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SCP-4999は、人型のアノマリーである。以前より都市伝説として一部では囁かれてきたが、ヴェール崩壊後財団がその存在を認めた。
犬すら庭を駆け回るのを躊躇う様な雪の夜、男が一人雪道を歩いていた。雪は男のコートにぶつかっては落ちるのを繰り返していた。
目的地に向かうなど転移すればいい話なのだが、誰もいないこの白い道もまた美しいものだと自らの足で歩くことに決めた。まあ、結局は扉の前まで行けば開いていなければ転移は使うが。
そんな事を考えていると目的地が見えてきた。何の変哲もない一軒家。あそこに死を迎える孤独な者がいる。
玄関前まで着きドアノブを触ると、当然だが鍵がかかっていた。転移を使うしかないようだ。
「しゅん」、という感覚とともに目の前の光景ががらりと切り替わる。それは転移の成功を意味していた。目の前には驚いた様子の男性が一人。まだ若い、自殺か?
男の方を見る。手元に拳銃などは無い。まだ死ぬまでの時間に余裕はありそうだ。
「おい?お前…」
男が言った。あまりパニックにはなっていないようだ。いつものように煙草を差し出そうと左ポケットに手を突っ込む。
「お前、弔うマンか?」
弔うマンという言葉が自分のことを指していると気付くのに数秒を要す。その間に男はスマートフォンを焦ったような様子で弄っている。
「お前やっぱり弔うマンじゃねえか!嫌だ!俺はこんな奴には看取られたくねえ!」
男はそう叫ぶと引き出しに向かって走り、中から拳銃を取り出した。理解が出来ず硬直していたが、引き金は私の理解を待ってくれはしない。
死体に向かい目を瞑って手を合わせる。何故こうなってしまったんだ。そう思い彼の握っていたスマートフォンを見る。そこに映っていたのは紛れもなく私の顔だった。
民間
あれから色々調べて分かった。私は「弔うマン」と呼ばれていること、この世界において孤独な者を弔う私は孤独であることの証明であること、それにより私は嫌われていること。
この間の男の自殺は私が訪れたことによるものだったのだろう。未来は既に決まっていた。
決まっていたとしても、だ。
防ぐことは出来なかったのか?私は死にゆく者を安らかに眠らせるために。死を招くなんて?それもあんな死に方の?
内ポケットを触る。彼の遺品であるスマートフォンと拳銃。スマートフォンは調べるために持ってきたが、拳銃を持ってきた理由は自分でも分からなかった。彼の死を過ちとして忘れないためか、それとも。
「そうでしかないな。」
言葉を発したのさえ久々に感じる。決意はした。もう私はこの世界に必要とされていないのだろう。これ以上は死者も私も報われない。
拳銃を取り出し、弾が入っているのを確認する。こんな私でも元はと言えば人間なのだ。銃で撃たれて死なない訳がない。
その時、目の前の光景が切り替わった。
「しゅん」という感覚がないから私が転移したのではない。つまり。前を見ると、そこには黒いコートの私とは違う顔の男がいた。
ああ…そういう事か。私が死ぬのも運命のうちだったらしい。
「いいのか?この世界は厳しいぞ?」
後続となるであろう彼に問いかける。彼は黙って煙草を差し出すばかりで答えない。まあ当然なのだが。
「いや、要らない。」
彼の煙草も、自分の煙草も吸う気にはなれなかった。
「頼んだぞ。」
今更生きようなどとは思わない。引き金に指を掛け、望むことの出来なかった未来を想う。
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