氷の上で君と二人
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通達(2021/09/17)


SCP-████-JPの収容違反が発生しました。これに伴い、FK-クラス: 全球凍結シナリオの発生が確認されています。現在までに██℃の気温低下、██mの降雪、海洋地域の氷結が地球全域で確認されています。



 状況説明のために文書に書き出す。2021/09/17にKeterクラスアノマリーであるSCP-████-JPの収容違反が発生した。この影響で世界は氷河期となった。雪が馬鹿みたいに降って、海や湖は凍り……しまいには気温が低下したせいで絶滅する種族も出てきているという。幸い、俺のいるサイト-81██は電力システムもしっかりしてるし、気温調整もしっかりしてるからしばらくの間は大丈夫だが。



 今日もただ過ごすだけだった。外に出ることもできないから日記でも書いてみようと思う。


 今日は特に何もなかった。味のしない非常用食料の乾パンを食って、苦味だけが残るコーヒーを啜っただけで、他は寮の自室にいてベッドの上から動くことはなかった。サイトがアノマリーによって吹っ飛ばされたりしたら動かないといけなくなるのかな、と思ったりしてる自分がいる。……なんか嫌だなぁ。安全な住環境がなくなるのは。



 今日も何もなし。布団の上で寝てるだけだった。


«15日分のエントリーを削除»



 まずいことが起こった。まさか、「アノマリーにサイトが吹っ飛ばされったら」って書いたことが実際に起こるなんて。サイト-81██がSCP-███-JP……異常性を有する核爆弾のアノマリーによって吹っ飛ばされてしまったのだ。電力設備をはじめとするあらゆる設備も使い物にならなくなって、サイト本部が使えなくなって焼け野原となってしまった。寮はある程度サイトから離れているから大丈夫だったが。……どうやらここから出るしかないようだ


 やはりサイトは焼け野原と化していた。管制室のヒトは半溶解している死体だったし、食料も全て燃えカスになっていた。地下の収容設備にある手ごろなアノマリーを回収して、サイトを後にしようと思う。……この後はどうしたものか。とりあえず、元凶のSCP-████-JPは破壊しようと思う。こんな状況になったんだ。殺したってなにも言われないだろ。



 サイト-81██を後にした。持ってきたアノマリーは燃料切れしないライターと破壊耐性持ちのナイフに、叩いたものを木っ端みじんにするネイルハンマー。とりあえずはサバイバルで使えそうなものを持ってきた。ひとまず、SCP-████-JPを探そうと思う。桜島の収容サイトに収容されてたはずだから、とにかくそこまで移動する。東京の端までの半大陸横断だ。性質上、SCP-████-JPは動けないだろうし、動いたとしても遅いだろう。

今日は釜倉を掘ってそこで寝る。普通の寝袋とか最低限の生活用品は持ってきてるからしばらくは持つだろう。



 道中、GOCの基地の中を訪れた。都内にGOCのアジトがあるとは驚きだった。アジトの中はもぬけの殻で、人ひとりいない。とにかく、移動手段の車と、いくつかの重火器があったからそれらをかっぱらう。車のガソリンは満タンだし、燃料タンクも5Lを6個持ってきてるからほぼ確実に桜島まではつけるだろう。とにかく内部を探索してみる。


施設の中は閑散としていた。GOCが排撃しようとしているであろうアノマリーについてまとめた文書の置かれた資料室に、寮設備、その他訓練室があった。だいたいこんなのが3階まで続いてるだけで、他には面白そうなものはなかった。少し食料をくすねていたら外は夜になってしまっていた。今日はここの寮で寝るとしよう。



 朝4時に起きて、車に乗り込み、GOCのアジトから出発した。雪にハンドルを取られないよう、大体時速60kmで運転してる。途中で浅草の雷門や、東京スカイツリーが見えたが、その全ての一部が雪に埋もれてしまっていた。流石に全部埋もれてる訳では無いが流石に違和感が凄い。なんか初めて見る感じで新鮮だなあとか呑気に思いながらドライブを楽しんだ。こういう時こそ楽しまないとな。



 東京を抜ける途中、多くのアノマリーを見た。道に迷うアノマリー、街を破壊するアノマリー、自死を選ぶアノマリー。兎に角沢山だ。財団がほとんど機能しなくなって、大手を降って歩けるようになったんだからこれくらい許そうと思って殺しは基本的にしてない。まあ、巨大なムカデのアノマリーは襲ってきたからネイルハンマーで砕いたけど、これは正当防衛だししょうがないと思ってる。今日はこのまま寝ずに走らせ続ける。明日の朝には東京を出てるだろう。



 丸一日寝ないで車を走らせ続けたらいつの間にか静岡に来ていた。単純計算で目的地まであと1/10。恐らくはここから1週間ほど掛かるだろう。体力は削れてきてるけど我慢するんだ。機動部隊員の俺なら行けるだろ。頑張ろう。あと、久しぶりに食料と水分を取った。ライターで雪を溶かして水にして飲み、乾パンを食べた。味がしないけど、久々の食事というだけで心が踊った。メシって大事なんだな。食えれば良いとだけおもってた。



 気が付いたら寝落ちてた。大体5時間くらい寝たと思うけど定かじゃないから分からない。兎に角、車をその場に置いて雪の上で寝転んでいた。そのせいかとても背中が濡れてるし冷たいしで気持ち悪い。変えの服でも持ってくれば良かったかな。あと、SCP-███、金属の羽を持つ鳥を見た。こちらに危害を加えてはこなかったから攻撃はしてないが、目の前に金属の羽が落ちてきた時は死ぬかと思った。でも、俺は生きてる。生きて、今を過ごしてる。明日も生き続けるんだ。


«3日分の記録を省略»



 ここ数日、日記の時間を極力運転に割いていたからか、九州まで到達することができた。マジであっという間で驚いてる。多分ムンクの叫びみたいな表情してると思う。兎に角、いよいよ佳境だ。ただ、今日はもう進めそうにない。目の前には35体程のSCP-3199がいる。確か熊本のサイト-8115に移送されていたとは聞いていたが、脱走していたとは。兎に角、今は身を隠しているがいつバレるか分からない。明日生きていることを祈るしか無さそうだ。



 持ってきた銃火器で3199よ奴らを殺しまくった。反動制御が難しかったり、指を1本持ってかれたけど死んではいない。今は止血して消毒とかの簡易的な治療をしながら書いてる。カメラでクソみたいな3199を殺しまくってる勇姿を撮ってみたが、画質がクソだったのと思ったより死に際の3199の表情がグロくてキモかったからファイルデータごと破棄した。マジでキモイ。まだ脳裏に焼き付いてる。食われた指は小指だし、差程支障はない。これが親指なら流石に不味かったけど。あと、返り血浴びまくったから風呂に入りたい。生臭くて鉄臭い匂いを身にまとって歩きたくない。



 ちょっと休んで水浴びをした。ライターで湯を沸かして、それをアタマから被る。勿論服は脱いでる。めちゃくちゃさっぱりした。温泉や風呂に入ると疲れが取れるっていうやつが分かった気がする。あと、持ってきた破壊耐性ナイフが全くもって役立たない。接敵は銃火器かネイルハンマーで攻撃すればいいし、別に食料も切る必要がない。要らないと判断したので捨てた。元気でやれよ。



 熊本を抜けた。くまモンの看板が埋もれてるのを見て何故か笑いが込み上げてきてしまい、1人で大爆笑してたが何ら問題はない。よく変なところが笑いのツボに入ることはあるし。熊本には想像以上にアノマリーが居た。芋虫型の動く肉塊に、プテラノドンみたいな翼竜、手がいっぱい生えている化け物。多分サイト-8122に収容されてたものだろう。何故外に出ているか分からないが、何かむしゃくしゃしてたため肉塊を砕いて翼竜を撃ち落とし化け物に弾丸をお見舞いした。何かさっぱりした気がする。収容より破壊の方が楽じゃん。



 桜島の近くまで来た。いよいよ全てが終わる。本当に、本当に終わるんだ。元凶を殺すことで気温低下が無くなるから数年後には元通りだ。……本当は少し不安だ。遺書も書いたし。死ぬかもしれないと思うと手が震えてくる。怖い。もし殺せなかったらどうしようとも思ってしまう。一応、遺書はこの下に添付してる。




 サイトに突入した。中の気温は-5℃。正直言ってめっちゃ寒い。今からSCP-████-JPを殺してくる。日記はこれが最後になると思う。何としてでも生き延びて、変わった世界を見るんだ。



 
 
 
 












teruteru_5



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執筆者: teruteru_5
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最終更新: 03 Jan 2023 15:10
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