アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter Apollyon Kušum Pending N/A
特別収容プロトコル: N/A
説明: SCP-XXXX-JPは2009年9月16日より確認されている全世界で不定期に発生する突然死です。凡そ1週間に████件以上SCP-XXXX-JPの発生が確認されており、財団内に於いても現在まで██████名以上の死亡者が報告されています。SCP-XXXX-JPが発生した場合、対象(以下、SCP-XXXX-JP-A)は息苦しさを覚えると供述し、発生から丁度5分が経過した時点で生物学上の死を迎えます。この際、SCP-XXXX-JP-Aの肉体は"内側から焼かれるような激痛"を訴えると共に溶解し、数分程度で完全に蒸発、消失します。
SCP-XXXX-JPの無力化は現在財団に於いて最優先事項となっており、数多くの要注意団体に協力を仰ぎ研究が進められています。しかしながらSCP-XXXX-JPの発生には条件や規則性は確認されておらず、現時点で対処は不可能です。
SCP-XXXX-JPの無力化に失敗した場合、約█████年で全人類が死滅するとの計算結果が出ており、████年で"IK-クラス世界文明崩壊シナリオ"、最終的には"GH-0'デッドグリーンハウス'シナリオ"、もしくは"XK-クラス世界終焉シナリオ"を引き起こすと考えられています。
2009/9/16 |
日本支部による他のオブジェクトの調査中、最初のSCP-XXXX-JP-Aの死亡の瞬間が確認される。 |
2009/9/17 |
SCP-XXXX-JP-Aの死亡が確認され、LV-Zero“捲られたヴェール”シナリオの発生が正式に発令された。 |
2009/9/17 |
更なる混乱を防ぐため、O5評議会全会一致でアンニュイ・プロトコルを発動した。 |
2009/10/2 |
SCP-XXXX-JPの突発的な発生、死亡時のそのあまりの異様さ、そして広義的な"死"に対する認識によりアンニュイ・プロトコルは短期間のみしか機能しなかった。 |
2009/10/18 |
SCP-XXXX-JPによる"死"を崇拝する団体が現れる。 |
2009/12/25 |
上述の団体が██県にて大規模な爆破テロを行った。これにより当該団体はGoI-████ "█████" として要注意団体に登録された。 |
2023/7/13 |
SCP-XXXX-JPによる死亡者が250万人を超える。 |
████/██/██ |
[データ欠落] |
聴取記録-XXXX-JP: 以下は元財団職員職員であり、現在GoI-████ "█████"に所属している██氏に向け、これ以降の接触を行わないことを条件として行われた聴取記録です。
<記録開始>
███博士: よろしくお願いします、██さん。
██氏: ……よろしく。
███博士: 早速質問で申し訳ないのですが、あなたは何故、財団の意向に背き要注意団体と手を組んだのですか?
██氏: そんなの……わざわざ聞かなくたって分かることだろう?
███博士: それは……まぁ。しかし形式上答えてもらわねば困ります。
██氏: そうだな。理由なんて簡単だ。私は……もう疲れてしまったんだ。
███博士: 続けてください。
██氏: 特に深い理由なんてものはない。ただ人の身に余るような永遠を……手放したくなってしまったんだ。
███博士: 怖くはないのですか?
██氏: 別に。元々我々にはなかった永い命だ。元に戻るだけだよ。
███博士: 本当ですか?
██氏: え?あぁ、それは……もちろん。
███博士: ですが……。
██氏: 君は一体どうしたんだ?君の態度は到底財団職員の振る舞いとは思えないんだが……。
███博士: それは……そうですが。どうしても気になります。資料の上ではあなたの勤務態度、財団への忠誠度は非常に高いものだとされています。そんなあなたが人類存続かどうかの瀬戸際に財団を裏切る理由が見つかりません。
██氏: ……対処法なんて見つかっていない。原因も条件もわからない。諦めるには十分だと思わないか?
███博士: しかし資料では……。
██氏: そんなもの当てにならないだろう。人の心や行動原理なんて、簡単に変わるものだ。
███博士: なら……原因があるのでは?
██氏: 原因?
███博士: ██さん、あなたは……随分昔に奥さんを亡くしていますよね。
██氏: は?
███博士: お相手は同僚の宮嶋さんとのことですね。
██氏: 何を言って……いや、そうだな。たしかに彼女はもう居ない。だがもう何千年も前の話だ。それが今更なんのきっかけになるとも思えないだろう。
███博士: どれだけ前のことでも、きっかけにはなり得ると思いますよ。それに……失礼ながらその指輪を見る限り、今でも未練があるように見えましたからね。
[数十秒の沈黙]
██氏: ……彼女が病気で死んだ時、私はいつか彼女の元へと向かう時に笑われぬよう、胸を張って生きるつもりだった。だから当初は必死に世界を護り、彼女に褒められるような人間になろうとした。だがどうだ?彼女が居なくなり、いつかまた逢おうと泣きながら約束した2週間後に世界はその時点で終わりを迎えた。
███博士: その日がΩK、ですか。
██氏: ああ。わかっているとも。「こんなことをしても彼女は喜ばない」やら「彼女はそんなこと望んでいない」なんて……そんなのは、聞き飽きた。
███博士: ██、さん……。
██氏: ああ、ああわかっている。疲れてしまっただとか、行動原理がなんたらだとか。そんなものは全部詭弁だと……わかっているよ。違うんだ。私は今までそんなことが言いたかった訳じゃない。わ、わた、私は……。
██氏: 彼女に、逢いたいんだよ……。
<記録終了>
終了報告書: これ以降██氏は対話に応じなかったため聴取は終了された。
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
棄権 |
O5-03 |
O5-01 |
|
O5-04 |
O5-02 |
|
O5-06 |
O5-05 |
|
O5-07 |
O5-09 |
|
O5-08 |
O5-10 |
|
O5-13 |
O5-11 |
|
|
O5-12 |
|
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
死亡 |
O5-04 |
O5-01 |
O5-03 |
O5-06 |
O5-02 |
|
O5-07 |
O5-05 |
|
O5-08 |
O5-09 |
|
O5-13 |
O5-10 |
|
|
O5-11 |
|
|
O5-12 |
|
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
死亡 |
O5-04 |
O5-01 |
O5-02 |
O5-06 |
O5-05 |
O5-03 |
O5-07 |
O5-10 |
O5-09 |
O5-08 |
O5-11 |
O5-13 |
|
O5-12 |
|
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
死亡 |
O5-04 |
O5-01 |
O5-02 |
O5-07 |
O5-05 |
O5-03 |
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O5-11 |
O5-06 |
|
|
O5-08 |
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O5-09 |
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O5-10 |
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O5-12 |
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O5-13 |
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
死亡 |
O5-07 |
O5-01 |
O5-02 |
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|
O5-03 |
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O5-04 |
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O5-05 |
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O5-06 |
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O5-08 |
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O5-09 |
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O5-10 |
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O5-12 |
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O5-13 |
████/██/██
O5評議会提言概要
提言:
"SCP-XXXX-JP無力化の試み、そして一切の研究を恒久的に凍結する。” (O5-07)
評議会投票概要:
是 |
否 |
死亡 |
|
O5-07 |
O5-01 |
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O5-02 |
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O5-03 |
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O5-04 |
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O5-05 |
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O5-06 |
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O5-08 |
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O5-09 |
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O5-10 |
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O5-12 |
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O5-13 |
最終更新-█████/██/██: SCP-XXXX-JP-Aとなった人物は総じて、死に対し強い恐怖心を感じるようになります。その効果はSCP-XXXX-JPの発生から時間が経過する程に顕著になって行き、多くの場合精神に多大な悪影響を及ぼします。しかしこの現象がSCP-XXXX-JPの異常性に起因するものであるのか、本来人間に備わっている忌避反応、もしくは心因性のタナトフォビアであるのかは不明です。
死にたくない。あまりにも多くの人々、そして同胞達が死して漸く目を醒ました私をどうか許して欲しい。しかし未だ、私には世界を救う役目が残されている。例え世界に私ひとりだけになろうとも、私は、責務を果たそう。 -O5-07
特別収容プロトコルの部分が空白なのが気になりました。
プロトコルが無い場合でも、「N/A」や「特別収容プロトコルは撤廃されました」というような記述を入れるのが一般的だと思います。
「絶望的な異常現象が死の終焉後は救いに変わった」というのが大筋の内容だと思うのですが、このような展開(死をもたらすSCiPが救いになる)はSCP-4514にもあるため、新奇性が少し薄いように感じました。
また、「個人的に纏められた」という記述が気になりました。「██博士によって纏められた財団内でのSCP-XXX-JP-A群の一例」という様な記述でも良いのではないでしょうか。
補遺の概要から漂う切なさは現段階でも個人的に好きです。これからも執筆頑張って下さい。
拝読しました。
批評ありがとうございます。特別収容プロトコルを書き忘れるとかいうあんまりしないタイプのミスを犯しました。それ以外は批評してくださった点を見てもう少し練ってみます。ありがとうございました。
Dクラスの数字はもうなんか思いつかなかったので下書きはこれでいいやってしちゃいましたね……