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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 担当職員はSCP-XXXX-JP及び-SCP-XXXX-JP-aの捜索を継続的に行ってください。
現在確保しているSCP-XXXX-JP-aへ実験等を行う場合は担当者である担当博士の許可が必要となります。
説明: SCP-XXXX-JPは███の██市内の山に群生していると思われる異常植物です。藤宮氏の証言よりハナニラ(Ipheion uniflorum)に酷似していると予想されていますがSCP-XXXX-JP自体の発見に至っていないため実際の外見は判明していません。
SCP-XXXX-JPの異常性は生物もしくは人(以降対象と呼称)がSCP-XXXX-JPに近づいたときに発生し、SCP-XXXX-JPに近づいた対象に後述する異常性を付与します。この現象のあと対象は気絶し、その後SCP-XXXX-JPはその場から消失します。この現象に条件があるのかどうかは外見と同様の理由で不明です。また、SCP-XXXX-JPの影響を受けた対象をSCP-XXXX-JP-aとします。
SCP-XXXX-JP-aはこのイベントのあと異常的な死への回避能力を得ます。(刃物で刺しても急所を外れ手当が間に合う、首を吊ろうとすると締めてあった紐が解け失敗する等。)この異常性は本人の意思に関係なく常に発動しており、現在SCP-XXXX-JP-aを殺害することは不可能と結論づけられています。しかし藤宮氏以外のSCP-XXXX-JP-aが見つかっていないことから寿命による衰弱死だけは対象外であると予測されています。 しかし例外として寿命による衰弱死だけは有効であり、衰弱死においてのみSCP-XXXX-JP-aを殺害することが可能です。
以降は唯一発見されたSCP-XXXX-JP-aである藤宮氏への最初のインタビューログになります。
インタビュー記録SCP-XXXX-JP - 日付19██/8月/12日
インタビュアー : 夕博士
対象 : 藤宮氏
補足 : 話を円滑に進めるため藤宮氏には財団のことを説明済みである。この時点で藤宮氏がSCP-XXXX-JP-aである確証がなかった為、SCP-XXXX-JP-aでなかった場合はBクラス記憶処理を施して解放する予定であった。
<録音開始>
夕博士: 藤宮さんですね。私はSCP財団という不思議な力を持つ人や物を回収してる団体の、夕という者です。本日はよろしくお願いします。
藤宮氏: はい、夕さんですね。こちらこそよろしくおねがいします。
夕博士: では早速本題に入りましょうか、最近この地域周辺で"早朝に海に飛び込む霊が居る"という噂を耳にしたのですが、あなたのことで間違い無いでしょうか。
藤宮氏: おそらくそうですね。少し事情がありまして。
夕博士: 事情…? 差し支えなければ話して貰ってもよろしいでしょうか。
藤宮氏: …わかりました。少し長話になるので楽にしてもらっていいですよ。
[夕博士が軽く態勢を崩す]
藤宮氏: 遡ること20年…いや21年ですかね。私今はこんな海の近くに住んでますが昔は山の中の小さな村で育ったんですよ。自分で言うのも何ですが、なかなか生意気なガキでして、家の手伝いもせず田んぼとか山とかをずっと走り回ってました。
藤宮氏: そんなある日とある不思議な話を聞きまして。
夕博士: 不思議な話…?
藤宮氏: あぁ、都市伝説みたいなものです。学校の七不思議みたいな、どこにだってあるアレです。
藤宮氏: その話というのが、██山の山中に黄金に輝く花がありそれを見つけたものは不老不死に成れるとかなんとか。冷静に考えると信憑性のない子供騙しでしたが当時の遊びの少ない私達に取っては魅力的な話でしてね。友達集めて探しに行ったんです。
藤宮氏: そこそこ探し回ったんですが、まぁ案の定全く見つかる気配が無くてですね。友達も流石に飽きてしまったのか、もしくは暗くなってきたからか段々と人数が減っていき、恥ずかしいことに夢中になっていた私はいつの間にか一人になってまして。
[藤宮氏が少し笑う]
藤宮氏: そのうち足元も見えなくなってきたため私も帰ろうと思いまして。そしたらですね、帰り道横の林の奥がなんだか光ってるんですよ。怖さもありましたが興味が勝って恐る恐る近づいてみました、そしたらですね…
夕博士: 話に出てきた花があった、と。
藤宮氏: そうですそうです。話とは違って黄金ではありませんでしたが何故か光ってる花がたくさん生えてたんです。不思議ですよね、さっき散々探した場所の週間はずなんですが…。
夕博士: たしかにそんなにあったら気づきそうなものですね。光る不思議な花…ですか、花の特徴などは覚えていますか? この花に似てるとか。
藤宮氏: すみません、そこまでは…。ただ衝撃的な光景故、外見はまだ覚えてますよ。図鑑などがあればもしかしたら…。
夕博士: わかりました。ではまた次回確認させてください。
藤宮氏: はい、わかりました。では話戻しますね。そんな光景を暫く眺めてる間に私眠っちゃったみたいで、私を呼ぶ声で目覚めました。暗くなっても家に帰らないものだから村の人たちが探しに来てくれてて、まぁそれなりに怒られましたね。夜の山は危ないですし。しかしまた不思議なことがありまして、あんなに咲いていた光る花を誰一人として見てないというのです。
藤宮氏: それ自体も不満だったのですが、何よりそんなもんだから誰一人として私の話を信じてくれる人が居なくてですね、結局私が疲れて見た夢ということになってしまいました。
夕博士: それは残念でしたね…。しかし本当に不思議な話ですね、突然姿を現したり消したり。不老不死も本当だったりして…?
[藤宮氏が黙る]
夕博士: あ、いやすみません。もしかしてあまり話したくない話だったりしますか?それなら一旦今日はここで…
藤宮氏: すみません、大丈夫です。少し思い出が蘇っただけなので。不老不死になったかという話でしたよね。結論から言うと恐らくなれました。しかしこちらも話とは少し違うもので、ほら不老なのに普通に歳取ってるでしょう。不死の方も……いや話を続けましょう、後々出てくる話です。
藤宮氏: 時は経ち数十年後、やんちゃだった私にも嫁と娘ができまして。娘も元気に育ち、楽しい日々を送っていました。確か結婚する数年前でしたね、こっちに越してきたのは。その頃にはもう花の事など忘れていました。不老はともかく不死に関しては調べる気にもなりませんからね。
[藤宮氏が少し笑う]
藤宮氏: …恐らくですが、今この家に嫁と娘の姿が無いことが気になってますよね。
夕博士: ええ、まぁ…。聞いていいのか悩みましたが。
藤宮氏: 良いんですよ、この話の要にもなってくるので。
夕博士: では聞かせてもらいます。2人は今どこに?
藤宮氏: 2人とも他界してしまいました。…いやこの言い方は適切では無いですね、私が殺しました。愛する妻と6歳になる娘、2人共。
[驚きからか夕博士が黙る]
藤宮氏: まぁそういう反応になりますよね。話を戻しましょう。そんな感じで幸せな日々を過ごしていたある日、風が少し強く暑かった日のことです。3人でそこの浜辺で遊んでたんです。
藤宮氏: 娘も6歳になりましたし、もちろんちゃんと近くで見てはいましたが一人で遊ばせてたんです。…妻に呼ばれ後ろを振り返った直後でした、大きな波が来て海の方を見たときには娘は居ませんでした。
[夕博士は黙っている]
藤宮氏: 血の気が引きましたね、急いで海に入り探しました。離岸流が思ったより強く不安で頭がおかしくなるかと思いましたが、陸から離れたところに娘が浮いていました。無我夢中で泳いであと少しのとこまで来れました。
藤宮氏: ホッとした瞬間でした。さっきまでなかったはずの大波が私と娘を分断しました。おそらくこの時に気絶したんでしょうね、次の光景は浜辺から見上げる空で、そしてそこには娘はもう居ませんでした。
[夕博士は黙っている]
藤宮氏: 助けられなかったことと一瞬でも目を離してしまったこと、この2つのショックが大きく数日は何もする気になれませんでした。ただそれよりも妻が…
夕博士: 大丈夫ですか? ここらでも…
藤宮氏: いえ、ここまで話したのですからすべて話しましょう。大丈夫です、少し言葉がつまっただけなので。私も強がりにも平気な状態とは言えませんでしたが、それよりも妻のダメージが大きく本当に何もしない状態になってしまっていました。私が仕事に行ってる間娘の世話をしてくれていたのは妻でしたし、過ごした時間が長い分失った辛さは大きかったのだと思います。
[しばらくの沈黙]
藤宮氏: ある日仕事から帰ると家に妻の姿はありませんでした。嫌な予感……というかもう察していたと思います。数日後妻がいつも履いていた草履が片方、浜辺に打ち上げられていました。
[夕博士は黙っている]
藤宮氏: 心底どうでも良くなりましたね、何もかも。何もしたくないし、そもそも何かする必要も消え失せましました。いっそのこと死んでしまおうと考えました、どうせなら私も海に飛び込んで2人に会おうと。
藤宮氏: 覚悟を決めて飛び込んだんです。どうなったと思いますか?
夕博士: …生き残ったんですよね。今こうして話しているわけですし。
藤宮氏: そのとおりです。あえてそこの崖から、岩場で流れの速いところを選んだにも拘らず生還したのです。奇跡ですよね、神様が生かしてくれたに違いない。
藤宮氏: ここで気づきました、あの花。あれ、怪我をしても回復するとかではなく危険を回避したり絶体絶命な場面でも奇跡的に生き残るってことだったんです。
[夕博士が何かを察したような顔をしたあと暗い表情を浮かべる]
藤宮氏: あ、あなたも気づいたようですね。娘と私を引き裂いたあの大波、幸せな生活を引き裂く結果となったあの大波、長年少なからず恨んでいたあの大波、原因は私でした。
藤宮氏: あの波さえ無ければ娘に辿り着けたかもしれないのに、危険だとしても他の人が助けに来てくれたかもしれないのに。私は無意識にも自身の安全を優先してしまった。
夕博士: …藤宮さん、気持ちはわかりますが自分を責めるべきではない。その大波はあなたではなくあの花が…
[藤宮氏が食い気味に答える]
藤宮氏: そうですね、しかしあの花を探したのもまた私の意思。目を離し近づき止めをさした。もう言い訳を考える気力も要素も無い。
藤宮氏: この事故を知った人は皆、あなたのように気遣ってくれました。……ただできるなら人殺しと責めてほしかった。
<録音終了>
補遺: 20██年藤宮氏の容態が悪化。助かる見込みが薄かったため藤宮氏の要望で藤宮氏を海に落とすことになりました。しかし、翌日に藤宮氏の遺体が浜辺に打ち上げられていたため担当チームが回収しました。
結局、帰れなかったか -██博士
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6835376 (17 Sep 2020 08:50)
わかばコンテストにエントリーさせていただきます。
スポイラー
批評ありがとうございます。
異常な生還能力を得たがために妻と子供を殺してしまった男性の話にした…つもりです。異常性よりストーリーに力を入れたので、話の展開が面白かったか等を特に見てもらえると助かります。(もちろん誤字脱字や不審な点の指摘も助かります。)
よろしくおねがいします。
こんにちは、コンテストスタッフです。
異議1がある場合は、このコメントに返信するか、SCP-JPイベント委員会(コンテストハブに記載)までご連絡ください。
すみません、焦ってスポイラーを書くことを忘れていました。
改めてエントリーよろしくおねがいします。
拝読しました。あまり面白くありませんでした。
まず異常性が「人を不死にするオブジェクト」というもので、その形が奇跡的な危機の回避を取っているとしても、オリジナリティに欠ける部分があります。
また、折りたたみ内の批評の最後部で述べていますが、特に最後の展開の違和感が大きいため、展開の調整が必要です。
ストーリーの面白さはあまり大きくはありませんでした。というのも、どうしても「不死者が愛する者の後を追えずに苦しむ」という展開はSCP内外を問わず非常によく見る展開であるからです。
とはいうものの、本記事がこの話をやるために描かれたものであるため、残り一週間という短い期間で抜本的な変更は難しいかもしれません。そのため、雰囲気を出したり共感してもらうための工夫が必要になってきますが、現状雰囲気以前に報告書として不自然な表現等が非常に多く、それが気になって雰囲気等に適切なアドバイスをすることが難しい状況です。一旦下に不自然な点を列挙しましたので、まずはそれらを修正するところからはじめる必要があると思います。
批評に対するご意見・ご質問で返信が必要なものにつきましては、ディスカッションで返信の形で投稿いただいたうえで、PMにご一報ください。SB3のフォーラムは追っていませんので、ディスカッションへの投稿だけだと気づけない場合がございます。
言われてみると財団が異常オブジェクトを海に流すというのは確かにおかしかったですね。あげていたアイデア含め、ストーリーの展開などをもう一度考えてみようと思います。他にも細かいところまで見てくださりありがとうございました。
追記:自己紹介をする際の団体名は正式名称で呼ぶと思うのですがどうでしょうか。財団世界での正式名称がどれなのかわからないのですが、ここだけ気になったので教えていただけると幸いです、すみません。
財団の中では正式名称が一応「財団」という扱いだったと思うので、自己紹介時も基本的に「財団」でよいと思います。
批評に対するご意見・ご質問で返信が必要なものにつきましては、ディスカッションで返信の形で投稿いただいたうえで、PMにご一報ください。SB3のフォーラムは追っていませんので、ディスカッションへの投稿だけだと気づけない場合がございます。
了解です。ありがとうございます
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