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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの周囲には常時2名以上の警備員が配置されます。財団関係者以外の人物がSCP-XXX-JPを訪れた場合は拘束し、問題が無いと判断された場合記憶処理を施した後に解放してください。
現在SCP-XXX-JPに侵入した経験のある民間人の捜索が行われています。発見された場合当該人物を保護し、一ヶ月に一度得た利益に応じた量の"おにぎり"を持たせ本人の手によってSCP-XXX-JPに投入させてください。
現在SCP-XXX-JPの未知の異常性について調査が行われています。
説明: SCP-XXX-JPは秋田県██市に存在する直径15cm程度、深さ3m程度の地面に空いた穴です。
SCP-XXX-JPは内部に一般的に"おにぎり"と呼称される食品を投入した場合に活性化します。(以下、投入した人物を「対象」と呼称。)食品の投入後、食品は消失し、SCP-XXX-JPは直径1m程に拡大します。拡大後のSCP-XXX-JPの深さは判明していません。拡大後、対象はSCP-XXX-JPに侵入します。この際対象には何らかの精神影響が発生しているようです。
侵入した対象は和室を模した空間に転送されます。当該空間にはハツカネズミ(学名Mus musculus)に酷似した外見の実体が存在しています。(以下、当該実体をSCP-XXX-JP-1と呼称。)SCP-XXX-JP-1は日本語での意思疎通が可能です。
対象に対しSCP-XXX-JP-1は"契約"を持ちかけます。以下がその内容です。
・対象は一般的に"ねずみ講"と呼称される方法で金を集める。この際、SCP-XXX-JP-1は対象の知人が参加しやすくなる方法を資料にまとめ対象に渡す。
・対象はこうして得た収益の75%を使用し、1ヶ月に1度SCP-XXX-JP-1のためのに"おにぎり"を作りSCP-XXX-JPまで持参する。
以上の内容を対象が拒否した場合、対象はSCP-XXX-JP-1に関する記憶を失った状態でSCP-XXX-JPの外に放出されます。対象が受諾した場合、対象はSCP-XXX-JP-1に関する記憶を保持した状態でSCP-XXX-JPの外に放出されます。放出後、SCP-XXX-JPは既に元の大きさに縮小しています。この際対象は"勧誘のメソッド"と書かれた資料を持っています。この資料の内容は一般的に詐欺師などが使用する人を不安にさせる、もしくは安心させる事を目的とした話術1や極度に簡易化された心理学についてであり、資料に異常性は認められていません。
SCP-XXX-JPは小宮 ███氏が警察に「契約違反でねずみに殺される」といった旨の通報をしたことが財団の目に留まり、その後の小宮氏の証言により発見されました。小宮氏はSCP-XXX-JP-1の提案を受諾したと証言しています。以下は小宮氏に対して行われたインタビューの記録です。
インタビュー記録XXX-JP
インタビュアー: エージェント・琴鳴(警察関係者だと名乗っている)
対象: 小宮 ███氏
付記: 当インタビューは小宮氏よりSCP-XXX-JPの大まかな性質を聴取した後に行われたものです。
<記録開始>
エージェント・琴鳴: それでは、あなたが警察にした通報の意図を教えてくださいますか。
小宮氏: そのまんまだよ。もうあのねずみ講のシステムについては説明しただろ?
エージェント・琴鳴:はい。
小宮氏: 正直、俺がこんなんだから俺の周りにはロクな奴がいない。それを良い事に感じたのは初めてだったぜ。だってあいつら、全員誘いに乗るんだから。でも、幾ら儲かっても、おにぎりが作れなきゃどうしようもない。俺はそこを甘く見ちまってたんだ。
小宮氏: 条件が量じゃなくて割合だったせいで、儲かれば儲ける程作らなきゃいけないおにぎりは増えていった。教えた奴から金を取り立てるのと並行して大量のおにぎりを作る余裕なんてあるはずも無く、あのねずみの事を無視して金を他の事に使う事にしたんだ。きっとあれは夢で、神が俺にくれた金儲けの天啓なんだって。
小宮氏: だが、そんなわけ無かったんだ。最初にあの穴に入ってから1ヶ月が経った頃、急に大量のねずみの声と足音が聞こえて飛び起きたんだ。最初は幻聴かと思ったんだが、どうやら違うようだった。床の下とか、壁の中とか、そういった所からずっとちゅうちゅう、ちゅうちゅうって。
小宮氏: このまま滞納し続けたら、きっと俺はあのねずみに殺されちまう。なあ、頼むからここから出してくれ。今ならまだ間に合うんだ。
エージェント・琴鳴: 残念ですが、ここから出す事は出来ません。小宮さんの話を聞く限り、あなたは今間違い無く危険な状況です。そんなあなたを外に出す事は到底不可能です。
エージェント・琴鳴: ですが安心してください。ここは安全です。ここにいる限り、あなたがそのねずみに殺される事はありません。
小宮氏: ……本当に?
エージェント・琴鳴: はい。
小宮氏: 頼むぞ。
<記録終了>
インタビュー以降も小宮氏は幻聴を訴え続けています。小宮氏就寝時の収容房内には小宮氏以外のいかなる生物も確認されませんでした。これがSCP-XXX-JPの異常性によるものか小宮氏の精神が不安定になった事に起因する幻聴であるかは不明です。
補遺: 2018/03/19、財団によって保護されていた小宮氏が収容房内で死亡しました。以下は当時収容房に設置されていた監視カメラの映像記録です。
映像記録XXX-JP
<再生開始>
(小宮氏はベッドで横になっている。彼は両手で耳を塞ぎ、目を瞑っている。)
(収容房の床から人間のものと思われる腕が突き出す。)
(腕が床に空いた穴の周囲を破壊し、穴を広げる。)
(広がった穴から16体の人型実体が出現する。人型実体は全てねずみを模した仮面を被っている。)
人型実体群: (一斉に)ちゅうちゅう。
(人型実体群は小宮氏に接近する。小宮氏は壁側を向いており、実体群に気付いていない様子である。)
(人型実体群のうち一体が顔を小宮氏に近付ける。)
近付いた人型実体: ちゅうちゅう。
(小宮氏が実体群に気付き、飛び起きる。2体の人型実体を突き飛ばしドアに向かうが、背後から別の実体に腕を掴まれ、収容房の奥に引き摺られる。)
小宮氏: いい加減にしてくれ!約束を破ったのは悪かったよ!でも時間が無かったんだ!そのくらい考慮してくれ!
(人型実体群のうち四体が小宮氏に接近し、小宮氏の四肢を掴む。)
小宮氏: ここから!ここから出たら!出たらすぐにおにぎりを持って行く!だから!
(一体の人型実体が前に出て、小宮氏の左目を抉り取る。)
(悲鳴)
(四肢を抑えていた実体が仮面を外し、一斉に小宮氏の四肢を摂食し始める。後を追うように他の実体も小宮氏の摂食を開始する。)
(摂食中、いくつかの部位は摂食されずベッドに置かれる。)
(小宮氏の肉体のほとんどが摂食され、実体群が摂食を取り止める。摂食されず陳列された部位は眼球、心臓、脳の一部、肺。)
(実体群が一斉に正座のような形を取り、陳列された臓器の方を向く。)
(突入した機動部隊によって実体群が即座に終了される。実体群は抵抗せず、ただ臓器の方を向き両手を合わせている。)
<再生終了>
収容房の地下には人型実体が通れる大きさの空間は存在しませんでした。また後の調査により、出現した人型実体群は全て小宮氏にねずみ講の勧誘を受けそれを受諾していた人間である事が判明しました。何らかの精神影響が働いた結果、彼等は収容房への侵入及び小宮氏の摂食を行ったと考えられています。当インシデントから他にSCP-XXX-JP-1と契約した人物が"おにぎり"を納めなかった場合2隠蔽困難かつ多数の死者を出す被害の発生が見込まれるため、SCP-XXX-JPはKeterクラスに再分類されました。
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- portal:6856613 (20 Sep 2020 02:05)
おむすびころりんとネズミ講の組み合わせとしては悪くないのですが、期待していた展開と違った感じになったとい印象があります。「膨大なおにぎりを作るのは無理」という意外な詰み方が面白かっただけに、脅威的な存在として描かれる展開に面白味を感じませんでした。
また、おむすびころりんを題材としているために本来ネズミ講だけでいいところを「穴」や「投入」というように工程が複雑化しており、回りくどさを覚えます。おむすびころりんでいえばSCP-1186-JPがあるだけに上手く処理できていないのが気になります。
「メリットの代わりにリスクとして提示されるものが簡単でそこまで脅威的に見えない」からの「膨大な量を作るのは無理なので詰む」という展開は好きです。ネズミから題材を変え、ここを要点としてどうにかクリアするという方向に話の軸を作った方が面白くなると思います。
aisurakuto様、批評ありがとうございます。
一旦批評を中断し、アイデアが浮かぶまで寝かせようと思います。