泡沫の輪廻の記憶、そして酩酊。

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突如“やつら”が見え始めたのは、育ててくれた叔父が亡くなったころからだった。
私が生まれて間もない頃、両親は交通事故で死に、ウチの家族は叔父だけになったので育ててくれたのだ。その頃から私はずっと両親の存在を知らず、叔父を自分の父とでも思っていた。両親が亡くなったことを知ったのは小学生に上がったころだっけ。両親が死んだ後、叔父がおかしくなった。まるで誰かに怯えているかのように振る舞うことが時々あり、その頻度はゆっくりとエスカレートしていた。その時の叔父の視線を追っても特に不自然な物や人などは無く、幻覚を見ているようだった。当たり前だ。自身の兄と兄の妻が突然この世を去ったのだ。精神病を患うのも無理はない。なので私は精神病院に行くことを勧め、叔父は近くの市民病院の精神科に入院した。そのとき私は大学生だった。だがある日、亡くなった。死因は心筋梗塞。胸を押さえ苦しんでいるところを看護師に発見された。しかし、担当医が着く頃には亡くなっていたのだ。その看護師や当時の執刀医によると、不可解な事実が発覚した。叔父は終始、『兄さん』『嫌だ』などと支離滅裂に叫んでいたという。まるで誰かに怯えるかのように。


叔父が亡くなって間もない頃、叔父が怯えていたであろう“ソレ”と遭遇した。そして、全てを悟った。
それは叔父が亡くなってから1週間くらい後だろうか。通夜と葬儀が終わり帰宅した深夜03:00、自分のアパートでボーっとしていたのだ。普段は毎日出勤しているIT関係会社の珍しき粋な計らいにより休暇が出て、その日一杯休みだったからだ。私の思考は叔父の精神病のことから徐々に明日のことへと戻っていった。「今日は朝も夜も沢山寝て明日の出勤に備えよう」とでも考えながらベットに潜り込む。叔父の精神病については少し気掛かりだがもういい。忘れよう。最近ではずっとそのことばかり考えていたなぁ。そうだ、両親のことでも考えよう。そうすれば気が紛れるかもしれない。あー、両親の顔ってどんな顔だったのかなぁー。とかって現実逃避しながら天井を見つめているとどんどん瞼が重くなっていく。法事の疲れが出たのだろう。しかしその睡魔は一つのインターホンの音によって拭い取られた。なんだよ、こんな時間に。インターホンのカメラに繋がっている画面を見たが、何にも映っていない。こんな時間にピンポンダッシュ?趣味悪りぃな。と悪態を吐きながら玄関を開ける。するとそこにはいつの間にか中年の女性が立っていた。その人の顔こそ初めて見たが、どこか懐かしいように感じた。まさか、私に似ている?彼女は私の顔を見るなり、口元を押さえ泣き出した。どうしていいか分からず、ボロボロ泣く彼女に話しかける。「あの、どうされましたか?」「大丈夫ですか?」と必死で聞いてみた。すると彼女は私に抱きつくと、わんわん泣き始めた。取り敢えず事情を聞こうと部屋の中へ入れた。


彼女は死んだはずの母だった。


正確には、母の幽霊だ。
母は暫く事情を説明しながら泣いていた。ある程度時間が経ち、涙が止まり、呼吸も整ったところで現在の状況を整理すべく母に聞いてみた。「なぜ幽霊の母さんを人間である私が見えるのか」。
そして知ったのだ。私の一族の秘密を。

私の一族は僧侶の家系だった。
一族の最年長が住職の地位を継ぎ、それと同時にある不思議な能力を継承するようだ。
それが今の幽霊が見える能力。



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  1. portal:7174989 (30 Dec 2020 09:11)
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