Tale草案「ゴムが燃えた匂いのようなトラディジー」

 

 

 

 
『 ─────██通りにて、乗用車が法定速度を超過し走行中。直ちに現場に急行してほしい 』

「────了解しました。」

パトロール中の俺は、小声で胸元のレシーバーの音声に反応しハンドルを切った。

田舎にあるこの██通りは、車や人の通りが少ないせいなのだろうか、何かの通報と言ったらよく速度超過の乗用車の報告を受ける。

この長野県の██警察署に勤めてもう3年になる自分は、こんなのは日常茶飯事で、逆を言えば自分が報告を受ける件数の6割以上がこのような案件という始末だった。

パトカーに乗っている自分は、今いる交差点から出てすぐに右折し、足早に目的の██通りへ向かう。
外は23時の真夜中で真っ暗になっており、ハイビームをしても少し見にくい程度だった。

 

───…
──────…..
───────────…….
「こちら██-64、定位置に到着しました」
『─────了解です。今僕たちの100m前を80㎞で逃走中です』

5分ほど運転して違反車の場所からおよそ2km先に進んだところの交差点に到着した自分は、██通りに入る手前のところでパトカーを道の端に止め様子を伺った。

一向に速度を落とそうとしない違反車が自分がいる交差点を通過する前に██通りに入り、後ろを追っているもう一台のパトカーと挟み撃ちにして徐々に減速していくという算段だ。

文字通り、この時間帯は車が少ない。だから2車線の中央を通ることができる。

────────…『……[ノイズ音]こちら、乗用車の後方を追跡している██-66です….!』

突如、胸元のレシーバーから音声が響いた。
一体なんの通達かと思えば────

「どうしたんだ?」
『……あ、あの、嘘ですよね。う、運転席に誰も乗ってませんよ?』
「─────は?」

……はぁ、また何を戯けた事を言っているのだ、と。
そう信じたい理性が唸った

前にも、その前にも出会っていたのだ。
本当に警察にはどうしようもないデタラメみたいな奴らで、
こいつを含めて4回目だ。

初めてそういう奴らに出会った時、あの時は酷かった。
……いや、酷かったで済ませるもんじゃないだろう。
率直な感想を言えば、そこは地獄だった。

後輩が一人何処かに連れて行かれ─────、
同僚が惨殺死体で見つかり─────、
自分が襲われかけた─────。

あの時は必死だった。
生きる事に必死で、

─────しかし……

『あ、急に速度上げました……え、100…130─────じ、時速160㎞とか、ヤバすぎですよ?!』

こういう時に限って、奴らがやってくるのだ。

あれは最近のものだと、1か月前くらいだ────。
その時は後輩の後藤が消えたんだっけな……

その頃は異常現象、おかしな生命体。そういう奴らの通報が60件以上にも及んでいて、
その時、『7足歩行する生命体が田んぼの中を歩いてる』なんて通報を受けていて、
何かのふざけた悪戯いたずらかと思って無視していたが、悪戯にしては同じような通報の件数がおかしく、各地の田んぼで発見されていると言う。
俺は後藤と俺とでパトロールということで、13時くらいだ。狭い道の上をパトカーで走っていた。
周りは普通の田園地帯で、昼なのにも関わらず度々人を見かけるほどしか人がいなかった。

「先輩、本当に何にもないっすね……っ」
「うん、そうだな」

いつもの後藤の上下関係に関わらない気楽な態度だ。自分は意外とその後藤の態度が気に入っている。
通報現場についた俺らはパトカーから乗り出た。
草の匂いのする風が顔をかすれる。

「──────特に何もないですねー。もうさっさと帰りま…….」
「……っ⁉︎」

すると突如目の前に、『黒い何か』が現れた。
正確には、黒いもやだったが、突如現れたそいつは、
後藤の表面全体にまとわりついたのだった。

「ご、後藤ッ!?」

後藤は本人とは思えないような声で何度も悲鳴を上げた。
やがてその靄は、鼓膜が破れそうな高い悲鳴のような声を出しながら後藤と共に急上昇して、空の彼方に消え去った。

正直、何が起こったか一瞬わからなかったし、
いくら後藤が叫ぼうと、自分も、周りの人間も、助けるどころか、
ただその得体のしれないものき   ょ   う   いに唖然とすることしかできなかった。

そして俺は、職場に帰ると同僚に、
「後藤が、消えました。」
とだけ伝えて上司が他県警に連絡を行った。
 

唐突に後藤が消えた3日後の朝に、例の組織の彼ら3人は警察署を急に訪ねてきた。
見知った顔立ちだった。
どうせ、あのどえらい組織のエージェントだろう。
警察署いち大きな会議室に集め、彼らのうちの1人が口を開いた。

聞かされた内容は、
自分達はなんらかの特殊部隊らしく、
そして、この地域にいるとされる殺人鬼ついて調査をしている、と。
もう何度も耳にした話だった。

そして、後藤の消えた理由を聞かされた。
彼の言い訳曰く、後藤の死因は連続殺人鬼によって拉致されており、もう既に殺されてしまっているだろう、と。

「突如仲間が消えた事、理由にきっと、君達は驚きと悲しみを抱え込んでいるだろう。しかしそれは我々もよく理解ができるし、よく体験していることだ」

そう言った彼の目は遠い何処かを見ているような、目の奥には冬の晴れた日の朝のような冷たさが広がっていた。
会議室中に静寂広がり、ひとつの怒鳴り声訴えがその静寂を破る。

「何をふざけた事を言っているんだ!後藤が消えたのをなんだと思ってるんだよ!」

声を上げたのは、三奈内みなうちだった。
三奈内は後藤のことを一番大切にしてきたやつで、
いつも穏やかな奴だった三奈内も怒りが沸騰し、憤っているのだろう。
多分全員も同じ気持ちだろう。

周りからしたら、なに後藤が居なくなって不安な状況の中突如見も知らぬ人たちに止められてまで聞く話かと思ったら、『同僚は殺人鬼に殺されました』と。
一体どういう神経をしているのだろうか、と。

─────しかし……

「そう、貴方達の方が正しい。しかし、我々はそれらを保護しなければならない。そして民間人からこの脅威を取り除かなければならない。全うするだけだ。」

彼らはそう言って会議室を出ると思えば、唐突に室内に"ガス"のようなものを蒔いた。

「……ッ?!」
「落ち着け。死ぬことはない。安心したまえ」

バンっ、と会議室のドアを閉められ、俺らは密室状態になった空間に取り残された。
女性職員は悲鳴を上げ、男性職員は狼狽えて部屋の隅に集まっている。
俺もこのようなタイプは初めてであったため、警戒気味になったものの、俺含めそのガスを吸った全員がその場で倒れ、意識を失った。

 

 
 
─────。
────────────。
───────────────……目が覚めた。

まだ自分以外の皆は倒れていて、
仄日ももうすぐ地平線に沈む頃だ。

そして案の定、自分以外の全員が後藤の末路に関するすべての記憶を削除しょりされていて、みんな素直に口を揃えて「後藤は殺人鬼に殺された」と口にした。
もうこの自分だけ残った記憶が他人には伝わらず、そして全員が何もかも忘れてしまった悲しみには慣れてしまった。
自分もおかしくなったものだと、その時はそう確信するその感情もまた偽物いつわりであろうかと、思い馳せた。

 
 
 
 
「っ──────……クッソっ!」

自分は危険ということなど忘れてすぐにアクセルペダルを踏みこんでハンドルを切り、交差点を左折し██通りに入ったのち160㎞/hまで速さを上げた。
多分人生で初めて出したスピードだった。
しかし、その速度でないと後方から160㎞/hで激突され、即死するのは明らかだった。

「うっ、やばいッ」

初めてこんな速度出したんだ。
どれくらいハンドルを曲げればどれだけ曲がるかなんてわかりっこない。

全くふざけている。
あの日から『怪物でたらめ』『異常現象出鱈目』『未知領域デタラメ』に仲間は殺され連れて行かれ、
それで更に意味の分からない組織邪魔者もやってきては、今まで死んできた者たちの記憶を隠蔽する。
本当にふざけている。

(────特に……ッ)
「────特にあの特殊部隊とかいう奴は……、、いつも水を差しやがってよ!」

俺は思いっきりアクセルを踏んだ。

死んだのは俺らの同僚だ。
そして、俺らの同僚の問題だ。

お前らに介入する余地もないし、介入させる気もない。
この暴走車もお前ら無し俺らだけででケリをつけてやるんだ……、、と──────。

「こちら██-64から██-66へ。これ以上追いかけるな。あとはこっちで片付ける」
『ちょっと、何言ってるんですか?!』
「早くしてくれ!物理的に死にたいのかッ!?」

速度メーターが[200km/h]と表示され、暴走車との車間距離が開く。
一直線の道路であったためか、運転にはさほど苦労はしなかった。

5分ほど走ったのち、
もう周りの景色は自分が見知ったものではなくなっていた。

(……もう少しだ。あと少しだけ────────)

アイツはおよそ160km/hで走っている。
つまり、200km/hで走っている自分とは5分で約3kmの間ができる。

(ここで……ッ!)

俺はブレーキを思いっきり踏み切り、ハンドルを左回りに限界まで回し─────────。

(あいつが3kmを走るのに1分ほどしかないが、その間に!)

車体が急速に反時計回りに回転しながら道を進み、アスファルトとタイヤの擦れて“キキキー”という音を立てる。
そして、、─────────

 

 
「────────────は?」

今、そう、今まさに、道を塞ぐように横方向になって止まったパトカーの窓から道路の後方を確認しようと左を向いたのだ。
しかし……

(───っ、何もいない?!)

驚愕と共に、激しい悪寒が俺の全身を漂う。
何か悪い予感がする。

右側から激しい音が聞こえる。
その瞬間身体中を冷や汗が覆った。

「そんなわけがない」、と予感からくる恐怖を振り切り、首を右に傾けると、そこには確実に迫ってくる2つの眩い光があった。

正直。完璧に上手く行く作戦ではなかった。
事実。パトカーが止まってから自分が車内から1分で脱出して、パトカーにあの暴走車がぶつかったとしても、あいつが止まるという確証は無かった。
後悔はない。
でもただ溢れてくるこの何処ぞの不安と悲壮感と後悔は、俺の心の何処からやってきたのだろうか。

まだ特殊部隊あいつら無しではダメダメという絶望感か。
ただ死を恐怖する生存本能か。

「─────っ、ふふふ……」

俺は吹き出して小声で笑う。
でも、最後に抗えただけ良かったのかもしれない。

あいつはもう100m手前だった。

「ごめん、ご……──────ッ?!」

突如、まるで目の前に表現し難い円が現れた。
そして、「シュッ」という音と共に謎の円は消え、暴走車も消えていた。

そして、上空からヘリのような音が聞こえ、アナウンスが流れる。

『こちらは特殊警察部隊です。そこのパトカーはすぐに運転を停止し運転席から降りなさい』

運転席から降りた俺は、ヘリがパトカーを写す眩しいライトを手で隠しながらヘリを見上げる。
すると、目の前からロープが下されてある1人の男が降りてきた。

「はぁ……、リーダーはなんでわざわざ僕をえらぶのかなぁ……」

少し照れた顔でロープから降りてきた軍人服の男は─────────。

「──────……後藤ッ!」
「お!覚えてくれてるんですね!ま、とりあえず僕のこと覚えているってことは、 先輩 セ・ン・パ・イって呼んでもいいですか?」

前までの後藤とは、口調がまるで違った。あれは偽の性格。
まさか、後藤も。

そんな俺とは裏腹に後藤は、まるで秘密をバラした子供のようにはにかんで笑いながら俺を見つめ、

「まずはセンパイ、これ吸ってください」

そして、後藤に無理矢理鼻に押し込まれた綿棒の何かを吸って、俺は意識を失った。
 
 
 
 
 
「ここは何処だ。後藤」

約4畳ほどに見える金属でできた高さ3mの部屋。その真ん中に机と2つの椅子。
俺と後藤が向かい合っていて、
左側では後藤以外にも、研究者に見える後藤の関係者がガラス越しに部屋の中を覗いているように見える。

「僕ら特別警察の支部のひとつかな?名前はサイ……あ、なんでもない。」
「言うならせめてちゃんと話せよ…….」
『スリー。不必要な会話は慎むように』
「了解、過言は避けるようにするよ」

なんだこれは。まるで何かの実験室みたいだ。

「早速その話題から入るけども、先輩。先輩は何かとてつもない特殊能力を持ってるみたいだね」
「と、特殊能力?」
「ふーん、やっぱり自覚ないんだぁ……」
『スリー。なるべく簡潔に会話をしてください。そしてアノマリーに呼称を用いないでください』
「うーん。僕は普通に話してるつもりなんだけどなぁ」
「……はぁ」

研究員の人が呆れ顔で後藤を見ているのが窺える。

(後藤って、本性でもこうなのか……)

「ではセ……いや暫定オブジェクト番号█████-JP。あなたは、何か自覚している特殊能力はあるかい?」
「いや、特にないよ」
「僕は先ほど気化型の記憶処理液を湿らせた綿棒を君の鼻に入れた思うんだけど、なんで記憶は消えていないのかなぁ」
「何故だかは、わからない。」
自覚症状はないようにできているのかなぁ?じゃあ█████-JP、君の一番古い記憶は何かな」
「一番古い記憶は、誰かに抱き抱えられてたんだ。多分赤ん坊の頃だと思う。眼鏡をかけた50くらいの優しい顔のおっさんが笑顔でこっちを見ながら俺をあやしてるっていう記憶だ」

ここは何処なんだ。なんのためにこんな必要を。いつ元の生活に戻れる。

「……うん。わかったよ」

後藤は頷いた。
 
 
 
 
 
……
………『音声記録を終了します。機動部隊ち-██(“████████████“):スリーは、直ちに実験室-5から退出してください」

「了解です」

後藤が軽い返事で答えて、椅子から立ち上がる。

『暫定オブジェクト番号█████-JPは椅子に座り待機してください』

「じゃねっ、先輩」

(なんなんだ。一体なんなんだ。俺はなんのために)

困惑しかなかった。これからどうなるのか。よくわからない一寸先も見えない未来。
困惑している俺を横目に、後藤がこの部屋の扉に手をかける。

「お、おい後藤!」
「どうしたんですか?先輩」

しばらくの沈黙が走る。

「ここは、どこなんだよ。俺はどうなっちゃうんだよ」
「……先輩、勘弁してくれって。さっきあっちのお偉いさんから余計なこと言うなって言われたばっかなんだ……」
「──────なぁ。俺、普通の暮らしができるかな。いつも普通の日常を過ごして、妻も作って、子供も作って、どうせなら豪華な家に住みたい……夢物語かもしれない。だけど普通の。真っ当な生活がしたい」

後藤の頬が緩む。
ここにいる全職員が俺の方を向く。
ただ俺は俯いた。

「まだ小さい頃の記憶が幾つもあるんだ。確か小学3年生の頃だった。下校中に俺が好きな同級生の女の子と一緒に帰ってたんだ。したら、俺の左横に大きな穴ができて、建物も何もかもが何百メートルも陥没してたんだ。隣の彼女も巻き込まれ結局何が起こったのかももうわからない。高校生の頃。あの時は3限目の世界史の授業。デブな担当教師の態度に呆れて退屈に窓の外を眺めていたら、沢山の紙飛行機が遠くの空からとてつもない速度でやってきて平気で窓ガラスを破って突撃してきたんだ。高い悲鳴とかしか聞こえなかった。俺はその場で伏せていたら、俺とその他数人を除いて見る限り全員が重体ないし死んじまってたんだ。何時になっても、何処にいても、どうしようもない災害みたいな奴らが俺のごく普通の生活に干渉して、周りの殆どの人が僕のことを優しくしてくれるけど死んでいくんだ。でも、明日になったらみんなはそんなことすぐ忘れちまう。崩れた建物はすべて元通りになっていて死んだ奴らはなかったことにされるか、別の案件で死んだことにされる。」

後藤がコツコツとこちらに歩いてくる音が聞こえる。

「お前らは、俺が抱えてきた異常な奴らと遭遇した記憶がないだろうからわからないだろうけど、俺は……」

そして、目の前で立ち止まり、後藤は口を開く。

「無責任なことは言えない。僕らは叶うように願うことしかできない。だけど、逆を言えば僕らはそれを願っている。そのことだけは、忘れないで欲しい。」

いつものおちゃらけた、偽の性格でも本性とでも違う真面目な声。
正面を向いた俺はいつの間にか溢れていた涙を手で振り払った。
そして、何故か心なしか心が軽くなった気がした。

「……後藤、すまない」
「こちらこそ。あと、本当の苗字は戸田なんだけどね」

眩しい笑顔を俺に向ける後藤。
でも、いつか俺も後藤なんて眩しいとも感じないほどの奴になれたらいいと思った。
そして、後藤は俺に背を向けて部屋を後にした。

 


 
セキュリティクリアランスレベル3のカードをかざし、開いたドアから足を伸ばし部屋から出る。
すぐ隣では博士と研究員がガラス越しに彼の姿を見つめては手元の端末見つめ情報をまとめている。

「麻酔ガスを散布するんだ」
「了解です」

自分が元いた部屋にガスが充満する。
そして30秒後、椅子に思いっきりもたれかかる先輩がいた。

「スリー、ご苦労だったよ」

突如話しかけてきた博士の胸元の名札をみると、そこには長谷川の文字があった。
この長谷川博士には毎度ご苦労になっている。

「ほら、これ。差し入れだよ。」
「あ、ありがとうございます」

博士が差し入れとは珍しいと思い、クッキーのようなのぱりぱりしたお菓子を一口で口の中に放った。
失礼とか以前に、今のストレスを紛らわしたかったのだと思う。

「なんだ、元気がないじゃないか。さっきの笑顔はどうしたんだい?」

この博士は頭は良いのに、何故こういうのは読み取れないのかと毎度呆れてしまう。
そして研究員が部屋に入り、担架で先輩を運び出す。

「んぐんぐ……、、ちょっと考え事があって」
「大丈夫、彼のことは心配しなくていいと思うよ」
「え?」

衝撃的な発言に、僕は耳を疑った。

「まず彼に異常性はないと見ているんだ」

博士は語る。

「稀に、記憶処理の効果を受けない人間というものがいるんだ。記憶処理剤は、人間の脳神経に直接作用するが、記憶処理によって電気信号の通過が不能となった脳神経から別の脳神経へルートを切り替えて記憶の移動が起こるんだ」
「そんなことが、あり得るんですか」
「我々もこの薬に頼りすぎたのかもしれない。多くの異常性の隠蔽のために多くの民に使ってきた記憶処理のおかげで、人間としての進化を果たしたんだ。これは異常性によるものではないことも検証できている」

よもやそんな都合のいい進化なんてあるまい、と思った。しかし、もし本当ならば。

「先輩を収容せずに済む可能性があるんですか?!」
「とりあえずそういうことだね。でもこれはほかの職員にバラしちゃ駄目だよ。反感意見が出たら洒落にならないからね」

やったぞ。これで、、、

「……はい!!」

先輩は──────……

 
 


 
 
 

薄暗い部屋、会議用の木製の机と椅子に座る2人の男の姿があった。

「長谷川君。由々しき事態だ。これは放っておくことはできないぞ」

「了解しています」

白衣を来た50過ぎの中年と、黒いスーツをした男性が椅子に座り、机越しに語り合っているようだった。

「SCP-████-JPの特別収容プロトコルの実施はどうなっている」
「問題なく実行中です。先ほど、SCP-████-JPに接触した部下一人にに実施したところです」
「ほう。どのように盛ったんだ?」

スーツの男は悪い笑みを浮かべ、問する。

「差し入れと言って、お菓子を渡しました。彼ならすぐ食べてくれるかと思いましたから」
「ふーん。最近の研究員は態度が悪いんだね~。博士の目の前で食べるなんて」
「……いや、、、彼なりに思い抱えていることがあったのかもしれません」

白衣を来た男は、うつむきながら答える。

「とりあえず、財団職員専用のカバーストーリーの流布を急ぐんだ。一般人と同じカバーストーリー流せば反感を買って武力行使を起こしかねない。機動部隊ち-██(“████████████“)のツー、ファイブ、エイトは既に終了されたと聞いた。伝達性のミームであるかもわからない以上、すぐにプロトコルの実施を急ぐんだ」
「わかりました。即座に対処いたします」

そういって白衣の男は椅子から立ち上がり、扉から出て行って部屋から姿を消した。

「オブジェクトを呼び寄せるオブジェクトか。非常に興味深い……」

 


 
 

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