「暑っつ…ふざけんなよ…ばーーーか」
夏の終わりを感じる10月、"博士"は久々に自室から出て呟いた。
白衣を着替え、大きくのびをしてから階段を降りる。
だがその顔は言葉とは裏腹に緩み始め、階段を降り切ったと同時に愚痴は唐突に笑い声に変わる。驚いた猫がバケツを倒し大きな音が鳴るが、今の彼にとっては些細なことらしい。
それも仕方のないことだろう。彼の「愉快な発明品」がとうとう完成したのだ。
美味そうな焼き目のついたトースト、味噌汁、もやしの炒めもの。彼のお気に入りの朝食だ。
申し分のない朝だ。
申し分のない朝のはずだった。
警報装置がけたたましい音を立てて唸るまでは。
またいつものEVE検出装置の誤作動だろうと少し顔をしかめた"博士"は視線を落とし、目を剥いた。
その時警告を発していたのはアキヴァ放射線の検出装置だったのだ。それも明らかに異常な値を示している。彼は急いで外に飛び出した。
快晴だ。異常は見当たらない。
宙に浮かぶ小型神格らしき像を除いては。
いかに小さくとも神格は神格だ。
彼は今持っている「愉快な発明品」を総動員して対処にあたるが、奇跡論パルスとともに像が殆どの力を失い地に伏した時には既に昼を回っていた。
「バーカ!アホ!マヌケ!ふざけんな!神様?知らん死ね!」
壊れた「発明品」の欠片が散乱する中、息を切らしつつ"博士"は像に暴言を吐き散らかしていた。
だが、そのとめどない暴言も像の一言の呟きで終わりを告げた。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6921907 (19 Oct 2020 00:09)
コメント投稿フォームへ
批評コメントTopへ