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███駅内で撮影されたSCP-2261-JP。異常性によって白黒になっている。
アイテム番号: SCP-2261-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2261-JPはその性質上収容は不可能であるとされています。SCP-2261-JPに関連するSNS等の投稿は財団webクローラ(I/O-KUEHIKO)によって常時監視され、発見され次第投稿主の特定並びに投稿主へのAクラス記憶処理と情報の削除を始めとした隠蔽作業が行われます。
説明: SCP-2261-JPは、日本全土に出現する体長10cmから30cmの人型実体です。SCP-2261-JPの外見は一般的な1歳児のものと概ね一致しますが、外見の特筆すべき点として性器が存在していない点、常に笑顔と言われる表情である点が証言より挙げられます。
SCP-2261-JPは手に大きさ5cmから20cm程の文字が記入された紙を持った状態でランダムな人物(以下、対象)の前方に出現します。監視カメラ等の記録の周囲の人物の様子から対象以外にはSCP-2261-JPは認識されていないものと推測されています。紙には黒色の油性マーカーペンで「もう一歩前へ」と記入されており、この文字列を認識した人物は、前方に一歩前進することが確認されています。これが精神影響によるものなのかは判明していません。SCP-2261-JPを撮影した場合、撮影画像は未知の原因によって白黒画像に変化します。
SCP-2261-JPは、2017年08月17日にSNS上に「小人がいた」という旨の画像付きの投稿によって観測されました。当初は幻覚による見間違いとして処理されていましたが、その後もSNS上で複数人が同様の内容の投稿を行ったことで何らかの異常存在が関与しているとして財団の注意を惹きました。その後、聞き込みや調査を行った結果、現在のSCP-2420-JPに関する情報が判明しました。以下は、書き込みを行った人物である水瀬 璃空氏に対するインタビュー記録の抜粋です。
インタビュー記録 2261-JP.1
インタビュアー: 双雨博士
対象: 水瀬 璃空氏
[記録開始]
双雨博士: では璃空さん。あなたが見た、という小人の外見はどのようなものだったか聞いていいでしょうか？
水瀬氏: いいですよ。信じてくれるなら、ですけど。
双雨博士: 分かりました。信じます。
水瀬氏: [数秒沈黙]見た目は普通の男の人みたいでしたね。確か、「もう一歩前へ」って書かれた紙を持っていた気がします。あとは、笑ってました。
双雨博士: 笑っていた、とはどのような感じで笑っていたのか教えてくれませんか？
水瀬氏: あー、その、こんな感じで微笑んでましたね。[水瀬氏が微笑む]
双雨博士: 分かりました。では、その小人を見てから何か変わったことはありますか？
水瀬氏: ありますね。
双雨博士: どのようなことがあったのか聞いてもいいですか？
水瀬氏: いいですよ。あの小人を見てから、何か勇気が湧いてきて、今まで出来ないで止めていた学級内でのいじめとかに注意できたりとか、その、クラスで気になっている子に告白できたりとか、告白は成功したので、最初は気味悪かったな、と思ってましたが、今は感謝してます。
[記録終了]
終了報告書: 本インタビューから、SCP-2261-JPの持つ紙には、精神的な影響力があると推測されます。また、水瀬氏にはAクラス記憶処理を施した上で開放しました。
本インタビューの後に行われた実験の結果、SCP-2261-JPの持つ紙には精神的な強制力あるいは影響力があることが判明しました。
補遺1:2018/09/23に、SCP-2261-JPによる事案が複数発生しました。以下は、発生した事案の一部抜粋です。
- 駅のホームでの転落事故。付近の防犯カメラを確認した結果、対象者の目前にSCP-226-JPの存在が確認された。
- 壁に向かってベビーカーを押し続ける女性。回収されたベビーカーには大量の血痕が付着しており、乗車していた子供は圧死していたことが判明。付近の監視カメラを確認した結果、対象者の付近の影から計███体のSCP-2261-JPが紙を持って立っている様子が確認されている。
- 都内の立ち食い蕎麦屋での火傷事故。蕎麦屋の店主が鍋に頭から入った様子が確認されている。店内に設置された防犯カメラを確認した結果、鍋の奥にSCP-2261-JPの存在を確認した。
現在、なぜこのような行動を起こしているのか、2つ目に抜粋された事案から、SCP-2261-JPの総数について調査が行われています。
補遺2: 2019/10/15に、新興宗教のメンバーの確保に至りました。該当する新興宗教はSCP-2261-JPを信仰しているものであることが宗教施設の徹底的な捜査の結果判明しています。また、さらなる調査を行った結果、SCP-2261-JPの影響を受けた人物によって出来たとされる企業が██件、宗教組織が██件発見されました。現在、該当組織を総称してGoI-2261-JPに分類され、財団によって異常な動きがないか監視されています。以下はGoI-2261-JP構成員に対するインタビュー記録の抜粋です。
インタビュー記録 2261-JP.2
インタビュアー: 双雨博士
対象: PoI-2261-JP-1
[記録開始]
双雨博士: では、なぜ宗教をつくったのかについて教えて下さい。
PoI-2261-JP-1: 何故も何も、あの神を崇める為ですよ。
双雨博士: 神？
PoI-2261-JP-1: あなた達がいう小人です。神は人々をお導きする素晴らしい力を持っているのです。
双雨博士: その力、というのは？
PoI-2261-JP-1: 色んな意味で一歩前へ導いてくれる力ですよ。精神的にも、肉体的にもね。
双雨博士: 分かりました。では、活動目的について教えて下さい。
PoI-2261-JP-1: 神を広める為です。そう神からお告げがありました。神はより多くのところに行って人々をお導きになられる様です。
双雨博士: 何故、小人は多くのところに行きたいと言っているのかわかりますか？
PoI-2261-JP-1: 言ったじゃないですか、人々の為ですよ。私達は神をお守りし、神の目的を完遂するのです。
双雨博士: 目的？
PoI-2261-JP-1: あなた達に答えることではありません。
[記録終了]
終了報告書: 現在、PoI-2261-JP-1の発言していた「目的」についての調査が行われています。
補遺3: 収容下にあったPoI-2261-JP-1が変死体として発見されました。PoI-2261-JP-1の肉体は、財団が収容している複数の異常オブジェクトに酷似した姿であり、その特徴として、以下のものがあげられます。
- 異常に突出した眼球
- 背面より生えている13本の触手
- 鱗化した肉体
- 液状化した頭部
これらの特徴の調査の結果、財団進化学部門から、一種の肉体的進化が発生しており、肉体が進化に耐えられず崩壊した、という報告がなされています。また、PoI-2261-JP-1の付近には、以下のメッセージが記述されたメッセージカードが出現していました。
ほら、一歩前へ。ざんねん、きみはようずみ。 :-)
どのようにして手紙が出現したのかについての調査が行われています。
リサイクルコンテスト2021参加作品です。
リサイクルした作品はsendoh-oroka氏のもう一歩前へです。
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- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)
リサイクル元の記事と比較して「トイレによくある貼り紙」から「自殺教唆」という意外性が除かれており、結果として「自殺教唆をする小人」という要素のみで記事が展開されているので不条理さだけが目立ちます。また自殺者と小人の外見が一致しているのは不気味な要素ではありますが、こちらを取り込もうとしてくるのは不条理としてはよくあるパターンの一つだと思います。どちらかというと既視感があり、パンチが足りない印象です。
思い切った改稿をするのであれば、「トイレの貼り紙」は残して「自殺」を取り除いた方が独自性を得やすいと思いました。「トイレの貼り紙」を自殺より意外な方面のアイデアと接続できると面白くなるかもしれません。
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