ただの忌々しいタンス

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案1

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの周辺地域は財団によって買収されており、領域-XXX-JPに指定されています。SCP-XXX-JPの知名度を考慮し、SCP-XXX-JPは現在地点から移動させないでください。領域-XXX-JPは監視カメラによって常に監視され、SCP-XXX-JPを破壊しようとする存在が確認された場合、機動部隊ぬ-11("あぁぁぁ！")が警察に偽装して対象を拘束してください。

説明: SCP-XXX-JPは、東京都足立区██1-2-2に設置されている一棹の桐製のタンスです。SCP-XXX-JPを破壊しようとする試みは全て非異常性のトラブルによって失敗しています。例として、SCP-XXX-JPの破壊実験は複数予定されていましたが、その全てが機材の不備・他のオブジェクトの収容違反・要注意団体の襲撃等により実行前に凍結されています。なお、この時にヒューム値の極端な変動は確認されていません。

SCP-XXX-JPと領域-XXX-JPは、世界中で「一生に一度はタンス参り」というフレーズでも知られる「東京箪笥(Tansu of Tokyo¹)」として認知されている観光スポットです。その知名度故に、SCP-XXX-JPを現在地から移動させて収容することは民間人の間に多大な混乱を生むと予想されているため現在の収容プロトコルが作成されました。なお、現在SCP-XXX-JPに関連する観光業は全て財団のフロント企業が行なっています。

補遺:レベル4/XXXクリアランス保持者のみ閲覧可能

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Uncontained/Ticonderoga²

特別収容プロトコル: 当報告書はレベル4/XXXクリアランス保持者のみに公開されます。その他の職員には、SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2に関する情報を隠蔽しSCP-XXX-JP-TのみをSCP-XXX-JPとした報告書が公開されます。

SCP-XXX-JP-1は現時点では発生していないため、財団の収容下にはありません。SCP-XXX-JP-2は特別な収容措置を必要としません。

SCP-XXX-JP-Tにはプロトコル・ツーリストスポットが適用されています。

説明: SCP-XXX-JP-1は、2135/03/08に確実に発生すると考えられている異常現象です。この予想は複数のオブジェクトおよび時間異常部門の調査に基づいています。現象の内容は以下の通りです:

• 現象発生から24時間以内に足を持つ全ての人間が、自身が一度も足の指を接触させたことがないタンス・クローゼット・その他衣装入れの角に足の小指を強打する。

なお、SCP-XXX-JP-1は現実改変を伴う現象ではなく、確率論的異常現象であることが判明しています。

SCP-XXX-JP-2は、SCP-XXX-JP-1の発見翌日0:00に地球全土で発生した現象の総称です。全てのSCP-XXX-JP-2の内容は以下の通りです:

1. 地球上の衣装入れが一つを残して消失(SCP-XXX-JP-2-Aと呼称)
2. 全人類がタンスの製法を忘却、タンスの製法に関する地球上の記録全てが消失(SCP-XXX-JP-2-Bと呼称)
3. 1,2は異常ではないという強力な災害的ミームの地球全域での発生(SCP-XXX-JP-2-Cと呼称)

SCP-XXX-JP-2-Cによって発生したミームは感染速度が非常に速く、対抗処置は一部の財団職員以外は受けることが出来ませんでした。不要な混乱を防ぐため、対抗処置を受けた職員にはクリアランスレベル4/XXXが付与され、SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2に関する情報はクリアランスレベル4/XXXを所持する職員にのみ公開されます。

SCP-XXX-JP-Tは、地球上で唯一SCP-XXX-JP-2-Aの影響を受けずに存在しているタンスです。SCP-XXX-JP-2発生前は非異常性のタンスだったと考えられていますが、SCP-XXX-JP-2発生後は機材トラブル等の無関係の現象により破壊が不可能になる異常性を獲得しています。これらの現象が発生するときにヒューム値の極端な変動が確認されていない点と、SCP-XXX-JP-1は依然として発生するとみられており、SCP-XXX-JP-1発生時に対象となる衣装入れがSCP-XXX-JP-T以外に存在し得ないという点から、SCP-XXX-JP-Tの破壊耐性は現実改変を伴うものではなくSCP-XXX-JP-1の確率論的異常の一環であると考えられています。

上述の通り、SCP-XXX-JP-1発生時に人類が足を強打し得るタンスはSCP-XXX-JP-Tしか存在しえません。何も対策を取らなかった場合、2135/03/08に人類の大半がSCP-XXX-JP-Tが存在する場所に移動することになります。SCP-XXX-JP-Tの周囲の環境によっては、これはGH-0'デッドグリーンハウス'シナリオやLV-Zero'捲られたヴェール'シナリオを引き起こす可能性があります。³また、SCP-XXX-JP-Tが安全な状態に置かれていたとしても、ある一箇所に人類の大半が集まる現象は社会に多大な影響と混乱を起こすと予測できます。

上記のリスクを回避するため、SCP-XXX-JP-Tを世界的観光地として民間人に認識させ、SCP-XXX-JP-1発生までに可能な限り多くの人がSCP-XXX-JP-Tに足を接触させるよう誘導するプロトコル・ツーリストスポットが発案されました。SCP-XXX-JP-1は足を持つ全人類が「足を一度も接触させたことがないタンス」に足を強打する現象であるため、プロトコル・ツーリストスポットの実施によりSCP-XXX-JP-1発生時にSCP-XXX-JP-Tに接近する民間人を最小限に抑えられると考えられています。SCP-XXX-JP-2発生によりSCP-XXX-JP-Tの存在がすでに希少なものとして民間人によって認識されており、プロトコル・ツーリストスポット実行への手間が比較的少ない点も考慮され、プロトコル・ツーリストスポットは実行されました。

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こちらは、ディスカッションでLRLGさんに頂いたアイディアを採用している案です。

案2

SCP-XXX-JPに関連するファイルは2件ヒットしました。

SCP-XXX-JP-D

アイテム番号: SCP-XXX-JP-D

オブジェクトクラス: Uncontained Decommissioned

特別収容プロトコル(アーカイブ版): SCP-XXX-JPは現在まだ発生していないため、財団の収容下にはありません。

説明(アーカイブ版): SCP-XXX-JPは、2135/03/08に発生が予測されている異常現象です。この予測は複数のオブジェクト及び時間異常部門の調査に基づいています。SCP-XXX-JPの内容は以下の通りです:

• 足を有する全人類が、現象発生から24時間以内に箪笥・クローゼットあるいはそれに類する衣装入れの角に足の指を強打する。

現在、SCP-XXX-JPの影響範囲が非常に広域である点と、SCP-XXX-JPの影響が非常に容易に観測が可能である点が懸念されており、早急な収容措置が求められています。

補遺(2021/04/10): SCP-XXX-JPは、本日0:00に発生した無関連かつ不可避な現象の発生により大幅に危険性が増加しました。現時点で、SCP-XXX-JPはLV-Zero'捲られたヴェール'シナリオやGH-0'デッドグリーンハウス'シナリオを引き起こす可能性があり、そうでなくとも人間社会に多大な混乱をもたらす可能性が非常に高いです。しかし同時に、同現象の発生により非常に少ないリスクでSCP-XXX-JPを無効化することも可能になりました。SCP-XXX-JPが発生した場合の影響の大きさや影響範囲の広さ、そして無効化手段の難易度を考慮し、SCP-XXX-JPの無効化は承認・実行され、SCP-XXX-JP-DはDecommissionedクラスに再分類されました。SCP-XXX-JPの無効化は、時間異常部門の調査によって裏付けられています。なお、この本日発生した無関連な現象が現在SCP-XXX-JPに分類されています。

SCP-XXX-JP

警告: 以下のファイルはレベル4/XXXX機密情報です

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このファイルにレベル4/XXXX承認無しで行われるアクセス試行は記録され即時懲戒処分の対象となります。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Ticonderoga

特別収容プロトコル: N/A

説明: SCP-XXX-JPは、2021/04/10の0:00に地球全土で発生した現象の総称です。全てのSCP-XXX-JPの内容は以下の通りです:

1. 地球上の衣装入れが一つを残して消失(SCP-XXX-JP-Aと呼称)
2. 全人類がタンスの製法を忘却、タンスの製法に関する地球上の記録全てが消失(SCP-XXX-JP-Bと呼称)
3. SCP-XXX-JP-A及びBは異常ではないという強力な災害的ミームの地球全域での発生(SCP-XXX-JP-Cと呼称)

SCP-XXX-JP-Cによって発生したミームは感染速度が非常に速く、対抗処置は一部の財団職員以外は受けることが出来ませんでした。不要な混乱を防ぐため、対抗処置を受けた職員にはクリアランスレベル4/XXXが付与され、SCP-XXX-JPに関する情報はクリアランスレベル4/XXXを所持する職員にのみ公開されます。

補遺: SCP-XXX-JP-Aの影響を受けずに消失しなかった唯一のタンスが東京都足立区██1-12-13で発見されました。このタンスはSCP-XXX-JP-Tとして回収され、関係者には記憶処理が行われました。

SCP-XXX-JP-T回収当時も、SCP-XXX-JP-D(現在無力化済み)は依然として発生すると考えられていました。SCP-XXX-JP-D発生時に地球上に存在しうる衣装入れがSCP-XXX-JP-Tのみであったため、SCP-XXX-JP-D発生時に人類の大半がSCP-XXX-JP-Tが存在する場所に移動します。SCP-XXX-JP-Tの周囲の環境によっては、これはGH-0'デッドグリーンハウス'シナリオやLV-Zero'捲られたヴェール'シナリオを発生させ得ます。⁴また、これらのシナリオが発生しなかったとしても人類の大半が一つの地点に集合することは多大な混乱を生むことが予測されます。SCP-XXX-JP-Tが存在している状態で上記のリスクを回避する事は極めて困難であるとの判断が下されたため、SCP-XXX-JP-Tの焼却処分とそれに伴うSCP-XXX-JP-Dの無力化が行われました。SCP-XXX-JP-Tの完全焼却は成功し、SCP-XXX-JP-Dの無力化が宣言されました。

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こちらは自分で思いついた別案です。

+ footnotes

Footnotes

1. 「タンス」の英語訳は"Chest"あるいは"Drawers"が一般的とされるが、東京のタンスの知名度により"Tansu"という訳も浸透しつつある。

2. アイテムは収容不能ですが、その必要もありません。

3. SCP-XXX-JP-Tが海底にあれば人類の大半が海に沈み、収容室内にあれば人類の大半が何らかの手段で財団サイト内に侵入すると考えられます。

4. SCP-XXX-JP-Tが海上にあれば人類の大半が海に入り、財団の収容施設内にあれば何らかの方法で人類の大半が財団サイトに侵入すると考えられます。

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  批評コメント批評コメント

  
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  Flips_0122 08 Mar 2021 10:13

  拝読させていただきました。アイデアは面白いと思ったのですが、疑問点が二つほどあります。

  まずこのタンスが(原因がたとえ異常なものでなくとも)破壊できないという点は明らかに異常であり、したがってEparch指定でなく少なくともSafe指定になるのではないでしょうか(類似の異常性を持つオブジェクトとしてSCP-3284があり、これはKeter指定です)。また、(このあたりはカノンにもよると思いますが)超常現象のスケールや複数人が同時に足をぶつけて注意がおろそかになる危険性がかなり大きいことから、SCP-1259-JPやSCP-4861、SCP-3336の例を考えると、財団は超常現象側をKeterやUncontained指定のオブジェクトに定めそうな気もします。

  2点目に、「衣装入れを製造する必要はない」とする認識改変の発生を財団が察知できている点から、財団によるタンスの製造ならば可能なのではないでしょうか。例えば発生日直前に財団内で製造したタンスを世界各地の市街地付近に設置することで、人がタンスに分散され現象の被害を抑えることができるのではないかと思います。

  最後に、疑問点では無いのですが超常現象記録の予定日の日の部分で0が抜けているようです。

  ご一考いただけると嬉しく思います。

  (account deleted) 08 Mar 2021 14:22

  ご拝読ありがとうございます。アイデアが面白いと言っていただけて光栄です。

  指摘していただいた2点は、どちらも納得のいくものだったためそれらの点を改善しつつ大幅な改稿を行いました。不自然な点等あればご指摘よろしくお願いします。

  比較用に改稿前の記事は残してあります。

  LRLG 09 Mar 2021 02:43

  異常性獲得の経緯から、AO-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aとかにナンバリングされるべきでは、という疑問があります。と言うかKクラスが言及されてるのはもうAOでは済まない気がします。

  こちらほぼアイデアを書き出しただけの状態となっています。

  とのことなので、AO-XXX-JPをAO-XXX-JPのままにしつつ（もしくはカモフラージュとして表向きのSCP-XXX-JPにする）、話を広げられないか考えてみました。

  + 世界遺産案

  AO-XXX-JPを世界遺産に指定する
  馬鹿っぽいけれど実は深刻、という方向性の案です。これだけだとなんのこっちゃなので以下で説明します。自分でも細かい部分まで詰めきれておらず、ざっくりな説明になります。実際には細かい部分まで精査しないといけないので、色々抜けがあると思います。
  アイデアの根幹にある重要な部分は、

  • AO-XXX-JPは表向きのカモフラージュとし、AOらしくする
  • ストーリーを広げるために確定した危機に回避の余地を作る
  • SCP-XXX-JPの最後で種明かしという構成にする

  という感じです。

  まずAO-XXX-JP自体の異常性は破壊耐性だけなので、そもそも「壊すな」という存在、世界遺産として公開します。実際SCP-XXX-JP-2により大変貴重な物になっているので、不自然ではないはずです。不自然さを軽減するミーム拡散したりしないとダメかも知れませんけれど…アノマリーを公開するのは通常避けるべきですが、バレなければなんてことはないの精神でいきます。
  次にSCP-XXX-JP-1には回避の可能性のために少しだけ弱くなってもらいます。「既に小指をぶつけた人物は同じ角にぶつけることはない」ということにナーフします。これで、可能な限り多くの人類に予め小指をぶつけてもらえば確定した危機が回避できるかもしれない、という財団の目標を作り、問題の解決という王道のストーリーを展開します。小指をぶつけさせるのは、ご利益があるとかミームとかで…人寄せは財団に観光事業を頑張ってもらいましょう。これらは非異常ですが、一部もしくは全部をAOの異常ということにして、異常ではないことをSCP-XXX-JPで明かす形にしてもいいかもしれません。偽とはいえ異常性を足すとちょっとAOっぽくなくなるかもしれませんが…これで表向きには大分馬鹿っぽくなります。
  最後にSCP-XXX-JP（もしくはその真相）を閲覧できる職員をセキュリティクリアランスレベル等で限定します。AO-XXX-JPをある種のカモフラージュにし、SCP-XXX-JPで種明かし、という構成にすることでAOであることに物語と財団の両面で意味を持たせます。矢張り同ナンバーのSCPとした方が個人的にはしっくりきますが…あとSCP-XXX-JP-2の3は、全員は間に合わなかったことにして、セキュリティクリアランスレベルとは別に対抗処置を受けた職員しか閲覧できないようミームエージェントか半ミームで隠匿する、とかの方がいいかもしれません。最後にヘリテージ・プロトコルとか適当な名前を付けて「AO-XXX-JPの角に小指をぶつけようキャンペーン」を世界的に展開することで確定した危機を回避する、というバカっぽいけれど深刻な状況と財団の奮闘を描きます。
  AOの付記で真相を知らない職員がコストについて苦言を呈していたり、実は観光事業が意外と成功していて黒字だったりするとより頭悪い感じにできるかもしれません。

  ざっくりとはこんな感じです。前述の通り抜けがあるかも知れませんし、そもそもSwordTroutsさんの目指す方向性とは違うかも知れませんが、アイデアの根幹部分だけでも何かしら参考になれば…

  (account deleted) 09 Mar 2021 06:39

  ご拝読ありがとうございます。

  • タンスがAOではないのではないかという件について

  確かによく考えてみれば、Kクラスに関連していれば「これ以上の研究が必要ない」アイテムではないですね、どう考えても。SCP-XXX-JPの一部、ということにしておきたいと思います。

  • 世界遺産案について

  まずは、面白そうなアイデアのご提案ありがとうございます。
  僕が初めに考えていたのは「ただの平凡なタンスで人類(または財団)がヤバイ」だったのですが、「ただの平凡なタンスを世界遺産にして人類ヤバイを回避する」という構図も面白そうですね。LRLGさんの案を完全に採用するかどうかは検討しますが、「危機回避の余地を作り、財団vsタンスの構造にする」点は採用させていただきたいと思います。

  (account deleted) 17 Mar 2021 14:49

  LRLGさんにいただいた案に基づき改稿した記事と、自身の思いつきに基づき改稿した記事を書きました。引き続きご批評のほどよろしくお願いします。

  VideoGameMonkeyMONO 24 Apr 2021 04:41

  サンドボックスⅢに参加していないアカウントによる下書きであるため、本ページは「批評終了」に変更されました。

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