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以下は財団外時間大深度アーカイブから自律的に送信された事が確認されている文書 - SCP-███-JPであり、現時点で特別復旧手順に基づき復旧されています。送信元はAU-0011であるとされており、この文書の送信は修復不可能な終末的事象が発生したことを意味します。添付された資料を精密に検査した結果、当該報告書は如何なる場合であっても外部への情報漏洩に繋がる可能性を否めない事から、可能な限り存在を秘匿される事が決定されました。アイテムナンバーは、機密性を加味した上でSCP-001-JPに分類されています。また、機密性の観点から可能な限り当報告書へのアクセスを試みないでください。
特別定義/Hēlios: 更新されたファイル - 監督者議事録で締結された内容より、当該オブジェクトは正式にHēliosへと特別定義されました。(特殊ステータス-Hēlios: アイテムは収容するべきでなく、同時に世界規模での正常性を維持する必要があります。)
特別収容プロトコル: SCP-001-JPの収容は、正常性の再定義等の要因による一般社会への影響を考慮し、収容すべきではないと判断されています。SCP-001-JPの維持を行うため、シュバルツ=インカサン時間軸維持層によるSCP-001-JPの維持や、異常が無いか確認するため、機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")から選出されたメンバーによる定期的な観測及び報告を行います。SCP-001-JPによる基底現実への影響は、Nクラス情報隠蔽措置によって隠蔽、偽装されます。
説明: SCP-001-JPは、時間軸に関して発生する精神影響及び正常性構成要素の一つである時間の概念的異常です。SCP-001-JPの収容は基底現実の時間概念の完全な収容であり、このことから、SCP-001-JPを収容することは正常性の構成要素の一つの収容にあたり、正常性の再定義などによる一般社会への影響が図りしれないため、現在まで収容は行われておらず、定期的観測や時間概念の維持等の活動が収容プロトコルとして制定されています。このため、SCP-001-JPのオブジェクトクラスは現在Hēliosに分類されています。
SCP-001-JPの異常性として、時間軸への著しい損傷や他の時間軸の喪失等が挙げられます。この結果、基底現実への影響として、例として以下の物が挙げられます。
以上の現象などの基底現実現実への影響は、財団によって行なわれた大規模情報操作により現代科学によって解明された現象、あるいは未解明事象、一般的な病などとして一般社会に公開されています。
SCP-001-JPの正確な起源は判明していませんが、最低でもエジプト文明創立後の太陽暦制定時点では、既に存在しており、太陽暦を用いてSCP-001-JPを観測する試みが行われていたと推測されています。
更新内容 001-JP-1: 2020/8/7にSCP-001-JPの形而下表象の転写を行った結果、SCP-001-JPが巨大な概念的異常存在であることが判明しました。SCP-001-JPのその形而下表象の転写4によるところ、SCP-001-JPの外見は「歳を重ねた老人」と表現されるようなものであることが判明しており、財団概念存在年代測定器による測定の結果、138億年前より存在していたことが明らかになっています。このことから、SCP-001-JPは現在の基底現実の宇宙空間構築と同時期に発生あるいは誕生していたことが判明しています。SCP-001-JPの外見観測から、SCP-001-JPには年齢あるいは寿命が存在するものと推測されます。これをうけ、財団概念存在研究部門部門長であるインカサン・ヒューズ主席研究員に対して見解を求めるインタビューが実施されました。
インタビュー記録 001-JP-1
インタビュアー: ミュー博士
対象: インカサン・ヒューズ主席研究員
<記録開始>
ミュー博士: ではインカサン主席研究員。SCP-001-JPについての見解を教えてくれませんか?
インカサン主席研究員: ああ、分かった。まず、SCP-001-JPだが、あれは無数の平行時間軸で構成されたある種の生物だろう。
ミュー博士: もう少し分かりやすく。
インカサン主席研究員: そうだな。(数秒間沈黙)001-JPは私たちが住むこの世界を細胞として活動している訳だ。
ミュー博士: …なるほど。ではSCP-001-JPが老人の姿をしている事についてはどう考えて?
インカサン主席研究員: それはそのまんまの意味さ。SCP-001-JPはもう既に崩壊への道を辿っている。
ミュー博士: 崩壊への道?
インカサン主席研究員: ああ。私達の部門での研究や形而下表象を用いた観測の結果、SCP-001-JPは他の生物同様に寿命が存在することが明らかになっている。簡単に言うと、私達を内包した「奴」が「生きている」という事…それが私達に「時間を感じさせている」のである、という事だ。
ミュー博士: なるほど。
インカサン主席研究員: それはつまり、SCP-001-JPは「形而下表象の結果老人のような巨大実体である」と表現されているが、あれは外見だけの問題じゃないという事だ。内部も既にかなり老いてきている。
ミュー博士: 続けて。
インカサン主席研究員: SCP-001-JPは138億年もの間、生きてきた。それはSCP-001-JPが寿命を迎えるのに値する年月で、崩壊、ないし老死はもう目前に…いいや、違う。既に崩壊は始まっているんだ。現状は末端から壊死していってる感じだ。
インカサン主席研究員: その結果、地球の一日の時間は不安定になっているし、時空間異常などの時間のバグも生じているんだ。
ミュー博士: なるほど。もし、SCP-001-JPの寿命が完全に尽きた場合どうなるんですか?
インカサン主席研究員: そうなったときはおそらく、時は止まった世界か、明日の無い世界で私達は生きていかなければいけなくなる。
<記録終了>
本インタビューの結果、財団概念研究部門内ではSCP-001-JPの"寿命"が既に迫っていることが判明しました。このことから、SCP-001-JPの"寿命"の延命を目的としたプロジェクトである、プロジェクト Life Extensionが監督評議会内で可決されました。プロジェクト Life Extension構成員は監督評議会メンバー、財団概念研究部門、時空間研究部門の人員より選出することが決定されました。
SCP FOUNDATION
PROJECT LIFE EXTENSION
序文: 本プロジェクトは、プロジェクトチームの現段階の目的である、SCP-001-JPの"寿命"の延命を半永久的に達成するため、立案されたのが当該計画「プロジェクト Life Extension」です。
計画概要: 現在、SCP-001-JPは生物学的要因により非常に"寿命"を消耗していることが判明しています。また、SCP-001-JPは基底現実に密接に関係し、相互作用をもたらしていることから、SCP-001-JPの隔絶は正常性の再定義等の理由により不可能であるとされています。また、SCP-001-JPは基底現実に密接に関係し、相互作用をもたらすため、SCP-001-JPの死亡はTK-クラス"死した時間軸シナリオ"5の発生が考えられています。当該計画に必要とされる機材は以下の通りです。
- スクラントン現実錨
- シャンク-アナスタサコス恒常時間溝
- アンダーソン=ケプラー因果隔絶機構
- ハルトマン霊素防御壁
- シュバルツ=インカサン時間軸維持層
以下はプロジェクトの始動より現在までの公式記録です。
2048/2/5: プロジェクト始動。第1次搬入物品の製造ライン稼働開始。製造部門に搬入物品の設計図等の情報が開示される。
2048/5/8: サイト-13をはじめとする複数サイトを経由し、プロジェクト総本部に機材が搬入される。
2048/6/11: 第2次搬入物品の製造ライン稼働開始。
2048/7/14: 第一次搬入同様に機材が複数サイトを経由してプロジェクト総本部に搬入される。
2048/9/15: プロジェクト総本部で各種機材が起動される。評議会メンバーをはじめとする主要人物は退避済。
2048/10/30: プロジェクト実行開始。詳細は別資料参照。
全ての手順は正常に終了しました。現在までSCP-001-JPの延命措置に成功しています。
事態が急変しました。詳細はデータファイルを参照してください。
調査報告書 001-JP
計画進行状況: 進行中 - Green
撹乱クラス: [現在審議中]
所在地: 複数時間軸内に同一存在として存在。
プロジェクト Life Extensionの実行により、SCP-001-JPの延命に成功しました。これにより、SCP-001-JPによるTK-クラス"死した時間軸シナリオ"の発生の阻止に成功しましたが、これに伴い、異常なまでの時空間異常の発生や、既視感等の影響の発生件数が上昇しています。これは、SCP-001-JPを無理に延命したことによりSCP-001-JPの"体内構造"が著しく改変された、あるいはされているからだと推測されます。
今回の本質的な問題は複数の時空間異常の発生になります。この影響は財団が想定していたものより遥かに大きく、複数の時空間異常専用収容サイトが複数配置されるまでに至っています。これは民間部に近い地点でも発生することが危惧されており、このことからヴェールプロトコルの見直しなどがプロジェクトチームを中心に行われています。
このことから挙げられることは、財団の敗北とSCP-001-JPの寿命が一歩ずつ近づいていることです。SCP-001-JPの"寿命"を無理に延命したせいで、更にSCP-001-JPのガタが出てきたと推測されます。来るはずのない未来を望んだ結果がこれなのでしょうか。
ープロジェクトチーム研究主任
財団概念研究存在部門 インカサン・ヒューズ
この事態を受け、財団は多元時間軸の関係者に対して、プロジェクト本拠地であるサイト-01-WSに存在する多元時間軸通信装置を用いたインタビューが行われました。以下はインタビュー記録です。
インタビューログ 001-JP
前文: 本インタビューは多元時間軸のメンバーに対して行われたものであり、許可なき傍聴は禁止されています。
メンバー:
- O5-1 - 出力時間軸№: AU-001
- ピエトロ・ウィルソン - 出力時間軸№: AU-5000
- オーガス - 出力時間軸№: AU-1000
- エージェント・ジャック - 出力時間軸№: AU-2000
<記録開始>
O5-1: お集まりいただき感謝します。
ピエトロ・ウィルソン: まさか監督者様が直々にいらっしゃるとは、お会い出来て光栄です。
オーガス: 御託は良いです。本題の説明をお願いします。
O5-1: では本題に移るとする。今回集まってもらったのは、時空間異常の増加について話し合うためである。
エージェント・ジャック: ふむ。私のいる時間軸ではまだそこまで時空間異常は発生していませんね。
O5-1: なるほど。しかし、このまま行くと、複数の時間軸で大量の時空間異常によるなんらかのK-クラスシナリオが発生するか、ヴェールプロトコルが崩壊すると我々の世界では考えている。
オーガス: ふむ。しかし、本来異常と正常は共存するもの。SCP-001-JPだって、正常とともに生きて、人生を歩んできた。もしかするとこれはSCP-001-JPの正常への怒りかもしれぬ。
エージェント・ジャック: そう考えるとある程度辻褄が会いますね。今後、私の時間軸でも時空間異常オブジェクトに対する対策を練るとしましょう。
ピエトロ・ウィルソン: 私の世界では複数のアノマリーが現在野放しになってます。今やヴェールプロトコルなき世界も同義であり、人々はアノマリーとの共存の姿勢を見せています。これからはアノマリーを世間から遠ざけるのではなく、アノマリーと人々の距離を近づけるのも一つの手かと考えられます。
O5-1: ふむ。その通りなのかもしれない。しかし、我らの理念を忘れたのか?我らの理念は人類を異常から遠ざけ、異常を確保し、脅威を収容し、正常を保護することだ。我らが人類と異常の距離を近づけてしまっては、それこそ財団は最早意味を成さないだろう。
エージェント・ジャック: それは違うかと。ヴェール無き世界でも、我らには危険、脅威から世界を守るという義務がある。それがある限り、財団の意味がなくなることはないんだ。
オーガス: まあ、要するに時空間異常の対処や協力を我々に頼みたい、ということだろ?
O5-1: ああ。頼む。我ら財団に力を貸してくれないか。
オーガス: いいぜ。財団に協力すると決めよう。
エージェント・ジャック: 異議無し。
ピエトロ・ウィルソン: 異議無し。
<記録終了>
本インタビューの結果、財団は既存の時間軸の正常性維持機関との協同関係を築くのに成功しました。
ページコンソール
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- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)
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