP-1382-JP - 暗中の救助信号

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アイテム番号: SCP-1382-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 財団の保有する調査船を用いたSCP-1382-JP生息海域 (海域-1382-JP) 観察及び調査が行われます。観察及び調査時のSCP-1382-JP個体の様子は映像記録として保存したうえでサイト-81の生物学研究チームに対して送付されます。SCP-1382-JP個体の挙動に異常な点が確認された場合、財団によって一時的に海域-1382-JPは封鎖されます。

説明: SCP-1382-JPは後述する特性を有したマッコウクジラ (学名: Physeter macrocephalus) です。平均的な全長は16m、体重は25,000kgであるとされています。SCP-1382-JPは太平洋北部にて生息していることが確認されています。 SCP-1382-JPはヒトに対して非敵対的に振る舞います。現在までに財団によって12体のSCP-1382-JPが発見されています。これらの個体は枝番に指定された上で財団による監視下に置かれています。

SCP-1382-JPは高度な擬態能力を有していることが明らかになっています。この能力はSCP-1382-JPが進化の過程で外敵から身を守るために獲得したものであると考えられています。擬態時のSCP-1382-JPの外見は一般的な漁船に類似していることが確認済みです。また擬態時のSCP-1382-JPは難破船の部品などの漂流している人工物を身に着ける傾向にあります。これは自身を大きく見せることを目的とした一種のディスプレー的な行動であると考えられています。

SCP-1382-JPは自身の眼球を発光させることが可能です。この時の明るさは平均して350lx相当であるとされています。SCP-1382-JPは主に夜間の狩猟時や他の個体とコミュニケーションを取る際に眼球を発光させることが確認されています。眼球発光時の状況などからSCP-1382-JPが発した光は一般には漁火や光信号として認識される傾向にあることは特筆するに値します。SCP-1382-JPが眼球を発光させるメカニズムは不明であり現在調査が進行中です。

SCP-1382-JPは財団海洋研究部門によるSCP-███-JP (海棲オブジェクト) の観測実験の際に偶発的に発見されました。発見当時のSCP-1382-JPは自身の特性を用いた狩猟行動を行っていたことが確認されています。当時は暫定的に異常海生生物に指定されていましたが、その後の調査によって現在の異常な特徴が明らかになったためにSCPオブジェクトとしてナンバリングされました。


添付資料: SCP-1382-JP生態観察記録

以下に添付した資料は財団の監視下に置かれているSCP-1382-JP個体の生態について調査した際の記録の一部抜粋です。記録の全容については"付属資料-1382-JP.α"を参照してください。

記録 1382-JP #1
Record 2017/03/14 AM2:11


[記録開始]

0:00.01: SCP-1382-JP-7が海上に出現する。この時点でSCP-1382-JP-7は擬態していることが確認されている。

0:01.07: SCP-1382-JP-7が眼球を発光させる。この時の明るさは370lx相当であると推定されている。

0:03.19: SCP-1382-JP-7の眼球から発せられた光に誘引されるようにして、海上に大量のアオリイカ (学名: Sepioteuthis lessoniana) が出現する。

0:05.35: SCP-1382-JP-7が海上に出現したアオリイカを捕食する。捕食時もSCP-1382-JP-7の眼球は発光していたことが確認されている。

0:13.54: SCP-1382-JP-7が捕食行動を終える。これに伴う形でSCP-1382-JP-7の眼球の発光が終了する。

0:15.26: SCP-1382-JP-7が擬態を解除する。この直後にSCP-1382-JP-7は海中に消失した。

[記録終了]

記録 1382-JP #13
Record 2017/04/11 PM4:11


[記録開始]

0:00.01: SCP-1382-JP-5が海上に出現する。この時点でSCP-1382-JP-5は擬態していることが確認されている。

0:03.42: SCP-1382-JP-5が海上を移動する。この移動は0:24.58時点まで継続される。

0:25.36: SCP-1382-JP-5の前方にSCP-1382-JP-11が出現する。SCP-1382-JP-11は擬態していない。

0:27.03: SCP-1382-JP-5がSCP-1382-JP-11に向かって眼球を発光させる。後の調査により威嚇行動であることが判明している。

0:34.11: SCP-1382-JP-11が海中に消失する。SCP-1382-JP-5が眼球の発光を終了させる。

0:35.27: SCP-1382-JP-5が海上を移動する。この移動はSCP-1382-JP-5が海中に消失する1:21.56時点まで継続される。

[記録終了]

記録 1382-JP #34
Record 2017/04/21


[記録開始]

0:00.12: SCP-1382-JP-3とSCP-1382-JP-12が海上に出現する。両個体は擬態していないことが確認されている。

0:03.31: SCP-1382-JP-3がSCP-1382-JP-12に対して接近する。両個体が一緒に泳いでいる様子が記録されている。

0:12.03: SCP-1382-JP-3がSCP-1382-JP-12に対して眼球を点滅させるようにして発光させる。後の調査により求愛行動であることが判明している。

0:14.17: SCP-1382-JP-3がSCP-1382-JP-12に対して接触する。この状態は0:37.11時点まで継続される。

0:38:25: SCP-1382-JP-3が海中に消失する。それに伴うようにしてSCP-1382-JP-12も海中に消失する。

[記録終了]


添付資料: インシデント-1382-JP

2017/05/13、海域-1382-JPを民間船舶が通過した際に、複数のSCP-1382-JP個体が海上に出現して眼球を点滅させるようにして発光させる事案が発生しました。当事案による一般社会への影響は確認されていません。

当事案を受けて財団は該当の挙動について調査を実施しました。その結果として、該当の挙動をとっていたSCP-1382-JP個体は全てオス個体であったこと、眼球の点滅パターンがモールス信号における"SOS"と同様のパターンであったことが明らかになりました。

また、当事案が発生して以降、SCP-1382-JP個体は財団の調査船に対して体当たりをするなどの敵対的挙動をとっています。特筆すべき点として、財団の調査船以外に対して敵対的挙動を示していない点が挙げられます。このことから財団は、SCP-1382-JP個体は高い知性を有しており、自身が財団による監視下に置かれていることを理解しているものと推測するに至りました。

現在、SCP-1382-JP個体に対する今後の収容対応についての議論が行われています。


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