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SCP-XXXX-JP内部を撮影した画像
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、一般的なスチールフェンスで囲い部外者の立ち入りを禁じてください。SCP-XXXX-JP内部への許可のない侵入が発生した場合警備員は侵入者を直ちに拘束し、記憶処理の後解放してください。
SCP-XXXX-JPの内部調査はレベル2以上の職員であれば自由に行うことができます。調査の際は事前にその旨を担当職員に申告してください。SCP-XXXX-JPの内部調査は現在禁止されています。
説明: SCP-XXXX-JPは██県██市に存在する墓地です。内部の墓石は一般的な和式のものですが、竿石及び霊標等に記された名前は観測者によって変化します。これらを映像機器で撮影する試みは名前の部分に焦点が合わないため不可能です。当該区域に墓地が経営された公的な記録は存在しません。また、SCP-XXXX-JPは常に濃霧に覆われており、その内部を外部から観察することは成功していません。
SCP-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JP内部に侵入した際、SCP-XXXX-JP内部及びその周囲500メートルに侵入者以外の人物が存在しない場合にのみ活性化します。SCP-XXXX-JPが活性化したとき、墓石に記された名前がすべて侵入者に縁のある故人のものとなります。また侵入から14分経過すると、SCP-XXXX-JP-1が出現します。
SCP-XXXX-JP-1は侵入者が過去に死別した恋人と同じ姿をしており、侵入者に対して好意的に接します。侵入者はこれに対し動揺・驚愕するものの、SCP-XXXX-JP-1に対して好意的に接します。侵入者はSCP-XXXX-JP-1と歓談した後、SCP-XXXX-JPを後にします。この時侵入者のSCP-XXXX-JP-1に対する執着は見られるものの、SCP-XXXX-JPを立ち去ることに抵抗する様子は見られません。
補遺1: SCP-XXXX-JPは近隣住民やインターネット上に於いて『死者との逢瀬が叶う場所』としての都市伝説・噂として広まっており、財団の調査によって異常性が発覚、収容に至りました。
補遺2: SCP-XXXX-JPの詳細な調査のため、内部探査が行われました。以下は財団によって行われたSCP-XXXX-JPの探査記録です。
探査記録XXXX-JP-1
対象: D-15340(36歳男性)
装備: GPS発信機、ボディカメラ、無線通信機
出現したSCP-XXXX-JP-1: D-15340が8年前に死別した当時の交際相手
記録: SCP-XXXX-JP内部ではD-15340の死別した知人の墓石を多数確認。SCP-XXXX-JP内部へ侵入後、14分でSCP-XXXX-JP-1が出現。D-15340と好意的に接し、30分の会話の後探査は終了。
分析: 後の調査で、映像記録とD-15340の記憶していた名前から現れたSCP-XXXX-JP-1は8年前にD-15340と交際関係にあった西条翔子と同じ容姿であると判明しました。また、D-15340との会話の内容から西条翔子の記憶も有しているものと考えられます。
探査記録XXXX-JP-2
対象: D-15340
装備: GPS発信機、ボディカメラ、無線通信機、携帯食料
出現したSCP-XXXX-JP-1: 探査記録XXXX-JP-1と同様
記録: 探査記録XXXX-JP-1と同様に14分後にSCP-XXXX-JP-1が出現。SCP-XXXX-JP-1は探査記録XXXX-JP-1と同様の姿をしており、前回の探査時の記憶も有していた。SCP-XXXX-JP-1が自発的に消滅するか否かを調査するためD-15340をSCP-XXXX-JP内部に12時間待機させたが、SCP-XXXX-JPが自発的に消滅することはなかった。
また、SCP-XXXX-JP内に建造物を確認。内部は納骨堂のようになっており、建造物外部と比べて特筆した相違点は見られなかった。分析: SCP-XXXX-JPの異常性は一度きりのものではなく、二回目以降も発現する。また、探査以降D-15430の心理状態の改善、及び勤務態度の向上が見られる。職員の士気向上のためのSCP-XXXX-JPの使用を検討。
探査記録XXXX-JP-3
対象: D-15362(28歳女性)
装備: GPS発信機、ボディカメラ、無線通信機
出現したSCP-XXXX-JP-1: D-15362が4年前に死別した当時の交際相手
記録: 侵入から14分後にSCP-XXXX-JP-1が出現。対象はSCP-XXXX-JP-1を4年前に死別した交際相手山内光輝であると主張。SCP-XXXX-JP-1は会話の過程で対象がDクラス職員となった経緯について叱責したものの、好意的に接触。対象はSCP-XXXX-JP-1と30分間歓談した後にSCP-XXXX-JPを離脱。
補遺3: SCP-XXXX-JPへの探査にエージェント松井が立候補し承認されましたが、探査開始直後に本人の希望により中断されました。以下はその際の録音記録です。
注1: エージェント松井は42歳男性。16年前に配偶者が病死。
補遺4: 侵入者に死別した交際相手が存在しない場合のSCP-XXXX-JPの活性化の有無を調査するためにD-15388によって探査が行われましたが、その際に収容違反が発生、以降の実験が禁止されました。詳しくは事件記録XXXX-JPを確認してください。
事件記録SCP-XXXX-JP: D-15388によるSCP-XXXX-JPの探査中に収容違反が発生しました。D-15388は6年前に花島カナと交際及び同棲していました。花島カナは現在デザイナーとして活動しており、彼女には「雑誌のインタビュー」というカバーストーリーのもと、財団施設で監視下に置いた状態で探査が行われました。以下はD-15388による探査の録音記録です。
結果: D-15388がSCP-XXXX-JP侵入してから14分後、SCP-XXXX-JPが出現しました。その姿は花島カナと同様の容姿をしていましたが、その出現と同時に財団の監視下にあった花島カナが消失しました。また、D-15388はSCP-XXXX-JP-1と好意的に会話し、後のインタビューでも花島カナと苦い思い出はなかったと供述しました。
補遺5: 後の調査により、D-15388のかつての交際相手花島カナは6年前に交通事故により死亡していることが確認されました。これにより、SCP-XXXX-JPは過去改変能力を有している可能性が考えられます。
補遺6: SCP-XXXX-JPの異常性による過去改変の可能性・影響を鑑みて、SCP-XXXX-JPの活性化を防ぐため複数名の機動部隊員による探査が行われました。この探査により、SCP-XXXX-JP内部の建造物からパンフレットのような印刷物が複数発見されました。以下はその印刷物に記された文言です。
かつての恋人との懐かしい思い出。
しかしそれはきっと、いい思い出ばかりではないでしょう。
あんなことを言わなければよかった。しなければよかった。
そんなあなたの叶わぬ夢を、叶えます。夢見テクノロジー
- portal:7019098 ( 22 Nov 2020 09:59 )

ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7019098-1-6w4w
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: ideal.jpg
著作権者: [[*Kyoraku]]
公開年: 2021
補足:
まず全体のストーリーとして、死者と逢うオブジェクトは他にもいくつかあり、有名なものだとSCP-1283-JPがありますが、それらと比較して全体的にオチが弱いと言わざるを得ません。もしくは恥ずかしながら僕が上手くストーリーのオチを把握しきれていないのかもしれませんが、現状急に出てきた夢見テクノロジーが不自然であり、もし何か意図があるならわかりづらいです。
細かい点。
段落の改行後は空行を挟んでください。
大抵の研究員、及びエージェントはレベル2クリアランスを持っているので、特別収容プロトコルの該当文は「SCP-XXXX-JPの内部調査はレベル2以上の職員であれば自由に行うことができます。調査の際は事前にその旨を担当職員に申告してください。」とした方が自然だと思います。
オブジェクトの発見経緯は説明ではなく補遺にした方が適切だと思います。
拝読ありがとうございます。
まず【細かい点】について、最近scpを読み漁ってはいますが日の浅い私としてはとても有り難いです。
次に、オチと夢見テクノロジーに関して。
このオブジェクトは失ったかつての恋人と会えるオブジェクトではなく、「今の自分にとって理想だった恋人」がいた、という過去改変を行う設定で執筆しました。恋人との苦い思い出のある人が影響を受ければその過去は抹消されて代わりのハリボテがすげ替えられ、例え苦い思い出がなくとも「自分にとって完全に理想的」でなければすげ替えられる。なんなら恋人がいたことがなくてもハリボテの過去が作られる(これに関してはいいことかな?)。
そのため、エージェントの探査記録で音声記録に混ぜた言葉(見えなくした文字、何と言い表せばよいのでしょうか)は彼が死別した本物の配偶者で、彼との別れを望んでいなかったためあのような発言をした。彼もそれを「勘」として感じ取った、という内容です。
夢見テクノロジーの文書として最後に記載したのは、これらのヒントになるかなという考えです。しかしそもそも夢見テクノロジーが過去の改変に関するオブジェクトは作らない、と決まっていたらこれは不適切ですね……。
伝わりにくい、もしくはそもそもストーリーとして薄っぺらいなどありましたら御指摘お願いいたします。
ストーリーの全容を解説していただきまして、個人的にはなるほどと思いました。これでしたら十分かと。
ただ(僕自身の読解力の問題もあるかもしれませんが)現状そういう背景を読み取るのは難しいと思います。
「死別した恋人(に似た存在)を出現させる」という異常性の時点で何かあるんじゃないかという疑いまでは持てるのですが、それ以降で疑いを深めることができるヒントが反転文字しかないのが主な原因だと思います。端的に言えばヒント不足です。
恋人がいなければハリボテの過去が作られるとのことで、財団がその辺りを実験しないとは考えられないので「恋人がいた経験のないDクラス職員を侵入させる実験」→「過去改変が起きる」→「なぜ恋人がいたことのないDクラス職員を使う実験に恋人と死別したDクラス職員を使ったのかと疑問を呈し、その後複数回の実験を行ったことと過去改変が起きている可能性があることを付記する」という実験記録を挿んで分かりやすくするのがいいと思います。
ただ、それだとオチが弱くなってしまうため、例えば「収容初期に立ち入ったエージェントが異常性によって死別した恋人と会話していたが違和感があった」→「実はその直前まで恋人は生きていたのだが、異常性によって過去に死んでいると改変された」と言うことが読み取れる音声記録を入れると面白いかもしれません。
改稿しました。特別収容プロトコルの文言に関しては不躾ながらそのまま使わせていただきました。
探査記録を一つ追加しました。私としては『財団はこのオブジェクトの根幹までは気付いおらず、読者のみが気付く』オチにしたかったので、過去改変に伴って「過去改変に対する認識災害」があり、「何故以前の調査では恋人のいなかった職員が、再度調査したら別の結果が出たのか」に対して深い疑問を抱いていない……という様子にしました。
【 D-15388は過去に恋人がいた経験がないと供述しており、財団の調査にて裏付けもとれています。D-15388には10年前、約二年間に亘って同棲していた交際相手がいました。】
【 当初財団の調査ではD-15388に交際相手がいた過去は発見されませんでしたが、探査後に再調査を行ったところ過去の交際相手の記録が判明しました。】
上記2点で過去改変とそれに対する認識災害のヒントとしては幾分かわかりやすくなったと思いますが、いかがでしょうか。
探査記録よりも探査中の音声記録を載せたほうが雰囲気作りとしてもいいし、単に「よくわからないけど過去に恋人がいないはずのDクラス職員を選んだらあとから発覚しました」と書くより説得力が出ると思います。また、財団側が「過去に死別した恋人がいない人間の侵入」という調査目的を果たしていない以上このDクラス職員だけで終わらせるとは思えず、他の恋人のいなかったDクラス職員や、場合によっては生きている恋人がいる職員を探査させるのではないでしょうか。それをしないだけの理由が欲しいです。
あと、説明欄の、「SCP-XXXX-JP-1が出現します。」で一度段落を分け空行を入れるべきだと思います。
探査ではなく事件記録にして、少し音声記録も混ぜてみました。
幾分かマシになったでしょうか。