【Xコン: 無】SCP-732-JP - 誰にでも癖はあるもので

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SCP-732-JP (収容以前に撮影)

アイテム番号: SCP-732-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-732-JPはサイト-8174の標準人型収容セル内に収容されます。SCP-732-JPを用いた実験には担当職員1名以上の許可が必要となります。SCP-732-JPの担当職員は必要に応じて記憶処理を含めた精神治療措置を受けることが許可されています。

説明: SCP-732-JPは日本人男性である坂口 和夫 (収容当時32歳) です。SCP-732-JPに身体的・精神的異常は確認されていません。また、収容後に行われた各種検査の結果、総合的なスコアは同年代の日本人男性の平均値を3%ほど上回る結果を記録しています。

SCP-732-JPは不定期に自身の身体の内外を反転させます。反転開始時、SCP-732-JPは口腔から"吐き出す"ようにして自身の身体の内側部分を出現させます。既知の事例より、身体の内外の反転はおよそ1分ほどで終了することが確認されています。反転終了時、SCP-732-JPの身体の内側部分は口腔内に"吸い込まれる"ようにして消失します。内側部分が消失したあとのSCP-732-JPの外見に変化は見られていません。

SCP-732-JPは民間人からの通報によって発見されました。発見場所は東京都台東区に存在している居酒屋であり、通報内容は"飲み会してたら後輩の身体が突然裏返った"というものでした。これを受けて財団エージェントが現場に急行し、通報者含む周辺人物に対する聴取の結果として、SCP-732-JPはアノマリーとして収容されることとなりました。また、SCP-732-JPの収容に伴い、関係者に対してカバーストーリー「酔っ払いの幻覚」を流布するに至っています。


補遺.01: 以下の記録はSCP-732-JPと収容担当者である箕田博士の対話記録です。対話はSCP-732-JPの異常性の起源を探る目的で実施されました。また、対話を円滑に進行させるためにSCP-732-JPに対して自身の異常性内容を開示している点に留意してください。

インタビューログ #1
Record 2017/06/27


[記録開始]

箕田博士: では坂口さん。異常性の起源について教えてください。

SCP-732-JP: わかりました。……と言っても起源らしい起源なんてないですが。

箕田博士: というと?

SCP-732-JP: この異常性は生まれつきのものなんです。自覚したのは5歳くらいでしたが……きっと生まれつき持っていたんだと思います。

箕田博士: なるほど。何故自覚するに至ったのですか?

SCP-732-JP: きっかけは出来心だったんです。確か、なんとなくで"凄いことをしたい"って考えて、それで色々やったんです。

箕田博士: それで身体が裏返ったと。

SCP-732-JP: そういうことです。それから異常性を自覚するようになった感じですね。

箕田博士: なるほど。今も異常性を行使する理由についても教えていただきたいです。

SCP-732-JP: 今も異常性を行使する理由……特にないですね。でもまあ、強いて言うなら癖になってるんだと思います。

箕田博士: 癖、ですか。

SCP-732-JP: はい。僕にとっての異常性の行使は、指パッチンとか貧乏ゆすりとかと同じ感覚なんです。気付いたらやってる……みたいなものですかね。

箕田博士: なるほど。……そういえばですが、先日の飲み会の時以外に人前で異常性を行使したことはありますか?

SCP-732-JP: ……小学生の時に1回。特技を披露する感覚でやったことがあります。まあ結果としてクラスメイトは大泣きしちゃって。それからは極力人前では異常性を使わないようにはしてましたね。

箕田博士: では何故飲み会の時に異常性を行使したのですか?

SCP-732-JP: あれは……酔ってたんです。久々の飲み会ってこともあってはしゃいじゃって。結果として歯止めが効かなくなって、うっかり。……本当申し訳ないです。

箕田博士: なるほどです。

SCP-732-JP: 本当に……本当に申し訳ないです。

[複数回に渡ってSCP-732-JPが謝罪の意を口にする様子が記録されている]

[記録終了]


終了報告書: 本インタビューよりSCP-732-JPの異常性が先天性のものであることが明らかになった。またSCP-732-JPは"極力異常性を使わないようにする"旨の発言を行っている。

補遺.02: 収容から1ヶ月が経過した時点において、SCP-732-JPの挙動に変化が確認されました。変化内容は"異常性行使時間の増加"というものでした。この結果としてSCP-732-JPの異常性行使時間は平均して1時間ほどになったことが確認されています。これを受けた財団は、挙動に変化が生じた理由について探る目的でSCP-732-JPに対してインタビューを実施しました。以下はインタビュー記録の一部抜粋です。担当者は箕田博士でした。

インタビューログ #2
Record 2017/07/23


[記録開始]

箕田博士: 異常性を行使する時間が増えた理由について教えてください。

SCP-732-JP: そうですね……短い時間じゃ足りなくなったから、ですかね。

箕田博士: 足りなくなった、とは?

SCP-732-JP: 今まで黙ってたんですけど、僕、人に自分の身体の内側を見せることが大好きなんですよ。

箕田博士: はあ。

SCP-732-JP: なんというか自分の内側を見せることに対して快感とか楽しさとかを感じてて。本当だったら色んな人に自分の内側を見せたいんですよね。

箕田博士: 続けてください。

SCP-732-JP: でもそんなことしたら"変な奴"って思われるじゃないですか。だから今まで我慢してたんですよ。

箕田博士: まあ、そうですね。

SCP-732-JP: だけどここに来てからは我慢する必要がなくなったんです。だって誰も変な目で見ませんから。安心して身体の内側を見せることが出来るんです。

箕田博士: いつ頃から自分の内側を見せることが好きになっていたのですか?

SCP-732-JP: 多分ですけど小学生の頃だと思います。1ヶ月くらい前に"特技を披露する感覚でクラスメイトに見せた"って言ったじゃないですか。大体あの辺りですかね。

箕田博士: なるほど。

SCP-732-JP: なんというか"いけないことしてる"って感覚が最高で。あれ以来すっかり虜になっちゃって。

箕田博士: ……疑問なのですが、ここに来るまでの間はどうやって我慢していたのですか?

SCP-732-JP: 身体を裏返した状態で夜の路地裏を歩いたり、家の中で過ごしたり……って感じで我慢してましたね。たまに鏡に自分の内側を映して眺めたり……ともしてました。

箕田博士: "その様子が見つかったらどうしよう"とは思わなかったのですか?

SCP-732-JP:そりゃ思いましたよ。でもそのリスクがまた堪らないんですよね。"見つかったら"って考えるとゾクゾクしちゃって。そのゾクゾクがあったからこそ我慢できた感じですかね。

箕田博士: ……なるほど。

SCP-732-JP: まあとりあえず。今まで短い時間で満足出来てたのが出来なくなったんです。だから長い時間に渡って異常性を使うようになったんですよ。にしても不思議ですよね。今まで短い時間で満足してたのに。慣れちゃったとか、そう言った感じのアレなんですかね?

箕田博士: 私には分からないですね。まあ一先ずインタビューはこれで終わりとなります。

SCP-732-JP: 分かりました。

[SCP-732-JPが沈黙する]

箕田博士: どうしましたか?

SCP-732-JP: ……ふと思ったんですけど、博士も自分の内側を周りの人に見せてみませんか?最高に気持ちいいですよ。

箕田博士: 遠慮しておきます。

[記録終了]


終了報告書: 本インタビューからSCP-732-JPが"異常性を行使する理由"や"異常性行使時間が増加した理由"が"快感を得るため"であることが明らかになった。またインタビュー終了後、箕田博士は精神の不調を理由として記憶処理を希望した。希望は受理され、当日中にAクラス記憶処理が実施された。

補遺.03: 収容から2ヶ月が経過した時点において、SCP-732-JPが異常性を行使する頻度は増加傾向にあります。主に異常性を行使するタイミングは職員がSCP-732-JPの収容セル内に進入する際となっています。このため、SCP-732-JPの収容セル内に進入した人物の多くが重度の精神的ショックを負う結果となっています。また、SCP-732-JPは職員に対して"見せつける"ようにして異常性を行使しているものとされています。


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執筆者: teruteru_5
文字数: 4964
リビジョン数: 27
批評コメント: 2

最終更新: 12 Aug 2023 17:35
最終コメント: 26 Jul 2023 14:09 by teruteru_5

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タイトル: タイ 風景 歩く男 ハイキング 背面図 白のシャツ
著作権者: papoutsis89
公開年: 2016
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