純白の館は血に染まる
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その部屋はサイトの一角(比喩ではなく本当に隅なのだ)に位置している。財団の施設内とは思えないような小さな部屋、扉には「相談室」と書かれた看板が吊り下げられている。

一見物置と間違えられてしまいそうなこの部屋だが、相談室と言う名の通り相談を持ち込む人間も、相談を受ける人間も存在する。まあ、多くは無いのだが。


  阿宮は慣れた様子で相談室の扉をノックした。中から「はあい」と間延びした返事が聞こえたのを確認し、扉を引く。

「また君か。最近はほとんど君からの相談しか聞いていないような気がするよ。」

殺風景気味な相談室の中。中央を陣取る丸机にはコーヒーが置かれている。呆れたような声でそう言ってから彼はコーヒーを一杯飲んだ。彼こそ、この相談室に所属する唯一の男、吽野である。

「また事件の相談かい?」

「お察しの通り。何時もすみませんね。」

「どうせまた能力者絡みの事件なんだろう?」

「いえ、今回は不可解な点が多々あるだけで。判別部門も異常アリとの判断は下していません。」

「なんだって?」

吽野が身を乗り出す。俺は「零れますって」とコーヒーのカップを支えるが、彼にとってそんなことはもはや関係ないのかも知れない。

「でもおかしいなあ。それなら如何して僕のところに話が回ってくるんだい?」

「それはですね。被害者も容疑者も、挙句現場さえも財団絡みだからですよ。」


隔離サイト-81HSは山奥に位置していた。外からでも分かる真っ白な建物は、隠蔽を目的に据えたとは思えない。純粋に隔離が目的なのだろう。

「かつてここはSCP-████-JPの収容に利用されていました。壁が全て発泡スチロールなのもその影響です。」

「知っているさ、そのSCiPの無力化後収容するオブジェクトが決まらず避暑地になったこともね。そりゃ発泡スチロールじゃ普通は収容違反するだろう。」

「流石です」と小声で付け足す。

「というか、こんな特殊な館で殺人なんて!まるでトリックを使いましたよ、と白状しているようなものじゃないか!」

「不謹慎ですよ。」

アノマリー絡みの事件ばかりで忘れていた。本来彼はありとあらゆるトリックを好む人間だったことを。

「財団鑑定部門、阿宮です。」

入り口に待機していた警備員に身分証を見せる。警察手帳を見せる刑事とはこんな気持ちなのだろうか。


tale-jp 財団探偵



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執筆者: Dr_kuronecko
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最終更新: 18 Dec 2020 13:11
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