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財団によってVHSに記録された199█/██/██初回の放送画面。
アイテム番号: SCP-3864-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3864-JPと同周波数帯は財団により管理され、SCP-3864-JPが確認された場合はカバーストーリ「試験電波」が適応されます。"伊那佐國營放送" を認知している人物が発見された場合は記憶処理剤によってこれを忘却させます。
説明: SCP-3864-JPは539MHz1帯で発信されている放送番組です。巷説部門2によるNNN臨時放送類似現象3の観測実験中、199█/██/██のAM 3:30 ~ AM 3:50までの約20分間に渡り、同様の内容が繰り返される当該放送が偶然観測されたことで発見に至りました。当初は悪質な電波ジャックである可能性が指摘されましたが、以降同時刻に複数回観測された電波を調査した結果発信元が特定できず、同時に未知の原理による量子もつれに類似する現象を観測したため、当該放送は並行世界由来である可能性が高いと判断されSCP-3864-JPに指定されました。
SCP-3864-JPは巷説部門による早期発見により民間で巷説として確立していないため既存の巷説に変化を及ぼすことがなく、また既存の内容と異なる特徴を有していることから、NNN臨時放送の巷説に影響を及ぼさないように該当周波数を巷説部門管轄下に置くことが決定されました。SCP-3864-JPの発生を確認した場合速やかにテレビ試験電波発射放送を差し込み、カバーストーリー「試験電波」が適用されます。
SCP-3864-JPの映像は一定の形式に沿っており、約5分間以下の内容が放送されます。
映像の内容は
- "本日の解放区" というタイトルの下に列挙される地名
- "次回の解放予定区域" というタイトルの下に列挙される地名
- 最後に表示される "皆様のご協力に感謝します" という感謝の文言と、"本日の解放数" として表示される不明な数値
- "伊那佐國營放送"という放送局名
であり、これらから逸脱する内容は確認されていません。
SCP-3864-JPに関する長期間の調査により、199█/██/██の観測開始から6ヶ月の観測期間のうちに、開放区の範囲は中国地方(山口県除く)、中部地方(山梨県、静岡県、福井県除く)まで拡大していることが判明しています。解放区の中心に存在する出雲地区4、諏訪地区5は日本神話における国譲神話に関係が深い地域であることが挙げられますが、詳細や関連性については判明していません。
SCP-3864-JPの発信源についての考察
██博士
SCP-3864-JPに表示される地名には、電子国土基本図に登録されていない未知のものが含まれている。これは過去の文献を調査した場合でも該当するものは発見されていない。また、現在使用されない旧字や不明な文字も多数確認され、放送局名が "伊那佐國營放送" という実在しない放送局であり、観測時に量子運動が確認されることからSCP-3864-JPが並行宇宙由来の番組であり、何らかの作用により放送電波が受信されている可能性がある。SCP-3864-JPが並行宇宙で放送されているものであると仮定した上で、当該宇宙では現在ある種の宗教戦争中であると推測される。
根拠: "伊那佐國營放送"という放送局名および長期間の観測記録を照らし合わせた結果、"伊那佐" は島根県出雲市大社町杵築地区に存在する "稲佐" であると判断されている。この地域は古事記において "伊那佐" と表記され、出雲国譲神話の舞台となった土地であるとされるが、この神話はSCP-3864-JPの中心である諏訪地区にも縁が深いものである。
出雲国譲神話概略
豊葦原水穂国6を治めていた大国主神に向け、天照大御神は高天原7から建御雷神を遣わした。派遣理由は、豊葦原水穂国の統治権を、大国主を筆頭とした国津神系神格から天照大神を筆頭とした天津神系神格へ移譲する要求を行うためである。大国主神の下には、事代主神と建御名方神という二柱の子供がいたが、建御名方神は国譲りの要求に断固反発し、要求を行ってきた建御雷神と決闘する。しかし建御名方神は敗北し、諏訪の地から出ないことを条件に生存を許される。
かくして、現在の日本国の統治は遥か昔に、国津神から天津神へと移り変わっている。江戸から明治期にわたり、天照大神が最高神であるという位置付けが確立し、さらに天皇至上主義を確立するために全国的に認知されたことからも窺えるように、現在日本国土の大多数地域が天津神優勢の治世である。
明確に国津神の信仰が残存する地域が出雲大社を中心とした島根県出雲地域、諏訪大社を中心とした長野県諏訪地域であり、開放区と称して地域が拡大している現状と照らし合わせた結果、神格勢力間の均衡が崩壊し始めているものと判断された。現在観測された放送の中では、範囲が数週間から数ヶ月にわたって縮小、停滞する例が見られたため、現状国津神勢力優勢ではあるものの、天津神勢力からの地域解放は難航しているとみられている。とりわけ山梨、静岡地域の富士山周辺はその傾向が顕著である。この理由として、富士山が高天原と見做される事が多いことを安直に当てはめた場合、天津神勢力が有力な地域である可能性がある。
また、SCP-3864-JPは度々視聴者に対して協力を呼びかける文言を使用していることから一種のプロパガンダ的用途で使用されており、当該宇宙では日本神道の存在が政治的にとって重要な位置を占めているものと推測される。
観測開始から現在までの情報を元にした予測では、20██年中旬には並行宇宙における日本全土が"解放区"に置かれるとの試算がなされています。
追記 - 20██/██/██: SCP-3864-JP内の情報によると、並行宇宙における日本国は全地区が解放されたと判断されていますが、映像に表示される内容が変化していることが確認されました。一例として、新たに"次回の解放予定区域" に諏訪・出雲周辺の地域名8が指定されたことが挙げられます。
この放送を境にアキヴァ9監視網が諏訪湖周辺地域で異常な数値を示したことから、神格存在が発生したとして巷説部門は他部門と連携し該当地域とその周辺に対する一週間の実地調査を施行しました。10その結果、諏訪周辺の神社の祭神が建御名方神を筆頭とした国津神系神格へ統一、合祀され、従来の他系神格の祭神は削除、吸収されていることが判明しています。これは他宗教11でも同様の現象が確認されており、財団による記憶処理対処が行われています。
並行宇宙側の統一が完了した旨の内容ののちに表示された内容から、この放送が事前通告等の意図を有して基底現実に発信されたものである可能性が指摘されています。
記事ここまで
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- portal:7069044 (05 Dec 2020 11:50)
拝読しました。現状UV寄りのNVです。
まず画像が良かったです。一目でNNN臨時放送がモチーフとわかるレイアウトと色・画質による雰囲気が噛み合っていい不気味さを感じました。また、「開放」の語句と国譲神話の醸す不穏さもとてもよかったです。自分たちの世界とも関連があるのにまったく現実味を感じられなかったのもいいアクセントになっていたと思います。
それだけに追記部分のインパクトが弱く感じられたのに肩透かしを喰らいました。オチの部分を私は「並行世界での神格戦争の余波が無宗教化・多宗教化の進んだ基底世界の日本にも影響を及ぼした」と解釈しました。そのため、序盤の雰囲気・中盤の神話を絡めた盛り上がりに比べると地味、と言いますか尻すぼみになっていると感じました。
さらに「これ並行世界の国津神勢力から基底現実への宣戦布告だったんじゃね?」の部分は読み取れませんでした。恐らくは追記部分の文章に並行世界の国津神系神格の意志や意図が描かれていないのが理由だと思います。この理由が上記の解釈における前提となっています。そして、宣戦布告にしても「深夜3時半に5分間だけ特定周波数で放送する」というのはやろうとしていることの規模に対してやってることがショボすぎると感じます。個人的にはこの方向性で描いていただきたいので、宣戦布告と明確にわかる形にしていただけると嬉しいです。
以下は表記面等の指摘です。適宜取捨選択してください。
以上になります。改稿と本投稿を心待ちにしております。
批評ありがとうございます
オチが読み取れない件について
を追加し、こちらへ干渉する意思を匂わせてみました。(一応最後の動画を見ればこの文章たちは表示されます)
さらに、
と太字を追記することで、神格存在がこちら側に来ていることも匂わせてみました。
神様出てきたら多分神様パワーでその地域みんなひれ伏すので、お告げ云々は複雑さを助長するだけと判断し削除しました。