SCP-XXXX-JP - 我らが生命たる樹

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 我らが生命たる樹
著者: white555
作成年: 2023

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの周囲1kmには、カバーストーリー「自然保護区」を用いて一般人の立ち入りを禁じます。また、いかなる生物の接近も阻止されます。

そのための必要措置として、レーザー兵器、通常火器、監視サイト、監視装置、周囲を囲うように適当な高さの柵が設置され、何らかの生物の接近が考えられる場合には、本オブジェクトを傷つけないことを必要条件として次の措置が許可されます。可能な限り、影響の出ない超音波による撃退。効果がないと判断される場合には、順次、あらゆる高火力のものへと切り替えることが許可されます。

生物的要因以外のために、自然災害を含む環境的要因にも対処が行なわれます。必ず他の樹木と一定の距離を保つように管理され、周囲には避雷針が設置されます。他にも順次、懸念されるべき事案が発生した際には、それに応じた対応策が特別収容プロトコルに制定されることが許可されます。

説明: SCP-XXXX-JPは、常緑広葉樹の高さ約75m、直径約15m、幹周約50mになる未知の種類の樹木です。枝やその葉の広がり方として、類似する樹木にモンキーポッド（Albizia saman）があげられ、葉の形として、類似する樹木にクスノキ（Cinnamomum camphora）があげられます。

収容に至った経緯として、財団本部による世界規模の特殊化学エネルギー探査であり、財団日本支部への報告及び調査隊の派遣が行なわれたことがあげられます。財団の検知以前に、過去数百年の検査可能な範囲の年月において、本オブジェクトにいずれかの人間が到達した痕跡はありませんでした。

この探査結果に引っかかった化学エネルギーは、詳細な調査の結果、葉の一枚一枚に分散して保存されており、それぞれの葉の一枚一枚は光量の異なる緑がかった1lm¹以下の光を発していることが判明しています。

以下は実験記録の内容です。

+ 実験記録1を閲覧する

実験記録1

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対象: SCP-XXXX-JP

目的: SCP-XXXX-JPの幹及び葉に対する破壊耐性調査

方法: 小規模の破壊耐性実験用キットを用い、幹及び葉に対して傷をつけることができるか、実験を行なう。

結果: 破壊耐性実験は成功しました。破壊耐性実験キットは、幹及び葉に対して軽微な傷をつけることに成功しました。

分析: 葉を傷つけた際、葉の発する光量が一瞬低下し、その後ほぼ元の光量に戻りました。これに応じて葉の傷はほぼ修復され、葉には再生能力があると推測されました。

+ 実験記録2を閲覧する

実験記録2

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対象: SCP-XXXX-JPの葉，モルモット（Cavia porcellus）1体

目的: 葉に含まれる化学エネルギーが、生物に与える影響調査

方法: 葉を1枚採取し、モルモットに投与。

結果: モルモットはその生体機能を維持したまま、脳活動及び体細胞の恒久的な活性化が確認されました。この個体に対し、他の一般的な個体と同時にモルモット用記憶テスト及び計算テストを実施し、その結果を比較した結果、一般的な個体よりも比較的高度な知性を獲得したと見られます。

分析: 葉を採取した際、葉の発する光量が一瞬低下し、その後元の光量に戻り、モルモットに与えられるまで葉の放つ光量は維持されたままでした。

+ 実験記録3を閲覧する

実験記録4

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対象: SCP-XXXX-JPの葉，D-922967

目的: 葉に含まれる化学エネルギーが、人間に与える影響調査

方法: 実験前にD-922967にIQテスト、記憶テスト、及び計算テストを実施。その後記憶処理を行なってから葉を1枚与え、同じテストを実施。

結果: D-922967の脳活動及び体細胞の恒久的な活性化が確認され、D-922967は、「頭がすっきりした、頭がよくなった気がする。」と発言しました。実験前に実施したテスト結果と、葉を与えた後に実施したテスト結果を比較した結果、有意な結果の向上が見られました。

分析: 葉は実験2と同様の挙動を示し、D-922967は実験終了後、記憶の混濁を訴えました。D-922967は実験終了後から数分が経つと気絶したため、クラスA記憶処理が行なわれました。

+ 実験記録4を閲覧する

実験記録4

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対象: SCP-XXXX-JPの葉

目的: 葉に含まれる化学エネルギーを回収可能か調査

方法: 葉を1枚採取し、燃焼させる。

結果: 葉は勢いよく燃え、最大██mの高さの火柱を作り出しました。その後、この火柱はエネルギーを使い切ったことにより、自然に鎮火されました。

分析: 葉を適切な方法で加工し、産業利用することでエネルギー問題に対する解決策の一つとできるのではないかと議論されました。

+ 実験記録5を閲覧する

実験記録5

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対象: SCP-XXXX-JPの葉

目的: 実験4で得たデータを元に、高効率で回収可能か調査

方法: 葉を10枚採取し、それぞれ異なる方法でエネルギーとして抽出できるように加工し、実際にどの程度エネルギーが回収可能か検証。

結果: 6枚目採取完了時に、この実験を行なっていた神木博士が突然倒れ、その後死亡したと判定されたため、実験は中止されました。この特異性について再度議論を行なうと同時に、他者にも同様の事象が発生していないか財団が調査することになりました。調査が完了するまでこれらを用いた実験はすべて中止・凍結されます。

分析: 葉に含まれる化学エネルギーは、人間に対して何らかの干渉を起こすのではないかと推測されました。

以下は事件記録の内容です。

+ 事件記録を開く

以下、実験中に発生した事件記録

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経緯: 実験記録５実施中、6枚目の葉を切り離した時、実験を行なっていた神木博士が突如倒れ、その後心停止により死亡したと判定されました。神木博士は実験直前まで至って健康であったと診断されており、この突然死はと関連していると推測されました。

結果: 葉を切り離すと同時に、神木博士が死亡しました。従って、葉が枝から離れて破壊されたと見做されると、それに対応していずれかの人間が干渉を受け、死亡すると推定されました。詳細は現状では不明ですが、この干渉は日本国内にのみ有効であり、干渉を受けたと考えられる人間は最低でも████人に登ります。本オブジェクトの発見からこの事件の調査までの間に、財団は実験上で合計9枚の葉を採取されています。財団の調査により、それぞれの実験にてこの採取が行なわれたタイミングで一定数の死亡者が出ていると財団によって確認されています。不必要な日本国内の人間の死亡をもたらすため、財団日本支部上層部によって今後一切の追加実験は禁止されます。

調査によって判明した異常性により、本オブジェクトに損傷が与えられることは明らかに避けるべきであり、いかなる手段を使ってでも保護されるべきだと判断されました。従って、特別収容プロトコルの改定は必須事項であり、いかなる現象からも保護されるための設備が配備されます。また、今後の追加調査及び保護計画のために「プロジェクト・クリエンテス」が策定されます。

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残った葉の数は5枚であり、この葉を戻すことは不可能です。残った葉は適切に扱われるべきであり、以前のような失敗は二度と繰り返されるべきではありません。 — 神木博士

事件記録を受け、SCP-XXXX-JPは単に化学エネルギーを内包しているというだけではないと判明しました。そのエネルギーの出所として、それら葉一枚一枚は日本人に何らかの形で干渉することができる異常性を有していると考えられており、推定ではこの干渉を受けるのは１人から███人までのいずれかの人数です。この葉一枚一枚が所有する化学エネルギーに応じた光量を発すると同時に、その干渉可能な人数に差が出ていると推測されています。

この財団の調査結果に基づき、今後一切の追加実験は広範な日本人への干渉をもたらす可能性があるために行なわれることはありません。収容方法においても同様に、葉に対して一切の被害が出ない、または最低限度の許容可能な範囲の被害で抑えることに全力を注ぐべきだと判断されます。そのために、以前の収容プロトコルは変更され、現在の特別収容プロトコルに改定されました。さらなる改定の必要があれば、レベル4クリアランスを所持する職員の許可のもとに行なわれます。

脚注

1. lm（ルーメン）は、光量を表す単位。1lmは蛍の光といった弱い光の明るさにあたる。

付与予定タグ: Safe, JP, SCP, 植物

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