鏡の少女と愉快な仲間たち

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確保直前に撮影されたSCP-XXXX-JP-A-aとSCP-XXXX-JP-B

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPは現在収容することは不可能です。しかし、その特性ゆえ、世界に異常性が露呈する確率は極めて低いため、その存在が外部に漏れないように情報を隠匿してください。
SCP-XXXX-JP-Aは四方の壁を鏡にした人間型収容施設内に収容してください。施設内を24時間体制で監視し、1日3食の食事、2日に1回の間食を机の上に置いてください。
SCP-XXXX-JP-Bは四方の壁を鏡にした生物収容施設に収容してください。施設内を24時間体制で監視し、定期的に花の蜜を与えてください。現状、SCP-XXXX-JP-Bを確保することができるのはSCP-XXXX-JP-A-aのみです。
この施設は現状、SCP-XXXX-JP-A-a、SCP-XXXX-JP-Bの異常性により監視することしかできません。収容違反が確認された場合、奥水博士又はカウンセラーに連絡を取り、収容施設に戻るよう説得してください。SCP-XXXX-JP-A-aに対して優先的に説得してください。

説明: SCP-XXXX-JPは鏡の中の世界に入りこむ現象です。現在鏡の世界の中に入る条件を研究中ですが、未だに発見されていません。SCP-XXXX-JPを発生させた人物をSCP-XXXX-JP-A、また、鏡の世界の中に生息していると思われる蝶1をSCP-XXXX-JP-Bとします。

SCP-XXXX-JP-A-aの証言によると、鏡の中の世界は現実世界と物理法則は変わりなく、現実世界で起こったことは鏡の中の世界でも起きるといわれています。しかし、SCP-XXXX-JP-Bの証言によると、鏡の中からでしか行けない場所等があることも分かっています。現状、鏡の中の世界への調査は侵入方法を確立させてから行うものとされています。

SCP-XXXX-JP-Aは現在1人しか確認されていません。2SCP-XXXX-JP-A-aは17歳の日本人女性です。行方不明者リストの中に名前と顔写真が記載されていたのを確認しています。

SCP-XXXX-JP-Bは現在5匹収容しています。SCP-XXXX-JP-A-aの証言やインタビューにより、SCP-XXXX-JP-Bは少なくとも60匹以上存在していることが確認されています。SCP-XXXX-JP-Bは、SCP-XXXX-JP-A-aと不明の方法で会話することが可能であり、現実世界ではその言語を聞き取ることはできません。確保作戦の際は、SCP-XXXX-JP-A-aを同行させ、

補遺1:発見経緯 20██-6-25 Twitterにて「鏡にだけ映る女性がいる」という旨の投稿を発見。動画が添付されており、多数の目撃証言が確認されたことから調査が開始されました。収容後はSCP-XXXX-JP-A-aの存在を都市伝説とし、本来の異常性を特定されないよう偽の情報を流すなどして情報を隠蔽しました。

補遺2:SCP-XXXX-JP-A-aに対するインタビュー記録

対象: SCP-XXXX-JP-A-a

インタビュアー: 奥水博士

補足: 四方を鏡で囲った部屋でインタビューを行った。鏡の中の世界との対話方法がその時点で判明せず、筆談によって行われた。

<記録開始>

[机の上にメモ用紙が何枚かとペンが置いてある。鏡にもメモ用紙とペンが移っているのが確認できる。]

奥水博士: こんにちはSCP-XXXX-JP-A-a。私は奥水です。現在あなたとの対話方法が確立されていないため、筆談をしてもらいます。こちらの声は聞こえているとのことですが、ちゃんと聞こえていますでしょうか。

[ペンとメモ用紙が現実世界から一つずつ消失する。鏡を確認するとSCP-XXXX-JP-A-aがペンとメモ用紙を持っていることが確認できる。]

[SCP-XXXX-JP-A-aがメモ用紙を机の上に置くと、現実世界に文字の書かれたメモが出現し、内容を奥水博士が確認する。以下は会話の間に同じことが繰り返されるので省略する。]

SCP-XXXX-JP-A-a: 初めまして。私はSCP-XXXX-JP-A-aという名前じゃないです。遠藤由紀です。

奥水博士:失礼しました。由紀さん。あなたが鏡の中に入ったときの瞬間の話を聞かせてもらえますか?

SCP-XXXX-JP-A-a:洗面台で髪を整えていたら、鏡に汚れを見つけて、拭こうとしました。ティッシュでそれに触れた時、鏡の中に自分がいなかったんです。え?と思っていると、鏡に触れた時の勢いでそのまま中に入ってしまいました。

奥水博士:なるほど。それでは次にSCP-XXXX-JP-Bについて教えていただけますか?

SCP-XXXX-JP-A-a:蝶々たちのことですよね?彼らはみんないい子たちです。いつも面白い話をしてくれるし、時々みんなで協力してご飯を持ってきてくれたりするんです。しかも世界中を旅してるらしいんです。

奥水博士:面白い話というと、あれらはあなたと話せるのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a:はい。あとできるだけ「彼ら」と呼んであげてください。

奥水博士:わかりました。

<記録終了>

後書: インタビュー中の現象や言動から、SCP-XXXX-JP-A-aは鏡越しだけでしか認識できないという異常性のほかに、所持しているもの・衣服等のものをSCP-XXXX-JP-A-aとおなじ異常性を持たせれることがわかりました。また、未知の方法でSCP-XXXX-JP-Bとの会話を確立させていることがわかりました。

補遺3:SCP-XXXX-JP-A-aとの会話方法を確立させるための実験記録
会話方法 可能かどうか 効率的か 補足
筆談 可能ですが効率が悪いです。20██-6-29以降適切な会話方法が確立されなかった場合、筆談で行われることとします。
モールス信号 実質不可 信号を確認することができたが、SCP-XXXX-JP-A-aがモールス信号を理解しておらず、実質不可能です。
PCによるメール送信 メールの送信ができることは確認できましたが、SCP-XXXX-JP-A-aのタイピング速度が異常に低く、効率が悪いです。
通信機による通話 音質に多少問題がありますが、相手とのコミュニケーションをとることは可能でした。

補遺4:SCP-XXXX-JP-Bとのインタビュー記録 20██-7-3 四方を鏡で囲った部屋でインタビューを行った。

対象: SCP-XXXX-JP-B

インタビュアー: 奥水博士

補足: SCP-XXXX-JP-A-aに協力してもらい、SCP-XXXX-JP-Bが話した言葉をSCP-XXXX-JP-A-aが話すという形で行った。

<記録開始>

奥水博士: こんにちはSCP-XXXX-JP-B-a、私は奥水です。現在あなたとの対話方法が確立されていないため、SCP-XXXX-JP-A-aに協力してもらっています。こちらの声は聞こえていますでしょうか。

SCP-XXXX-JP-A-a: 聞こえてるみたいです。カールって呼んでほしいみたいです。

奥水博士: わかりました。カール。あなたはSCP-XXXX-JP-A-aとの会話ができているとのことですが、どのような方法で会話を行っているのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: 普通に話しているだけらしいです。私以外に聞こえない理由はわからないみたいです。

奥水博士: なるほど。次に、SCP-XXXX-JP-A-aの証言から、あなたたちは食料を持ってくると聞きましたが、どのようにして持ってきているのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: 彼らには彼らの畑のようなものがあるみたいです。そこから少し持ってきてくれるみたいですね。場所は鏡の世界からでないと行けないみたいです。

奥水博士: 畑というのは人間の知っているような野菜を育てているのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: いや、あまり現実にいた時に食べたものは多くなかったです。私の知識の問題かもしれませんが、味は野菜だけじゃなくて肉とか、ごはんの味がするものもありました。

奥水博士: なるほど。畑を作っているということはあなたたちは花の蜜を吸って栄養を得ることはないのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: 彼らは主に私のような鏡の世界に人間が入ってきたときのために畑を作っているらしいです。でも繁殖のときにもその場所を使うらしいです。

奥水博士: なるほど。ありがとうございます。これでインタビューを終わりますが、何か質問はありますか?

SCP-XXXX-JP-A-a: 食事は花の蜜が欲しいとのことです。

奥水博士: わかりました。

<記録終了>

後書: インタビューの結果、SCP-XXXX-JP-Bは一定のコミュニティを形成しており、人間と同等の知能を有している。また、SCP-XXXX-JP-Aがほかにも多数存在する可能性があります。

補遺5:SCP-XXXX-JP-Aの異常性を確立させるための実験。

1 机の上にリンゴを置き、SCP-XXXX-JP-A-aに所持させる。現実世界からは消失し、鏡の世界にはSCP-XXXX-JP-A-aの手の中にリンゴが見える。
2 奥水博士がSCP-XXXX-JP-A-aからリンゴを取る。この時SCP-XXXX-JP-A-aには直接触れない。奥水博士が鏡でリンゴの位置を確認しながら回収しようと試みるが、現実世界では触れられない。鏡の世界でも、手がリンゴを通り抜けるように映る。
3 SCP-XXXX-JP-A-aにリンゴを机の上に置いてもらう。リンゴを机の上に置き、手を離した瞬間現実世界にも同じ位置にリンゴが出現。
4 SCP-XXXX-JP-A-aに手を出してもらい、奥水博士がその手を握る。奥水博士が鏡で手の位置を確認しながら握ろうと試みるが、現実世界では触れられない。鏡の世界でも、手を通り抜けるように映る。
5 奥水博士に手を出してもらい、SCP-XXXX-JP-A-aがその手を握る。SCP-XXXX-JP-A-aが手を握ろうとすると、奥水博士は握られている感覚があると証言。鏡の世界でもSCP-XXXX-JP-A-aが奥水博士の手を握っているように映る。
6 お互いの手を握るように動く。奥水博士は握られている感覚があると証言。鏡の世界でもSCP-XXXX-JP-A-aが奥水博士の手を握っているように映る。
7 SCP-XXXX-JP-A-aに目隠ししてもらい、SCP-XXXX-JP-A-aに向かってボールを投げる。現実世界では何にも当たらずにそのまま投げられているように見える。鏡の世界ではボールはSCP-XXXX-JP-A-aの体をすり抜けていくように見える。
8 奥水博士に目隠しをしてもらい、SCP-XXXX-JP-A-aにボールを奥水博士に向かって投げてもらう。SCP-XXXX-JP-A-aからボールが離れた瞬間ボールが出現。奥水博士にボールは衝突した。
9 SCP-XXXX-JP-A-aに対して何も伝えず、SCP-XXXX-JP-A-aをサーモグラフィーカメラで観察する。何も確認されなかった。
10 SCP-XXXX-JP-A-aに対して実験内容を伝えた状態で、SCP-XXXX-JP-A-aをサーモグラフィーカメラで観察する。温度を確認することができた。通常の人間と同じ温度だった。
11 SCP-XXXX-JP-A-aに対して何も伝えず、SCP-XXXX-JP-A-aをレントゲン検査する。何も確認されなかった。
12 SCP-XXXX-JP-A-aに対して実験内容を伝えた状態で、SCP-XXXX-JP-A-aをレントゲン検査する。体の内部を確認することができた。通常の人間と同じ状態だった。

補遺6:SCP-XXXX-JP-A-aとの対話記録。

対象: SCP-XXXX-JP-A-a

インタビュアー: 奥水博士

補足: SCP-XXXX-JP-A-aが奥水博士との会話を要求。

<記録開始>

奥水博士: 奥水です。何か問題がありましたか?

SCP-XXXX-JP-A-a: 前にも聞いたと思うんですけど、ここってどういう場所なんですか?

奥水博士: ここはあなたのような異常な現象に巻き込まれた人や、異常性を持った人を保護する施設です。

SCP-XXXX-JP-A-a: ここのロゴマーク。どこかで見たことあるなって思って、なぜか今まで忘れてて、昨日思い出したんですけど、SCP-████ってなんですか?

奥水博士: なぜそれを知っているのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: ここに入る前にここと同じロゴマークが入った施設に入ったことがあって、そこで見ました。

(大量に発汗し始める。)

奥水博士: なぜ入ったのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: エリザ3が、ここは楽しい場所だから入ってみようって言ってきて。入ってみたんです。

奥水博士: 誰にもばれなかったんですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: たぶん。あなたたちの言う異常性っていうのが働いたんだと思います。それで、そのSCP-████って書いてある部屋に入って、あの。それが。ぐちゃぐちゃしてて。絶対に人間の形してなかったですよね。あれ。なんなんですか?

(過呼吸になっていく。)

SCP-XXXX-JP-A-a: エリザがカードみたいなのを持ってて、それをカードリーダーに当てて入りました。

奥水博士: ・・・それを見た後、あなたはどうなったのですか?

SCP-XXXX-JP-A-a: えっと、気を失ってて、いつの間にか外にいて、周りにあの子たちがいて、外で倒れてたって言ってて、それでしばらくそのことを忘れてたんですけど。今思い出しちゃって。

奥水博士: ・・・対話を終了します。

SCP-XXXX-JP-A-a: ねえまって。あれはな(録音終了)

<記録終了>

後書: SCP-XXXX-JP-Bの中にレベル3セキュリティクリアランスの権限があるカードを持つものがいる可能性があることがわかりました。これは甚大な収容違反を発生させる可能性があります。SCP-XXXX-JP-Bをすべて確保し、未然に収容違反を防いでください。


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